車のエンタメ
更新日:2021.05.28 / 掲載日:2021.05.28
「はたらくくるま」図鑑 市場編 ターレとは?
市場ではたらくくるま
今回の「はたらくくるま」、紹介するのは卸売市場などで運搬の主力となるターレット・トラック、通称“ターレ”だ。車両の先端の円筒部分にパワーユニットと操舵システムを収めた3輪の“はたらくくるま”である。
右へ左へ、荷物を積んで走る!!

今回迫るのは
「ターレ」だ!
国内ナンバー1のターレ・メーカー、関東機械センター
今回、取材した“はたらくくるま”のターレは、株式会社関東機械センターの製品だ。同社のターレの製品名は「マイテーカー」となる。同社は、1969年に設立した動力運搬車メーカーで、ターレの国内シェアは約70%。多種多様な車両を販売するだけでなく、全国各地の卸売市場にメンテナンスなどを行う出張所や関連会社を構えているのも特徴だ。
小さく、小回りがきき、それでいて力強い
各地の農産物や魚介類、そして生花などを集積し、それをスーパーなどの小売店へ再配分する卸売市場。そこでは、小さくて小回りが利き、それでいて力強い運搬車が求められた。そうしたニーズに応えたのがターレット・トラック、通称“ターレ”であった。
これは車両の先端の円筒部分にパワーユニットと操舵システムを収めた3輪の小型運搬車だ。先端の円筒部分が、小さな塔(タレット)と似ているのが名称の由来とか。発祥は海外であったが戦後日本で独自に発展。現在は、日本全国の卸売市場などで1万台以上が稼働しているという。
ターレは法律的に小型特殊自動車に属しており、最高速度は時速15km以下に制限されている。普通免許があれば運転は可能。バックミラーやウインカーを装着してナンバーを取得すれば、公道走行も可能になる。東京都の築地市場の引っ越しのときに、新しい市場に向かって走るターレの列がニュースになっていたことを思い出す人もいるはず。
街中では見かけることはないが、我々の生活を支える、重要な“はたらくくるま”がターレなのだ。
マイテーカー「BN-33」

バッテリー駆動の最新モデル
全幅 1115mm
全高 1760mm全長 3200mm
マイテーカー BN-33
寸法:全長3200×全幅1115×全高1760mm、ホイールベース:1930mm、荷台寸法:1100×1950mm、タイヤ寸法:4.00-8、車両重量:750kg(参考値)、電圧出力:2.4kW/60分(参考値)、バッテリー:EB130×4個、充電方式:AC100V/15A、最高速度:14.6km/h、最大登坂力:7度、最大積載量:990kg(公道走行時500kg)、価格:154万5000円
オレンジ色のリングの部分をつかんで操舵を行う。内側の黒い部分がアクセルとなり、下に向けて押し込むと加速。左のレバーで前進・後退を選択。リング右下にウインカーがある。

車両先端にある円筒部内にパワーユニットが納まり、その下に前輪が固定されている。円筒部分全体が回転することで転舵する。青いモーターから前輪まで、動力はギヤで伝えられる。

バッテリーは鉛電池だが充電式。AC100V/15Aで充電を行う。日常的には「通常充電」を行うが、複数あるバッテリーの充電ムラを均一化するため、たまに「均等充電」を実施する。

取材した車両は、鉛電池「EB130」を車体中央の荷台の下に4個搭載する。電圧は48Vで利用している。「GC200」バッテリーを8個利用する仕様も用意されている。

マイテーカーBN-33は最新モデルということで、モーターの出力を前輪に伝えるのにギヤドライブ式を採っている。従来のチェーン式よりも低騒音でメンテナンスも楽になった。