オートサロン
更新日:2025.01.31 / 掲載日:2025.01.30
憧れの“ボンドカー”が蘇る! 走らせたい現代の名車、ロッキー2000GT
今年も熱狂のうちに幕を閉じた東京オートサロン2025。国内外の主要自動車メーカーを始め、全国のカスタムショップが腕にヨリをかけて製作したカスタムカーは、どれもロマンが詰まった会心作ばかり!
映画「007」シリーズでジェームズ・ボンドが駆ったボンドカーと言えば、世界のクルマ好きをトリコにしたヒーローの象徴。そんな憧れの一台を、ロッキーオート(愛知県岡崎市)が完全再現! 夢のような一台の魅力を、同社の渡辺喜也社長にアツく語ってもらったぞ!
トヨタ2000GTを愛した“レジェンド”が監修

「Rocky2000GT Open-Model」は、トヨタとヤマハ発動機が共同開発し、1967年~1970年まで販売されたスポーツカー「2000GT」を再現したレプリカモデル。しかも1967年上映の『007は二度死ぬ』にボンドカーとして登場し、撮影用に2台が製作されたのみで市販化されなかったオープンカー仕様を、職人のハンドメイドで忠実に再現したという入魂の一台だ。
ちなみに、ロッキーオートが手掛けたボンドカーの再現モデルは、2024年に完売したという「Rocky3000GT」に続く“2代目”。その名の通り、排気量を初代の3,000cc(3ナンバー)から2,000cc(5ナンバー)としているのが特徴だ。

2000GTの完全再現においては、チームトヨタのキャプテンとして車両開発に長年携わってきた故・細谷 四方洋(ほそや・しほみ)氏の存在が大きかったという。渡辺社長は「細谷さんに監修に入っていただき、指導をいただきながらクルマを完成させた。細谷さんの遺志を継いで、しっかりした形で世の中に出していきたい」と語る。

Rocky2000GTを完成させるうえで外せない最大のポイントは、オリジナルを忠実に再現した流麗なシルエットだ。「細谷さんから、“この美しいラインは野崎さん(※)が精魂込めて描いたもの。この『野崎ライン』を忠実に再現し、後世に残してほしい”と伝えられた」と、渡辺社長の解説にも熱がこもった。
※野崎喩(のざき・さとる)氏。工業デザイナーとして2000GTなどトヨタの名車を手掛けた。

流麗なボディと共にRocky2000GTの格調の高さを醸し出しているのが、フェンダーミラーやドアハンドル、バンパーといったパーツ類。これら一つ一つの部品も金型を起こして製作された。「費用は言えないぐらい掛かってるんですけど、忠実に作った部品は確実に、誰もが驚く内容だと思います」と胸を張る。

アナログ表示に滋味を感じる7連メーターやスピードメーターも、当時の2000GTをしっかりと再現。ただし、このメーター類はLEDを組み込み、見やすい表示とするなどの“ひと手間”も加えられている。「当時の本物のクルマにある“メーターが暗くて見えない”といったデメリットは、現代の技術で全て解消した。使い勝手が良く、お客様のために良い状態のものを提案できるよう心掛けている。“旧車はこうなんだ”と再現するだけでなく、いかに気分よく使えるかという点にもこだわった」という。パワステやエアコンを標準装備としている点にも、“憧れだけでは終わらない。誰にでも乗れる、買える”という信念がにじみ出ている。

旧車のスタイルにこだわりつつも、快適に乗れるクルマを追求するロッキーオートの姿勢は、渡辺社長の強い想いの表れだ。「旧車が好きだけど、壊れるのはステータスじゃない、やっぱり壊れないクルマがいい。壊れないクルマでこのスタイル、そして快適に乗れるというのが大事。お客さんが“かっこいい、お金払って買った価値があった、乗って気持ちが良い”と喜んでもらえるもの。お互いの意見をキャッチボールして納得したものを提供していきたい」。
にこやかに語るその表情は、誇りに満ちていた。
車両データ
エンジン | 直列6気筒24バルブ |
排気量 | 1,990cc |
出力 | 150ps/5,900rpm |
トルク | 190.2Nm/3,500rpm |
ホイール(FR) | 7J |
タイヤ(FR) | 205-50-16 |
ロッキーオート 公式HP:
https://rockyauto.co.jp/