車のエンタメ
更新日:2018.11.07 / 掲載日:2018.02.16
世界初のガソリン自動車、ベンツ製「パテント・モトールヴァーゲン」に乗る!

ところで、みなさんは世界で初めてガソリンエンジンを搭載したクルマが走っている姿、見たことあるでしょうか? 世界初のガソリン車というのは、1886年から1893年にかけて7年間で25台が製造された「ベンツ・パテント・モトールヴァーゲン」です。前1輪、後ろ2輪の3輪自動車で、単気筒のエンジンを後部に積んでいました。
その「パテント・モトールヴァーゲンを走らせてみた!」という動画がこちらです!

エンジンを始動させるには、後部の大きなフライホイールを「えいやっ!」と回します。昔、MT車のバッテリーがあがってしまったときに「押しがけ」したのも、この原理の応用です。

何度もフライホイールをまわします。空回りして、空回りして、「かかった!」と思ってもエンストしたりして、けっこうな重労働です。現代のクルマのようにスターターボタンを押せばエンジンが始動するというのは、当時からしたら夢のようでしょう。キーを回して始動するだけでも、ものすごい進歩だということがよくわかります。

映像は編集されているため何回目のトライでエンジンがかかったのかわかりませんが、ようやく動きはじめたエンジンの燃焼を安定させるため微調整をしていきます。

タイヤは細く、シートは高く、クルマが「馬車」からアイデアを得て生まれたことがよくわかるつくりです。ハンドルも、いまのクルマのような円形ではなく「舵」という感じです。

エンジンはフードがなく剥き出しなので、走っているときに草がからまったり異物が当たったりしたら……と思うと、ちょっと心配になってしまいますが、考えてみると、パワーもスピードもさほど出ないので、万が一のことがあっても大きな事故にはならないのかもしれませんね。
パテント・モトールヴァーゲンのレプリカは、日本でもイベントで展示されたりデモ走行をしていることがあります。こちらの動画はフロントから撮影されていて、エンジンの調整をしている様子がよくわかります。
132年前に誕生したパテント・モトールヴァーゲンが、人間の移動手段を変え、物流を変え、そして生活を大きく変えました。これからも、クルマが進化していくほどに、最初の一歩の偉大さをあらためて認識させられることになるのではないでしょうか。