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更新日:2023.12.11 / 掲載日:2023.12.09

【クラシック・ジャパンラリー2023】豪華寝台列車とクラシックカーの素敵な関係【九島辰也】

文●九島辰也 写真●村田尚弥、クラシック・ジャパンラリー

 クラシック・ジャパンラリー2023を観てきました。場所は九州・門司港。レトロな雰囲気たっぷりの門司港駅前広場におよそ50台のクラシックカーが並びました。そう、ここは四日間のラリーイベントのゴール。そのセレモニーと夜の表彰式に参加するため久しぶりに九州へ足を伸ばした次第です。

 そもそもクラシックカー好きが高じて2007年からこうしたラリーイベントに参加していました。モータージャーナリストの仕事のメインは新型車の解説とロードインプレッションですが、クラシックカーを知れば現代車両をより理解できたりします。イタリア車のデザインや英国車のマニアックな機関に対するこだわりはめんめんと続いていますからね。ジャガーのドライビングポジションは現行型もXK120もそう変わらないことを体験できます。ブランド哲学ってやつでしょう。

 ただこうしたラリーイベントの参加はここ数年遠のいています。時間に余裕があれば出場したいのですが、なかなかタイミングが合わないのが実情。なので、昨年末にクラシックカーを手放してしまいました。残念。

 そんな折、当時のクラシックカーラリーの仲間でもあり、今回の主催者である岡野氏からお声がけいただきました。「観に来られませんか?」と。嬉しいですね、こういう心遣い。

 クラシック・ジャパンラリー2023は前述した通り、四日間のイベントになります。スタートは博多。そこから佐賀を通って長崎の雲仙観光ホテルまたはMt.Resort雲仙九州ホテルで一泊目を過ごします。二日目は島原港からクルマともどもフェリーで熊本港へ。でもって熊本北部を北東に走り大分県別府市で二泊目を過ごし、三日目は一度福岡県に入って門司港を経由し山口県を走るというコース。山口は何度か走ったことがありますが、とても良い印象が残っています。角島あたりは交通量が少なく気持ちよかったなぁ。

 なんて感じのツーリングイベントですが、途中にPC競技、通称“線踏み”が多数用意されます。決まった距離を指定さえた秒数で通過する競技ですがこれがなかなか難しい。なんたって100分の1秒まで計測しますから。常連の参加者はその達人ばかりです。ワタクシは正直苦手でした(笑)

 といった内容もそうなんですが、皆さんに伝えたいのは実はラリースタート前四日間なんです。クラシック・ジャパンラリー2023の正式なタイトルは「クラシック・ジャパンラリー2023セブンスターズイン九州」となります。感の良い方ならもうお分かりですよね。「ななつ星 in 九州」、つまりJR九州のあの豪華寝台列車を使ったイベントなんです。

 ユニークなのは列車で旅をする合間に、クラシックカーで走行する区間を設けていること。その場所(駅)に着くと自分のクルマが用意してあり、セレモニーを行った後走り出します。コースは鹿児島や宮崎といった南九州エリアなので、その後のラリーイベントとはかぶらないようになっています。そして区間を終了するとまた列車に乗車するというスケジュール。なんて贅沢なんですかね。ななつ星に乗るだけでも豪華な旅なのに、その合間に愛車でドライブできるなんて。クルマ好きにはたまらない夢のような時間でしょう。お見事です。

 そんなことができたのはもちろんJR九州の全面的な協力があってのこと。想像するに、かなり柔軟に対応してくれていると思います。ですが、主催の岡野さんは表彰式の最後にこう笑いながら言っていました。「数年前初めて企画書を持ってJR九州さんに伺った時はまったく相手にしてもらえなかった」と。いやぁ、彼らの努力の甲斐あってのななつ星とのコラボ企画なんですね。感動です。

 と言うことで、ご興味を持った方はネットで“Classic Japan Rally 2023 SEVEN STARS in KYUSHU”をチェックしてみてください。豪華なコンテンツの詳細を見ることができます。妄想旅してみたりして。

 それにしてもいいですよね、こういう企画。欧米には富裕層向けの旅企画はたくさんあるのに日本ではあまりお見受けしません。豪華客船くらいかな。でも途中下船して大型バスで観光地に連れて行かれてもね。それじゃ団体旅行感は拭えません。成熟した文化や国をつくるにはこうしたコンテンツは必須なんですよね。クラシック・ジャパンラリーの今後を期待します! がんばれー!

Classic Japan Rally
Classic Japan Rally のメインテーマは「美しい日本、次の世代へ」。日本の風景が持つ四季折々の美しい表情を紹介し、また各自治体の地域活動プロジェクトと連携して、子どもたちとの触れ合いをとおしてカースポーツ文化、モノづくり、古きものの大切さを次の世代に継承します。
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九島辰也(くしま たつや)

ライタープロフィール

九島辰也(くしま たつや)

外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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