イベント
更新日:2024.05.29 / 掲載日:2024.03.06
クルマ初心者が富士スピードウェイへ。走行会イベントで垣間見えた新たなクルマの魅力。

クルマを囲んで談笑したり、期待に満ちた眼差しでリザルトを確認したり、サーキット中に漂うタイヤの焼ける匂いに心躍らせたり。いわゆる“クルマ好き”とされる人たちのそんな様子を見ているうちに、これまで見えなかったクルマの魅力が垣間見えた ー 。
3月2日、富士スピードウェイにて行われたサーキット走行会「2024 ADVAN Circuit Experience(アドバンサーキットエクスペリエンス)」には、ざっと200台近いクルマが集い、オーナーたちは思い思いにチューンした自慢の愛車を名門サーキットで走らせることを心待ちにしていた。今回、クルマへ並々ならぬ愛情を注ぐオーナーが集まる同イベントへ参加し、奥深き”クルマの世界”を体感してきた。
走行会兼オフ会。まだ見ぬクルマの魅力発見なるか?!

ヨコハマゴムの乗用車向けタイヤのハイエンドブランド「アドヴァン」による同イベントは、レーシングドライバー織戸学氏によるカーライフコミュニティ「オリドパラダイス」と同じくレーシングドライバー平手晃平氏が主宰する「車で遊ぼう!」の協力によって開催されるサーキット走行会。
無論、名門サーキットである富士スピードウェイを愛車で走ることができる走行会をメインプログラムとしているが、参加者同士の交流を深めるオフ会としての意味合いもあり、場内には個性豊かなクルマとそれを取り囲むようにして会話するオーナーたち。お互いの愛車を称え合いながら、嬉々として情報を交わし、写真を撮ったり、終始穏やかで和気あいあいとした空気が流れていた。
他にも、トークショーやブランドの出展ブースも立ち並んでいたりと、見どころも十分。案外、一見さんでも入りやすそうだ。


名門サーキットを愛車で疾走。思わず惹き込まれる情熱の走行会。

走行会では、サーキットはもちろんのこと、普段はなかなか入ることのできないピットガレージも開放され、レーサーさながらに出走前の手入れを行い万全の状態で走行へと望むことができる。
人生初サーキットにして初のピット潜入となった筆者にしてみれば、当然、映画の舞台裏を覗くように新鮮な体験だったわけだが、慣れた手つきで愛車のメンテナンスを行う参加者たちもまた、普段家のガレージで行うそれとは明らかに気持ちの乗り方が異なっていたに違いない。パドックで談笑していた時とは打って変わって、ピットで自らの出走順を待つドライバーたちの顔には、緊張と高揚が入り混じり、ピリッと引き締まったいい表情が見て取れた。


予想外の降雪でスリップ多発! 天候も関わる奥深きレースの世界

走行会は、全4グループに分かれて、各グループ20分ずつ3本の走行タイムが割り振られており、一度で大体7〜8周走行ができるというもの。各パートごとに走行タイムのリザルトが出力されるため、ドライバーたちは走行後にリザルトを見ながら自分の走りを振り返ることができるのだが、サーキット走行の面白さはまさにここにあるようだ。

あそこのコーナーをもっと攻められていたら…とか、最終の立ち上がりでもっとアクセルを踏めていれば…とか。己の理想の走行イメージに近づけるべく反省と改善を繰り返し、タイムを徐々に縮めていく様子はまさにアスリートのようで、傍から見ていて、なんだかとても楽しそうに見えてきた。
そんな折、ふと気がつけばサーキットには雪がちらつき始め、あれよあれよという間に本降りに。視界が遮られるほどの降雪にあわや中止かと不安げなドライバーたちをよそ目に走行会は続行。


結果的に大きな事故やトラブルもなく終わったが、やはり突如の降雪は少なからずドライバーを苦しめていた。ヘアピンコーナーではスリップを誘い、ストレートではアクセルを踏み込むドライバーの足に躊躇いを起こす…。それでも変化する状況になんとか対応しようと思考を凝らし、最適な操縦を行うドライバーたちの情熱は、クルマ初心者の関心を引くには十分で、これまで”クルマの走り”に無頓着だった筆者にもこうしたクルマの楽しさが伝わってくるようだった。取材後、グーネットアプリの「お気に入り」にこれまで入れたことのなかったスポーツカーを追加したことがその何よりの証拠だ。
カーライフを謳歌するニュージェネレーションをスナップ
最後に、現地で見つけたカーカルチャーを受け継ぐ若きクルマ好きたちのスナップを公開。愛車について尋ねれば、口調滑らかに応えてくれる彼らからもまたキラキラと輝くクルマの魅力を教えてもらった。
「見た目は純正のまま、中身をいじるのが好きなんです」

ホンダが好きだというともやさんの愛車は、2022年式のシビック タイプR FL5。購入の決め手としては「もともといつかは乗ってみたいと思っていたクルマなんですが、EVやハイブリッド車が普及する中で、シビックタイプRのガソリン車の発売はこれが最後かもしれないと思い、思い切って購入しました」と変わりゆく自動車業界の情勢が後押しになったそう。以前はアコード CU2に乗っていたというだけに、ホンダへの愛情を確かに感じられる。

自身のこだわりについては「見た目は純正が好きなのであまりいじらず、エアクリやスロットルボディなど中身をいじるのが好きなんです」と語ってくれた。
「子供の頃から憧れていた1台。乗れる限り乗り続けます」

ブラックのボディが美しい93年式の日産シルビアS13に乗るマーシーさん。人生初のマイカーだというシルビアは小さな頃から憧れていた1台だということもあり、免許を取る1年前に購入したのだそう。24歳にして購入からすでに6年をともにしている愛車は今後も売る気はなく「乗れる限り乗り続けたいです」と語ってくれた。

走行会には度々参加しているというマーシーさんだが、富士スピードウェイを走るのは今回が初めて。ゲームでの予習でイメージはばっちりできているという名門サーキットでの愛車との走行を噛み締めていた。
「念願だったスポーツカー。試乗したらグッときて翌日に購入しちゃいました」

大きなウイングが特徴的なこちらの1台は、2019年式のGRスープラ SZグレード。もともと最初の1台はスポーツカーと決めていたそうで、いくつか候補があったそうだが、ディーラーでこちらを試乗してみたところその走りの良さに魅力を感じ翌日には購入したのだとか。イベントやサーキットには年に数回通っているそうで、念願のスポーツカーライフを謳歌している。

友人の影響で学生時代からクルマの魅力に魅せられたそうで、愛車に対する思い入れは一段と強く「壊れるまで乗り続けたい」と語ってくれた。