日本カー・オブ・ザ・イヤー
更新日:2024.11.29 / 掲載日:2024.11.29

COTYの疑問が丸わかり!「日本カー・オブ・ザ・イヤー」ってどんな賞?

 一年の締めくくりといえば、日本カー・オブ・ザ・イヤー(以下COTY)。2024年11月6日、2024-2025COTYの10ベストカーが発表されたニュースを耳にしたひとも多いはず。でも、10ベストカーってなんだろう……? どうして10台も選ばれるの? などなど、いまさら聞きにくい疑問を感じたひとも多いのではないだろうか。そこで今回は、COTYにまつわる素朴な疑問をQ&A形式で解説していこう。

Q1.そもそも日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)ってどんな賞なの?

A1.その年の最も優秀なクルマに送られる賞のこと

 毎年耳にするCOTYという賞典、じつは長い歴史があるのをご存知だろうか。創設されたのは今から44年前となる1980年のこと。日本のモータリゼーションの発達、そして我々消費者へ最新モデルや最新技術を周知することを目的に始まった。運営するのは、一般社団法人「日本カー・オブ・ザ・イヤー」が構成する日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会だ。そこで、その年に最も優れたクルマに対し、「日本カー・オブ・ザ・イヤー」が贈られる。創設以来、日本を代表するクルマの賞典として世界からも高く評価されている。

Q2.どんなクルマが選出されるの?

A2.前年11月1日から当年10月31日まで、日本国内で発表された全ての乗用車

 COTYにノミネートできるモデルは規定がある。まず、前年11月1日からその年の10月31日に“発表”されたモデルということ。あくまで発表日が基準なので、例えば前年の10月に発表され11月に発売された車種は原則対象外となる。さらに、いくつか細かな規定があるので、重要なものをピックアップしてみよう。

・継続的に生産・販売され、一般消費者が購入できること。

 いわゆるメーカーのカタログモデルがこれに該当する。初回生産限定モデルや、高級車にありがちな購入に特別な条件が付されたモデルは対象外となる。また、原則乗用車のみだが、個人利用可能な商用車もノミネートできるようになった。

・新しいコンセプトに基づいて作られていること、本質的に新しい機構の採用、新しいボディやパワートレイン等の採用。これらを少なくとも1項目満たしていること。

 COTYの選考対象車には、上のような記述がある。簡単にいえば「ニューモデル」や「フルモデルチェンジ」のモデルであることを指している。マイナーチェンジや小改良のように、内外装が少し変わった程度では不可ということだ。ただし新しいパワートレインを搭載した追加グレードであれば対象になる可能性がある。たとえば第40回の2019-2020 COTYでは、アルファロメオ ジュリア/ステルヴィオが途中で追加されたディーゼルモデルがノミネートされている。

Q3.COTYの選考委員になるにはどうしたらいい?

A3.実行委員の推薦を受ける必要がある

 そもそもCOTYはどのような人たちが選んでいるのだろうか。これは、選考委員という有識者によって選ばれている。選考委員は60名を上限とし、自動車や自動車社会に対する相応の知見がある人たちで構成されている。ところで、「自分もCOTYの選考委員になりたい!」と思った場合、それは可能なのだろうか。自動車好きなら一度はクルマを選んでみたいと思ったことがあるはずだ。選考委員になるためには、COTYの実行委員から推薦を受け、さらに候補者の中から実行委員の投票で上位60名のなかに入らなければならない。その狭き門ゆえ、一般の人がCOTY選考委員になるのはなかなか難しそうだ。ちなみに、実行委員は主に自動車メディアを発行・制作している会社の正社員で構成されている。選考基準は各々の選考委員に委ねられているが、概ねコンセプトやデザイン、性能、品質、安全性、環境性能、コストパフォーマンスなどを総合的に判断して選ぶことが多い。

Q4.10ベストカーって何?

A4.第一次選考で選ばれた10モデルが「10ベストカー」と呼ばれている

 選考にはいくつかのステップがある。まずは、前述の基準でその年にノミネートされるクルマが選ばれる。最終的にこれらを決めるのは、実行委員会。その後、第一次選考が行われ、ノミネート車のなかから10台選ばれる。簡単にいえばCOTYの予選のようなものだ。この予選を勝ち進んだクルマ10台が「10ベストカー」と呼ばれるもの。これは選考委員の記名投票によって選出され、結果も公表される。10ベストカーは得票数にばらつきが出るが、優劣はなくすべて同格とみなされる。

 次に、第二次(最終)選考が行われる。これは持ち点配分法が導入され、各選考委員は16点の持ち点を対象車10モデルのうち3モデルに配点。そのうち最も高く評価したものに、必ず10点を配点しなければならない。同様に2位には4点、3位には2点を配点。これらの得点を合計し、最高得点を獲得したクルマに対し、当該年度の「日本カー・オブ・ザ・イヤー」とトロフィー与えられる。

Q5.輸入車でも日本カー・オブ・ザ・イヤーに選ばれるの?

A5.輸入車も日本車と同じ条件で選ばれる

 輸入車も原則的に日本車と同じくCOTYを獲得することができる。ここ最近だと、2017年にボルボXC60、2018年にボルボXC40が連続でCOTYを獲得している。しかし日本で企画開発されたクルマ(日本ブランドの逆輸入車も含む)がCOTYを獲得した場合、第二次選考で最高得点を獲得した輸入車には「インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」が与えられる。

 これに加え、部門賞として「デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー」と「テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤー」も設定。これらは、ノミネート全車から選考委員が部門ごとに1点の持ち点を配点し、その合計で決まる。

2024年はどのクルマがCOTYに輝く? あなたの本命はどれ?

 これで、今まであやふやだったCOTYの解像度が上がってきたのではないだろうか。最後にそれらを踏まえ、今年のCOTYはどのクルマになるか予想してみよう。10ベストカーは次のとおり。

①スズキ フロンクス

待望のコンパクトSUV。スタイリッシュな外観と高品質な内装、そして走りにも注目。

②トヨタ ランドクルーザー250

プラドの後継として登場したランドクルーザー250。従来よりもカジュアル志向になった。

③ホンダ フリード

e:HEVを導入したことで、燃費性能のさらなる向上を目指した3代目フリード。2つのタイプを設定したことも話題に。

④マツダ CX-80

3列シートを採用したラージクラスのSUV。ラグジュアリーな室内とスタイリッシュな外観が話題に。

⑤三菱 トライトン

迫力あるルックスのピックアップトラック。パジェロ譲りの4WDシステムにも要注目。

⑥レクサス LBX

レクサス初のコンパクトクロスオーバー、LBX。上質なデザインと使い勝手が高く評価された。

⑦BYD シール

新興ブランドBYDの電動スポーツセダン。一充電走行距離640kmという高い実用性が自慢。

⑧ヒョンデ アイオニック 5N

アイオニックをベースとしたヒョンデの高性能バージョンが「5N」。高出力バッテリーで優れた加速を披露。

⑨MINI クーパー

MINIが新世代モデルへバージョンアップ。新型はEVモデルを設定し、室内はデジタル化を推し進めた。

⑩ボルボ EX30

ボルボで最もコンパクトな電気自動車。使いやすさと経済性を両立したことに注目。

 いずれも次世代のモビリティを担う新技術を満載し、魅力を放っている。最終選考会は12月5日に開催される。この様子は日本カー・オブ・ザ・イヤーの公式Youtubeチャンネルで配信される予定。どのモデルが本年のCOTYに輝くのか、今から楽しみだ。

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グーネットマガジン編集部

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