モータースポーツ
更新日:2021.05.25 / 掲載日:2021.05.25

アウディR8 LMSが富士SUPER TEC 24時間レースを完走 エヴァRT初号機も参戦


 アウディ ジャパン株式会社がAudi Sport customer racingプログラムによりサポートするカスタマー(プライベート)チームの車両、アウディR8 LMSの2台が、5月21(金)~23日(日)に開催された富士SUPER TEC 24時間レースに出場、ともに完走を果たした。

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注目度が増す日本唯一の24時間レース

 富士SUPER TEC 24時間レースは、2018年にスーパー耐久シリーズの一戦として復活した日本で開催される唯一の24時間レース。今年で4回目となる本レースは、GT3やGT4といった高性能マシンと、ジェントルマンドライバーに加えて、SUPER GTなどで活躍する現役のトップ選手も参戦。サーキットにテントを持ち込み家族や友人たちとバーベキューに興じる観客で賑わうなど、欧州の24時間レースのような雰囲気をもつイベントとして、年々注目度が増している。今年は、5月21(金)~23日(日)、富士スピードウェイ(静岡県1周4,563m)でスーパー耐久シリーズ2021第3戦となる「NAPAC 富士 SUPER TEC 24時間レース」が開催された。

Audi Team Hitotsuyama #33 TSK Audi R8 LMS

 最上位のST-Xクラス(GT3マシン)には、アウディ ジャパンとパートナーシップ契約を締結し、SUPER GT GT300クラスに参戦しているAudi Team Hitotsuyamaが、TSK Audi R8 LMSでスポット参戦。スーパー耐久は、基本的にはジェントルマンドライバー(アマチュア)によって競われるシリーズ戦。レース経験豊富な都筑 晶裕氏をはじめ、耐久レースは初参戦という人まで計5名のジェントルドライバー各氏(都筑 善雄、小倉 基宏、田中 鉄三郎、本多 秀朗)に加えて、SUPER GT500およびスーパーフォーミュラに参戦する現役のプロドライバー宮田 莉朋選手を加えた6名でチームが編成された。

Audi Team AS Sport #505 [エヴァンゲリオンレーシング]エヴァRT初号機Audi R8 LMS GT4

 ST-Zクラス(GT4マシン)には、Audi Team AS Sportが、人気アニメーション「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」とプロモーションタイアップにより結成したエヴァンゲリオンレーシングとして、エヴァRT初号機Audi R8 LMS GT4でシリーズに参戦。ベースマシンのAudi R8 LMS GT4は、市販モデルのAudi R8 Coupeと60%以上の構成部品を共有しており、速さはもちろん安全性、耐久性、整備性が高く、コストパフォーマンスに優れている。チームは、田ヶ原 章蔵代表を筆頭に、3名のジェントルマンドライバー各氏(西村 元希、岡本 武之、藤原 能成)、そしてプロドライバーのショウン トン選手の5名編成となっている。

悪天候で波乱の幕開け

 5月21日(金)、午後12時のスタートが予定されていた公式予選セッションは、悪天候により順延。およそ3時間経過をみるも天候の回復が見込めず、15時10分に公式予選セッションはキャンセルとなることが発表された。その結果、スターティンググリッドは、スーパー耐久シリーズ第2戦SUGOまでのシリーズランキング順で決定されることに。

 ST-Xクラスの#33 TSK Audi R8 LMSは、スポット参戦のためクラス7位、総合7番手から、ST-Zクラスの#505 エヴァRT初号機Audi R8 LMS GT4は、クラス7位、総合17番手からのスタートとなった。

フルコースイエローや設備トラブル発生

 5月22日(土)15時、曇天のもとドライコンディションで決勝レースがスタート。スタートドライバーは、それぞれ#33 TSK Audi R8 LMSが都筑 晶裕選手、#505エヴァRT初号機Audi R8 LMS GT4は、ショウン トン選手が務めた。

 オープニングラップで#33がポジションを1つアップし、長いレースが開始。途中、スピンアウトするクルマや接触による落下物などによってFCY(フルコースイエロー)などが発出されながらも、#33と#505は共に安定してラップを重ねていった。スタートから約1時間半を経過したところで#33は都筑 善雄選手にバトンタッチ。

 スタートから2時間半が経過した頃、弱い雨が降り出すも本降りにはならずドライコンディションでレースは続いた。#505は、スタートドライバーのショウン トン選手が制限時間ぎりぎりまで順調に86周を走行し、クラス7位までポジションアップした状況でピットイン。しかし、ピット給油設備のトラブルで、約1時間のピットストップを余儀なくされ、順位を総合44位まで落とした。

プロドライバーに託されたナイトセッション

 一方、#33は夜のナイトセッションに入り114周を終えた頃、宮田 莉朋選手にステアリングを託す。周回を重ねるごとにチームのベストタイムを更新する現役プロにふさわしい走りを披露し、210周を終えた頃には総合5位までポジションをアップ。都筑 晶裕選手にバトンをつないだ。その後、都筑 善雄選手を経て、ふたたび宮田 莉朋選手に。ここから猛烈なペースで92周を重ね、深夜3時頃には総合3番手まで追い上げる。407周を終えて、ピットイン。ここでブレーキなどのメンテナンスを行い、都筑 善雄選手へドライバー交代して再スタートの際、想定外のクラッチトラブルに見舞われる。クラッチ交換作業は朝5時すぎにまで及び、ここで総合21位まで順位を落としてしまう。

ともに過酷な24時間レースを完走した2台

 夜が明け、前日には見られなかった明るい日差しが差し込む午前7時すぎ、#505は、深夜のスティントを着実にこなし、総合45位で周回を重ねていた。深夜のスティントは、テストをクリアしたドライバーのみ走行が許可されるため、多くのチームは夜が明けるとジェントルマンドライバーがスティントをこなしていく戦略をとる。11時を過ぎた頃、#33の本多 秀朗選手が下位クラスのマシンと接触、緊急ピットイン。補修作業に約40分をかけ、再びコースイン。総合20位でラップを重ねていく。592周を終え、レースも残り約2時間のところで、宮田 莉朋選手に託された。この時間帯でただひとり全体トップタイムの1分42秒台を連発し、19位に順位をあげる。残り1時間をきったところで、最終スティントを都筑 善雄選手に託した。#505は残り1時間半というタイミングで順位は42番手、最終スティントをショウントン選手に託すことに。

 午後3時、最終的に#33 TSK Audi R8 LMSは667周を走行し、クラス5位、総合19位。#505エヴァRT初号機Audi R8 LMS GT4は、566周でクラス8位、総合41位で、2台ともに過酷な24時間レースを完走した。

#33 Audi Team Hitotsuyama チーム代表 一ツ山 亮次氏のコメント

 「チームとしては初めての24時間レースへの参戦でした。かねてより24時間レースに挑戦してみたいという思いのなかで、かつて私共のチームからAudi R8でSUPER GT に参戦していた都筑 晶裕選手より、耐久レースに挑戦したいジェントルマンドライバーと一緒にやってみませんかという話があり、以前チームがSUPER GTで使っていた2016年型のマシンをこの24時間レース用に仕上げ参戦を実現することができました。プロドライバーからは宮田選手に参加してもらいましたが、現役のトップドライバーの素晴らしいパフォーマンスをみせてもらいました。残念ながらクラッチトラブルで上位争いからは脱落してしまいましたが、今回の目標であった完走を果たすことができました。24時間レースは学ぶことが多く、何よりレースを楽しむことができました。また次のチャンスがあればぜひ挑戦したいと思っています」

#33 Audi Team Hitotsuyama ドライバー 宮田 莉朋選手のコメント

 「私としては初めてのAudi R8で、かつマシンが最新型ではなかったため、チャレンジングなレースでしたが、レースラップはトップチームと遜色のない走りをすることができました。Audi R8は、世界中のGT3レースで結果を残しているだけあって、そのポテンシャルの高さを十分に感じることができました。この24時間レースは初年度から参加していて、走り方はわかっていましたし、私の今回の役割はジェントルマンドライバーの方々をいいペースに導くことでした。アドバイスをすることにより、皆さんのペースをあげるのは、自分にとっても勉強にもなりますし、それにとても楽しい経験でした。とにかく完走できたことをうれしく思います」

#505 Audi Team AS Sport チーム代表 田ヶ原 章蔵氏のコメント

 「BoP(性能調整)によってストレートのスピードは抑えられていますが、“耐久のアウディ”というだけあって、レースラップもよく、非常に安定したタイムで走ることができるので、決勝レースでの追い上げには自信をもっていました。実際にゴールまでマシンには一切不具合はなく、いいペースで走ることができたのですが、残念ながらレース前半でピット給油装置の不具合が発生し、最後までそれを解消することができませんでした。思うように給油することができず、結局20回ものピットインをすることになり、勝機を失ってしまいました。これにより完走を目指す戦略にかえて、クラストップ周回の70%以上という規定をクリアし、完走ポイントも得ることができました。やはり24時間レースには、お金で買えない夢や感動があります。アマチュアドライバーが主体のレースですし、ぜひもっといろんな方に挑戦していただきたいです。今年のスーパー耐久シリーズはあと3戦残っていますし、必ずどこかで表彰台を狙っていきたいと思います」

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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