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更新日:2023.07.14 / 掲載日:2021.07.07

自動車保険の自賠責保険と任意保険の違い

自動車保険には、自賠責保険と任意保険があります。名前は聞いたことがあるけど、実際にどう違うのかわからない。なんとなく両方に加入している、という方が多いのではないでしょうか?そこで、今回は、自動車保険の自賠責保険と任意保険の違いについて説明していきます。さらに、それぞれの金額についてもご紹介していきます。この機会に自動車保険を理解して、ご自身の保険を見直してみませんか?

自賠責保険と任意保険の違いはどこにあるの?

自賠責保険と任意保険の違いはどこにあるのでしょうか?自賠責保険と任意保険の大きな違いは、保険への加入が「義務であること」と「任意であること」です。自賠責保険は、自動車損害賠償保障法に基づき、全ての自動車が加入を義務づけられている保険です。自賠責保険に加入していなければ、自動車を運転することができません。一方で任意保険は、任意となっている保険です。そのため、任意保険に加入せずとも自動車を運転することができます。さらに、自賠責保険と任意保険では、補償の範囲に違いがあります。自賠責保険は、事故の被害者に対してのみ補償されます。一方で任意保険は、保険の商品や契約内容により、加害者・加害者の車などの物損、被害者・被害者の車などの物損まで対応することができます。では、自賠責保険と任意保険について、それぞれ詳しくみていきましょう。

自賠責保険とは?

自賠責保険とは、自動車損害賠償補償法により加入が義務づけされている保険です。自賠責保険は、車検の費用と同時に支払います。車検時に自賠責保険証明書が必要となり、次の車検までの期間に加入していなければ、車検を取得することできません。そのため、自賠責保険を支払う時期は、新車購入時と継続車検時になります。これから、さらに詳しく自賠責保険について説明していくので、しっかりと理解を深めていきましょう。

自賠責保険への加入は義務

自動車損害賠償補償法では、以下のように記載されています。(責任保険又は責任共済の契約の締結強制)第五条 自動車は、これについてこの法律で定める自動車損害賠償責任保険又は自動車損害賠償責任共済の契約が締結されているものでなければ、運行の用に供してはならない。自動車損害賠償補償法における「自動車」とは、道路運送車両法第二条第二項に規定する自動車(農耕作業の用に供することを目的として制作した小型特殊自動車を除く。)及び同条第三項に規定する原動機付自転車をいうとあります。つまり、原動機付自転車を含む自動車は、自賠責保険または自賠責共済に加入しなければ運転をしてはいけません。もし、自賠責保険に加入せずに、運転をしてしまった場合には、一年以下の懲役又は五十万以下の罰金が課せられます。なお、この罰則内容は、道路運送車両法第八十六条第三項に記載されています。

自賠責保険の補償対象

自賠責保険の補償対象は、交通事故による被害者のみとなります。その理由として、自賠責保険は、交通事故による被害者を救済し、加害者が負うべき経済的な負担を補填することを目的としているためです。自賠責保険は、任意保険のように、事故の加害者・加害者の車などの物損、被害者・被害者の車などの物損は対象となりません。万が一、事故を起こしてしまった場合、自賠責保険だけでは自身の怪我や車の修理ができないことをしっかりと理解しておきましょう。

自賠責保険の補償内容

では、自賠責保険の補償内容は、どうなっているのでしょうか? 以下に説明していきます。 <傷害による損害> 限度額:120万円(被害者1名につき) <後遺障害による損害> 限度額(被害者1名につき) 1)神経系等の機能や精神・胸腹部臓器への著しい傷害で介護を有する傷害 常時介護を要する場合(第1級):4,000万円 随時介護を要する場合(第2級):3,000万円 2)上記1)以外の後遺障害 (第1級)3,000万円~(第14級):75万円 <死亡による損害> 限度額:3,000万円(被害者1名につき) ただし、以下の場合には、支払われる金額が減額されることがあります。 ・被害者に過失があった場合 ・受傷と死亡または後遺障害との間の、因果関係の有無の判断が困難な場合 自賠責保険では、補償の金額が決まっており、補償金額を無制限にすることはできません。

自賠責保険はいくら払うの?

自賠責保険の保険料は、損害保険各社からなる損害保険料率算出機構の算出した料率を元に、金融庁が実施する自動車損害賠償責任保険審議会にて決定をします。そのため、自賠責保険を取り扱う損害保険会社であれば、どこの会社でも同一金額です。自賠責保険の保険料は、2021年4月から値下げされています。値下げされるのは昨年に引き続き2年連続です。_x000b_新たな基準料率では、全車種平均で6.7%の引き下げとなっています。今回の値下げの理由は、新型コロナウイルスによる外出の自粛や自動ブレーキ等の安全装置の普及による交通事故が減少しているためです。

普通自動車

普通自動車(自家用乗用自動車)の自賠責保険料は、1ヶ月~37ヶ月まで1ヶ月単位で定められています。自賠責保険は、車検を取得する際に必要となるので、次回の車検期間まで自賠責保険に加入しなければなりません。そのため、通常は新車の初回検査時に3年間、継続検査時に2年間加入することになります。 以下、普通自動車の自賠責保険料となります。 <普通自賠責保険料(離島・沖縄県は別料金)> 37ヶ月:27,770円 36ヶ月:27,180円 25ヶ月:20,610円 24ヶ月:20,010円 上記の自賠責保険料を見てみると37ヶ月や25ヶ月と中途半端な期間での保険料が設定されています。この理由は、車検と自賠責保険の有効期間にズレが発生することを考慮して余裕を持たせておくためです。車検時には、自賠責保険の加入が必要ですが、車検と自賠責保険では、有効期間満了日が異なります。車検の有効期間満了日は24時までです。一方、自賠責保険の有効期間満了日は12時までとなっています。このように自賠責保険の有効期間満了日の時間にズレが発生します。そのため、場合によっては車検取得時に自賠責保険が切れているということになりかねません。車検取得時の自賠責保険が切れていることを防ぐために、新車の場合は37ヶ月、車検切れの中古車の場合には、25ヶ月という1ヶ月余裕を持った期間が設定されています。

軽自動車

軽自動車の自賠責保険料も普通自動車同様に、1ヶ月~37ヶ月まで1ヶ月単位で定められています。また、車検を取得する際に必要となるので、新車の初回検査時に3年間、継続検査時に2年間の自賠責保険に加入することとなります。 以下、軽自動車の自賠責保険料となります。普通自動車に比べて、37ヶ月で440円、25ヶ月で300円と若干の割安となっています。 <軽自動車自賠責保険料(離島・沖縄県は別料金)> 37ヶ月:27,330円 36ヶ月:26,170円 25ヶ月:20,310円 24ヶ月:19,730円

自賠責保険への加入方法

自賠責保険は、損害保険会社や自動車販売店などで加入できます。どの会社で加入しても上記の通り、保険料と保険内容は同一です。自動車の自賠責保険に加入する場合、車購入時や車検時に販売店で対応してくれます。しかし、以下の場合には、ご自身での対応が必要ですので、事前に加入をしておきましょう。 ・ユーザー車検で対応する場合 ・個人売買で車両を購入する場合 ・車検が不要な250cc以下のバイクに乗る場合

自賠責保険の請求方法

自賠責保険の請求方法は以下の流れとなります。 1)損害保険会社へ請求書を提出 2)損害保険会社が事故・損害調査事務所に請求書を送付 事故・損害調査事務所が事故の発生状況、損害額などを調査 3)調査事務所が損害保険会社へ調査結果を連絡 4)損害保険会社が、支払額を決定し、請求者へ支払い なお、自賠責保険は、自動車事故の被害者を救済することを目的としているため、被害者自身で請求できます。

任意保険とは?

任意保険とは、自賠責保険とは異なり、加入は任意です。そのため、任意保険に入らずとも自動車の運転をすることができます。しかしながら、自賠責保険では、補償対象が被害者のみであり、加害者は補償されません。事故にあった際に、身を守るためには、任意保険の内容をよく理解しておく必要があります。では、任意保険について詳しく説明していきます。

任意保険への加入は任意

任意保険の加入は、その名の通り、自分自身で加入を任意で決めることができる保険です。自賠責保険は、補償対象は被害者のみ、補償金額は上限が定められているので、万が一事故にあった場合、補償が十分でないことがあります。そのため、任意保険に加入することで加害者や物損による補償などをカバーします。自動車保険は、自賠責保険だけでなく、任意保険の加入も検討してみましょう。

任意保険の補償対象

任意保険の補償対象は、保険の商品や契約内容によってさまざまです。任意保険では、加害者・加害者の車などの物損、被害者・被害者の車などの物損、最近ではあおり運転などによるトラブルにまで対応できる補償もできています。つまり、自賠責保険だけでは、カバーできない補償を任意保険で補うことができます。

任意保険の補償内容

任意保険の補償内容は、必要なものを選択して加入します。補償内容は、保険会社や商品によってさまざまですが、おおよそ以下の内容となります。 ・対人賠償:被害者を死傷させた場合の補償 保険金額:無制限 ・対物賠償:被害者の車などを損害させた場合の補償 保険金額:基本は無制限 ・人身傷害保険:自分や自分の家族が自動車事故で死傷した場合や契約の車に搭乗中の方が死傷した場合の補償 保険金額:契約内容による(目安 死亡・後遺障害:3,000万円~、ケガ:実際にかかった費用) ・搭乗者傷害保険:契約の車に搭乗中の方が自動車事故により死傷した場合の補償 保険金額:契約内容による(目安 死亡・後遺障害:500万円~、ケガ:1万円~) ・車両保険:車が事故や盗難にあった場合の補償 保険金額:車両価格による

任意保険の特約ってなに?

任意保険の特約とは、基本補償ではカバーできない部分を補うためのオプションです。特約には、補償を充実させることのほかに、不要な補償を制限できる場合があります。 以下に特約の例をご紹介します。 <人身傷害保険特約> ・人身傷害死亡・後遺障害給付金特約 <車両保険特約> ・新車特約 ・車両全損特約 ・車両超過修理特約 <その他の特約> ・弁護士費用特約 ・ファミリーバイク特約 特約には、さまざまな商品があり、すべてをご説明するのは難しいため、割愛させて頂きますが、加入する保険内容をよく確認して、ご自身にあったものを選択しつけるようにしましょう。

任意保険はいくら払うの?

では、任意保険はいくら払うのでしょうか? 任意保険では、事故にあい、保険料を支払うリスクが大きいと判断された場合に、保険料が高くなります。 保険料を決める条件は以下になります。 <保険料を決める条件> ・年齢 ・保険等級 ・性別 ・事故歴 ・車の使用目的 ・年間の走行距離 ・居住地 ・免許証の色 ・自動車の安全装置の有無 など 以下に一例として条件を踏まえた目安金額を記載しますが、金額に関しては保険会社や条件によって千差万別ですので、自分の条件だといくらぐらいになるかはインターネットによる見積もりシミュレーションなどを試してみるのがいいでしょう。

普通自動車

保険料は、車種、保険商品、保険の条件などで変わってきます。今回は、2020年一番売れた車であるトヨタ ヤリスの年間保険料の目安をまとめてみます。 【年間保険料の目安】 トヨタ ヤリスZ 1.5 2WD ガソリン車で、以下の条件での年間保険費用の目安は、保険会社によって異なりますが、およそ36,000円~48,000円です。 <見積もり条件年齢> 年齢       :35歳 性別       :男性 等級       :12等級 事故有係数適用期間:0年 使用目的     :日常・レジャー 年間走行距離   :10,000Km 主な運転者    :契約者 居住地      :東京 免許証の色    :ゴールド その他の運転手  :配偶者 車両保険     :有 <補償条件> 対人賠償     :無制限 対物賠償     :無制限 人身傷害     :3000万円 車両保険     :200万円

軽自動車

次は軽自動車の任意保険料目安です。今回は2020年一番売れた軽自動車であるホンダ N-BOXで年間保険料をまとめてみます。 【年間保険料の目安】 ホンダ N-BOXで、以下の条件での年間保険費用の目安は、保険会社により異なりますが、およそ34,000円~46,000円です <見積もり条件> 年齢       :35歳 性別       :男性 等級       :12等級 事故有係数適用期間:0年 使用目的     :日常・レジャー 年間走行距離   :10,000Km 主な運転者    :契約者 居住地      :東京 免許証の色    :ゴールド その他の運転手  :配偶者 車両保険     :有 <補償条件> 対人賠償     :無制限 対物賠償     :無制限 人身傷害     :3000万円 車両保険     :160万円

任意保険への加入方法

任意保険へ加入するためには、「代理店型自動車保険」と「ネット型自動車保険」のどちらかを選択する必要があります。 代理店型自動車保険は、ディーラーなどの任意保険代理店に足を運び、スタッフと相談をしながら保険契約を行います。一方、ネット型自動車保険は、ネットや電話などを通じて直接、保険会社と保険契約を行います。 保険料金は、ネット型自動車保険の方が、代理店型自動車保険に比べて安くなることが多いです。ただし、ネット型自動車保険は自分で選択をしなければならないことが多くあります、しっかりと保険内容を確認した上で契約をしたい場合には、代理店型自動車保険の方が良いでしょう。 代理店型自動車保険、ネット型自動車保険のどちらであってもディーラーからおすすめされた保険会社だけでなく、複数の保険会社から見積もりを取得して自分にあった保険を選ぶことが重要です。

任意保険の請求方法

任意保険の請求方法は、主に以下の流れとなります。 1)加害者側の任意保険会社へ損害を連絡 2)任意保険会社から示談案の連絡 3)示談案について交渉 4)任意保険会社から示談書の送付 5)示談書に署名・捺印 6)任意保険会社が請求者へ支払い

まとめ

いかがでしたでしょうか。 ここでは自賠責保険と任意保険の違いについて詳しくご説明しました。 1)加入 【自賠責保険】 義務 【任意保険】 任意 2)補償対象 【自賠責保険】 被害者のみ 【任意保険】 被害者・加害者・物損など(契約による) 3)補償内容 【自賠責保険】 ・傷害 限度額120万円 ・後遺障害による損害 限度額4,000万円 ・死亡による損害 限度額3,000万円 【任意保険目安(契約内容により異なる)】 ・対人賠償 無制限 ・対物賠償 保険金額:基本は無制限 ・人身傷害保険 死亡・後遺障害:3,000万円~ 傷害:実際にかかった費用 ・搭乗者傷害保険 死亡・後遺障害:500万円~ ケガ:1万円~ ・車両保険 保険金額:車両価格による 4)保険料金 【自賠責保険】 自賠責保険の価格は一律設定 <普通自賠責保険料(離島・沖縄県除く)> 37ヶ月:27,770円 36ヶ月:27,180円 25ヶ月:20,610円 24ヶ月:20,010円 <軽自動車自賠責保険料(離島、沖縄を除く)> 37ヶ月:27,330円 36ヶ月:26,170円 25ヶ月:20,310円 24ヶ月:19,730円 【任意保険】 任意保険料金は、保険契約の条件により異なる <普通自動車> トヨタ ヤリス Z 1.5 2WD ガソリン車で、およそ36,000円~48,000円 <軽自動車> ホンダ N-BOXで、およそ34,000円~46,000円 5)加入方法 【自賠責保険】 車購入時や車検時に販売店等の代理店で対応 【任意保険】 代理店型自動車保険とネット型自動車保険があり、選択可能 6)請求方法 【自賠責保険】 1)損害保険会社へ請求書を提出 2)損害保険会社が事故・損害調査事務所に請求書を送付 事故・損害調査事務所が事故の発生状況、損害額などを調査 3)調査事務所が損害保険会社へ調査結果を連絡 4)損害保険会社が、支払額を決定し、請求者へ支払い 【任意保険】 1)加害者側の任意保険会社へ損害を連絡 2)任意法華円会社から示談案の連絡あり 3)示談案について交渉 4)任意保険会社から示談書の送付 5)示談書に署名・捺印 6)任意保険会社が請求者へ支払い 保険は万が一の備えとして重要な役割を担います。 事故は無いことが一番ですが、万が一事故を起こしてしまったときに金銭的な負担も大きいため、義務である自賠責保険はもちろん、任意保険もしっかり加入して備えておきたいものです。 みなさんの安心安全のために備えあれば憂いなしの心でカーライフを楽しめるといいですね。

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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