中古車購入ガイド
更新日:2022.11.18 / 掲載日:2022.11.18
【三菱 アウトランダーPHEV(先代)】100万円台でOK? 人気PHEVの相場動向は?
2005年に登場したミドルクラスSUVがアウトランダー。ライバルのスバル フォレスターや日産 エクストレイルとともに、国内のSUV市場をリードしてきた1台である。2012年にはモデルチェンジを受けて2代目が登場したが、そこで追加されたのが「アウトランダーPHEV」。三菱は、電動化モデルの実用化を早くから模索していたが、その技術を惜しみなく注ぎ込んだのがアウトランダーPHEVである。今回は2代目に注目し、グレード別の中古車相場を見ていこう。
三菱 アウトランダーPHEV(先代)ってどんなクルマ?
2013年1月、アウトランダーPHEVが発売された。電気自動車i-MiEVで培った電動化技術、ランサーエボリューションで鍛えた4WD技術、そしてパジェロで築いたSUVのノウハウを結集した先進のSUVである。エクステリアは、内燃機関のエクストレイルと基本的には同じデザイン。ただし、PHEV専用グリル、LEDリアコンビランプ、18インチホイールが与えられ、差別化が図られている。インテリアは、「E」グレードを除く全車に専用のクリスタルファイバー調インパネ&ドアトリムオーナメントパネルを採用し、先進性をアピールしている。
パワートレインは、2.0L 直4エンジンに、82馬力のモーターを前後に搭載して4輪を駆動する。駆動用バッテリーはリチウムイオン式を採用し、車体中央床下に置かれる。ブレーキ時はモーターを発電機として働かせることで、電力を駆動用バッテリーに充電できる。この際に生じる回生ブレーキの強弱は、6段階の調節が可能となっている。安全面では、先進の安全技術「e-アシスト」を一部グレードに標準装備(2013年発売時)。これには、衝突被害軽減ブレーキ、車線逸脱警報システム、レーダークルーズコントロールの3つの主な機能が含まれる。
改良遍歴は?
2014年4月の改良では、新デザインのフロントメッキグリル、フロントフォグランプメッキベゼルに加え、シルバーのスキッドプレート、前後フェンダーアーチモールを追加することで力強さを強調。また、サスペンションの最適化により操縦安定性も高めている。
2015年6月、アウトランダーシリーズ全体をマイナーチェンジ。エクステリアは、三菱の新しいフロントデザイン「ダイナミックシールド」を導入。また、LEDポジションランプを搭載したヘッドライトおよびリアコンビランプを採用し、力強いデザインとなった。PHEVでは、専用のバンパーエクステンションやサイドガーニッシュなど各所をボディカラーと統一することで、スポーティさもアップ。インテリアは、シート表皮のデザインや素材を変更し、ブラウンの本革内装を新たに設定。ステアリングは、新デザインの4本スポークタイプが採用された。そのほか、ボディ剛性の向上、静粛性の向上など走りの質感も高められている。さらにPHEVは、プラグインハイブリッド制御やモーター制御を見直してレスポンスを向上したほか、誤発進抑制機能をメーカーオプション設定とした。
2017年2月に一部改良を実施。従来よりもEV走行を維持できるよう調整されたほか、エンジン始動性を改良したことで、加速レスポンスを向上。また充電制御の改良により、急速充電時間を約30分から25分に短縮している。そのほか、足まわりの変更、歩行者検知機能の追加などによる「e-アシスト」の機能向上など、幅広い改良を受けた。また、このタイミングでビルシュタイン社製ショックアブソーバーを採用した「Sエディション」も追加されている。
2018年8月には、駆動用バッテリーとエンジンが新設計となった。これにより、バッテリー容量が12.0kWhから13.8kWhに増大し、最高出力が10%向上。リアモーター、ジェネレーター出力も向上し、EV走行距離は65.0kmにアップしている。パワートレインは2.0Lから2.4Lに拡大され、高効率化を実現。また、4WDドライブモードは、従来の「NORMAL」と「LOCK」に加え、「SNOW」と「SPORT」を新たに設定し、さまざまな条件の路面も快適に走れるようになった。そのほか、ボディ剛性の向上などによる走りの質感の改善、内外装の小変更などが行われた。
2019年9月、「ミツビシパワーサウンドシステム」を新設定。これは510Wのパワーアンプ、8個のスピーカーシステムを採用し、クリアな音質を実現するもの。また、スマートフォン連携ナビゲーションにより、車内環境がより快適になった。また、運転席にランバーサポート機能を採用したり、セカンドシートの形状を見直すことで快適性をアップ。助手席パワーシートも一部グレードを除き標準装備となった。
三菱 アウトランダーPHEV(先代)のグレード別中古車相場は?
グレード構成は、装備内容により「E」、「M」、「G」系と「Sエディション」系に大別できる。「G」系は、仕様が異なる複数のパッケージが用意され、バリエーションが豊富。ここでは主なグレードの中古車平均価格を見ていこう(Eは物件が少ないため省略)。
「M」
エントリーグレードの「M」は、価格を抑えたお買い得モデル。タイヤサイズは16インチとなるが、パワートレインなどは上級グレードと同じ。ソフトパッドインテリア、本革巻きステアリングなどが標準装備されており、価格相応のクオリティを持つのも嬉しい。ただし、中古車がほとんど流通しておらず、これをねらって購入するのは非常に困難。平均価格も算出できなかった。
「G」系
標準グレードの「G」以上は、18インチアルミホイールが装着される。「M」と比べると、LEDフォグランプ、ステアリングヒーター、マルチアラウンドモニター、e-アシストなども標準装備となり、より装備が充実した仕様。また、「プレミアムパッケージ」では本革シートも与えられる。最も物件が多いグレードとなっており、特に「ナビパッケージ」の物件が目立つ。「G」系グレード全体の中古車平均価格は260万円だが、初期型なら100万円台前半の予算から探せる。
「Sエディション」
スポーティグレードの「Sエディション」は、ビルシュタイン社製ショックアブソーバーと専用の18インチアルミホイールが特徴となる。インテリアは、専用本革シート、シルバージオメトリック調センターコンソール&ドアトリムオーナメントを採用し、ほかのグレードと差別化が図られている。中古車は、物件数が少なく買いにくい。中古車平均価格は333万円と、「G」系よりも高い。2017年に追加されたグレードのため年式が新しいものが多く、価格の最低ラインは200万円となっている。
※上の記述は、2017年発売モデルについてまとめたもの。年式によって装備内容が異なる場合があります。中古車平均価格は2022年11月時点のデータ。
まとめ
すでに新型が登場しているが、先代モデルもあまり大きな値崩れはしていない。しかしながら、マイナーチェンジ前をねらうなら100万円台の予算でも探せるだろう。グレードは大別すると4タイプ存在するが、9割以上を中堅グレード「G」系が占めている。「G」系には多くのパッケージが存在するので、購入前に装備内容を確認しておこう