中古車購入ガイド
更新日:2021.10.21 / 掲載日:2021.06.02
BMW X1(2代目/F48)の中古車選びで知っておきたい特徴とグレード構成
手頃なボディサイズとスポーティな走りが高く評価されているコンパクトSUVがBMW X1。2010年4月に初代が登場し、オンロードに軸足を置いたSUVとして、日本でも好調な売れ行きを見せた。今回紹介するのは、2015年に登場した2代目(F48)。よりSUVらしいスタイルとプレミアム感を強調した2代目X1の遍歴を振り返り、グレード別の装備内容を見ていこう。
BMW X1(2代目/F48)ってどんなクルマ?
2015年10月、BMW X1がフルモデルチェンジを受けた。BMWのSUVはXシリーズと呼ばれるが、上位モデルのX3やX5にも遜色ない力強いエクステリア、高い実用性を備えているのが2代目の大きな特徴。フロントビューは、BMW伝統の4灯式ヘッドライト、その下に配置されたフォグライトで形成される6眼フェイス、「X(エックス)」のラインを描くフロントエプロン、3分割エアインテークを採用することで、よりSUVらしい佇まいとなった。リアまわりは、LEDライトバーが配置された幅広のL字型リアコンビランプを採用し、ワイド感と安定感を強調。インテリアは、用途や乗車人数に合わせてラゲッジルーム容量を自在に調節可能(前後130mm)なスライディング機能を導入し、ひとクラス上のモデルに匹敵する後席空間を実現した。また2列目シートは、リリースボタンを押すだけで40対20対40の3分割に倒すことができる。
エンジンは、デビュー当初1.5L直3ターボと2.0L 直4ターボを搭載していたが、翌年には2.0L 直4ディーゼルターボも選べるようになった。さらにサスペンションも一新されたほか、2.0L 直4ターボに組み合わされる「xDrive」は、前後アクスルにトルクを最適に配分し、優れたロードホールディングを実現している。
先代モデルと比較すると?
初代X1は初代1シリーズと共通のメカニズムを採用しているため、駆動方式はFRと4WDが用意されていた。それに対し、2代目はFFベースのシャシーに変更。また、初代のボディサイズは全長4470mm、全幅1800mm、全高1545mmと立体駐車場に収まる低車高が特徴だったが、2代目は全長4455mm、全幅1820mm、全高1610mmとよりワイドに、そしてハイトになっている。コンパクトなスポーツハッチバックという印象の強い初代から一転し、X3やX5と共通のタフなSUVという方向性に変わった。また、日本市場でもディーゼルエンジン搭載車が選べるようになったこともトピックと言えよう。
改良遍歴は?
デビューからおよそ1年後の2016年9月、2.0L 直4ディーゼルエンジンを搭載した「xDrive18d」が追加された。最新のコモンレール直噴システムと可変ジオメトリーターボチャージャーを組み合わせることで、最高出力150馬力/最大トルク33.7kgmを発揮する。
2017年8月、1.5L 直3ターボを搭載する「sDrive18i」のトランスミッションが、6速ATから7速DCTに変更された。このタイミングで最高出力も136馬力から140馬力に向上。また、「xDrive18d」に駐車をサポートする「フロントPDC」が標準装備された。
2019年10月、マイナーチェンジが行われた。エクステリアは、LEDヘッドライト、大型化したキドニーグリルの採用やテールランプのデザイン変更などにより、存在感を一層際立たせた。装備面では、10.25インチのタッチ機能付きディスプレイを採用。そのほか、車線逸脱警告システム、前者接近警告機能、衝突回避・軽減ブレーキを含む「BMWドライビングアシスト」を標準装備とし、より快適で安心の走りが楽しめるようになった。
2021年4月、ディーゼルモデルに「ドライビングアシストプラス」、「ACC/アクティブクルーズコントロール」、「電動フロントシート」、「オートマチックテールゲートオペレーション」を標準装備。同時に「sDrive18i」、「sDrive18i Mスポーツ」、「xDrive18d」、「xDrive18d Edition Joy+」、「xDrive20i xライン」、「xDrive20i Mスポーツ」が廃止されている。
BMW X1(2代目/F48)の主要グレード
2代目X1のラインアップは、エンジン別に見ると1.5L 直3ガソリンターボ+2WDの「sDrive18i」、2.0L 直4ガソリンターボ+4WDの「xDrive20i」と「xDrive25i」、2.0L 直4ディーゼルターボの「xDrive18d」の4種類が存在する。「xDrive20i」と「xDrive25i」はエンジン出力が異なり、前者は192馬力、後者は231馬力を発揮。駆動方式は、「sDrive」が2WD、「xDrive」が4WDとなることも、クルマ選びの際に知っておきたいポイントだ。さらに、各々には主にスタンダード仕様のほか、「xライン」、「Mスポーツ」という3種のトリムから選べる。ここではこの3種の違いを解説したい。
最低限の装備が与えられるスタンダード仕様
スタンダード仕様とはいえ、基本的な安全装備などは「xライン」や「Mスポーツ」と変わらない。デビュー当初は8.8インチのワイドコントロールディスプレイ搭載のナビゲーションシステム、17インチホイールも標準装備。
豪華仕様の「xライン」
シート&マテリアルカラーは、パーフォレーテッド・ダコタ・レザーを採用。ブラックのほか、オイスター色も選べる。そのほかハイグロスブラックのインテリアトリム、パールグロスクロームハイライトなどを採用し、インテリアの質感を高めている。エクステリアはスタンダード仕様をベースとするが、クローム仕上げのキドニーグリル、18インチアルミホイールを装備するのが特徴。
スポーティな装備が充実する「Mスポーツ」
エクステリアは、Mスポーツ専用の18インチアルミホイールに加え、フロントエプロン、サイドおよびリアスカート、ワイドホイールアーチを含む「Mエアロダイナミクスパッケージ」、クローム仕上げのキドニーグリルなど、ほかのトリムと差別化されるのが特徴。また、Mスポーツサスペンションを装備し、よりスポーティな走りも楽しめる。インテリアはスポーツシートが標準装備され、マイクロヘキサゴンクロスとアルカンタラのコンビネーショントリムとなる(カラーはアンソラジット)。
※上の記述は、2017年発売モデルについてまとめたもの。年式によって装備内容が異なる場合があります。
まとめ
初代は後輪駆動による軽快な走りが特徴だったが、2代目はFFベースのシャシーにより快適性が一段と高められた。ここで気になるのは購入後のトラブルだが、購入前に記録簿の有無をチェックすることは大切。また、保証期間の確認もしておきたい。大きなトラブルは報告されていないが、高品質かつ保証が充実した認定中古車を選ぶというのも手。ほかのXシリーズと比べてボディが小さく、どんな場所でも使いやすいのが2代目X1の大きな魅力と言えよう。