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更新日:2021.10.21 / 掲載日:2021.08.26
メルセデス・ベンツ Eクラス(5代目/W213)の中古車選びで知っておきたい特徴とグレード

かつてミディアムクラス(W124)として販売されたメルセデス・ベンツ Eクラスは、同社の中核をなすモデル。重厚感のあるデザインと走りは、日本でも多大な人気を獲得している。CクラスとSクラスの中間的ポジションを担い、ボディタイプはセダン、ステーションワゴン、クーペ 、カブリオレと用意され、幅広いユーザーに訴求するのも特徴。今回は、2016年7月に発売された5代目(W213)の改良遍歴とグレード別装備内容を紹介する。
メルセデス・ベンツ Eクラス(5代目/W213)ってどんなクルマ?


2016年7月、Eクラスがモデルチェンジを受けて5代目(W213)となった。SクラスやCクラスとの共通性を感じさせる、丸みのあるフォルムが大きな特徴。パワートレインは、発売当初2.0L 直4ガソリンターボ、2.0L 直4ディーゼルターボ、3.5L V6ターボを搭載。トランスミッションは全車9速ATが組み合わされる。ディーゼルエンジンはオールアルミ製で、195馬力の最高出力と40.8kgmの最大トルクを実現。またDPFとSCR触媒コンバーターを統合した排出ガス浄化システムを採用し、よりクリーンな排出ガスを実現したもの。足まわりには、一部グレードに電子制御エアサスペンション(エアボディコントロールサスペンション)を設定。快適性はさらに高められた。安全面では、安全運転支援システム「ドライブパイロット」を搭載。なかでもメルセデスでは初となる「アクティブレーンチェンジアシスト」は、ウインカーを2秒以上点滅させると、車両周囲を監視しているセンサーが周囲に危険がないことを確認し、自動で車線変更してくれる先進装備。内外装や走りだけでなく、安全面も大きく強化されたのが5代目Eクラスの特徴となっている。
先代モデルと比較すると?
全長4930mm、全幅1850mm、全高1455mmのボディサイズ(セダン発売時)は、先代と比べて全長がやや長くなった。2代目から先代(4代目)前期型までEクラスを特徴付けていた独立4灯式ヘッドライトの採用が見送られたこともトピック。また、プラグインハイブリッド「E 350 e」/「E 350 de」を導入するなど、昨今強まる電動化へのムーブメントにも応えている。
改良遍歴は?
5代目のセダン発売から4カ月後の2016年11月、2番目のボディであるステーションワゴンが登場。パワートレインはセダンと同じものが搭載される。ラゲッジ容量は最大1820Lを誇り、壁面とフロアをフラットにできるなど、実用性が高められた。
2017年5月には2ドアクーペを追加。セダンをベースとしながらも、Aピラーより後ろを専用デザインとすることで、流麗なフォルムを実現している。同年8月には2.0L 直4ターボにモーターを組み合わせたプラグインハイブリッド「E 350 e」、9月にはステーションワゴンをベースに車高を高めたクロスオーバーモデル「E 220 d 4MATIC オールテレイン」も新たに登場した。
2018年1月にはカブリオレを追加。同年8月の一部改良では、3.5L V6ターボのM276エンジンを改良し、最高出力を367馬力に向上。車名も「E 400 4MATIC」から「E 450 4MATIC」に変更されている。また、ステアリングデザインが一新され、手を離さずにナビゲーション操作や車両の設定などを行える「タッチコントロールボタン」、「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック」が備えられた。
2019年3月には、新しい「E 200」、「E 300」が追加された。前者には1.5L直4ターボ、後者には2.0L 直4ターボを搭載し、新技術「BSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)」と48V電気システムを採用。これらは、回生ブレーキなどにより発電した電気を約1kWのリチウムイオン電池に蓄電し、必要に応じて動力を補助。これにより、効率性と高性能を両立している。また、同年10月にはクリーンディーゼルのプラグインハイブリッド「E 350 de」も加わった。
2020年9月、Eクラスはマイナーチェンジを受けた。ヘッドライト、バンパー、グリルなどフロントまわりのデザインがリニューアルされ、よりシャープな印象となった。また一部グレードを除きAMGラインエクステリアが標準装備となり、スポーティかつダイナミックなスタイルに。インテリアは、メルセデスでは初となる新世代ステアリングを採用。ナビゲーションや各種設定を、すべて手元で完結できる機能性を持つのが特徴。そのほか、対話型インフォテインメント「MBUX」に日本初のARナビを追加するなど、先進技術も多数盛り込まれている。
メルセデス・ベンツ Eクラス(5代目/W213)の主要グレード

グレード構成は、パワートレイン別に「E 200」、「E 250」、「E 300」、「E 400」、「E 220 d」、「E 350 e」、「E 350 de」、「E 450」で構成される(AMG系を除く)。ここではパワートレイン別のグレードを紹介したい。
エントリーモデル「E 200」系
発売当時から設定されるエントリーモデルで、当初は184馬力の2.0L 直4ターボを搭載する。2019年3月には184馬力の1.5L 直4ターボに置き換えられた。後輪駆動と4WD(4MATIC)の両方が選べることも特徴。装備面では、レーダーセーフティパッケージ、LEDコーナリングライト、メモリー付きパワーシート、シートヒーター、本革巻きステアリング、ナビゲーションを含むCOMANDシステムなど、基本装備が揃うのも注目のポイントだ。なお、「E 200 アバンギャルドスポーツ」では、レザーARTICO/DINAMICAシートが与えられる。
より高出力な「E 250」系
「E 200」系よりも最高出力を高め、211馬力を発揮する「E 250」系。基本装備は「E 200」系と同じ内容。仕様は「E 250 アバンギャルド スポーツ」のみとなるため、レザーARTICO/DINAMICAシートを標準装備。そのほか、イルミネーテッドステップカラー、フットロランクオープナー、自動開閉トランクリッドなども盛り込まれる。
BSGと48V電気システムを搭載した「E 300」系
328馬力の2.0L 直4ターボにBSGと48V電気システムを搭載したマイルドハイブリッドの「E 300」系。「E 300 アバンギャルドスポーツ」では、AMGスタイリングパッケージ、ナッパレザー本革シート、ブラックアッシュウッドセンタートリムなどの豪華な内外装が特徴。
ガソリンの最上級グレード「E 400 4MATIC エクスクルーシブ」/「E 450 4MATIC エクスクルーシブ」
3.5L V6ツインターボを搭載する上級グレードが「E 400 4MATIC エクスクルーシブ」。当初は最高出力333馬力を発揮していたが、2018年8月の改良で367馬力に向上。名称も「E 450 4MATIC エクスクルーシブ」系に変更された。足まわりには、18インチ5ツインスポークアルミホイール、エアボディコントロールサスペンションを装備。インテリアは、ナッパレザーの本革シート、ウォールナットブラウンウッドインテリアトリムで仕立てられ、一段と豪華なものになる。
クリーンディーゼルの「E 220 d」系
194馬力の2.2L 直4ディーゼルターボを搭載する「E 220 d」系。より装備が充実した「E 220 d アバンギャルド スポーツ」は、専用ロゴ付きブレーキキャリパー&ドリルドベンチレーテッドディスク、19インチAMGアルミホイール、AMGスタイリングパッケージを採用する。
プラグインハイブリッドの「E 350 e」系/「E 350 de」系
プラグインハイブリッドには、ガソリンの「E 350 e」系、ディーゼルの「E 350 de」系が設定されている。両者とも「アバンギャルドスポーツ」には、AMGスタイリングパッケージ、AMGスポーツステアリング、ナッパレザーの本革シート、ステンレスアクセル&ブレーキペダルなど、スポーティかつラグジュアリーな装備が与えられる。電気のみの走行も可能で、環境性能が高いことも魅力のひとつだ。
まとめ

5代目Eクラス(W213)は、パワートレインが豊富。さらにグレードによって上級装備が付く「アバンギャルド」、AMGスタイリングが特徴の「アバンギャルドスポーツ」が設定され、非常に多様な選択肢がある。それぞれ走りのフィーリングが異なるから、購入前によく確認しておこう。また、グレードによって物件の偏りがあることも念頭に置いておきたい。

ライタープロフィール
1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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