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更新日:2021.10.21 / 掲載日:2021.09.02
メルセデス・ベンツ Aクラス(3代目/W176)の中古車選びで知っておきたい特徴とグレード

メルセデスブランドの最小コンパクトカーとして1998年に登場したAクラス。全長3605mm、全高1575mmのボディサイズを持つモノフォルムデザインは、当時多くの注目を集めた。265万円という新車価格(1998年9月)も、同ブランドの間口を広げていた。2005年2月には2代目(W169)が登場。こちらは先代からの正常進化と言えるモデルで、ボディサイズが拡大され、内外装はよりリッチなものとなった。そして2013年1月、今回紹介する3代目(W176)がデビュー。高めの車高を持つモノフォルムデザインから路線変更し、ライバルのBMW 1シリーズやアウディA3と同じく、一般的なCセグメントハッチバックとなったのがトピックである。重心高が低められ、よりスポーティな走りを身につけたのも見どころ。今回は、3代目Aクラスの改良遍歴とグレード別装備内容を紹介したい。
メルセデス・ベンツ Aクラス(3代目/W176)ってどんなクルマ?


2013年1月、メルセデス・ベンツ Aクラスがフルモデルチェンジを受けて3代目(W176)となった。ロー&ワイドなプロポーションと、大型化されたフロントデザインにより、グッと存在感が増した。インテリアは、全車にヘッドレスト一体型スポーツシート、立体的なトリムをあしらったダッシュボードなど、こちらも走りをイメージさせる仕立てとなる。
デビュー当初のグレード構成は1.6L 直4ターボの「A 180 ブルーエフィシェンシー」、「A 180 ブルーエフィシェンシー スポーツ」、2.0L 直4ターボの「A 250 シュポルト」の3タイプ。なかでも最上級グレード「A 250 シュポルト」は、AMGが開発に携わったスポーツモデルで、210馬力という高出力を発揮。3代目Aクラスのスポーティなイメージを牽引している。トランスミッションは全車7速DCT。一方、安全面では、レーダー型衝突警告システム「CPA」を標準装備するほか、「ディストロニック・プラス」、「ブラインドスポットアシスト」などを含む安全運転支援システム「レーダーセーフティパッケージ」を設定している。
先代モデルと比較すると?
2代目(W169)以前はサンドイッチコンセプトと呼ばれる2層フロアが特徴だったが、3代目(W176)は、その構造を廃止。フロア高と全高を下げ、より走りを意識した設計となった。また、新たに4WDを設定するほか、ハイパフォーマンスモデル「A 45 AMG」の追加も、先代との違いとなっている。
改良遍歴は?
2013年1月の発売からおよそ1年後の2014年、「A 250 シュポルト 4MATIC」が追加された。211馬力の2.0L 直4ターボに4WDを組み合わせており、FFモデルと同様AMGが開発したサスペンション、トランスミッションなどが与えられている。
2015年11月、マイナーチェンジを受けた。エクステリアは、最新のメルセデスデザインを採用。フロントマスクは、ダイヤモンドグリルと左右に繋がった大型のエアインテーク、AMGデザインのバンパーを導入。また、走行状況や天候に応じて配光モードを切り替える「LEDパフォーマンスヘッドライト」も採用している。上級グレード「A 250 シュポルト 4MATIC」の最高出力が218馬力に高められたほか、電子制御油圧式アダプティブダンピングシステムを搭載。また、エンジンやステアリング特性などを制御する「ダイナミックセレクト」も装備された。そのほか「CPAプラス(緊急ブレーキ機能)」、「アテンションアシスト」を全車標準装備とする。
2017年7月の一部改良では、「A 180 スタイル」にスムーズな駐車をサポートする「パーキングパイロット」、「A 250 シュポルト」にパノラミックスライディングルーフを標準装備するなど、装備内容の見直しが行われた。
メルセデス・ベンツ Aクラス(3代目/W176)の主要グレード

グレード構成は、「A 180 スタイル」、「A 180」、「A 180 スポーツ」、「A 250 シュポルト/A 250 シュポルト 4MATIC」を設定。このほか、メルセデスAMGも用意されるが、今回は割愛する。ここではグレード別の装備内容を見ていこう。なお、「A 180」はデビュー当初「A 180 ブルーエフィシェンシー」という名称だったが、後に「ブルーエフィシェンシー」の表記は外された。基本的には同じ内容であることも頭に入れておこう。
装備を簡略化した「A 180 スタイル」
2015年11月のマイナーチェンジで追加されたエントリーモデルが「A 180 スタイル」。装備の一部を簡略化し、価格を抑えているのが特徴。エクステリアには、ハロゲンヘッドライトを採用。安全面では、アダプティブブレーキ、アテンションアシストなどが標準装備となる。
スタンダードな「A 180」
デビュー当初から設定される「A 180」は、3代目Aクラスの基本グレード。当初はオプション設定だったLEDハイパフォーマンスヘッドライト/LEDポジショニングライト/LEDウインカー/LEDリアコンビネーションランプは、2015年の改良以降標準装備となった。「A 180 スタイル」との違いは、プライバシーガラス、前席シートヒーター、パークトロニックなどが標準装備され、快適性を高めていることだ。
上級グレード「A 180 スポーツ」
エンジンは「A 180」と同じく1.6L 直4ターボ+7速DCTを組み合わせるが、装備が充実した上級グレード。「A 180」の基本装備に加え、電動ランバーサポート、スポーツステアリング、後席アームレスト、左右独立調整式クライメートコントロール、ロゴ入りブレーキキャリパー&ドリルドベンチレーテッドディスク(フロント)、レザーDINAMICAシートなどが標準装備されている。
専用の足まわりを持つ「A 250 シュポルト」系
2.0L 直4ターボ+7速DCTを搭載するスポーツモデルが「A 250 シュポルト」。「A 180 スポーツ」の装備に加え、レーダーセーフティパケージ、アダプティブダンピングシステム、前後レッドブレーキキャリパー、専用チューニングサスペンションを採用。積極的に走りを楽しみたいユーザーにオススメのグレードとなっている。こちらは4WDも設定。なお、さらに高次元の走りを求めるならメルセデスAMGという選択肢もある。
※上の記述は、2015年発売モデルについてまとめたもの。年式によって装備内容が異なる場合があります。
まとめ
低めの車高とスポーティな走りにより、魅力を高めた3代目Aクラス。販売台数も多く、中古車として買いやすいことも注目のポイント。グレード構成も比較的シンプルなので、クルマ選びに迷うことは少ないはず。装備充実の実用車としてなら「A 180 スポーツ」、走りを楽しみたいなら「A 250 シュポルト」がオススメだ。