中古車購入ガイド
更新日:2022.03.18 / 掲載日:2022.03.18
スバル BRZ(初代/ZC6)の中古車選びで知っておきたい特徴とグレード

2012年、スバルとしては初の2ドアFRスポーツとして登場したBRZ。トヨタとの共同開発により生まれたこのスポーツカーは、新車価格が200万円台と安価で、クルマ好きを虜にした(トヨタは86として発売)。2021年にはフルモデルチェンジを受けて2代目が登場している。今回は、初代BRZ(ZC6)の改良遍歴とグレード別装備内容を紹介していこう。
スバル BRZ(初代/ZC6)ってどんなクルマ?


2012年3月、トヨタ86/スバルBRZが発売された。全長4240mm、全幅1775mm、全高1300mmのボディサイズに、後輪駆動のパッケージを持つコンパクトなスポーツカーである。兄弟車であるトヨタ86と共通項の多いデザインとなるが、ヘッドランプやバンパー形状などのデザインが異なっている。搭載エンジンは、スバルのFA20型2.0L水平対向4気筒を搭載。最高出力は200馬力、最大トルクは20.9kgmを発揮する。トランスミッションは6速MTまたは6速AT。
2+2のシートレイアウトを採用するが、後席はエマージェンシー用で大人が長時間座るのには不向き。その代わり、トランクと後席にスペアタイヤ4本を搭載できるので、これ1台でサーキットに行ってスポーツ走行を楽しめる設計となっている。超低重心パッケージによるシャープなハンドリング、リッター当たり100馬力を超えるエンジンにより、スポーツカーとして不足のない性能を持つため、初心者から上級者まで幅広いひとが楽しめるクルマに仕上がっている。
改良遍歴は?
2013年8月、一部改良を実施。最上級グレード「S」に、メーカーオプションだったフルフロアアンダーカバーが標準装着された。また、カスタムベース車の「RA」には、メーカーオプションのパフォーマンスパッケージにおいて16インチフロントベンチレーテッドディスクブレーキ、トルセンLSDなどが選べるようになった。
2014年4月、フロント&リアサスペンションダンパーのフリクションや減衰力の特性が見直され、乗り心地を向上。ルーフアンテナにはシャークフィンタイプを採用。さらに「S」にはカーボン調加飾を施したインパネ、デザイン性を高めたアクセスキーが採用された。
2015年2月の改良では、電動パワーステアリングの特性変更、ボディ剛性の向上が行われた。インテリアでは、ステアリングスポークやシフトパネルなどにサテンシルバー加飾が施され、質感をアップ。また「R」をベースとしたカスタム向けグレード「Rカスタマイズパッケージ」を追加。こちらは、マニュアルエアコン、フロアサイレンサー、トランクマットなどが装備され、モータースポーツに限らないカスタマイズに対応する。
2016年7月、マイナーチェンジを実施。エクステリアは、航空機のウイングチップをモチーフにした新デザインのバンパー、LEDヘッドランプ&リアコンビランプを採用したほか、フェンダーガーニッシュや17インチアルミホイール、リアスポイラーの形状も一新された。インテリアは、インパネ、ニーパッド、メーターパネルバイザーにレザー調素材を採用し、各所にレッドステッチが施された。ステアリングが小径化され、グリップ性を向上。メーターパネルには4.2インチマルチインフォメーションディスプレイを採用した。パワートレインは吸排気系の改良、シリンダーヘッドとブロック結合部の剛性を強化し、最高出力は207馬力、最大トルクは21.6kgmに向上。そのほか、ファイナルギアの変更、足まわりのチューニングなどによりハンドリングと乗り心地を大きく高めている。
2017年9月、一部改良が行われた。車体前後のパーツを補強することでボディ剛性をアップ。また「方向指示器のワンタッチ機能」、「ウェルカムラインティング」を導入し、利便性が高められた。
2018年9月、車体後方の空気の乱流を抑えるためのフィンをリアホイールアーチに追加。また、サスペンションのダンパーチューニングが最適化され、コントロール性が高められた。そのほか、「RAレーシング」のロールケージ形状、シートベルトデザインが変更された。
スバル BRZ(初代/ZC6)の主要グレード

BRZのグレード構成は、「R」、「S」が基本となっており、さらにカスタムベース車の「RA」や「RAレーシング」も存在する。また、2016年10月にはザックスダンパー、ブレンボ社製ブレーキなどを採用した「GT」、2017年10月にはSTI製のパーツを盛り込んだ「STIスポーツ」も登場している。パワートレインはすべて共通なので、動力性能はどのグレードも変わらない(ただし6速MTと6速ATではスペックが若干異なる)。ここでは物件が多いグレードの装備内容をみていきたい。
快適性と燃費性能をバランスさせた「R」
装備が省かれた「RA」系を除けば、「R」が最もベーシックなグレードとなる。インテリアはカーボン調となるほか、トリコットシート、サテン調シルバー加飾、メッキインナードアハンドル、バニティミラーを採用。走りの面では、トルセンLSD、Vタワーバー、ロアメンバーブレースなど上級グレードと基本的には変わらない。
快適装備を充実させた上級グレード「S」
インテリアは、シートがファブリック/トリコット仕様となるほか、レザー調素材巻きインパネ&メーターバイザーを採用するなど、「R」と比べて上質感の高い仕立てとなるのが特徴。また、LEDフロントフォグランプ、ヒーテッドドアミラー、ウェルカムライティング、オートライト、クルーズコントロール、フルオートエアコンなどの快適装備も充実している。
足まわりを強化した「GT」
インテリアは、シートがアルカンターラ/本革仕様となるなど、高級感をさらに向上したのが「GT」。足まわりには、ザックスダンパー、ブレンボ社製ブレーキが与えられ、走りも強化されている。
STIのパーツを用いた最上級モデル「STIスポーツ」
アルカンターラ/本革シート(ブラック/ボルドー色)、グランリュクス&赤ステッチのメーターバイザー、赤ステッチ入りの本革巻きステアリング、STIロゴ入りのステンレス製サイドシルプレートなど、より豪華に仕立てられたインテリアを持つ。フロントバンパーも専用デザインとなり、STIエンブレムを装着。足まわりは、専用チューニングザックスダンパー&コイルスプリング、STI製フレキシブルVバー、215/40R18タイヤ、ブラック塗装アルミホイール、ブレンボ社製ブレーキを装着するなど、よりスポーティな走りを実現している。
※上の記述は、2017年発売モデルについてまとめたもの。年式によって装備内容が異なる場合があります。
まとめ

コンパクトかつ安価なFRスポーツを探すなら、BRZは外せない存在。というより、現在このジャンルはマツダ ロードスターかトヨタ86/スバルBRZしかない状況ゆえ、必然的に候補になってくるはず。幸いフルモデルチェンジで2代目が登場したため、初代もプレミアが付かず現実的な価格で入手できる。どのグレードもパワートレインに差はなく、装備内容が異なっている。価格と内容のバランスに優れた「R」や「S」がオススメだ。

ライタープロフィール
1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。
また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。
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