中古車購入ガイド
更新日:2022.04.08 / 掲載日:2022.04.08
トヨタ プリウス(4代目/W50)の改良遍歴とねらい目グレード

ハイブリッドカー普及の立役者となった名車、トヨタ プリウス。1997年の発売以来、優れた燃費性能と独特の走行フィールで、次世代の自動車像を予感させた。モデルチェンジを繰り返すことで進化し続けるプリウスは、2022年現在でも一級のエコカーとして人気を集めている。今回は2015年に登場した4代目の改良遍歴とねらい目グレードを探ってみたい。
トヨタ プリウス(4代目/W50)ってどんなクルマ?


2015年12月、トヨタは4代目プリウスを発表した。今回の見どころは、なんと言っても新プラットフォーム「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」を初めて導入したこと。TNGAはその後のトヨタ車に続々と採用されていくが、4代目プリウスはその最初のモデルとなった。また、2代目と3代目は流線型で丸みのあるフォルムが特徴だったが、4代目はエッジの効いたシャープなデザインに。特にヘッドライトまわりは賛否両論が巻き起こるほど、今までにない個性を放っていた。
TNGAの恩恵は、走りにも大きく貢献している。低重心化パッケージに加え、ねじり剛性を60%向上させたボディ、ダブルウィッシュボーン式リアサスペンションの採用で、走る楽しさや快適性が高められた。すでに3代目から定評あったが、4代目はドライバーズカーとしてプリウスを選ぶのもありと言われるほどである。また、プリウス初の4WD「E-Four」を設定したことで、雪国のユーザーからも歓迎された。パワートレインは、1.8Lの「THS II」を搭載。熱効率はクラストップレベルの40%に達し、JC08モード燃費は最大40.8km/Lを実現した(Eグレード)。
改良遍歴は?
2017年11月、プリウス誕生20周年を記念した特別仕様車が発売されるとともに、一部改良が行われた。特別仕様車「20th Anniversary Limited」は、特別設定色のツートーンカラー、ブラックスタッパリング塗装を施したホイール、ホワイトのプレミアムナッパ本革を採用したシート表皮など、高級感を高めたモデルとなっている。一部改良では、ピアノブラック加飾のフロントコンソールトレイ、11.6インチのTコネクト SDナビゲーションシステムが設定された。
発売から3年後の2018年12月、マイナーチェンジを受けた。フロントグリル、バンパー、前後ランプのデザインが変更されたのがトピック。特に、賛否両論だったフロントまわりがスッキリとした形状になり、より万人に好まれるスタイルとなったといえる。またホイール形状も見直され、17インチはチタン調塗装が施されたほか、15インチはツインスポーク形状となり、奥行き感のあるデザインとなった。また、専用通信機DCMが全車標準搭載となり、Tコネクトサービスが3年間無料で利用できるようになった。そのほか、昼間の歩行者検知も可能にしたプリクラッシュセーフティなど、多くの先進安全装備が盛り込まれた「トヨタセーフティセンス」が全車標準装備されている。
2020年7月、一部改良が行われた。プリクラッシュセーフティの検知範囲を夜間の歩行者、昼間の自転車に拡大したほか、レーントレーシングアシストを装備するなど「トヨタセーフティセンス」の機能を向上。また、駐車場などでのアクセルとブレーキの踏み間違いによる事故被害を軽減する「インテリジェントクリアランスソナー」も全車標準装備とするなど、安全性が一層高められた。
トヨタ プリウス(4代目/W50)グレードと相場

プリウスのグレードは、「E」、「S」、「A」、「Aプレミアム」で構成される。さらに「E」を除く各グレードには、17インチホイール、専用リアバンパーを採用した「ツーリングセレクション」が選べる。ここでは、中古車が豊富な主力グレードと相場を見ていこう。
燃費重視のエントリーモデル「E」
ファブリックシート、ウレタン製ステアリングなど簡素なインテリアとなるが、JC08モードのカタログ燃費は全グレード最高の40.8km/L(2015年12月デビュー時点)を誇る。燃費を最重視するなら「E」をオススメしたいところだが、残念ながら物件が非常に少ないレアなグレードとなっている。中古車平均価格は147万円と安い。
基本装備が充実した「S」
上級ファブリックシート(ツーリングセレクションは合成皮革)、UVカット・撥水ガラス、運転席ランバーサポート(ツーリングセレクションのみ)など、ワンランク上の装備が採用される「S」。中古車物件も非常に多く、全体の半数近くを占めている。中古車平均価格は187万円となっており、全年式をとおして200万円以下の予算で探せる状況。とはいえ、新車価格が約270万円~ということを考えると、極端な値落ちは見られない。
上級グレード「A」
イルミネーテッドエントリーシステム、ホワイト加飾フロントコンソールトレイなど、「S」よりも豪華な内装の「A」。デビュー当初はトヨタセーフティセンスも標準装備となっていた。物件数は全体の3割弱を占めており、中古車平均価格は198万円。「S」に並んで主流のグレードといえよう。
最上級モデル「Aプレミアム」
プリウスの最上級グレードが「Aプレミアム」。本革シート、本革巻きステアリング、合成皮革巻き大型コンソールボックスを標準装備するなど、よりリッチな内装となるのが特徴だ。物件数は全体の1割以下と少なめだが、中古車のボリュームが大きいため、探せば見つかるはず。中古車平均価格は216万円と高価だが、160万円前後の予算から探すことができる。
※上の記述は、2015年発売モデルについてまとめたもの。年式によって装備内容が異なる場合があります。中古車平均価格は2022年3月時点のデータ。
まとめ

物件数、人気ともにトップクラスのプリウス。物件数が多いことは、幅広い予算で自分好みの仕様(グレード、年式、カラーなど)を選べることにつながる。2018年の改良以降、トヨタセーフティセンスが標準装備となったので、安全性重視なら後期型をねらうのもよい。パワートレインは共通なので、どのグレードを選んでも走りに大きな差がないため、自分の予算に応じて選ぶことが可能だ。

ライタープロフィール
1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。
また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。
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