中古車購入ガイド
更新日:2022.04.27 / 掲載日:2022.04.27
ホンダ オデッセイ(5代目)の改良遍歴とねらい目グレード

1994年に登場したホンダのミニバンがオデッセイ。低めの車高により、セダンに近い感覚で乗れるミニバンとして一大ムーブメントを巻き起こした。特に2003年に登場した3代目では、立体駐車場にも入庫可能な1550mmという全高を実現し、「低いミニバン」として話題となった。また、ミニバンとしてはスポーティな走りも売りで、2代目以降は「アブソルート」と呼ばれるグレードも設定。しかし、2013年に登場した5代目では、それまでの低車高路線からラグジュアリーな路線へと舵を切った。これによりトヨタ アルファード/ヴェルファイア、日産 エルグランドとも比較されることも多い。今回は、5代目オデッセイの改良遍歴とグレード別の相場に注目してみたい。
ホンダ オデッセイ(5代目/RC)ってどんなクルマ?


2013年11月、オデッセイがフルモデルチェンジを受けて5代目となった。新型は、リアにスライドドアを採用したほか、天井高を上げて座面高を下げる「超低床プラットフォーム」を採用したのが先代までとの大きな違い。これにより広い室内空間と走行安定性の両立を実現している。2列目シートは、シートバックを倒すと連動してクッションが最適な角度に持ち上がる新機構に加え、オットマンやシートバック中折れ機構を備えたプレミアムクレードルシートを採用。3分割リクライニング機構を備えた3列シートも導入され、どのシートでも快適な移動が可能となった。
デビュー当初のパワートレインは、エンジン骨格から刷新された2タイプの新開発2.4L 直4DOHCを設定。ひとつは直噴化され、スポーティグレード「アブソルート」に搭載される。トランスミッションは全車CVTを組み合わせるが、「アブソルート」は7速変速モード付きとなる。そのほか、車両周囲の映像をナビゲーション画面に表示するマルチビューカメラシステム、死角エリアに存在する車両を知らせるブラインドスポットインフォメーション、誤発進による事故防止をサポートするシティブレーキアクティブシステムなど、多くの安全装備が盛り込まれている。
改良遍歴は?
2014年5月、新グレード「G エアロパッケージ」が追加された。「G」をベースに、大開口フロントグリル(クロームメッキ)、エアロバンパー&ドアロアガーニッシュ、17インチホイール、ブラックのファブリック内装を採用している。
2015年1月、一部改良を受けて安全運転支援システム「ホンダセンシング」を搭載(一部グレードは未設定)。具体的には、衝突軽減ブレーキ(CMBS)、誤発進抑制機能、先行車発進お知らせ機能、標識認識機能、車線維持支援システム、路外逸脱抑制機能、アダプティブクルーズコントロールで構成される。
2016年2月、一部改良が行われた。今回は全グレードに「ホンダセンシング」を設定。運転席大型アームレスト、フルオートエアコンなどの快適装備も充実化された。また、ハイブリッドモデルも新登場。リチウムイオンバッテリーを1列目シート床下に配置することで、広い室内空間はそのままに、JC08モード燃費26.0km/Lという低燃費を実現した。
2017年11月、マイナーチェンジを実施。エクステリアは、フロントバンパーおよびグリルのデザインを変更。LEDフォグランプも標準装備となった。インテリアは、プレミアムクレードルシートに大型ヘッドレストを採用。足元にはスマートフォンやペットボトルなどが収納可能な小物入れも備わった。さらに、「ホンダセンシング」も全車に標準装備されている。
2020年11月、ビッグマイナーチェンジを受けた。ヘッドライト、フロントグリルを中心にエクステリアが大幅刷新されたのがトピック。重厚感のある最上級ミニバンらしい佇まいとなった。インテリアは、フルカラー液晶パネルを3.5インチから7インチに変更。運転席側の収納式ドリンクホルダーの追加、リッド付きインパネアッパーボックスを設定するなど、利便性も高められた。そのほか、ジェスチャーコントロール・パワースライドドア、予約ロック、ハンズフリーアクセスパワーテールゲートなど多くの装備が盛り込まれている。
ホンダ オデッセイ(5代目/RC)の主要グレード

グレード構成は、大きく分けると「G」、「アブソルート」、「ハイブリッド」、「ハイブリッド アブソルート」が存在する。ハイブリッドは後にe:HEVに名称変更となった。駆動方式はFFまたは4WDから選択可能。また、ホンダセンシング搭載車はグレード名に併記されることも覚えておきたい。ここでは各グレードの中古車相場を見ていこう。
スタンダードな「G」系
2.4L 直4エンジンを搭載する「G」。パワースライドドア、クルーズコントロール、スマートキーシステム、フルオートエアコンなどが備わっているため、利便性は十分。さらに「G EX」では、2列目大型ロールサンシェイド、木目調リアドアパネル、16インチアルミホイールを装備。また、エアロルックの「G エアロパッケージ」も用意されている。中古車平均価格は135万円と安いが、物件数はほかのグレードと比べて少ないのが難点だ。
スポーティグレード「アブソルート」
直噴エンジンを搭載したスポーティグレード。「G」系と同じ排気量だが、エンジンスペックはこちらのほうがやや高い。また、17インチホイール(EXのFFモデルは18インチ)を装着し、足もとを引き締めている。中古車平均価格は192万円と、「G」に比べて高め。しかし、物件数はこちらのほうが圧倒的に多く探しやすい。価格の下限は120万円となっており、100万円台前半の物件も目立つ。
燃費を重視するなら「ハイブリッド」
2.0L 直4エンジンに184馬力/32.1kgmのモーターを組み合わせたハイブリッドは、JC08モード26.0km/Lを誇る。標準モデルに加え、トリプルゾーンエアコンなどが装備された「EXパッケージ」、マルチビューカメラが装備された「アドバンスドパッケージ」も設定される。2016年登場のため高年式物件が多く、中古車平均価格は238万円とガソリン車よりも高い。しかし価格の下限は160万円なので、200万円前後の予算でも探せるだろう。物件数はそれほど多くない。
最上級グレード「ハイブリッド アブソルート」
ハイブリッド版のアブソルート。専用サスペンション、専用デザインの17インチホイールなどが与えられる。こちらにも「EXパッケージ」、「アドバンスドパッケージ」が選択可能。最上級グレードゆえ中古車平均価格は294万円と高額。その一方、標準の「ハイブリッド」と比べて物件数が非常に多く、選択肢のひとつになるだろう。平均価格は高いが、200万円台前半の物件も少なくない。
※上の記述は、2013年発売モデルについてまとめたもの。年式によって装備内容が異なる場合があります。中古車平均価格は2022年4月時点のデータ。
まとめ

すでに生産終了したので、在庫限りとなったオデッセイ。中古車市場には十分な在庫があるため買い急ぐ必要はないが、検討しているなら中古車動向はチェックしておいたほうがよい。パワートレインや足まわりの違いで、標準モデルとアブソルート系に分けられるが、物件が多いのは後者。中古車のほとんどがアブソルートと言っても過言ではない。ハイブリッド系はやや割高ではあるが、燃費性能を含めて考えると十分検討の余地がある。買いやすいのはガソリンの「アブソルート」だが、予算に余裕があるなら「ハイブリッド アブソルート」をねらってもいいだろう。