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更新日:2022.10.28 / 掲載日:2022.10.28
車の故障で自動車保険を使うときはどうすればいい?使える条件について解説
車の故障は修理費用が高くつくことも多いため、自動車保険によって保険金が下りればとても有利です。こうした場合は修理のための保険「車両保険」を使いますが、実際に使えるかどうかは状況によって異なります。
この記事では、車両保険の一般型や限定型などの種類や自賠責保険との違い、車両保険が適用されるケースとそうではないケースについて、詳しく説明していきます。また、全損事故の場合の対応についても見ていきましょう。
しかし、どんな時でも使えるわけではありません。保険金を受け取るためには一定の条件をクリアすることが必要です。また、車両保険を使う場合はデメリットもあるので知っておく必要があります。
以下では、車両保険が使えるケースとそうでないケースなども含め、詳しい内容を説明していきます。

故障した車の修理費用は自動車保険の「車両保険」でまかなうことができます。
では、この車両保険の補償内容とはどのようなものなのでしょう?注意点も含めて確認していきましょう。
車の故障や損傷には様々な原因があり、交通事故や自然災害、イタズラや飛び石などが挙げられます。これらの理由で修理が必要になった場合、車両保険から保険金が支払われることになります。また、車の修理のための移動にかかるレッカー代や修理期間中の代車の費用などもカバーするなど、適用範囲は広いです。
しかし、経年劣化を理由とする「ただの故障」には適用されないので注意が必要です。また、保険料が安いものの適用範囲が狭い「限定型」というタイプが存在したり、車両保険を使うと等級が下がったりといったデメリットもあります。
車両保険は、このような注意点も踏まえながら契約・使用する必要があります。
車両保険が想定しているのは、災害を含む事故・事件などによって車両が被害を受けたケースに限られます。
例えば、エンジンオイルの交換を怠ったまま長期間車に乗り続けると、やがてオイル不足によってエンジンが損傷します。このようなメンテナンス不足による故障は車両保険が下りないので、エンジンの修理・交換費用は全額自己負担となるでしょう。
後者の限定型の場合は、当て逃げや自損事故による車の故障は補償されません。他にも保険会社によっては車同士の事故に限ったタイプなども存在しているので、自分が加入している保険の内容は事前に確認しておきましょう。
等級とは、自動車保険に初めて加入する際に6~7等級からスタートし、その級が上がれば上がるほど保険料も安くなるというものです。
等級は1年間無事故でいるごとに1等級ずつ上がっていき、反対に事故を起こして車両保険を使うと下がっていきます。そのため、車両保険を使って車を修理する場合は、翌年度からの保険料の値上がり分と修理費用を比較して検討する必要があります。

ここまでで、故障した車の修理費用をまかなうことができる「車両保険」の内容を見てきました。
車両保険には保険金が下りるケースと下りないケースがあるので、以下では少し特殊なパターンも含めて、どのような場合に車両保険を使えるのかを説明していきます。
しかし、支払われる保険金のうちの一部が自己負担になる「免責金額」が契約時点で定められていることがあります。この免責金額が大きければ大きいほど、保険料が安くなるという点は大きなメリットですが、保険を利用する際は注意が必要です。
また、車両保険は、電柱や壁にぶつかるなどして人的被害が出ていない「自損事故」でも使うことができます。とにかく事故を原因とする故障・損傷であれば全般的に保険金が下りると考えていいでしょう。
洪水に遭遇して水没し、エンジンが壊れたという場合は、エンジンの修理・交換費用を車両保険の保険金でまかなえるでしょう。つまり、自然災害によって車が破損して動かなくなってしまうことも、故障や不具合のうちに入るということです。
他にも台風による飛来物でボディやフロントガラスが損傷した場合なども、修理費用を車両保険でまかなうことが可能です。
まず、レッカー移動については故障によって動かない車を修理工場へ運搬する場合、かかる費用を車両保険でまかなえるということです。
また、車の修理は必要なパーツを取り寄せると長期間に及ぶことも珍しくありません。修理期間中に代車を借りるなら、その費用も車両保険でまかなえることもあります。
例えば、タイヤの摩耗に気付かずに雪道を走行し、スリップして事故を起こした場合、事故による損傷は車両保険が使えるでしょう。ただし、新しいタイヤの購入費用もカバーできるかどうかは保険会社に相談する必要があります。
一方、自分の車庫や敷地内の建物なども壊してしまった場合は、その修理費用を対物賠償保険でまかなうことはできません。対物賠償保険は、あくまでも他人のモノを交通事故で壊した場合に使えるもので、自分のモノについては火災保険などを使って修理することになるでしょう。
また、運転手の怪我は人身傷害保険を、同乗者の怪我については搭乗者傷害保険を使うことになります。
例えば、もともと被害者が加害者から受け取れる保険金が100万円だったとします。事故の「加害者:被害者」の過失割合が「9:1」と認定されれば、被害者は「過失相殺」によって90万円しか受け取れない計算です。
この金額は、保険会社が勝手に決めるわけではありません。加害者と被害者の承諾のもとで金額が決定されます。つまり、被害者が車の修理のために受け取れるはずだった保険金が減額されてしまうケースもあるということです。
こうした場合の減額分は自己負担となりますが、車両保険を使えばその分を埋め合わせることができます。上述した例でいけば、被害者は90万円を加害者から賠償してもらい、10万円を自己負担あるいは自分の車両保険の保険金でカバーすることになります。
被害者に非がないように見える事故でも過失相殺分が発生することはよくあるので、いざという時に保険金が下りるのは安心です。
交通事故で自分が被害に遭って車が全損したら、加害者の対物賠償保険で買い替え費用をまかなえますが、過失割合によっては満額受け取れないこともあります。こうした場合も、自分の車両保険で不足分をカバーできるでしょう。

ここまでで、車両保険は事故全般・自然災害・さらにレッカー移動や代車費用、過失相殺によって減額された分まで補償されることが分かりました。
では、反対に車両保険が使えないケースとしてはどんなものがあるのかを見ていきましょう。
ただし例外もあります。例えば、整備工場に一度出した車が後になって故障した場合は、その工場に相談すると補償してくれることもあるでしょう。
また、最近は「故障運搬時車両損害特約」という「ただの故障」の修理費用もカバーできる特約があります。基幹部品であるエンジンをはじめとする様々な部位の修理に対応しています。
新車で購入したのであれば「メーカー保証」がついてくるので、保証期間内に不具合が発生すれば無料での修理や消耗品交換ができます。中古車でも同じように販売店が保証を定めていることもありますが、店舗によるでしょう。
また、中古車販売店で保証を定めていたとしても内容が店舗によってバラバラだったり、制限が厳しかったりすることも多く、別途料金がかかることも珍しくありません。そのため、中古車の故障については「原則、自己負担になる」と考えた方がいいでしょう。
それでも購入した中古車が故障し、故障の原因が自分でないことが明らかなこともあります。そうした場合は、まずは販売店に相談してみましょう。
改造車の場合、賠償が認められるのは車の基本的な部分の修理費用に限られ、改造にかかった分の修理費用は補償はされない可能性が高いです。ただし、改造申請・構造変更の手続きが済んでいる車は、この限りではありません。

車両保険を使って車の修理費用をまかないたい場合は、どのような手続きを取ればいいか見ていきましょう。
まず重要なポイントとして、その故障の原因が交通事故によるものである場合は必ず警察へ連絡しなければなりません。警察に連絡すると「事故証明書」が発行可能となります。
保険会社では事故証明を入手し、その内容に基づいて保険金を支払うことになります。そのため、事故の場合は警察と保険会社の双方に連絡しましょう。
次に故障の原因が交通事故か否かに関わらず、修理してもらう業者や工場から修理費用の見積書を出してもらうことも忘れてはいけません。保険会社では、この見積書を見て支払金額を算出します。
保険金を請求するために必要なものには、他にも保険会社独自の保険金請求書、事故発生状況報告書、事故車両の写真などがあります。詳しくは保険会社によって異なるので、手続きを行う際は前もってしっかり確認しておくことが大切です。

ここまでで、故障・破損した車の修理に使う「車両保険」の内容について適用されるケースとそうでないケースも含めて詳しく見てきました。
ここからは、さらに自賠責保険・火災保険・対物賠償保険などの補償について車両保険との関係も含めて解説していきます。
自賠責保険の補償内容は、交通事故の被害者救済を目的としています。怪我をした場合は最高で120万円、死亡の場合は最高で3,000万円、後遺障害の場合は最高4,000万円の補償が受けられます。
ただし、自賠責保険はあくまでも「対人保険」であり、交通事故に遭った「被害者」の肉体的・精神的な損害の補償にしか使えません。そのため、被害者が乗っていた車の修理費用や自損事故で壊してしまった建造物などの復旧費用などには充てられないことになっています。
一方、車両保険は自分の車の修理費用にしか使えない保険です。これらの点で、自賠責保険とは正反対の内容と言っていいでしょう。
また、保険会社によっては「自宅・車庫等修理費用補償特約」という特約が用意されていることもあるので、こちらを使うのもいいでしょう。
また、マンションやアパートに住んでいて、共用部にぶつけてしまったというケースもあります。この共用部が「他人のモノ」として対物賠償保険で修理できるかどうかは、ケースバイケースになるでしょう。
メーカー保証には「一般保証」と「特別保証」の2種類があります。一般保証は各メーカー共通で新車登録から3年・走行距離6万キロまでなら補償されるという内容になっています。そして、特別保証はエンジンなど車の走行に欠かせないパーツなども補償対象になります。
詳しい補償内容はメーカーごとに異なりますので、新車を購入する時は確認しておきましょう。
それは、「故障運搬時車両損害特約」です。加入・使用にあたっては条件があるケースもありますが、様々な部位の故障に使えるので便利です。
保険会社の用意する保険商品には他にも沢山の種類があり、年々増えたり内容が改定されたりしています。補償面で不安がある場合は、各保険会社で扱う特約をチェックしておきましょう。
この記事では、車両保険の一般型や限定型などの種類や自賠責保険との違い、車両保険が適用されるケースとそうではないケースについて、詳しく説明していきます。また、全損事故の場合の対応についても見ていきましょう。
この記事の目次
車が故障した時は自動車保険を使うことができる
車が故障した場合、その修理費用は自動車保険の一種である「車両保険」でまかなうことができます。しかし、どんな時でも使えるわけではありません。保険金を受け取るためには一定の条件をクリアすることが必要です。また、車両保険を使う場合はデメリットもあるので知っておく必要があります。
以下では、車両保険が使えるケースとそうでないケースなども含め、詳しい内容を説明していきます。
修理費用は車両保険でまかなえる

では、この車両保険の補償内容とはどのようなものなのでしょう?注意点も含めて確認していきましょう。
車両保険とは?
自分の車が故障したり、事故などで損傷したりして修理が必要になった場合は、車両保険を使って修理費用をカバーすることができます。車の故障や損傷には様々な原因があり、交通事故や自然災害、イタズラや飛び石などが挙げられます。これらの理由で修理が必要になった場合、車両保険から保険金が支払われることになります。また、車の修理のための移動にかかるレッカー代や修理期間中の代車の費用などもカバーするなど、適用範囲は広いです。
しかし、経年劣化を理由とする「ただの故障」には適用されないので注意が必要です。また、保険料が安いものの適用範囲が狭い「限定型」というタイプが存在したり、車両保険を使うと等級が下がったりといったデメリットもあります。
車両保険は、このような注意点も踏まえながら契約・使用する必要があります。
注意点①経年劣化・メンテナンス不足の故障は補償対象外
車両保険は車の修理費用をまかなえて便利ですが、車の経年劣化やメンテナンス不足が原因である故障では使うことができません。車両保険が想定しているのは、災害を含む事故・事件などによって車両が被害を受けたケースに限られます。
例えば、エンジンオイルの交換を怠ったまま長期間車に乗り続けると、やがてオイル不足によってエンジンが損傷します。このようなメンテナンス不足による故障は車両保険が下りないので、エンジンの修理・交換費用は全額自己負担となるでしょう。
注意点②一般型と限定型がある
車両保険には、補償範囲が広い「一般型(フルカバー)」と保険料は安いものの補償範囲が限られている「限定型(エコノミー)」の2種類があるので注意が必要です。後者の限定型の場合は、当て逃げや自損事故による車の故障は補償されません。他にも保険会社によっては車同士の事故に限ったタイプなども存在しているので、自分が加入している保険の内容は事前に確認しておきましょう。
注意点③車両保険を使うと等級が下がる
車両保険は一度使用すると等級が下がり、翌年からの保険料が値上がりするというデメリットもあります。等級とは、自動車保険に初めて加入する際に6~7等級からスタートし、その級が上がれば上がるほど保険料も安くなるというものです。
等級は1年間無事故でいるごとに1等級ずつ上がっていき、反対に事故を起こして車両保険を使うと下がっていきます。そのため、車両保険を使って車を修理する場合は、翌年度からの保険料の値上がり分と修理費用を比較して検討する必要があります。
車両保険が使えるケース

車両保険には保険金が下りるケースと下りないケースがあるので、以下では少し特殊なパターンも含めて、どのような場合に車両保険を使えるのかを説明していきます。
事故全般
車両保険は交通事故による車両の故障や損傷の修理費をカバーするために使うことが可能です。また、自分が交通事故の加害者であるか被害者であるかを問いません。しかし、支払われる保険金のうちの一部が自己負担になる「免責金額」が契約時点で定められていることがあります。この免責金額が大きければ大きいほど、保険料が安くなるという点は大きなメリットですが、保険を利用する際は注意が必要です。
また、車両保険は、電柱や壁にぶつかるなどして人的被害が出ていない「自損事故」でも使うことができます。とにかく事故を原因とする故障・損傷であれば全般的に保険金が下りると考えていいでしょう。
自然災害(地震以外)による故障
地震や津波、火山の噴火を除く自然災害が原因で生じた故障なら、車両保険が使えます。洪水に遭遇して水没し、エンジンが壊れたという場合は、エンジンの修理・交換費用を車両保険の保険金でまかなえるでしょう。つまり、自然災害によって車が破損して動かなくなってしまうことも、故障や不具合のうちに入るということです。
他にも台風による飛来物でボディやフロントガラスが損傷した場合なども、修理費用を車両保険でまかなうことが可能です。
修理に伴うレッカー移動・代車費用
車両保険の契約内容にもよりますが、車の修理に伴うレッカー移動のための費用や代車費用も保険金でカバーできることがあります。まず、レッカー移動については故障によって動かない車を修理工場へ運搬する場合、かかる費用を車両保険でまかなえるということです。
また、車の修理は必要なパーツを取り寄せると長期間に及ぶことも珍しくありません。修理期間中に代車を借りるなら、その費用も車両保険でまかなえることもあります。
経年劣化による事故で生じた故障
経年劣化による故障の修理費用は、そのための特約をつけていない限り車両保険でまかなうことはできません。しかし、その故障によって事故が発生し損傷(故障)してしまったのであれば、車両保険で保険金が下りることがあります。例えば、タイヤの摩耗に気付かずに雪道を走行し、スリップして事故を起こした場合、事故による損傷は車両保険が使えるでしょう。ただし、新しいタイヤの購入費用もカバーできるかどうかは保険会社に相談する必要があります。
自宅敷地内での事故による故障
自宅の敷地内で事故を起こして、その結果車が故障した場合は車両保険が使えます。一方、自分の車庫や敷地内の建物なども壊してしまった場合は、その修理費用を対物賠償保険でまかなうことはできません。対物賠償保険は、あくまでも他人のモノを交通事故で壊した場合に使えるもので、自分のモノについては火災保険などを使って修理することになるでしょう。
また、運転手の怪我は人身傷害保険を、同乗者の怪我については搭乗者傷害保険を使うことになります。
過失相殺による減額分
交通事故による保険金の支払いでは、過失割合に基づいて加害者と被害者の責任の割合を数値化し、支払額を減額したりします。例えば、もともと被害者が加害者から受け取れる保険金が100万円だったとします。事故の「加害者:被害者」の過失割合が「9:1」と認定されれば、被害者は「過失相殺」によって90万円しか受け取れない計算です。
この金額は、保険会社が勝手に決めるわけではありません。加害者と被害者の承諾のもとで金額が決定されます。つまり、被害者が車の修理のために受け取れるはずだった保険金が減額されてしまうケースもあるということです。
こうした場合の減額分は自己負担となりますが、車両保険を使えばその分を埋め合わせることができます。上述した例でいけば、被害者は90万円を加害者から賠償してもらい、10万円を自己負担あるいは自分の車両保険の保険金でカバーすることになります。
被害者に非がないように見える事故でも過失相殺分が発生することはよくあるので、いざという時に保険金が下りるのは安心です。
全損事故の買い替え費用
自損事故で車が全損したら、車両保険の支払可能限度額が満額支払われます。ただし、この限度額は車の時価と連動しているため、買い替えようとして金額が足りない場合は「全損時諸費用特約」「新車特約」などを使わなければなりません。交通事故で自分が被害に遭って車が全損したら、加害者の対物賠償保険で買い替え費用をまかなえますが、過失割合によっては満額受け取れないこともあります。こうした場合も、自分の車両保険で不足分をカバーできるでしょう。
車両保険が使えないケース

では、反対に車両保険が使えないケースとしてはどんなものがあるのかを見ていきましょう。
経年劣化・メンテナンス不足による故障
繰り返しになりますが、メンテナンス不足や経年劣化による「ただの故障」では、基本的に車両保険は使えません。ただし例外もあります。例えば、整備工場に一度出した車が後になって故障した場合は、その工場に相談すると補償してくれることもあるでしょう。
また、最近は「故障運搬時車両損害特約」という「ただの故障」の修理費用もカバーできる特約があります。基幹部品であるエンジンをはじめとする様々な部位の修理に対応しています。
中古車を買ったら故障していた
中古車を購入したら前の持ち主からの故障が後になって発覚したり、購入直後にすぐ故障したりするケースがあります。こうした故障は車を購入した人の責任とは言い切れないところがありますが、車両保険を使って修理することができません。新車で購入したのであれば「メーカー保証」がついてくるので、保証期間内に不具合が発生すれば無料での修理や消耗品交換ができます。中古車でも同じように販売店が保証を定めていることもありますが、店舗によるでしょう。
また、中古車販売店で保証を定めていたとしても内容が店舗によってバラバラだったり、制限が厳しかったりすることも多く、別途料金がかかることも珍しくありません。そのため、中古車の故障については「原則、自己負担になる」と考えた方がいいでしょう。
それでも購入した中古車が故障し、故障の原因が自分でないことが明らかなこともあります。そうした場合は、まずは販売店に相談してみましょう。
改造車
車が好きな方は愛車を改造していることもあるでしょう。ドレスアップ程度のものなら問題ないものの、車検に通らないほどの極端な改造を施していると、いざ事故などで故障した場合に補償されないこともあるので注意しましょう。改造車の場合、賠償が認められるのは車の基本的な部分の修理費用に限られ、改造にかかった分の修理費用は補償はされない可能性が高いです。ただし、改造申請・構造変更の手続きが済んでいる車は、この限りではありません。
車両保険を使う場合の手続きは?

まず重要なポイントとして、その故障の原因が交通事故によるものである場合は必ず警察へ連絡しなければなりません。警察に連絡すると「事故証明書」が発行可能となります。
保険会社では事故証明を入手し、その内容に基づいて保険金を支払うことになります。そのため、事故の場合は警察と保険会社の双方に連絡しましょう。
次に故障の原因が交通事故か否かに関わらず、修理してもらう業者や工場から修理費用の見積書を出してもらうことも忘れてはいけません。保険会社では、この見積書を見て支払金額を算出します。
保険金を請求するために必要なものには、他にも保険会社独自の保険金請求書、事故発生状況報告書、事故車両の写真などがあります。詳しくは保険会社によって異なるので、手続きを行う際は前もってしっかり確認しておくことが大切です。
その他の保険・補償と車両保険の関係

ここからは、さらに自賠責保険・火災保険・対物賠償保険などの補償について車両保険との関係も含めて解説していきます。
自賠責保険
自動車の保険には、ここまで説明してきた車両保険のように契約する・しないを自由に決められる「任意保険」と、自動車を所有する際に加入することが法律によって義務付けられている「強制保険」の2種類があります。そして、この強制保険が自賠責保険になります。自賠責保険の補償内容は、交通事故の被害者救済を目的としています。怪我をした場合は最高で120万円、死亡の場合は最高で3,000万円、後遺障害の場合は最高4,000万円の補償が受けられます。
ただし、自賠責保険はあくまでも「対人保険」であり、交通事故に遭った「被害者」の肉体的・精神的な損害の補償にしか使えません。そのため、被害者が乗っていた車の修理費用や自損事故で壊してしまった建造物などの復旧費用などには充てられないことになっています。
一方、車両保険は自分の車の修理費用にしか使えない保険です。これらの点で、自賠責保険とは正反対の内容と言っていいでしょう。
火災保険
車で事故を起こして建造物などを破壊した場合は、対物賠償保険が使えます。対物賠償保険はあくまでも「他人のモノ」を損傷した場合に使えるものなので、自分の家の敷地内で事故を起こして車庫を壊してしまった場合などは使えません。その場合は、火災や雪害などで建物が被害を受けた時に使える火災保険を使うことになります。また、保険会社によっては「自宅・車庫等修理費用補償特約」という特約が用意されていることもあるので、こちらを使うのもいいでしょう。
対物賠償保険
前述しましたが、対物賠償保険はあくまでも「他人のモノ」を交通事故で壊してしまった場合に使える保険です。交通事故を起こした加害者が、対物賠償保険で自分の車を修理することはできません。その場合は、車両保険を使うことになります。また、マンションやアパートに住んでいて、共用部にぶつけてしまったというケースもあります。この共用部が「他人のモノ」として対物賠償保険で修理できるかどうかは、ケースバイケースになるでしょう。
メーカー保証
車の修理で使える保険・補償は車両保険に限りません。例えば、新車を購入した場合は「メーカー保証」がついてくるので、保証期間内であれば、車に故障や不具合が発生しても無料で修理やパーツ交換を行ってくれるでしょう。メーカー保証には「一般保証」と「特別保証」の2種類があります。一般保証は各メーカー共通で新車登録から3年・走行距離6万キロまでなら補償されるという内容になっています。そして、特別保証はエンジンなど車の走行に欠かせないパーツなども補償対象になります。
詳しい補償内容はメーカーごとに異なりますので、新車を購入する時は確認しておきましょう。
その他特約
保険会社にもよりますが、通常の車両保険では補償されないような、経年劣化を原因とする故障をカバーする特約も存在します。それは、「故障運搬時車両損害特約」です。加入・使用にあたっては条件があるケースもありますが、様々な部位の故障に使えるので便利です。
保険会社の用意する保険商品には他にも沢山の種類があり、年々増えたり内容が改定されたりしています。補償面で不安がある場合は、各保険会社で扱う特約をチェックしておきましょう。
まとめ
①車の故障は「車両保険」で修理費用をカバーできる
②車両保険は事故や災害、イタズラによる故障の修理費用をカバーしてくれるが、経年劣化・メンテナンス不足が原因の故障は補償対象外となる
③車両保険には「一般型」と「限定型」があり、保険を利用すると等級が下がるなどの注意点もある
④修理に伴うレッカー移動・代車費用もカバーされる
⑤過失相殺による減額分や全損事故の買い替え費用もカバーされる
⑥改造車は補償対象外となることがあるので注意
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