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更新日:2024.07.25 / 掲載日:2022.11.25

夏は車が故障しやすいって本当?夏に頻発する車の故障について解説

夏の暑さが年々厳しくなってきたと言われる昨今、猛暑や湿度上昇を原因とした車の故障やトラブルも増えてきています。

車が故障しやすい猛暑の中で立ち往生なんてことになれば、ドライバーや同乗者の健康を害する恐れもあるでしょう。

そこで今回は、夏場に発生しやすい車の故障・トラブルとその原因について紹介しています。被害を最小限にとどめる対処法やトラブルを未然に防ぐ予防法についても解説しますので、参考にしてください。

夏に頻発する車の故障5選~その原因と対処法~

車には随所に消耗品と精密機器が用いられているため、1年中いつでも故障する可能性はあります。しかし、その中でも夏場に起こりやすい故障・トラブルとしては以下のものが挙げられます。

①タイヤの故障
②バッテリーのトラブル
③エアコンの不調
④室内温度上昇に伴うトラブル
⑤オーバーヒート

以下で対処法を確認していきましょう。

①タイヤのパンク・バースト

車のタイヤには、相当量の空気が充填されていています。その空気圧によって車は支えられ、まっすぐ走り、ハンドル操作に従って曲がることができます。

そんなタイヤに釘などの先端がとがった異物が刺さって穴が開き、そこから内部の空気がじわじわと漏れ出す症状が「パンク」です。

また、強い衝撃を受けた際、経年劣化でできたヒビ・傷などが裂け、内部の空気圧に耐えきれなくなったタイヤが急に破裂することを「バースト」と言います。

パンクの場合は、完全に空気が抜けて走行不能・制御不能状態になるまで若干時間に余裕があります。

一方バーストは、風船が割れた時のように急にタイヤが破裂して走行不能・制御不能状態に陥るため、事故に直結する可能性が高くて危険です。

タイヤのパンク・バーストが発生する原因と対処法

タイヤは分厚く、丈夫で柔軟性に富む特殊なゴムでできていますが、熱によって変質・劣化しやすく、強度や柔軟性がどうしても低下します。

そして、真夏の時期は接地する道路のアスファルトなども高温になる上、タイヤ内部の空気も熱で膨張し空気圧が高まり、さらに摩擦熱も加わるため、パンク・バーストが発生しやすくなります。

パンクして完全に空気が抜けたり、バーストしたりした場合は、そのまま走行すると事故につながりかねません。そのため、まずは慌てずに安全な場所に車を停車し、JAFやロードサービスなどのプロに救援を依頼するのが安全です。

なお、スペアタイヤと工具を積んでいる場合は自分で交換して、最寄りのガソリンスタンドや修理工場に駆けこむこともできます。しかし、スペアタイヤはあくまでも応急用のため、長距離・長時間の移動はしないようにしましょう。

②バッテリー上がり&発電・充電系統の故障

バッテリー上がりとは、バッテリーが電気不足に陥ってしまった状態のことを指します。

本来、エンジンが停止している車は走行中にオルタネーター(発電機)で作った電気をバッテリーにため、それでスターターを動かし再稼働します。しかし、バッテリーが上がって電力が不足すると、エンジンがかからなくなってしまうのです。

バッテリーが正常であっても、車の発電・充電系統のどこかに故障や不具合が発生した場合にも、バッテリー上がりと同じような症状が起きることがあります。

また、バッテリー上がりは主にエンジン停止後に起こりますが、走行中でも発生することがあります。この場合は、エンジンの回転が不安定になりはじめ、やがて停止します。

バッテリー上がり&発電・充電系統の故障が起こる原因と対処法

夏場にバッテリー上がりが増加する最大の原因は、エアコンのフル稼働などで消費する総電力が増えてしまうことにあります。

オルタネーターが発電できる電気量は1年中同じです。しかし、夏場は電力を大量に消費するエアコン(冷房機能)を使用する機会が多いため、発電量を消費電力が上回り、バッテリーの蓄電量が不足しやすくなるというわけです。

バッテリー上がりが起こった場合、ブースターケーブルがあって他車の協力を仰げるなら、他の車から電気を一時的に分けてもらう「ジャンピング」で対処することもできます。

それがない場合や充電・発電系統のトラブルが併発している場合は、JAFやロードサービスに救援を依頼しましょう。

③エアコンの効きが悪い・効かない

使う機会が多ければ故障やトラブルの報告が多いのも当たり前で、エアコンの故障は夏場に集中して起こります。

ただし、その症状は「全く冷えない」「冷えが悪い」というものから、「冷えるが異音・異臭がする」「風が弱い・強くならない」というものまで様々です。

夏場のドライブ中にエアコンが故障すると、快適に過ごせなくなるだけではなく、熱中症などのリスクや体調を害する危険性が高まるため、早急な対処が必要となります。

エアコンの効きが悪い・効かない原因と対処法

エアコンが故障する原因は、症状と同じように多岐にわたります。その中でも主に挙げられるのが、以下の内容です。

・エアコンガスやオイルの不足
・エアコンコンプレッサーの不具合
・スイッチの接触不良、ヒューズ切れ、リレーの不良
・エアコンベルトの断絶
・エアコンフィルターの詰まり・汚れ
・ブロアファンの故障

いずれの場合も素人がその場で復旧することは困難なため、ディーラーや修理工場などに点検・修理・改善を依頼しましょう。

④室内温度上昇に伴うトラブル

JAFが真夏の晴天下(気温35度)で行ったテストによると、午後12時~4時間エアコンを切った状態で駐車しておいた車内の平均温度は「51度」、ダッシュボードの温度は「79度」もの高温に達したそうです。

人間が耐えられないのはもちろん、車内装備や置いていたモノが変形したり、故障したりするのも当たり前です。

近年は、痛ましい事故も起こっています。たとえ短時間であったとしても、真夏の車内に幼い子供や高齢者を置き去りにしたまま、車から離れることは絶対にしないよう心がけてください。

また、マッチやライターなどの可燃物を車内に置きっぱなしにしておくと、発火して火災を引き起こす危険があります。加えてスマホやノートパソコンなどの精密機器も、熱で変形したり故障して使用不能になったりする可能性があるため、手回り品は必ず持ち出すようにしましょう。

室内温度上昇に伴うトラブルが発生する原因と対処法

窓から降り注ぐ紫外線も、車内装備や置いていたモノの変形・故障の要因となります。

変形してしまったモノや室内装備は、高温になっていたり、内容物が流出したりしている場合があります。うかつに触れると火傷や感電をしてしまう恐れがあるので、完全に熱が冷めきって安全が確認されるまでは極力触れないようにしましょう。

また、車内温度を下げるエアコンは「快適装備」と呼ばれていますが、各地で観測史上、最高温度を更新するような猛暑を記録している近年では、生命維持装置と言えるほど大切な装備になってきました。

そんな中、燃料代を節約するためにエアコンの使用を最低限に抑えている方もいるかもしれません。しかし、真夏日や猛暑日に関しては健康を維持する上でエアコンをかけるようにしましょう。

⑤オーバーヒート

オーバーヒートは文字通り、エンジンが熱せられ過ぎた状態(過熱)なので、その症状は段階的に進んでいきます。

まず水温計がH(High)に近づき、エンジンの回転数が安定しなかったり、アクセルを踏んでもスピードが乗らなかったりしてきます。

次に水温計がH側へ振り切り、警告ランプが点灯、アイドリングが困難(アクセルを踏まないとエンジンが止まる)となり、エンジンルームから薄い水蒸気が上がってくるのが確認できるでしょう。

この段階で車を停めて適切に対処すればまだいいのですが、エンジンルームから焦げたような異臭とともに濃い目の煙が上がり、エンジンが完全に停止してしまったら終わりです。エンジンの載せ替えやオーバーホールなど、大掛かりで費用のかかる修理・整備が必要となるため、初期症状を見逃さないでください。

オーバーヒートが起こる原因と対処法

オーバーヒートの原因として、夏場のロングドライブなどでエンジンの温度が想定以上に上昇したにも関わらず、以下で示す冷却・熱放出・温度感知&制御、及び摩擦熱の軽減機能がうまく働いていなかったことが考えられます。

・冷却水不足・漏れ
・ウォーターポンプやファンの作動不良
・各種センサー&サーモスタットの不具合

原因が何であれ、オーバーヒートが発生した場合は、エンジンが完全に冷めるまで触れずに待つのが、被害を最小限に食い止める最善の対処法となるでしょう。

なお、気をつけたいのが、エンジンが冷めて何事もなかったように走行できた場合です。原因を究明し、しかるべき修理・整備をしないとすぐに再発する可能性があるため、症状が出た時は必ず整備工場などで点検を受けるようにしましょう。

オーバーヒートが発生した場合、「エンジンに直接水をかけて急激に冷やせばいいのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし、立ち上った蒸気で火傷したり、エンジンに余計な負担がかかったりする可能性があるため、静観したほうがいいでしょう。

夏に起こる車の故障を減少・症状緩和するための予防策

車には、熱に弱い素材でできたパーツや消耗品が多数使用されています。そのため、高温多湿な夏に故障やトラブルが多くなるのは当然と言えるでしょう。

ただし、その原因を踏まえて以下で述べる予防法を実践すれば、夏場に発生しやすい故障やトラブルを減らしたり、症状を軽くしたりすることも可能です。

以下では、その予防法を5つ紹介していきます。

①タイヤの状態点検・空気圧のチェック

タイヤは1~2トン近くの重さがある車をたった4本で支え、「走る・止まる・曲がる」の全てにおいて重要な役割を果たしています。

そんなタイヤの性能や寿命に大きく影響を与えているのが、内部に充填されている「空気」です。

タイヤ内部の空気圧が適正でないと、パンクやバーストを起こしやすくなるほか、片減りや偏摩耗を起こして寿命が短くなります。

ただし、タイヤの空気はタイヤに傷などの故障や不具合がなくとも、時間経過とともに自然に抜けていきます。その上、走行距離や使う頻度とは関係なく、極端な話をすると駐車したままでもタイヤの空気は抜けてしまいます。

そのため、1.5~2ヶ月に1回は空気圧が適正であるかをチェックし、必要に応じて補充などの調整をしましょう。

空気圧点検と調整は、ガソリンスタンドやカー用品店などで無料で行ってくれます。道具と知識があれば自分でも点検や調整は可能ですが、万全を期すならプロにお願いしたほうがいいでしょう。

また、タイヤがいつもよりへこんでいないか、傷や亀裂が入っていないかといったタイヤの状態を目視で日常的に点検することも大切です。これならいつでも自分でできるはずなので、何かしら異常を見つけたら、ディーラーや修理工場で詳しく点検してもらうようにしてください。

②バッテリーの電圧の点検・電気系統の確認

バッテリーそのものの品質や使用状況にもよりますが、一般的に車のバッテリーの寿命は2~5年と言われています。

ただし、車の使用頻度や走行距離が少なかったり、停車中の電力消費量が多かったりしてバッテリーの充電が不足する状態が続くと、劣化が一気に進む場合があります。

ガソリンスタンドやカー用品店などは、バッテリー充電量と充電能力を調べる専門機器を完備しています。給油や買い物ついでにスタッフに依頼すれば、専用機材を使用してきちんと電圧をチェックしてもらえるので、利用すると良いでしょう。

また、バッテリーが劣化してくると、ヘッドライトが暗くなったり、電装機器の動きが悪くなる(パワーウィンドウの開閉が遅い・エンジンのかかりが悪い)などの症状が出る場合もあります。このような前兆を察知したらできるだけ早く修理工場などで点検を受け、必要に応じてバッテリー交換などの措置を受けるようにしましょう。

③エアコンガス&エアコンオイルの点検と補充

固定されている家庭用のエアコンとは異なり、カーエアコンは車とともに常に移動し、振動や衝撃を受けています。そのため、車のエアコンガスは配管などに亀裂がなくても自然に減っていきます。

また、コンプレッサーの内部潤滑と気密性を高めてガス漏れを防ぐ役割を持つエアコンオイルも、ガスとともに微量ずつ漏れ出していきます。

そのため、1年に1回、夏場に頻繁に車を使用する前に、エアコンガスとオイルの量を整備工場やガソリンスタンドなどで点検しておくと安心です。

④換気と遮熱・遮光対策の実施

室内の温度上昇に伴うトラブルを予防するには、車内の換気と遮熱・遮光対策が有効で簡単な方法です。

特に長時間、炎天下に駐停車し続けるような場合は、少しだけ窓を開けて換気したり、市販のサンシェードを利用して遮熱・遮光を講じたりしておきましょう。

また、運転する前に片方側の窓ガラスを開け、反対側のドアをバタバタと数回開け閉めしてみてください。こうするだけで車内の温度が下がり、エアコンの効きが早くなって効果的です。

⑤ラジエター液の量・水温計(警告灯)の確認

車種によって場所が異なりますが、一般的にはボンネットを開けると、プラスチック製のラジエター補助タンクが見えます。まずは、それに記されている「FULL」付近まで赤もしくは緑色のラジエター液が入っているか、定期的にチェックしましょう。

ラジエター液は基本的にラジエター内部を循環しているだけで、異常がない場合は短期間で大量に減ることはありません。もしラジエター液が前回のチェック時より急激に減っているようであれば、ラジエターに何かしらの不具合が発生している場合があります。

また、運転中は常に水温計や警告ランプを気にしておきましょう。万が一水温計が異常に上がっている場合や警告灯が点灯した際には、直ちに運転を中止してディーラーや修理工場の指示に従ってください。

夏に車が故障した時の心構え・注意点

ここまで紹介した予防法を実施したとしても、車にとって過酷な高温多湿の状態が続くと、どうしても故障や不具合は起こってしまうものです。

そこで、ここからは夏に車が故障した時の心構え・注意点を整理しておきましょう。

まずは安全を確保することが第一!

原因や症状に関わらず、真夏に発生する車の故障は、さらなるトラブルや事故などに発展する可能性が高いです。

そのため、基本的には車の使用を控え、自分と同乗者、周りの交通の安全を確保した上で専門家に連絡し、その指示に従ったほうが安心です。

JAFやロードサービスに加入しておくと安心

故障や不具合を完全に防ぐことはできないません。それならば、起こった時の対策・対処法をあらかじめ準備しておきましょう。

例えば、JAFに加入しておけば、スペアタイヤの付け替えやバッテリーのジャンピング、レッカー移動などといった応急措置を無料で受けることができます。

また、自動車保険(任意保険)にも同様のサポートが受けられるロードサービスが多くの場合、無料で付加されているため、内容を確認した上で加入しておくと安心です。

熱中症対策グッズを常備しておく

JAFやロードサービスに依頼するにしても、修理工場やディーラーの救援を待つにしても、一定時間は炎天下において待機しておく必要があります。

暑さをしのげる場所が近くにあればいいですが、周りにそういった場所がない場合は、熱中症や脱水症状など健康に重大な被害を及ぼす事態になりかねません。

そのため、ロングドライブの際には特に冷却グッズや非常用の飲料水、強い日差しから身を守る日傘や帽子、日焼け止めなどといった熱中症・脱水症状対策グッズを常備しておきましょう。

また、余裕のあるドライブ計画を立てたり、適時休憩をとったりすることも夏場に車が故障した際に被害拡大を防ぐ上で有効な手段となります。

まとめ

①高温多湿な夏場は車の故障・トラブルが増加する

②タイヤのパンク・バーストは事故につながる危険が高いため要注意

③消費電力増加の影響でバッテリートラブルも起こりやすい

④使用頻度の高いエアコン(クーラー)はどうしても故障やトラブルが増える

⑤室内温度の異常な上昇による、内装の変形・AV機器の故障も増加する

⑥オーバーヒートとは、エンジンの熱量が冷却性能を超えてしまった時に起きるエンジンのトラブルで、夏場に起こりやすい

⑦オーバーヒートを起こした場合は直ちに車を停止し、エンジンが冷えるまで待機する

⑧全ての故障・トラブルには必ず予兆があるため、早期発見すれば被害の拡大を防ぐことができる

⑨夏場の故障やトラブルを防ぐには、日常的な点検と適度なメンテナンスの実施が大切

⑩換気をしたり、遮熱・遮光対策をすることも故障の予防につながる

⑪夏場に増える故障やトラブルに備え、応急措置を受けられるJAFやロードサービスに加入しておくと良い

⑫長時間、炎天下で待機する場合に備え、熱中症対策グッズを常備しておこう

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