中古車購入チェックポイント
更新日:2024.07.09 / 掲載日:2022.11.26
車が故障した時のレッカー費用はどれぐらいかかる?業者選びのポイントや作業の流れを解説
動かなくなってしまった車を修理工場まで安全に移動してくれるのが、レッカーサービスです。
しかし、それほど頻繁に利用するサービスではないため、どんな時に利用するべきなのか、費用の相場、業者の選び方などがよく分からないという方も多いかもしれません。
そこで今回は、レッカーサービスについて詳しく解説していきます。

事故や故障で車が動かなくなってしまった場合、レッカーサービスを依頼することになります。レッカーサービスを利用する場合、いったいどれほどの費用を見込んでおけばいいのでしょう?
まずは、レッカーサービスを使う場面について紹介するので、それを踏まえた上で料金相場について詳しく説明していきます。

まずはレッカーサービスに用いられるのがどんな車なのか、簡単に説明していきましょう。
レッカーサービスに用いられるレッカー車は、クレーンなどで車体を持ち上げることができます。さらに持ち上げた部分を固定した状態で、その車体を移動することができる装備を持っています。
2トン以下であれば、普通自動車免許(平成29年3月12日以降に取得した場合は準中型免許)で運転可能ですが、装備と用途の特殊さにより、「特種用途自動車」に分類されています。
ただし、レッカー車に故障車をしっかり固定し、安全に移動先まで運搬するには、プロとしての専門知識と運転技術が必要です。そんなレッカー車は、以下のようなシチュエーションで活躍できます。
このように車がすでに動かない、もしくは動かなくなる可能性の高い故障が発生した時は、レッカーサービスに依頼することになります。
自走可能でもタイヤやブレーキなど足回りに重大な損害がある場合は、素人が下手に動かすより、レッカーサービスを依頼したほうが、安全・安心です。
なお、こういった故障・トラブルを起因としたケースでは、自動車保険に付帯されているロードサービスや会員であればJAFに依頼することで、無料でレッカーサービスの利用ができます。
また、対人・対物事故の場合は、車体の損害程度が軽かったとしても、現場保護の観点から勝手に車体を動かすのではなく、警察の指示のもとレッカーサービスを依頼することもあります。このような対応を「緊急避難」といいます。
事故を起因とした故障が発生し、レッカーサービスを利用したケースの料金負担は、相手がいる事故の場合は相手側の自動車保険(対物賠償)から、自損事故の場合は車両保険から修理代の一部としてレッカー料金が補償されます。
一方、緊急避難として警察がレッカーサービスを手配した場合、保険会社が手配するわけではありません。そのため、警察が依頼した業者から割高なレッカー料金を請求されることがあります。
しかし、事故に伴う緊急避難でのレッカー移動は、交通事故に付随した費用であるとみなされたら後々保険会社が保証してくれるケースもあります。
そのため、警察が緊急避難としてレッカー車を手配した場合は、レッカー料金の領収書や依頼業者の連絡先、レッカーを利用したことを証明する書類などをしっかり保管しておくようにしましょう。
この場合は、前述した走行中の故障や事故とは異なり、自動車保険のロードサービスを利用できないことが多いです。
ただし、車両を引き取る廃車業者や買取業者に依頼すれば、サービスの一環として無料でレッカー移動してくれる場合もあります。
また、JAFなら自宅などへもレッカー車を派遣してくれます。しかし、物理的にレッカー車が入れない場合や作業スペースが確保できない場合は、どこに頼んだとしてもレッカーサービスを利用できません。
レッカー車で車を移動する際、前輪・もしくは後輪のどちらかは宙に浮いていますが、もう片方は道路に触れた状態でけん引されていくことになります。
この状態は法律的にいうと公道をその車(けん引されている車)が走行しているのと同じ扱いになるため、「無車検車運行」という道路運送車両法違反に問われる可能性があります。
ただし、市町村などが貸与している臨時運行許可番号標(仮ナンバー)をつければ、レッカー移動が可能です。そのため、車検切れの車でも対応しているレッカー業者も多数存在するのが事実です。
一方、積載車を用いる運搬業者の場合であれば、完全に車をボディに積み込んで運ぶことになるため、車検切れの車であっても仮ナンバーなしでそのまま移動できます。

ここからは、気になる費用面について確認していきましょう。
レッカー費用は、業者はもちろん車の状態(全く動かせないか、作業に支障がない範囲で動かせるかなど)によっても変わってきます。
そして多くの業者では、10,000~15,000円が相場の「基本作業料」に、移動距離・時間帯・場所によって料金が加算されていくシステムになっています。
相場的には、総額で20,000~30,000円のレッカー費用がかかることが多いです。
つまり、同じ業者・車の状態で基本作業量が同じでも、昼間依頼するより夜間に依頼するほうが、また近くへ移動するより遠くへ移動するほうが、レッカー費用の総額は高くなるというわけです。
さらに、移動予定の車が脱輪していて引き揚げ作業が必要な時など、付帯作業が必要なケースでは別途作業工賃が加算されます。
例えば、普通車が昼間の時間帯に一般道路で故障して動かなくなり、立ち往生したとします。この時、JAF非会員の方がJAFにレッカーサービスを依頼すると、一般道路(昼間)の基本作業量13,130円がまず発生します。
付帯作業が必要なく順調に作業が終了し、10km先にある最寄りのディーラー工場まで運搬した場合、JAFでは1kmにつき730円の距離料金が発生するため、7,300円が基本料金に追加されます。
つまり、このケースでは総額20,430円のレッカー費用がかかることになります。
一方、入会金2,000円と年会費4,000円を支払っているJAF会員がレッカーサービスを依頼した時の料金は、会員だと基本作業量や15kmまでの距離料金が無料になるため、同様のケースなら全くレッカー費用をかけることなく車を修理工場まで運べます。
また、指定工場までなら距離制限なしで無料でレッカー移動してくれる保険会社もあります。
ただし、そのような保険会社でも指定外の修理工場(利用者が希望する行きつけの修理工場など)を希望した場合は距離制限や料金制限を設けている場合もあるので、加入している保険会社に確認してください。

車が突然動かなくなるという緊急事態に遭遇すると、誰しも慌ててしまうものです。そして、焦って何も考えずに一般のレッカー業者に依頼してしまうと、数万円のレッカー費用が必要になります。
しかし、落ち着いて対処をすれば、レッカー費用を節約する方法が見つかるでしょう。ここからは、レッカー費用を節約する秘訣を紹介していきます。
ただし、高速道路ではガソリンスタンドの平均間隔が約50kmと言われているため、15kmという無料距離は少々心もとないと感じるかもしれません。
また、JAFの発表によれば、レッカーサービスを含めた1年間のJAF出動回数は2021年度で約215万件なのに対し、同年度の会員数は2,000万人を超えています。つまり、10人中8人は1年に1度もJAF出動を依頼していないのに、会費を支払っている計算になります。
もちろん、JAFに頼るようなトラブルがないカーライフを送れているのは良いことですし、もしものために加入しておけば安心です。しかし、JAFは必要最低限の応急措置をしてくれる存在であり、完全無料ではないということだけは、頭の片隅に置いておきましょう。
ただし、会員証を提示すれば他人の車でも利用できるJAFと異なり、自動車保険のロードサービスは、被保険車両だけにしか使えません。
また、そもそも保険のロードサービスは、契約者が事故や故障で車に乗れずに困っているところを救済するサービスなので、不要になった車や保管しておいた車を廃車・買い取りに出すために移動するという用途では基本的に利用できません。
そして、自前でレッカー車や積載車を所有している業者の場合、修理・板金の依頼や買い替えなどを前提として、車両を無料で引き取ってくれる場合もあります。
また、不動車や故障車を引き取る廃車業者の中には、レッカー費用はもちろん、廃車手続き費用無料のところも多いです。状態によってはいくらかの買取金額がつくケースもあるため、業者に依頼する際は条件をよく確認してください。
例えば、JAFの場合は会員であったとしても、15kmを超えると1kmにつき730円の料金が発生します。50km離れている行きつけの工場に運ぶと、レッカー費用は25,550円です。
こういったケースでは、修理工場にこだわらず距離無制限であることも多い保険会社の指定工場に入庫すれば、レッカー費用をかけずに済みます。

大切な愛車を任せるわけですから、費用が安いことだけではなく、レッカー業者には信頼性や安全性も大切です。
ここからは、良いレッカー業者を選ぶポイントについて紹介していきます。
一方、自動車保険に付帯しているロードサービスを利用し、レッカーサービスを依頼した場合も保険会社が委託しているレッカー業者が作業を請け負っています。そのため、加入者にレッカー業者を選択する機会はありません。
つまり、保険会社を決めた時点でレッカー業者もある程度限定されるということです。そのため、ロードサービスを利用した人がネットなどに挙げている口コミを参考に、評判の良い保険会社を選ぶと良いでしょう。
インターネットで検索すると、激安料金を売りにしている業者も多数見つかるでしょう。ただし、相場よりも極端に料金が安い業者は作業が荒っぽかったり、追加料金が発生して最終的に高くついてしまったりする可能性もゼロではないため、注意が必要です。
基準となるのは、やはりJAFの料金設定です。これよりも極端に安いレッカー業者の場合は、事前に評判などをリサーチしておきましょう。

最後に、車が動かなくなった時に慌てずに対処ができるよう、レッカーサービスを依頼する流れと大まかな手順を紹介します。
そのため、まずは異常の発生を周囲に知らせるためにハザードや発煙筒、反射板などを使いましょう。そして、離れた場所に避難してドライバーと同乗者の安全を確保することが第一です。
また、事故の場合はそれに加えて相手側の安全確保や救護、緊急車両と警察への連絡を早急に行いましょう。
その後、JAFや保険のロードサービスなどにレッカーを依頼し、エンジンを切り、サイドブレーキをかけた状態で安全な場所で待機してください。
その際、財布やバックなど身の回りの貴重品は持ち出すべきか迷うかもしれませんが、車内には残さないようにしましょう。車のカギや車検証はレッカー作業及び、工場到着後に必要になるため、車に残しておきましょう。
なお、余裕があり安全が確保できる場合は、車両の状態をスマホで撮影しておくと、保険会社や修理工場との打ち合わせや事故相手との交渉に役立ちます。
そして、レッカー業者の作業員やJAFの隊員が到着し作業を始めれば、あとは何もせずに見守っているだけで指定した工場まで車を安全かつ確実に移動してくれます。
余計なことをすると安全なレッカー作業の妨げになりますので、指示されたこと以外には手を出さないほうが無難です。
目的地に到着後、レッカー業者もしくは工場から電話で連絡が入るため、搬入工場名・電話番号・担当者などをメモなどで控えておきましょう。
その後、対物・対人事故の場合は責任割合や相手との示談交渉、自損事故や故障の場合は、車両保険への加入有無や予算に応じて修理や廃車など車の今後について決定することになります。
しかし、それほど頻繁に利用するサービスではないため、どんな時に利用するべきなのか、費用の相場、業者の選び方などがよく分からないという方も多いかもしれません。
そこで今回は、レッカーサービスについて詳しく解説していきます。
この記事の目次
レッカー費用の平均的相場と節約するコツ

まずは、レッカーサービスを使う場面について紹介するので、それを踏まえた上で料金相場について詳しく説明していきます。
レッカーサービスを依頼するシチュエーションとは?

レッカーサービスに用いられるレッカー車は、クレーンなどで車体を持ち上げることができます。さらに持ち上げた部分を固定した状態で、その車体を移動することができる装備を持っています。
2トン以下であれば、普通自動車免許(平成29年3月12日以降に取得した場合は準中型免許)で運転可能ですが、装備と用途の特殊さにより、「特種用途自動車」に分類されています。
ただし、レッカー車に故障車をしっかり固定し、安全に移動先まで運搬するには、プロとしての専門知識と運転技術が必要です。そんなレッカー車は、以下のようなシチュエーションで活躍できます。
走行中の故障で車が動かなくなった時
レッカー車が出動するシチュエーションとしてまず考えられるのが、エンジンの焼き付き・電気系統の故障・オーバーヒートなどといった故障・トラブルです。このように車がすでに動かない、もしくは動かなくなる可能性の高い故障が発生した時は、レッカーサービスに依頼することになります。
自走可能でもタイヤやブレーキなど足回りに重大な損害がある場合は、素人が下手に動かすより、レッカーサービスを依頼したほうが、安全・安心です。
なお、こういった故障・トラブルを起因としたケースでは、自動車保険に付帯されているロードサービスや会員であればJAFに依頼することで、無料でレッカーサービスの利用ができます。
事故の影響で車が自走不能になった時
事故によって車体が大きな損害を受けて、自走不能もしくはそれに近い状態になった時も、レッカーサービスを利用することになります。また、対人・対物事故の場合は、車体の損害程度が軽かったとしても、現場保護の観点から勝手に車体を動かすのではなく、警察の指示のもとレッカーサービスを依頼することもあります。このような対応を「緊急避難」といいます。
事故を起因とした故障が発生し、レッカーサービスを利用したケースの料金負担は、相手がいる事故の場合は相手側の自動車保険(対物賠償)から、自損事故の場合は車両保険から修理代の一部としてレッカー料金が補償されます。
一方、緊急避難として警察がレッカーサービスを手配した場合、保険会社が手配するわけではありません。そのため、警察が依頼した業者から割高なレッカー料金を請求されることがあります。
しかし、事故に伴う緊急避難でのレッカー移動は、交通事故に付随した費用であるとみなされたら後々保険会社が保証してくれるケースもあります。
そのため、警察が緊急避難としてレッカー車を手配した場合は、レッカー料金の領収書や依頼業者の連絡先、レッカーを利用したことを証明する書類などをしっかり保管しておくようにしましょう。
故障車・不動車の車を廃車・売却したいとき
自宅などで保管している故障車や不動車、不要になった古い車などを廃車や売却したい時も、レッカーサービスを依頼するケースがあります。この場合は、前述した走行中の故障や事故とは異なり、自動車保険のロードサービスを利用できないことが多いです。
ただし、車両を引き取る廃車業者や買取業者に依頼すれば、サービスの一環として無料でレッカー移動してくれる場合もあります。
また、JAFなら自宅などへもレッカー車を派遣してくれます。しかし、物理的にレッカー車が入れない場合や作業スペースが確保できない場合は、どこに頼んだとしてもレッカーサービスを利用できません。
車検切れの車はレッカー移動できないので注意
うっかりして車検が切れてしまった時、レッカーサービスを依頼して車検業者まで運んでもらおうと考える方もいるかもしれません。しかし、車検切れの車は原則としてレッカー車で移動させることができないので注意してください。レッカー車で車を移動する際、前輪・もしくは後輪のどちらかは宙に浮いていますが、もう片方は道路に触れた状態でけん引されていくことになります。
この状態は法律的にいうと公道をその車(けん引されている車)が走行しているのと同じ扱いになるため、「無車検車運行」という道路運送車両法違反に問われる可能性があります。
ただし、市町村などが貸与している臨時運行許可番号標(仮ナンバー)をつければ、レッカー移動が可能です。そのため、車検切れの車でも対応しているレッカー業者も多数存在するのが事実です。
一方、積載車を用いる運搬業者の場合であれば、完全に車をボディに積み込んで運ぶことになるため、車検切れの車であっても仮ナンバーなしでそのまま移動できます。
一般的にレッカー移動はどのぐらい料金がかかる?

レッカー費用は、業者はもちろん車の状態(全く動かせないか、作業に支障がない範囲で動かせるかなど)によっても変わってきます。
そして多くの業者では、10,000~15,000円が相場の「基本作業料」に、移動距離・時間帯・場所によって料金が加算されていくシステムになっています。
相場的には、総額で20,000~30,000円のレッカー費用がかかることが多いです。
つまり、同じ業者・車の状態で基本作業量が同じでも、昼間依頼するより夜間に依頼するほうが、また近くへ移動するより遠くへ移動するほうが、レッカー費用の総額は高くなるというわけです。
さらに、移動予定の車が脱輪していて引き揚げ作業が必要な時など、付帯作業が必要なケースでは別途作業工賃が加算されます。
JAFに依頼した場合のレッカー費用
レッカー費用の大まかな相場をお伝えしましたが、次はメジャーなレッカーサービス依頼先と言える「JAF」の料金設定について、具体例を挙げて紹介していきましょう。例えば、普通車が昼間の時間帯に一般道路で故障して動かなくなり、立ち往生したとします。この時、JAF非会員の方がJAFにレッカーサービスを依頼すると、一般道路(昼間)の基本作業量13,130円がまず発生します。
付帯作業が必要なく順調に作業が終了し、10km先にある最寄りのディーラー工場まで運搬した場合、JAFでは1kmにつき730円の距離料金が発生するため、7,300円が基本料金に追加されます。
つまり、このケースでは総額20,430円のレッカー費用がかかることになります。
一方、入会金2,000円と年会費4,000円を支払っているJAF会員がレッカーサービスを依頼した時の料金は、会員だと基本作業量や15kmまでの距離料金が無料になるため、同様のケースなら全くレッカー費用をかけることなく車を修理工場まで運べます。
任意保険に加入していればレッカー費用が無料になる?
使っても使わなくても年会費が発生するJAFに対し、任意保険の多くには、レッカーサービスのほか様々なトラブルの応急措置を基本無料で行ってくれるロードサービスが付帯しています。また、指定工場までなら距離制限なしで無料でレッカー移動してくれる保険会社もあります。
ただし、そのような保険会社でも指定外の修理工場(利用者が希望する行きつけの修理工場など)を希望した場合は距離制限や料金制限を設けている場合もあるので、加入している保険会社に確認してください。
レッカー費用を節約する秘訣

しかし、落ち着いて対処をすれば、レッカー費用を節約する方法が見つかるでしょう。ここからは、レッカー費用を節約する秘訣を紹介していきます。
JAFへの入会を検討する
前述したように、JAFに加入しておけば付帯作業がなく、15km以内なら無料でレッカーサービスを利用できます。さらに、JAFの場合は自分が所有している車だけではなく、他人から借りた車であっても会員証を提示することで会員料金設定でのレッカー移動が可能です。ただし、高速道路ではガソリンスタンドの平均間隔が約50kmと言われているため、15kmという無料距離は少々心もとないと感じるかもしれません。
また、JAFの発表によれば、レッカーサービスを含めた1年間のJAF出動回数は2021年度で約215万件なのに対し、同年度の会員数は2,000万人を超えています。つまり、10人中8人は1年に1度もJAF出動を依頼していないのに、会費を支払っている計算になります。
もちろん、JAFに頼るようなトラブルがないカーライフを送れているのは良いことですし、もしものために加入しておけば安心です。しかし、JAFは必要最低限の応急措置をしてくれる存在であり、完全無料ではないということだけは、頭の片隅に置いておきましょう。
ロードサービスの手厚い任意保険に加入する
レッカーサービスに絞った話をすると、任意保険に加入すれば無料で付帯される上、修理工場にこだわらなければ距離無制限で無料でレッカー移動してくれます。そのため、保険のロードサービスはお得であると言えるでしょう。ただし、会員証を提示すれば他人の車でも利用できるJAFと異なり、自動車保険のロードサービスは、被保険車両だけにしか使えません。
また、そもそも保険のロードサービスは、契約者が事故や故障で車に乗れずに困っているところを救済するサービスなので、不要になった車や保管しておいた車を廃車・買い取りに出すために移動するという用途では基本的に利用できません。
行きつけの修理業者に引き取りを依頼する
普段から頻繁にメンテナンスや車検、修理や車両購入で活用している、顔なじみの修理業者や車屋さんがあるという方もるでしょう。この場合、顧客サービスの一環として、そのお店が付き合いのあるレッカー業者を格安料金で手配してくれるケースもあります。そして、自前でレッカー車や積載車を所有している業者の場合、修理・板金の依頼や買い替えなどを前提として、車両を無料で引き取ってくれる場合もあります。
また、不動車や故障車を引き取る廃車業者の中には、レッカー費用はもちろん、廃車手続き費用無料のところも多いです。状態によってはいくらかの買取金額がつくケースもあるため、業者に依頼する際は条件をよく確認してください。
遠方で車が動かなくなった時は…
近場だけではなく、遠方で故障したり、事故にあったりして車が動かなくなるケースも当然あり得ます。この場合、目当ての修理工場までの移動距離が長すぎてJAFや保険ロードサービスの無料距離を大きく超えてしまい、距離加算制であるレッカー費用が膨れ上がる可能性が高いです。例えば、JAFの場合は会員であったとしても、15kmを超えると1kmにつき730円の料金が発生します。50km離れている行きつけの工場に運ぶと、レッカー費用は25,550円です。
こういったケースでは、修理工場にこだわらず距離無制限であることも多い保険会社の指定工場に入庫すれば、レッカー費用をかけずに済みます。
レッカー業者選びのポイント

ここからは、良いレッカー業者を選ぶポイントについて紹介していきます。
ほとんどの場合は保険会社選びがレッカー業者選びになる
JAFに救援を依頼した場合、青と白のツートンに「JAF」の文字が入った専用のレッカー車が現場に駆け付けてくれます。そして、当然ながら「レッカー作業者=JAFの隊員」となるため、信頼性や安全性を疑う余地はありません。一方、自動車保険に付帯しているロードサービスを利用し、レッカーサービスを依頼した場合も保険会社が委託しているレッカー業者が作業を請け負っています。そのため、加入者にレッカー業者を選択する機会はありません。
つまり、保険会社を決めた時点でレッカー業者もある程度限定されるということです。そのため、ロードサービスを利用した人がネットなどに挙げている口コミを参考に、評判の良い保険会社を選ぶと良いでしょう。
激安料金を提示しているレッカー業者には注意
JAFや自動車保険に加入していない、何らかの理由でサービスを利用できない場合は、自分でレッカー業者を選択することになります。インターネットで検索すると、激安料金を売りにしている業者も多数見つかるでしょう。ただし、相場よりも極端に料金が安い業者は作業が荒っぽかったり、追加料金が発生して最終的に高くついてしまったりする可能性もゼロではないため、注意が必要です。
基準となるのは、やはりJAFの料金設定です。これよりも極端に安いレッカー業者の場合は、事前に評判などをリサーチしておきましょう。
レッカー移動を依頼する手順と作業の流れ

①依頼前に準備しておきたいこと
車が止まってしまうような故障が発生した場合、火災や爆発など被害が拡大したり、追突などの二次災害が発生したりする恐れもあります。そのため、まずは異常の発生を周囲に知らせるためにハザードや発煙筒、反射板などを使いましょう。そして、離れた場所に避難してドライバーと同乗者の安全を確保することが第一です。
また、事故の場合はそれに加えて相手側の安全確保や救護、緊急車両と警察への連絡を早急に行いましょう。
その後、JAFや保険のロードサービスなどにレッカーを依頼し、エンジンを切り、サイドブレーキをかけた状態で安全な場所で待機してください。
その際、財布やバックなど身の回りの貴重品は持ち出すべきか迷うかもしれませんが、車内には残さないようにしましょう。車のカギや車検証はレッカー作業及び、工場到着後に必要になるため、車に残しておきましょう。
なお、余裕があり安全が確保できる場合は、車両の状態をスマホで撮影しておくと、保険会社や修理工場との打ち合わせや事故相手との交渉に役立ちます。
②基本的に作業は全ておまかせ
JAFにしても保険のロードサービスにしても、24時間365日体制でレッカーサービスに対応しているため、どこにでもすぐに駆け付けてくれるでしょう。そして、レッカー業者の作業員やJAFの隊員が到着し作業を始めれば、あとは何もせずに見守っているだけで指定した工場まで車を安全かつ確実に移動してくれます。
余計なことをすると安全なレッカー作業の妨げになりますので、指示されたこと以外には手を出さないほうが無難です。
③到着報告を受け、修理などを依頼
早い場合には15分もあれば現場での作業は終了し、レッカー車にけん引された車は指定された修理工場などへ搬送されていきます。目的地に到着後、レッカー業者もしくは工場から電話で連絡が入るため、搬入工場名・電話番号・担当者などをメモなどで控えておきましょう。
その後、対物・対人事故の場合は責任割合や相手との示談交渉、自損事故や故障の場合は、車両保険への加入有無や予算に応じて修理や廃車など車の今後について決定することになります。
まとめ
①レッカーサービスは不動車を移動させる際に利用できるサービス
②危険を伴う場合は安全に配慮してから利用しなければならない
③車検切れの車は原則レッカー移動できないので注意
④レッカー費用は業者や車の状況によって異なるが、基本料金に移動距離・時間帯・場所に応じた料金の合算となる
⑤任意保険に付帯しているロードサービスを利用すれば、無料でレッカー移動できる場合も多い
⑥JAF会員になれば、自分の車だけではなく他人の車も会員料金でレッカーサービスを活用できる
⑦なじみの修理工場などにレッカーサービスを依頼することで、費用を節約できる場合もある
⑧遠方で車が動かなくなり、ロードサービスのレッカーサービスを使う際は、素直に指定工場へ搬入したほうが安くなることがある
⑨レッカーサービスを利用の際は身の回りの貴重品を持ち出し、作業自体はプロの作業員に全てお任せする
⑩修理工場への搬入完了の報告を受ける際は、工場名などをメモに残しておくと良い
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