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更新日:2022.12.01 / 掲載日:2022.12.01
車のセルが回らないためエンジンがかけられない場合は故障なの?その原因や対処法について解説
車を動かそうとしたものの、なぜかセルモーターが回らず、エンジンがかけられないというトラブルに見舞われることがあるという方もいるかもしれません。
セルモーターが動かなってしまうの原因は様々なことが考えられ、故障以外にもハンドルロックやガス欠などの不手際で発生することもあります。
ここでは、このようなセルモーターが動かないトラブルが起きた場合に考えられる原因と対処法、そしてトラブルを防止するための心構えなどを解説します。

車のセル(セルモーター)が回らず、エンジンがかけられないというトラブルが発生することがあります。
その原因は、セルそのものが寿命を迎えて故障していたり、バッテリー上がりが起きていることなどが考えられます。また、バッテリー上がりといっても、そもそもなぜバッテリー上がりが発生したのかを探ると、別の重要部品の故障に行きつくこともあります。
以下では、セルが回らなくなってしまう原因や対処法などを詳しく説明していきます。

セル(セルモーター)が回らずエンジンがかからないトラブルが発生した場合、考えられ原因としては、セルそのものの故障、バッテリー上がり、イグニッションスイッチの故障などがあります。
それぞれの特徴について以下で詳しく説明していきます。
エンジンがかからないトラブルとしてはバッテリー上がりなども考えられますが、そもそもセルが作動するモーター音がしないのであれば修理・交換を検討しましょう。キーを差して回してもキュルキュルという作動音がなければ、故障している可能性が高いです。
対処法としては、ボンネットを開けて、セルを棒などで叩きながらキーを回すというものもありますが、実際に行うには二人以上の人手が必要ですし、あくまでも応急処置なのでセルの故障そのものが直るわけではありません。
応急処置でエンジンがかかることもあるかもしれませんが、そうなったとしても必ず整備工場などで専門家に見てもらいましょう。
そもそもイグニッションスイッチはエンジンを始動させるスイッチのことです。最近の車はプッシュスタートになっているのがほとんどで、その内部にイグニッションスイッチが組み込まれており、従来のキーを差してひねるタイプにも同様に搭載されています。
つまり、キーをひねったり、ボタンを押したりすることでイグニッションスイッチがオンになり、電流がバッテリーからセルに伝わります。そのため、断線や接続不良などの原因でスイッチがオンにならなければ、セルは作動しません。
走行距離が多い車や年式が古い車両の場合は、故障してしまっている可能性が十分あります。いずれにせよ専門家でないと原因を突き止めるのは難しいので、修理工場などにすぐ相談しましょう。
セルは動くものの勢いがなく弱々しいという場合は、仮にライトが点灯していたとしてもバッテリー上がりが起きていることが考えられます。
この時、焦って何度もセルを動かすとかえって悪化するので、数分ほど置いてから再始動してみましょう。
これが故障するとバッテリーが充電できず、前述のバッテリー上がりのような症状が発生します。症状は一見するとバッテリー上がりと変わりないので、注意が必要です。
発電機(オルタネーター)を交換しない限り、バッテリーを新品に交換しても、またすぐにバッテリー上がりになるので、最初から専門家に見てもらったほうがいいでしょう。
つまり、過電流によってヒューズが断線するとセルも回らなくなるということです。
ヒューズの状態は車のヒューズボックスを開けて確認することができます。しかし、素人が直すには難易度が高いので専門家に任せたほうが安心です。
エンジンのかかりが悪い、ライトの明るさが弱いという異常を感じたら、エアコンや電装品の使用を最低限にとどめましょう。
夏や冬など気温変化が極端なシーズンはバッテリーにも負荷がかかるので、注意が必要です。
その他に単純な操作ミスとして、シフトレバーの位置がAT車の場合はP(パーキング)に入っていない、MT車であればニュートラルに入っていないということも考えられます。
また、セルを回す際にブレーキを踏んでいなかった、ガス欠が起きていたというケースもあります。

セルが回らない場合の原因について説明してきましたが、もしトラブルが発生してしまった場合は、どのように対処するといいのでしょう?
ここからは、セルが回らずエンジンがかからない場合の対処法について詳しく説明していきます。
まず「ピピピ」という音がしたら、シフトレバーがP(パーキング)の位置に入っていないことが考えられます。また、キーの抜き忘れやスマートキーの充電切れなどの可能性もあります。
次に「カタカタ」という音がしたら、ファンベルトやタイミングベルトなど、ベルト関係に劣化・断裂などの異常が起きているかもしれません。
そして「カチカチ」という音がしたら、バッテリー上がりの可能性があるため、ブースターケーブルなどを使って充電することを検討しましょう。
これが、カチカチという音もせずに無音であれば、バッテリーが完全に上がっています。こうなると充電しても効果はないので、自分で新品のものに交換するか、ロードサービスを呼んでバッテリーを交換しましょう。
バッテリーの寿命は3~5年程度です。数年間使用したものは蓄電力が低下しているので早めに交換してください。
セルを回した時に全く音がしないのにライトだけが点くという場合は、セルそのものか周辺の関連部品が故障していることが考えられます。
前述したようにエンジンルーム内でヒューズが断線している可能性がありますし、シフトポジションが適切な位置に入っているかどうかも確認する必要があります。
スマートキーを使っている場合は、充電切れを起こしていないかもチェックしてみましょう。
純粋にバッテリー上がりなら、新品に交換したり、ジャンピング作業を行ったりすることで復旧しますが、発電機(オルタネーター)が故障していることも考えられます。少しでも心当たりがあれば、修理工場で点検してもらいましょう。
ハンドルロックは、停車した直後にハンドルを動かそうとすることで発生します。これは防犯を目的とした機能で、ハンドルを揺さぶる感じで左右に軽く動かしながら、キーを回せばすぐに解除されるので焦らずに対処しましょう。
また、ギアの位置が不適切な場合、ギア(シフトポジション)は、AT車ならP(パーキング)に、そしてMT車ならN(ニュートラル)にそれぞれ入っていないとキーが回りません。意外とよくあるミスなので、一度確認してみましょう。
そして、キーそのものに問題がある場合もあります。繰り返し使っているうちにキーの山の部分がすり減ってしまったというケースやスマートキーであれば充電切れを起こしていることも考えられます。
そのため、エンジン警告灯が点灯・点滅し、その後でセルが回らなくなったという場合は、エンジン周辺でトラブルが起きており、故障する一歩手前の状態とも言えます。
バッテリー上がりやイグニッションコイルの故障などが考えられるので、そのまま走行することができたとしても早めに修理工場などに持ち込んで点検してもらいましょう。
例えば、オイルが漏れて量が減っていたり、ポンプが不具合を起こしたりしている場合があります。
オイルの減りや漏れが起きると、エンジンがかからなくなる上に車両内部でオイルが燃えて煙が上がることもあります。オイルランプが点灯したら走行不能になる前に修理工場などに持ち込み、点検・修理を依頼しましょう。
セルの寿命は、アイドリングストップや断続的なエンジン始動を頻繁に行うことで縮まります。修理・交換のための費用は3~5万円ほどになりますので、心当たりがある場合は速やかに修理工場へ持ち込みましょう。
こうすることで一時的にセルが復活することがありますが、あくまでも応急処置なので、その後で必ず点検・修理に出してください。
セルを叩くことで一時的に電気が通ることがあり、専門の整備士もこのやり方で故障診断を行うことがあります。ただし、必ずうまくいくとは限らないので、数回試して効果がないなら救援を呼びましょう。
ブースターケーブルは、バッテリー上がりが起きた場合に、バッテリー本体と他の車の正常なバッテリーを接続するためのものです。ブースターケーブルには黒と赤の2種類があり、これらをワンセットで使用することになります。
使い方は、救援する側の車両はエンジンを停止し、故障した車は電装品全てをオフの状態にします。そして、AT車はギアをPの状態に、MT車はギアをニュートラルにします。
両車のバッテリーのプラス端子は赤ケーブルのクリップで、もう一方のマイナス端子は黒ケーブルのクリップを接続してください。後はその状態で救援する側のエンジンをかけて5分ほど待ってから、故障した車のエンジンがかかれば完了です。
これは、あくまでも応急処置なので、エンジンがかかった後は念のため修理工場などに持ち込んで点検してもらいましょう。
例えば、イモビライザーの作動、ガス欠、燃料系統の異常、プラグの劣化、極端な寒さなどが影響している可能性があります。

ここまでで、セルが回らなくなった場合に考えられる原因やそのような状況になった場合の対処法を説明してきました。
最後に、セルの異常に限らず自動車のトラブルに備えて、どのような事柄に気を付けるといいのかを説明していきます。
また、クレジットカードを保有している方は、そのカードにもロードサービスが付帯していることがあるのでチェックしてみましょう。ただし、サービスの有無やその内容についてはカードの種類によって異なるので注意してください。
自宅やその近辺で車が故障してしまった場合は、よく利用する整備工場や車を購入する際に利用したディーラーもしくは自動車販売店に連絡することも検討しましょう。必要に応じて引き取ってもらえるかもしれません。
近くにガソリンスタンドがあれば、ガス欠の際に燃料補給を依頼することができる場合があります。また、整備工場も一緒になっているスタンドなら、ちょっとした修理をしてもらえる可能性もあります。
それでも突然故障する可能性はゼロではありませんが、車が壊れてから修理するのではなく、小さな異常や違和感を見逃さないことが大切です。
もちろん、セルが故障しているとは限りません。バッテリー上がりが起きていることも考えられますが、それも別の重要部品の故障が原因となっている場合があります。そのため、素人判断は避けて、修理工場へ持ち込んだり、ロードサービスに救援を依頼したりしましょう。
セルモーターが動かなってしまうの原因は様々なことが考えられ、故障以外にもハンドルロックやガス欠などの不手際で発生することもあります。
ここでは、このようなセルモーターが動かないトラブルが起きた場合に考えられる原因と対処法、そしてトラブルを防止するための心構えなどを解説します。
セル(セルモーター)が回らずエンジンがかけられない場合はどうしたらいい?

その原因は、セルそのものが寿命を迎えて故障していたり、バッテリー上がりが起きていることなどが考えられます。また、バッテリー上がりといっても、そもそもなぜバッテリー上がりが発生したのかを探ると、別の重要部品の故障に行きつくこともあります。
以下では、セルが回らなくなってしまう原因や対処法などを詳しく説明していきます。
考えられる原因について

それぞれの特徴について以下で詳しく説明していきます。
セル(セルモーター)の故障
もともとセル(セルモーター)は、10~15年ほどで寿命を迎えるとされています。そのため、故障によってセルが回らず、エンジンも始動しないというトラブルが発生することがあります。エンジンがかからないトラブルとしてはバッテリー上がりなども考えられますが、そもそもセルが作動するモーター音がしないのであれば修理・交換を検討しましょう。キーを差して回してもキュルキュルという作動音がなければ、故障している可能性が高いです。
対処法としては、ボンネットを開けて、セルを棒などで叩きながらキーを回すというものもありますが、実際に行うには二人以上の人手が必要ですし、あくまでも応急処置なのでセルの故障そのものが直るわけではありません。
応急処置でエンジンがかかることもあるかもしれませんが、そうなったとしても必ず整備工場などで専門家に見てもらいましょう。
イグニッションスイッチの故障
エンジンを始動させるための「イグニッションスイッチ」の故障によって、セルが動かなくなることもあります。セルを作動させるには、イグニッションスイッチがオンの状態になることが必要だからです。そもそもイグニッションスイッチはエンジンを始動させるスイッチのことです。最近の車はプッシュスタートになっているのがほとんどで、その内部にイグニッションスイッチが組み込まれており、従来のキーを差してひねるタイプにも同様に搭載されています。
つまり、キーをひねったり、ボタンを押したりすることでイグニッションスイッチがオンになり、電流がバッテリーからセルに伝わります。そのため、断線や接続不良などの原因でスイッチがオンにならなければ、セルは作動しません。
走行距離が多い車や年式が古い車両の場合は、故障してしまっている可能性が十分あります。いずれにせよ専門家でないと原因を突き止めるのは難しいので、修理工場などにすぐ相談しましょう。
バッテリー上がり
バッテリー上がりとは、何らかの理由で車のバッテリーに蓄えられていた電気が減り、エンジンの始動に支障が出るようになった状態のことをいいます。バッテリー上がりに陥るとセルを動かせず、エンジンもかかりません。セルは動くものの勢いがなく弱々しいという場合は、仮にライトが点灯していたとしてもバッテリー上がりが起きていることが考えられます。
この時、焦って何度もセルを動かすとかえって悪化するので、数分ほど置いてから再始動してみましょう。
発電機(オルタネーター)の故障
発電機(オルタネーター)は、エンジンの駆動を活用して発電するもので、バッテリーへ電力を送る役割を負っています。これが故障するとバッテリーが充電できず、前述のバッテリー上がりのような症状が発生します。症状は一見するとバッテリー上がりと変わりないので、注意が必要です。
発電機(オルタネーター)を交換しない限り、バッテリーを新品に交換しても、またすぐにバッテリー上がりになるので、最初から専門家に見てもらったほうがいいでしょう。
ヒューズの断線
ヒューズとは、過電流が電気回路に流れた際、あえて断線することで回路を遮断し通電をストップさせる部品です。そのため、電装品や回路自体が発火したり、溶解したりするのを防ぐ役割がありますが、断線するので電気の流れそのものも止まります。つまり、過電流によってヒューズが断線するとセルも回らなくなるということです。
ヒューズの状態は車のヒューズボックスを開けて確認することができます。しかし、素人が直すには難易度が高いので専門家に任せたほうが安心です。
寒さ
冬場、冷え込みが厳しくなるとエンジンオイルが硬化しやすくなり、さらにバッテリーの働きも弱くなりがちです。そうなると、エンジンを動かす電力も足りなくなるため、まずはエンジンを温める暖機運転をするのが重要です。暑さ
夏は車もバッテリーもフル稼働するため、電力を大量に消費します。エアコンや外出時のステレオ、カーナビの使用によって電力消費量が増え、バッテリーへの負荷が高まっていくとバッテリー上がりを起こしやすくなります。エンジンのかかりが悪い、ライトの明るさが弱いという異常を感じたら、エアコンや電装品の使用を最低限にとどめましょう。
夏や冬など気温変化が極端なシーズンはバッテリーにも負荷がかかるので、注意が必要です。
ハンドルロックなどの操作ミス
車を停止した後にハンドルを回そうとするとハンドルロックがかかりますが、実はこのハンドルロックが、セルが回らなくなる原因のトップです。その他に単純な操作ミスとして、シフトレバーの位置がAT車の場合はP(パーキング)に入っていない、MT車であればニュートラルに入っていないということも考えられます。
また、セルを回す際にブレーキを踏んでいなかった、ガス欠が起きていたというケースもあります。
セルの異常時の対処法について

ここからは、セルが回らずエンジンがかからない場合の対処法について詳しく説明していきます。
異音で判断する
セルが回らない場合、エンジンが始動する際の音によって、トラブルの原因を判断することができます。まず「ピピピ」という音がしたら、シフトレバーがP(パーキング)の位置に入っていないことが考えられます。また、キーの抜き忘れやスマートキーの充電切れなどの可能性もあります。
次に「カタカタ」という音がしたら、ファンベルトやタイミングベルトなど、ベルト関係に劣化・断裂などの異常が起きているかもしれません。
そして「カチカチ」という音がしたら、バッテリー上がりの可能性があるため、ブースターケーブルなどを使って充電することを検討しましょう。
これが、カチカチという音もせずに無音であれば、バッテリーが完全に上がっています。こうなると充電しても効果はないので、自分で新品のものに交換するか、ロードサービスを呼んでバッテリーを交換しましょう。
バッテリーの寿命は3~5年程度です。数年間使用したものは蓄電力が低下しているので早めに交換してください。
ライトは点く場合
セルが回らない場合は、ライトが点くかどうかを確認することで原因を探ることもできます。セルを回した時に全く音がしないのにライトだけが点くという場合は、セルそのものか周辺の関連部品が故障していることが考えられます。
前述したようにエンジンルーム内でヒューズが断線している可能性がありますし、シフトポジションが適切な位置に入っているかどうかも確認する必要があります。
スマートキーを使っている場合は、充電切れを起こしていないかもチェックしてみましょう。
ライトが点かない場合
セルが回らずライトも点かないのであれば、バッテリー上がりが起きている可能性が高いです。また、その他の電気系統も全て使用不能になっているはずなので、ルームライトやエアコンも動かないようであればほぼ間違いありません。純粋にバッテリー上がりなら、新品に交換したり、ジャンピング作業を行ったりすることで復旧しますが、発電機(オルタネーター)が故障していることも考えられます。少しでも心当たりがあれば、修理工場で点検してもらいましょう。
キーが回らない場合
キーが回らない場合は、ハンドルロックやギアの位置が不適切などの単純なミスが原因かもしれません。ハンドルロックは、停車した直後にハンドルを動かそうとすることで発生します。これは防犯を目的とした機能で、ハンドルを揺さぶる感じで左右に軽く動かしながら、キーを回せばすぐに解除されるので焦らずに対処しましょう。
また、ギアの位置が不適切な場合、ギア(シフトポジション)は、AT車ならP(パーキング)に、そしてMT車ならN(ニュートラル)にそれぞれ入っていないとキーが回りません。意外とよくあるミスなので、一度確認してみましょう。
そして、キーそのものに問題がある場合もあります。繰り返し使っているうちにキーの山の部分がすり減ってしまったというケースやスマートキーであれば充電切れを起こしていることも考えられます。
エンジン警告灯が点灯・点滅している場合
エンジン警告灯は、運転席の正面などに設置されており、エンジン内に取り付けてあるセンサーに異常が起きると警告のサインとして点灯・点滅します。そのため、エンジン警告灯が点灯・点滅し、その後でセルが回らなくなったという場合は、エンジン周辺でトラブルが起きており、故障する一歩手前の状態とも言えます。
バッテリー上がりやイグニッションコイルの故障などが考えられるので、そのまま走行することができたとしても早めに修理工場などに持ち込んで点検してもらいましょう。
オイルランプが点灯している場合
エンジン警告灯と同様に運転席の正面にあるオイルランプが点灯した場合は、オイル系統に何らかのトラブルが生じています。例えば、オイルが漏れて量が減っていたり、ポンプが不具合を起こしたりしている場合があります。
オイルの減りや漏れが起きると、エンジンがかからなくなる上に車両内部でオイルが燃えて煙が上がることもあります。オイルランプが点灯したら走行不能になる前に修理工場などに持ち込み、点検・修理を依頼しましょう。
走行距離をチェック
そもそもセルは、走行距離が10万~15万キロに及ぶと寿命を迎えるとされています。走行距離が長い車両はセルそのものが消耗していることも考えられるので、回らなくなったら寿命が来たということかもしれません。セルの寿命は、アイドリングストップや断続的なエンジン始動を頻繁に行うことで縮まります。修理・交換のための費用は3~5万円ほどになりますので、心当たりがある場合は速やかに修理工場へ持ち込みましょう。
叩いてみる
セルが回らない場合の最も簡単な応急処置方法は、セルモーターを叩いてみることです。こうすることで一時的にセルが復活することがありますが、あくまでも応急処置なので、その後で必ず点検・修理に出してください。
セルを叩くことで一時的に電気が通ることがあり、専門の整備士もこのやり方で故障診断を行うことがあります。ただし、必ずうまくいくとは限らないので、数回試して効果がないなら救援を呼びましょう。
応急処置をする
セルが回らないというトラブルが発生した場合、その原因のほとんどはバッテリー上がりです。そのため、ブースターケーブルを使って他の車から電力を供給してもらうことで復旧できるケースもあります。ブースターケーブルは、バッテリー上がりが起きた場合に、バッテリー本体と他の車の正常なバッテリーを接続するためのものです。ブースターケーブルには黒と赤の2種類があり、これらをワンセットで使用することになります。
使い方は、救援する側の車両はエンジンを停止し、故障した車は電装品全てをオフの状態にします。そして、AT車はギアをPの状態に、MT車はギアをニュートラルにします。
両車のバッテリーのプラス端子は赤ケーブルのクリップで、もう一方のマイナス端子は黒ケーブルのクリップを接続してください。後はその状態で救援する側のエンジンをかけて5分ほど待ってから、故障した車のエンジンがかかれば完了です。
これは、あくまでも応急処置なので、エンジンがかかった後は念のため修理工場などに持ち込んで点検してもらいましょう。
セルは回るがエンジンがかからない場合は?
セルは回るがエンジンがかからないという場合は、バッテリー上がり以外の原因を考えましょう。例えば、イモビライザーの作動、ガス欠、燃料系統の異常、プラグの劣化、極端な寒さなどが影響している可能性があります。
トラブルに備えよう

最後に、セルの異常に限らず自動車のトラブルに備えて、どのような事柄に気を付けるといいのかを説明していきます。
いざという時の連絡先を知っておく
トラブル発生時の備えとして、JAFや保険会社のロードサービスなど、いざという時に助けを求める連絡先を前もって把握しておきましょう。JAFの会員証や自動車保険の証書を車内に携帯しておくと安心です。また、クレジットカードを保有している方は、そのカードにもロードサービスが付帯していることがあるのでチェックしてみましょう。ただし、サービスの有無やその内容についてはカードの種類によって異なるので注意してください。
自宅やその近辺で車が故障してしまった場合は、よく利用する整備工場や車を購入する際に利用したディーラーもしくは自動車販売店に連絡することも検討しましょう。必要に応じて引き取ってもらえるかもしれません。
近くにガソリンスタンドがあれば、ガス欠の際に燃料補給を依頼することができる場合があります。また、整備工場も一緒になっているスタンドなら、ちょっとした修理をしてもらえる可能性もあります。
メンテナンスを怠らない
多くの場合、セルが回らなくなるような故障は日頃からこまめにメンテナンスすることで防げます。それでも突然故障する可能性はゼロではありませんが、車が壊れてから修理するのではなく、小さな異常や違和感を見逃さないことが大切です。
エンジンの不調を見逃さない
セルの故障の前兆として挙げられるのは、回した時の音が弱い、エンジン始動までに時間がかかるといった症状です。これらの症状が出たらできるだけ早く専門家による点検・修理を行うことで、大きなトラブルを防ぐことができます。もちろん、セルが故障しているとは限りません。バッテリー上がりが起きていることも考えられますが、それも別の重要部品の故障が原因となっている場合があります。そのため、素人判断は避けて、修理工場へ持ち込んだり、ロードサービスに救援を依頼したりしましょう。
まとめ
①セル(セルモーター)が回らずエンジンがかけられないトラブルが起きることがある
②考えられる原因としては、セルやイグニッションスイッチ、オルタネーターなどの故障やバッテリー上がり、ヒューズの断線など
③トラブルの原因は、異音の種類、ライトが点く点かない、警告灯の状態などによって見当をつけられる
④セルは回るがエンジンがかからない場合は、ガス欠やプラグの劣化などの可能性もある
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