カー!といえばグーネットピット

無料整備工場検索&予約アプリ

グーネットピットアプリ

中古車購入チェックポイント
更新日:2024.03.19 / 掲載日:2022.12.23

車のメーター内にあるサイドブレーキランプが消えない時は故障?原因と対処法について解説

車の運転中にメーターを見たら、サイドブレーキランプが点灯していたといった経験をしたことがある方も多いかもしれません。

この時、サイドブレーキの解除し忘れだろう…と安易に考えるのは危険です。サイドブレーキを戻してもランプが消えない場合は、ブレーキ系統に重大な故障が発生している可能性があります。

この記事では、サイドブレーキランプが点灯する原因や点灯した時にどうすればいいのか詳しく解説しています。

サイドブレーキランプ(ブレーキ警告灯)とは?

車のメーター内にある、赤い「!」のランプを「サイドブレーキランプ」や「ブレーキ警告灯」と呼びます。

車に異常がない時は、サイドブレーキを引くと点灯して解除すると消灯するため、サイドブレーキの作動状態を確認するためのランプと認識している方も多いと思います。

しかし、その他にも車のブレーキ系統に異常が発生した時に点灯し、運転者に危険を知らせる役割も担っています。そのため、サイドブレーキを戻してもサイドブレーキランプが消えないという場合は、ブレーキ系統が故障している可能性が高いです。

ブレーキ系統の故障は車の安全性に直結していて、場合によっては事故を起こしてしまう原因になるかもしれません。

※車種によってはサイドブレーキランプが「P」になっており、ブレーキ警告灯の「!」と分かれている場合もありますが、当記事ではどちらも「サイドブレーキランプ」の記載で統一しています。

サイドブレーキランプが点いた状態で走行しても大丈夫?

サイドブレーキランプが消えない場合、「このまま運転を続けても大丈夫だろうか?」と悩むかもしれません。原因によっては運転を続けても大丈夫なケースもありますが、自分で判断するのが難しい場合は運転しないほうが無難です。

サイドブレーキランプが点灯する原因は複数あり、原因によって現れる症状も異なります。そのため、重大な異常が発生していると、ブレーキが効かなくなってしまうかもしれません。

メーター内のランプの危険度は、色によっても判別することができます。

赤は危険>黄色は要注意>緑は安全

サイドブレーキランプが赤く点灯した場合は、走行を中止して状況確認をしましょう。対処方法については、後ほど詳しく解説します。

サイドブレーキランプが点灯する原因

サイドブレーキランプが点灯する原因は主に5つあります。

以下で詳しく紹介していきます。

①サイドブレーキを戻していない

運転者の操作ミスで、サイドブレーキの解除を忘れているとサイドブレーキランプが点灯します。そのため、サイドブレーキを戻してランプが消える場合は、他の部分に異常が発生している可能性は低いでしょう。

サイドブレーキの解除を忘れていると、発進時に通常よりもアクセルを強く踏み込まないと進まない感覚があるので、ランプの点灯を確認するよりも運転の感覚で気付くかもしれません。

しかし、乗り慣れない車を運転する時は気付けないことあります。また、サイドブレーキレバー(もしくはペダル)を戻したと思っていても、少しだけ(1ノッチだけなど)引かれているケースもあり、操作ミスに気付きにくいこともあります。

サイドブレーキランプが消灯しない場合、まずはサイドブレーキを数回操作し、完全に戻っているか確認してみましょう。最近の車では、サイドブレーキの解除を忘れるとメーターやナビ画面にエラーメッセージが出たり、ブザーが鳴ったりして運転者に知らせる機能がついている場合もあります。

②ブレーキフルードが不足している

ブレーキフルードが不足しているとセンサーが反応して、サイドブレーキランプが点灯するようになっています。

車のブレーキは油圧式といって、運転者のブレーキペダルを踏む力がブレーキフルードという液体の圧力を介してブレーキに伝わる構造になっています。ブレーキペダルから足回りまではパイプやホースといった部品で構成された経路でつながっていて、その中にブレーキフルードが充填されています。

つまり、ブレーキフルードが何らかの原因で不足したり、漏れてしまっていると、ブレーキペダルを踏んでもブレーキまで力が伝わらないため、ブレーキが作動しなくなるということです。

このような危険な状態を避けるため、サブタンク(ブレーキフルードが溜まっているタンク)には、ブレーキフルードの量を監視するセンサーが取り付けられています。

そのセンサーが反応することで、ブレーキフルードが不足した時にサイドブレーキランプが点灯し、運転者に危険を知らせるようになっています。

③ABS系統に不具合が発生している

ABS系統に不具合が発生していると、ABSのランプと同時にサイドブレーキランプも点灯することがあります。その理由は、ABSはブレーキに関わるシステムなので、サイドブレーキランプとも連動しているからです。

ABSとは、アンチロックブレーキシステムのことで、急ブレーキをかけた時にタイヤがロックしないように制御している機構のことです。

そこに不具合が発生しているということは、ABSの制御を行っているコンピューターやタイヤの回転数を検知しているセンサー、電気配線などに不具合が起きている可能性が考えられます。

ABSが効かなくなっても通常の運転に支障が出ることは少ないですが、原因を特定するためには整備工場で診断を受ける必要があります。

④センサー類の故障

車のブレーキ系統には多くのセンサーが使われており、センサーの故障でサイドブレーキランプが点灯する可能性もあります。

例えば、サイドブレーキレバー(ペダル)には作動状態を検知しているセンサーがあります。このセンサーが故障し、実際の作動状態にも関わらず常に引かれている状態と誤って検知してしまうと、サイドブレーキランプは点灯し続けます。

センサー単体の不具合であればサイドブレーキを解除すれば走行に支障ありません。しかし、その場で原因を見極めるのは難しいので注意しましょう。

⑤その他の電気系統の故障

ブレーキ系統が故障していなくても、サイドブレーキランプが点灯する場合があります。

車にはブレーキ系統の他にも、エンジン・アイドリングストップ・エアバッグ・ボディー系統など様々なシステムがコンピューター制御されています。

ブレーキ以外のシステムで故障が起きると、連動してサイドブレーキランプが点灯する場合があります。それは、それぞれのシステムが関連情報を共有しながら作動しているためです。

例えば、オルタネータという車の発電機に不具合が起きるとバッテリー警告灯が点灯しますが、サイドブレーキランプも同時に点灯することがあります。2つのランプが点灯すると、「バッテリー系統」と「ブレーキ系統」の両方に不具合が起きていると思う方も多いでしょう。

しかし、故障が重複しているケースは少なく、オルタネータの修理が完了するとサイドブレーキランプも消灯します。このように、ブレーキ系統が故障していなくても、他のシステムの故障に連動してサイドブレーキランプが点灯する場合があります。

サイドブレーキを戻さずに走行するとどうなる?

サイドブレーキを戻さずに走行してしまうと、ブレーキに大きな摩擦が発生し、発熱します。ブレーキが高温になることで「ベーパーロック現象」という、ブレーキフルードが沸騰して空気が混入してしまう現象が起きることがあります。

ブレーキフルードに空気が入ると油圧が伝わりづらくなるため、ブレーキの効きが極端に低下し危険です。また、ブレーキの熱で周辺部品を損傷させたり、最悪の場合は火災につながったりすることがあります。

ブレーキが一定の温度を超えてしまうと、周辺のゴム関係の部品やベアリングという回転軸の部品が損傷してしまいます。どれくらいで周辺部品の損傷が始まるかは、サイドブレーキの強さや走行時間・スピードなどによって変化するため、一概に規定することはできません。

しかし、足回りから焦げた臭いがする場合は損傷している可能性が高いため、整備工場で点検してもらいましょう。

もしサイドブレーキを引いた状態で走行したことに気付いた場合は、すぐに走行を中止し、20~30分程度停車してブレーキを冷ましましょう。タイヤやホイールも高温になっていることもあるため、手で触ると火傷をする恐れがあるので注意してください。

サイドブレーキランプが消えない時の対処法

サイドブレーキランプが消えない時は、サイドブレーキの解除し忘れが原因であることが多いため、まずはサイドブレーキを数回操作し、レバー(ペダル)が解除位置まで完全に戻っているか確認しましょう。

それでもサイドブレーキランプが消えない場合は、以下の手順で確認を行ってください。

ブレーキフルードの量を確認

まずは、ブレーキフルードの量が不足していないか確認してください。

車のエンジンルームにはサブタンクというブレーキフルードが入っているタンクがあり、目視でブレーキフルードの量を確認できます。車種によってはサブタンクがエンジンルームにない場合もありますが、基本的にブレーキペダルの近くに取り付けられているでしょう。

サブタンクの側面には「MAX」「MIN」といった上限と下限を記したラインがあり、タンク本体は半透明なのでブレーキフルードの液面がその中に入っているかを目視で点検できます。

液面が「MIN」よりも下にある場合は、ブレーキフルードの不足が原因でサイドブレーキランプを点灯させている可能性が高いです。

ブレーキペダルの踏みしろを確認

サブタンクのブレーキフルードが不足している場合、ブレーキペダルの踏みしろを確認しましょう。

サイドブレーキランプが点灯しても初期症状としてはランプが点灯するだけでブレーキは効くことが多いです。しかし、そのままサブタンクのブレーキフルードが減っていくと、最悪の場合サブタンクから各ブレーキまでつながっている経路に空気が入ってしまいます。

空気が入ると、ブレーキペダルに踏み応えがなくなり、ペダルが奥まで「スー」っと入ってしまうようになります。ブレーキペダルに踏み応えがない場合はブレーキの効きが悪くなっているため、すぐに走行を中止してください。

その後はレッカー搬送してもらい、整備工場で適切な修理をしてもらいましょう。

ブレーキフルードが減る原因

ブレーキフルードは密封されており、本来は簡単に減ってしまうものではありません。では、なぜサブタンクのブレーキフルードの量が減ってしまうのでしょう?

ここからは、その原因について詳しく説明していきます。

ブレーキパッドが摩耗している

ブレーキパッドが摩耗すると、サブタンクのブレーキフルードが減っていきます。それは、ブレーキパッドが減った分の体積を補うために、ブレーキフルードがサブタンクからブレーキへ送られることが原因です。

ブレーキパッドとは、ブレーキを効かせる時の摩擦部分の部品のことで、ブレーキを使っていると少しずつ摩耗して薄くなっていきます。ブレーキを使っていればブレーキパッドが摩耗することは自然な現象なので、サブタンクのブレーキフルードが減っているだけで異常と判断できません。

極端な使い方をしなければブレーキフルードが急激に減ることはありませんが、車を安全に運転するためには定期的にサブタンク内部の量を点検する必要があります。

ブレーキのホースやパイプから漏れている

ブレーキフルードのサブタンクから足回りまでは、金属製のパイプやゴム製のホースなどで構成された経路でつながっています。これらのパイプやホースが経年劣化すると錆や亀裂が発生し、ブレーキフルードが漏れてしまう場合があります。

パイプやホースの内部は、ブレーキをかけた時に高い圧力がかかるため、漏れてしまうと急激にブレーキフルードが減ってしまいます。ブレーキの効きも悪くなるため、そのまま走行するのは危険です。

パイプやホースといった構成部品は車の下廻りを通っているため、自分では劣化状態を網羅的に点検できません。劣化状態が心配な場合は、車検や法定点検の時に確認するといいでしょう。

サイドブレーキランプが車検に与える影響

サイドブレーキを解除してもサイドブレーキランプが消えない場合、車検を通すことができません。

車検を通すための基準に「テルテールが異常を示す点灯をしていないものでなければならない」と定められています。

テルテールとは、サイドブレーキランプのような、運転者に異常を知らせる光信号のことです。

もしサイドブレーキランプが消灯しない場合は、原因となっている異常を修理し、サイドブレーキランプを消える状態にしてから検査を受ける必要があります。

テルテールにはサイドブレーキランプの他にも、エンジン・エアバッグ・ABSなどがあります。これらの警告灯が点灯している場合は、サイドブレーキランプと同様に車検に通りません。

黄色いブレーキ警告灯が点灯した時の対処法

これまで赤いサイドブレーキランプの解説をしてきましたが、車種によっては黄色いブレーキ警告灯が点灯することもあります。

黄色いブレーキ警告灯は、電動パーキングブレーキなどのブレーキシステムが故障している可能性があります。

赤いサイドブレーキランプのように緊急性のある状態ではありませんが、そのまま走行を続けるのは危険です。早めに整備工場で点検してもらいましょう。

サイドブレーキランプが点灯した時に修理にかかる費用

ここからは、サイドブレーキランプが点灯した時に故障していることが多い部分の修理内容と費用相場を紹介していきます。

整備工場によって金額が異なるため、正確な金額は依頼する工場へ確認しておくようにしましょう。

ブレーキフルードの交換(エア抜き)

ブレーキフルードが入っている経路に空気が入ってしまった場合、その空気は自然に抜けることがないため、ブレーキフルードの交換(エア抜き)という作業を整備工場に依頼する必要があります。

エア抜きとは、ブレーキフルードが通っている経路に新しいブレーキフルードを送り込むことです。古いブレーキフルードと一緒に空気を押し出します。

エア抜きをするための費用相場は、新しいブレーキフルードの費用と作業工賃を合わせて5,000~10,000円程度です。

ブレーキパッドの交換

ブレーキフルードが減っている原因が、ブレーキパッドの摩耗だった場合、ブレーキパッドの交換が必要になる可能性があります。

ブレーキパッドを交換する時は、左右(2輪)セットで交換します。費用相場は新しい部品代と作業工賃合わせて、2輪で15,000円程度です。

新品のブレーキパッドは厚みが10mm程度ありますが、3mm前後まで減っていたら交換しましょう。また、ブレーキパッドには運転者に摩耗状態を知らせるための、「インジケーター」という金具が取り付けられています。ブレーキパッドが限度まで摩耗するとブレーキの回転部分にインジケーターが当たり、「キー」と甲高い金属音を発生させるようになっています。

センサーやコンピューターの交換

センサーやコンピューターといった電気系統の不具合は、原因によって修理金額に大きく幅があります。そのため、整備工場で診断や見積りを取ってもらう必要があります。

車には多くの電子部品が取り付けられているため、整備工場へ入庫して実際に車の点検をしないと原因の特定はできません。

電気系統の部品は高額なものが多く、中にはブレーキアクチュエーターのように部品代だけで10万円以上するようなものもあります。部品代だけでなく、診断料金や工賃もかかるため、トータルの費用が高額になることは珍しくありません。

経年車は他の部品も劣化している可能性が高いため、車の買い替えなども含め、総合的に判断したほうがいいでしょう。

まとめ

①サイドブレーキランプが点灯したら、まずはサイドブレーキを戻し忘れていないか確認する

②ブレーキフルードの量やブレーキの効き具合を確認する

③重大な故障が起きていると、ブレーキの効きに影響する場合がある

④ブレーキは車の安全性に直結するため、適切なメンテナンスや修理が必要

この記事の画像を見る

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ