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更新日:2022.12.23 / 掲載日:2022.12.23
車のガス欠は故障につながる?ガス欠をした時の対処法を解説
車に乗っていると、ガソリンメーターのチェックは習慣化するでしょう。ガソリンの量が半分になったら給油する方やなくなる寸前で給油する方など、給油のタイミングはそれぞれ違います。
しかし、どれだけ気を付けていても給油する時間がなかったり、高速道路や渋滞で給油が難しかったりした時、ガス欠になってしまうことも考えられます。
ガス欠で車が停車してしまったら、どう対処すれば良いのか、的確な判断をしなければなりません。
この記事では、ガス欠が起こる前兆、車が停車してしまった時の対処法、ガス欠は車の故障につながるのかについて解説していきます。
ガソリンが空になると車を走行させることはできません。そのため、車が停まってしまった場合は、最初にガス欠が原因として考えられます。

車がガス欠を起こしたとしても、突然止まることはほとんどありません。ガソリンがなくなる前に必ず車にガス欠の前兆が見られます。
ここからは、ガス欠が起こる前兆を3つ紹介していきます。
ガソリンエンジンの仕組みは、ガソリンと空気を混ぜ合わせて燃えやすい状態にした後、エンジン内部のシリンダー内に吸入、ピストンで強く圧縮、電気火花で点火し燃焼、爆発後の燃焼ガスがシリンダーの外へ排出を繰り返すことで動力を生み出しています。
一方、ディーゼルエンジンの仕組みは、シリンダー内に空気だけを吸い込ませて圧縮させます。そこへ燃料の軽油を噴射して、自然着火で爆発させて動力を生み出しています。
どちらのエンジンも、ガソリンや軽油が十分な量なければ加速をするための動力が生み出せず、スピードも出なくなるでしょう。
さらに、燃料がエンジン内部に行き届かなくなると、アクセルを踏み込んでも加速せず、座席に縦揺れのような振動を感じることがあります。振動を感じたと思えば、いきなり車が停車し、そこから動かなくなるのです。
エンジンが停止してしまうと、再びキーをオンにしても車が動くことはありません。
ガソリンが少なくなると、エンジンから異音がしたり、振動がしたりするようになります。車によって音に違いはありますが、乾いているような音が聞こえたり、車が小刻みに震えたりすることもあるでしょう。
さらに、ガソリンが十分に行き届かなくなると、マフラーからも異音や振動が起こり、最後にはノッキングして停車します。

ガス欠になる前兆が分かれば、すぐにガソリンを給油すれば解決します。しかし、高速道路やガソリンスタンドのない道路の場合、給油が不可能なこともあるでしょう。
それでは、ガス欠で車が停車してしまった時、どのような対応をすればいいのか確認しておきましょう。
無理な走行は厳禁です。ゆっくり走行させながら、路肩などの安全な場所へ車を停めましょう。
もし道路上で停車してしまった場合には、自力で速やかに移動させます。車はギアをニュートラルにして押すと移動させることが可能です。
1人の時には車のドアを開けて、フロントガラスの両脇にある柱の1つを押すしかありませんが、可能であれば周囲の人にお願いをして手伝ってもらいましょう。
2022年10月には、高速道路で車外に出た人が後続車にはねられ死亡する痛ましい事故が起こりました。高速道路を走行中、道路に人がいると意識している人はほとんどいません。
歩行者の過失が問われることもあるため、特に高速道路での対応には気を付けましょう。

ガス欠した車を安全な場所に停車し、後続車に停車していることを知らせたら、車をどう動かすか素早い判断が必要です。
本来、停車してはいけない場所に停車しているため、焦りから的確な判断ができないかもしれませんが、敏速に車を動かせる方法を覚えておけば慌てることなく対処できます。
それでは、ガス欠した車を動かす方法を見ていきましょう。
保険会社により燃料の容量や金額での限度を設けていますが、補給してくれるガソリンの量は10リットルが一般的です。これは、車の平均走行が1リットルあたり10kmという計算をもとに決められています。
例えば、車の燃費が1リットルあたり10kmであれば10リットルで100km走行することができます。
高速道路での走行であれば、さらに走行距離は伸びるので次のサービスエリアで給油することができるでしょう。ガソリンスタンドの間隔は50km範囲以内と言われているため、燃料を10リットル給油すれば、最寄りのガソリンスタンドまで走行できる計算となっています。
ガソリンを自分で買って給油しようと考えるかもしれませんが、基本的にはできません。ガソリンなどの危険物は、消防法によって運搬・貯蔵の容器の基準が定められています。「携行缶」と呼ばれる金属製の缶に入れなければならず、性質上ポリタンクは使えません。
ガソリンを入れる携行缶は、ガソリンスタンドやホームセンターなどで購入できますが、車内に常備している方は少ないでしょう。
また、自宅用としてガソリンを購入できるのはフルサービスのガソリンスタンドのみとなっています。セルフサービスのガソリンスタンドでは携行缶でご家庭用にガソリンを購入することはできないため、自分で燃料を購入して給油することはできないと覚えておきましょう。

車に乗る際、ガソリンの残量を確認して定期的に給油しておけば、ほとんどガス欠を起こすことはありません。
しかし、給油がめんどくさいという気持ちから給油しない状態で走行し続けると、車に悪影響を及ぼす可能性もあります。また、ガス欠を繰り返した結果、車の調子が悪くなり、高額な修理費用が発生することもあります。
ここからは、ガス欠により車にどのような悪影響を及ぼすのかについて見ていきましょう。
エンジンが稼働している間、燃料が流れ続けていることを前提に常時、燃料ポンプのモーターは高速回転をしています。さらに、モーターの潤滑と冷却は燃料に含まれている油分を利用しています。
しかし、ガス欠を繰り返すと燃料ポンプは燃料が送り込まれていないにも関わらず、高速回転をし続けます。モーターの潤滑性と冷却が失われてしまうため、摩擦熱や摩耗による故障を誘発するかもしれません。
1回だけのガス欠で、スターターやバッテリーに大きな負荷がかかることはありません。また、ガス欠が直接の原因で故障することは稀です。
しかし、ガス欠を繰り返しているうちにスターターやバッテリーの負担が増えます。
スターターを回している時、モーターには大量の電流が流れます。そのため、何度も回したり、長時間回したりを続けると、スターターとバッテリーの消耗が激しくなり、最後はエンジンがかからなくなります。
インジェクターノズルは、シリンダーの頂点にあり、シリンダー上部からシリンダー内に均一に燃料を噴霧しています。直噴エンジンは、シリンダー頂点の燃焼温度がもっとも高くなります。
しかし、ガス欠を繰り返すことでインジェクター(燃料を噴射する装置)先端のノズルの潤滑が失われてしまいます。その結果、ノズルを傷づけてしまい、十分な燃料が行き届かなくなります。

ガソリン量が減少すると、ほとんどの車種で「ガソリン残量警告灯」が点灯します。しかし、警告灯が点灯したからすぐにガソリンがなくなり、走れなくなることを意味しているわけではありません。
点灯するタイミングは車種によって異なるため、自分の車がどのタイミングで給油しなければガス欠をするのか確認しておくことが重要です。しかし、注意していても給油ランプがついた後も走り続けなければならないこともあります。
そこで、ここからは給油ランプがついた時の運転方法を説明していきます。
例えば、車にたくさんの荷物を載せていると重量が重くなります。停車した状態から重たい車を走らせようとするとアクセルを踏み込みますが、走り始めはどうしても遅いため、さらにアクセルを踏み込む力が強くなるでしょう。この時、ガソリンの消費量が増えます。
もし旅行や買い物などでたくさんの荷物を載せている時は、細心の注意を払ってゆっくりアクセルを踏むようにしましょう。後続車の妨げになるようであれば、走行の邪魔にならないように道を譲るようにしてください。
この気持ちが運転にも出ると、加速減速を繰り返して燃費が悪くなるだけでなく、危険な運転に繋がります。
給油ランプが点灯したら、すぐに車が停まることはありません。このような事態になった時は、加速減速をせず、一定の速度を保ちながらガソリンスタンドや整備工場などを探しましょう。
エアコンの内部は、エンジンの近くに内蔵されるコンプレッサーと呼ばれる装置が冷気を作り、室内に冷気を排出します。ここまでの仕組みは、家庭用エアコンと同様です。
しかし、家と違って車はバッテリーで必要最低限の電気しか生み出すことができません。電気の代わりにコンプレッサーを継続的に動かすためには、エンジンの力を借りることになります。
エンジンはガソリンによって稼働しているため、車の燃費に影響してくるのです。
ここで、燃費への影響はどの程度なのか?と疑問に思う方もいるでしょう。一般的には、エアコンを使えば通常のおよそ1割以上燃費が悪化するとされています。
給油ランプが点灯しているのに、エアコンをかけた状態で走行すれば燃費は悪化します。ガス欠になる時間を短縮させる結果に繋がるため、エアコンをオフにして走行しましょう。

エンジンがかからなくなる原因の全てが、ガス欠とは限りません。
例えば、電気自動車の場合、ガソリンではなく電気が車を動かすエネルギー源になるため、充電されている電気が尽きるとガス欠と同様、車を動かせなくなってしまいます。
ガス欠以外の原因も知っておくことで、車が停まった時に的確な判断ができるでしょう。ここからは、考えられる原因を3つ説明していきます。
エンジンを始動するためには電気が必要です。エンジンへ電気を供給するためにバッテリーは欠かせませんが、使っているうちに消耗していきます。
例えば、バッテリーが消耗して電気が十分に作られていないのにも関わらず、エアコンやオーディオを使用すると、蓄積されているバッテリーの電気を使いきってしまいます。そのため、バッテリーは空の状態となってしまいエンジンがかからなくなるのです。
また、エンジンを切ってからのヘッドライトの消し忘れや半ドアなどが原因で室内灯が点灯したままの状態にすると、蓄積された電気だけを使い点灯し続けます。
数分でバッテリーが上がることはありませんが、一晩放置しているとエンジンはほぼかかりません。バッテリーが上がると電気が送られないため、エンジンはかからなくなるのです。
セルモーターも車の部品であり、乗り続けていると劣化します。一般的な車のセルモーターは10万km〜15万kmくらいが寿命と言われています。
しかし、エンジンの始動やアイドリングストップを頻繁に繰り返すなど、使い方次第では10万kmもしくはそれ以下で寿命が訪れてしまうかもしれません。
セルモーターに不具合が生じれば、エンジンをかけることができなくなります。
また、エンジンの回転を利用して発電させる役割を担っているのがオルタネーターです。オルタネーターの故障が、エンジンのかからない原因となることもあります。
オルタネーターは、エンジンがかかっていると発電します。例えば、車を半年放置したらバッテリーが上がります。この原因は、エンジンを動かさないためオルタネーターが発電できないためです。
発電せずにバッテリーは電気を消費するだけなので、最後にはバッテリーが空になりエンジンがかからなくなるのです。
他にも、エンジン内部のどこか1ヶ所でも不具合が生じると、突然エンジンがかからなくなってしまいます。
例えば、エンジンを切った時にパーキング以外にシフトが入っていると、次にエンジンをかけようとしてもかかりません。これは、誤作動でバックや加速しないように安全装置が働いているからです。
また、キーを抜いた状態のままハンドルを回そうとすると強制的にロックがかかり、ハンドルを動かせなくなる時があります。これがハンドルロックです。
ハンドルロックがかかった時は、ガチャッとロックされた音がします。ロックがかかる理由は、エンジンを停止した後にキーがないのに運転しようとしたのではないかと判断して、盗難防止の役割を果たしています。
ハンドルロックがかかるとキーを差し込んでも回らないため、ロックされた状態を解除しなければなりません。
しかし、どれだけ気を付けていても給油する時間がなかったり、高速道路や渋滞で給油が難しかったりした時、ガス欠になってしまうことも考えられます。
ガス欠で車が停車してしまったら、どう対処すれば良いのか、的確な判断をしなければなりません。
この記事では、ガス欠が起こる前兆、車が停車してしまった時の対処法、ガス欠は車の故障につながるのかについて解説していきます。
この記事の目次
ガス欠とは?
ガス欠とは、車の燃料タンク内にあるガソリンや軽油が無くなってしまうことです。ガソリンが空になると車を走行させることはできません。そのため、車が停まってしまった場合は、最初にガス欠が原因として考えられます。
ガス欠の前兆とは?

ここからは、ガス欠が起こる前兆を3つ紹介していきます。
①加速しなくなる
車のエンジンには、「ガソリン」と「ディーゼル」があります。ガソリンエンジンの仕組みは、ガソリンと空気を混ぜ合わせて燃えやすい状態にした後、エンジン内部のシリンダー内に吸入、ピストンで強く圧縮、電気火花で点火し燃焼、爆発後の燃焼ガスがシリンダーの外へ排出を繰り返すことで動力を生み出しています。
一方、ディーゼルエンジンの仕組みは、シリンダー内に空気だけを吸い込ませて圧縮させます。そこへ燃料の軽油を噴射して、自然着火で爆発させて動力を生み出しています。
どちらのエンジンも、ガソリンや軽油が十分な量なければ加速をするための動力が生み出せず、スピードも出なくなるでしょう。
②エンストを起こす
ガス欠が起こる前兆としてスピードが出なくなりますが、その時点ではまだ車は動きます。さらに、燃料がエンジン内部に行き届かなくなると、アクセルを踏み込んでも加速せず、座席に縦揺れのような振動を感じることがあります。振動を感じたと思えば、いきなり車が停車し、そこから動かなくなるのです。
エンジンが停止してしまうと、再びキーをオンにしても車が動くことはありません。
③マフラーから異音がする
エンジンを回転させるためには十分な燃料が必要です。燃料が足りないとエンジンへ送り込むガソリン量も安定しません。そのため、不完全燃焼のような状態が起こります。ガソリンが少なくなると、エンジンから異音がしたり、振動がしたりするようになります。車によって音に違いはありますが、乾いているような音が聞こえたり、車が小刻みに震えたりすることもあるでしょう。
さらに、ガソリンが十分に行き届かなくなると、マフラーからも異音や振動が起こり、最後にはノッキングして停車します。
ガス欠で停車した時にすべきこととは?

それでは、ガス欠で車が停車してしまった時、どのような対応をすればいいのか確認しておきましょう。
安全な場所に停車させる
車が加速しなくなった時は、後続車の車に迷惑をかけないようハザードを点灯させて車をなるべく端に寄せ追い越しを促します。無理な走行は厳禁です。ゆっくり走行させながら、路肩などの安全な場所へ車を停めましょう。
もし道路上で停車してしまった場合には、自力で速やかに移動させます。車はギアをニュートラルにして押すと移動させることが可能です。
1人の時には車のドアを開けて、フロントガラスの両脇にある柱の1つを押すしかありませんが、可能であれば周囲の人にお願いをして手伝ってもらいましょう。
三角板や発煙筒などで後続車に知らせる
車を安全な場所に移動させたら、周囲の安全を確認してから三角板を置いたり、発煙筒を使ったりして後続車に停車していることを伝ましょう。特に高速道路では、車外に出る際には最善の注意を払ってください。2022年10月には、高速道路で車外に出た人が後続車にはねられ死亡する痛ましい事故が起こりました。高速道路を走行中、道路に人がいると意識している人はほとんどいません。
歩行者の過失が問われることもあるため、特に高速道路での対応には気を付けましょう。
ガス欠した車の対処法

本来、停車してはいけない場所に停車しているため、焦りから的確な判断ができないかもしれませんが、敏速に車を動かせる方法を覚えておけば慌てることなく対処できます。
それでは、ガス欠した車を動かす方法を見ていきましょう。
保険会社もしくはロードサービスに連絡をする
最近は、ほとんどの自動車保険にロードアシストサービスが付帯されています。ロードアシストでの対応の中には、ガス欠に対して燃料を運んでくれるサービスがあります。保険会社により燃料の容量や金額での限度を設けていますが、補給してくれるガソリンの量は10リットルが一般的です。これは、車の平均走行が1リットルあたり10kmという計算をもとに決められています。
例えば、車の燃費が1リットルあたり10kmであれば10リットルで100km走行することができます。
高速道路での走行であれば、さらに走行距離は伸びるので次のサービスエリアで給油することができるでしょう。ガソリンスタンドの間隔は50km範囲以内と言われているため、燃料を10リットル給油すれば、最寄りのガソリンスタンドまで走行できる計算となっています。
最寄りの整備工場などに連絡をする
ガス欠で停車した場所の近くにガソリンスタンドや整備工場がある場合は、ガス欠した旨を伝えて、ガソリンを入れてもらうなどの対応をお願いしてみましょう。ガソリンを自分で買って給油しようと考えるかもしれませんが、基本的にはできません。ガソリンなどの危険物は、消防法によって運搬・貯蔵の容器の基準が定められています。「携行缶」と呼ばれる金属製の缶に入れなければならず、性質上ポリタンクは使えません。
ガソリンを入れる携行缶は、ガソリンスタンドやホームセンターなどで購入できますが、車内に常備している方は少ないでしょう。
また、自宅用としてガソリンを購入できるのはフルサービスのガソリンスタンドのみとなっています。セルフサービスのガソリンスタンドでは携行缶でご家庭用にガソリンを購入することはできないため、自分で燃料を購入して給油することはできないと覚えておきましょう。
ガス欠は車に悪影響を与える?

しかし、給油がめんどくさいという気持ちから給油しない状態で走行し続けると、車に悪影響を及ぼす可能性もあります。また、ガス欠を繰り返した結果、車の調子が悪くなり、高額な修理費用が発生することもあります。
ここからは、ガス欠により車にどのような悪影響を及ぼすのかについて見ていきましょう。
燃料ポンプのモーターの故障
燃料ポンプは、ガソリンタンクからエンジンに必要なガソリンを供給する部品です。エンジンが稼働している間、燃料が流れ続けていることを前提に常時、燃料ポンプのモーターは高速回転をしています。さらに、モーターの潤滑と冷却は燃料に含まれている油分を利用しています。
しかし、ガス欠を繰り返すと燃料ポンプは燃料が送り込まれていないにも関わらず、高速回転をし続けます。モーターの潤滑性と冷却が失われてしまうため、摩擦熱や摩耗による故障を誘発するかもしれません。
スターターやバッテリーの摩耗
車のエンジンをかける時は、はじめにキーをオンの状態にするでしょう。その時にガソリンはすぐにエンジンまで到達しますが、十分な量がないと到達する量も少なく、エンジンのかかりが悪くなります。1回だけのガス欠で、スターターやバッテリーに大きな負荷がかかることはありません。また、ガス欠が直接の原因で故障することは稀です。
しかし、ガス欠を繰り返しているうちにスターターやバッテリーの負担が増えます。
スターターを回している時、モーターには大量の電流が流れます。そのため、何度も回したり、長時間回したりを続けると、スターターとバッテリーの消耗が激しくなり、最後はエンジンがかからなくなります。
ノズルを痛める
直噴エンジンの場合、シリンダー内に燃料を直接噴霧させます。シリンダー内に設置されているのが、インジェクターノズルです。インジェクターノズルは、シリンダーの頂点にあり、シリンダー上部からシリンダー内に均一に燃料を噴霧しています。直噴エンジンは、シリンダー頂点の燃焼温度がもっとも高くなります。
しかし、ガス欠を繰り返すことでインジェクター(燃料を噴射する装置)先端のノズルの潤滑が失われてしまいます。その結果、ノズルを傷づけてしまい、十分な燃料が行き届かなくなります。
ガス欠で給油ランプが点滅した時の運転方法

点灯するタイミングは車種によって異なるため、自分の車がどのタイミングで給油しなければガス欠をするのか確認しておくことが重要です。しかし、注意していても給油ランプがついた後も走り続けなければならないこともあります。
そこで、ここからは給油ランプがついた時の運転方法を説明していきます。
アクセルはゆっくり踏み込む
車は、走り始めの低速ギアの時がもっとも燃費を消費します。動き始めると、惰性で少しの力でも動かすことが可能です。例えば、車にたくさんの荷物を載せていると重量が重くなります。停車した状態から重たい車を走らせようとするとアクセルを踏み込みますが、走り始めはどうしても遅いため、さらにアクセルを踏み込む力が強くなるでしょう。この時、ガソリンの消費量が増えます。
もし旅行や買い物などでたくさんの荷物を載せている時は、細心の注意を払ってゆっくりアクセルを踏むようにしましょう。後続車の妨げになるようであれば、走行の邪魔にならないように道を譲るようにしてください。
一定の速度で車を運転する
給油ランプが点灯するとガス欠を起こすかもしれないという焦りから、早くガソリンスタンドや整備工場を探そうとしたり、高速道路を降りようとしたりと気持ちが安定しません。この気持ちが運転にも出ると、加速減速を繰り返して燃費が悪くなるだけでなく、危険な運転に繋がります。
給油ランプが点灯したら、すぐに車が停まることはありません。このような事態になった時は、加速減速をせず、一定の速度を保ちながらガソリンスタンドや整備工場などを探しましょう。
エアコンを切る
車のエアコンを使用すると燃費に影響します。その理由は、車専用のエアコンの仕組みにあります。エアコンの内部は、エンジンの近くに内蔵されるコンプレッサーと呼ばれる装置が冷気を作り、室内に冷気を排出します。ここまでの仕組みは、家庭用エアコンと同様です。
しかし、家と違って車はバッテリーで必要最低限の電気しか生み出すことができません。電気の代わりにコンプレッサーを継続的に動かすためには、エンジンの力を借りることになります。
エンジンはガソリンによって稼働しているため、車の燃費に影響してくるのです。
ここで、燃費への影響はどの程度なのか?と疑問に思う方もいるでしょう。一般的には、エアコンを使えば通常のおよそ1割以上燃費が悪化するとされています。
給油ランプが点灯しているのに、エアコンをかけた状態で走行すれば燃費は悪化します。ガス欠になる時間を短縮させる結果に繋がるため、エアコンをオフにして走行しましょう。
ガス欠以外でもエンジンが止まることがある

例えば、電気自動車の場合、ガソリンではなく電気が車を動かすエネルギー源になるため、充電されている電気が尽きるとガス欠と同様、車を動かせなくなってしまいます。
ガス欠以外の原因も知っておくことで、車が停まった時に的確な判断ができるでしょう。ここからは、考えられる原因を3つ説明していきます。
①バッテリー関連のトラブル
バッテリー上がりとは、バッテリーに蓄積された電気が減り、エンジンが始動しない状態のことです。エンジンを始動するためには電気が必要です。エンジンへ電気を供給するためにバッテリーは欠かせませんが、使っているうちに消耗していきます。
例えば、バッテリーが消耗して電気が十分に作られていないのにも関わらず、エアコンやオーディオを使用すると、蓄積されているバッテリーの電気を使いきってしまいます。そのため、バッテリーは空の状態となってしまいエンジンがかからなくなるのです。
また、エンジンを切ってからのヘッドライトの消し忘れや半ドアなどが原因で室内灯が点灯したままの状態にすると、蓄積された電気だけを使い点灯し続けます。
数分でバッテリーが上がることはありませんが、一晩放置しているとエンジンはほぼかかりません。バッテリーが上がると電気が送られないため、エンジンはかからなくなるのです。
②バッテリー以外の部品トラブル
セルモーターとは、エンジンを起動させるためのモーターのことです。このセルモーターは、バッテリーの電力を使用してクランクシャフトを電動で回転させ、エンジンで最初の爆発を起こさせます。セルモーターも車の部品であり、乗り続けていると劣化します。一般的な車のセルモーターは10万km〜15万kmくらいが寿命と言われています。
しかし、エンジンの始動やアイドリングストップを頻繁に繰り返すなど、使い方次第では10万kmもしくはそれ以下で寿命が訪れてしまうかもしれません。
セルモーターに不具合が生じれば、エンジンをかけることができなくなります。
また、エンジンの回転を利用して発電させる役割を担っているのがオルタネーターです。オルタネーターの故障が、エンジンのかからない原因となることもあります。
オルタネーターは、エンジンがかかっていると発電します。例えば、車を半年放置したらバッテリーが上がります。この原因は、エンジンを動かさないためオルタネーターが発電できないためです。
発電せずにバッテリーは電気を消費するだけなので、最後にはバッテリーが空になりエンジンがかからなくなるのです。
他にも、エンジン内部のどこか1ヶ所でも不具合が生じると、突然エンジンがかからなくなってしまいます。
③その他のトラブル
故障ではなくても、エンジンがかからないことがあります。例えば、エンジンを切った時にパーキング以外にシフトが入っていると、次にエンジンをかけようとしてもかかりません。これは、誤作動でバックや加速しないように安全装置が働いているからです。
また、キーを抜いた状態のままハンドルを回そうとすると強制的にロックがかかり、ハンドルを動かせなくなる時があります。これがハンドルロックです。
ハンドルロックがかかった時は、ガチャッとロックされた音がします。ロックがかかる理由は、エンジンを停止した後にキーがないのに運転しようとしたのではないかと判断して、盗難防止の役割を果たしています。
ハンドルロックがかかるとキーを差し込んでも回らないため、ロックされた状態を解除しなければなりません。
まとめ
①ガス欠には前兆がある
②加速しない場合は安全な場所に停車する
③車を停車される時は、必ず後続車に停車していることを伝える
④ガス欠は車に悪影響を与えることもある
⑤エンジンがかからない時は、ガス欠以外の原因も考えられる
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