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更新日:2022.12.27 / 掲載日:2022.12.27

車のヘッドライトでロービームが点かない時は故障?原因や修理費用を解説

暗い位置を照らしてくれるヘッドライトは、ドライバーの視界確保や周囲に自車の存在を知らせるという大切な役目を果たしています。

ヘッドライトが点かないとなると危険が伴うため、いち早く原因を突き止めて対処を行うことが重要です。

今回は、ヘッドライトが点かない時に慌てず対処できるよう、その原因や修理コストについて解説していきます。

車のヘッドライトでロービームが点かないときの原因・対処法・修理コストなどを網羅

車のヘッドライトが点かないと、夜間に車を走行する際に危険を伴います。

「ヘッドライトが点かない」といっても、ハイビームより使用頻度の高いロービームだけが点かないというケースも多いです。

ここでは、ヘッドライト自体が点かない場合も含め、その原因や対処法・修理コストなどをまとめて紹介していきます。

まずはヘッドライトの種類を知っておこう

ヘッドライトは車の年式、車種、グレードなどによって装着されている種類が異なり、それぞれ違った特徴を持っています。

まずは、ヘッドライトの種類を一つずつ見ていきましょう。

もっとも一般的な「ハロゲンライト」

最も歴史が古く、安価で普及しているのがハロゲンタイプのヘッドライトです。国内を走っている車の6割近くが、このタイプを使っているとされています。

ハロゲンガスで満たされているガラス球の中でフィラメントに通電し、その光を利用したランプです。家庭でよく用いられる白熱電球と原理は同じですが、白熱電球より長寿命です。

価格が安くメンテナンスが容易で淡く優しい光が特徴ですが、明るさと寿命の面では、この後紹介する他のタイプに劣るとされています。

しかし、原理上、高い熱を発するため、雪がよく降る地方ではあえてハロゲンライトをチョイスするケースもあります。それは、ハロゲンライトにすることで、ヘッドライトへの積雪を防ぎ、溶かしてくれるというメリットがあるからです。

明るさに優れている「キセノンライト」

キセノンライトは「HIDランプ」「ディスチャージランプ」とも呼ばれています。ハロゲンライトのようにフィラメントがなく、アーク放電で発光するため、球切れの心配が少ないのが特徴です。

メリットは非常に明るく、フィラメントがないため長寿命(2,000時間、5年以上)であることです。そして、ハロゲンライトに比べて電力を消費しません。

ただし、ハロゲンライトより構造的に複雑で部品点数も多いため、メンテナンスなどに手間がかかるうえ、交換コストなども高額なのが難点です。さらに、スイッチを入れてから最大光量になるまで数秒かかる点も、デメリットとして挙げられます。

最近徐々に増えてきた「LEDライト」

10年ほど前から登場し始め、省電力・環境保護などの流れを受け、近年普及スピードが増しているLEDは、発光ダイオードを利用しています。

構造がシンプルで部品数が少ないため、メンテナンス・交換共に簡単で、工賃や本体価格も比較的安価です。

さらに、通電から店頭までの速度は他のタイプより早く、何より寿命が30,000時間(15年)と圧倒的に長いため、配所まで交換したことがないなんてケースも珍しくありません。

明るさ的には、ややキセノンが有利ですが、青みがかっているキセノンの光より、真っ白なLEDのほうが見やすいという意見も多いです。

弱点らしい弱点といえば、熱を帯びにくいためライトに積もった雪がなかなか解けず、積もってしまうことぐらいでしょう。

ハロゲンライトが点かなくなる原因と対処法

まずは、ヘッドライト自体が点かない原因・対処法を、種類別に解説していきましょう。

最も普及しているハロゲンライトが点かない場合から見ていきます。

電球の寿命が切れた(球切れ)

ハロゲンライトは、ガラス球内部のフィラメントに通電することで光っていますが、フィラメントが燃え尽きてしまうと当然光らなくなります。このフィラメントが燃え尽きて切れて光らなくなった状態が、球切れです。

また、ヘッドランプの明るさはK(ケルビン)という単位で表されますが、ハロゲンの場合は明るいほどフィラメントが燃え尽きる原因である発熱量が多いため、球切れを起こすのも早くなります。

ハロゲンラントが球切れした時の対処法は、新品を購入し付け替えることで解決するので簡単です。

ヒューズの断絶

ヒューズとは、電装品に決められた数値以上の電流が流れると、発火や漏電事故などを防ぐために遮断するようになっている保安部品です。

どの程度の電流が流れた時切れるかは車種によって異なりますが、国産車の場合は、H4(12V 60/55W)規格のハロゲンライトが主流であるため、10Aのヒューズを用います。

この場合、何らかの理由で10A以上の電流がヒューズに流れると、ヒューズが切れてハロゲンライトへの電気供給が止まり、点灯しなくなるのです。

ヒューズが断絶した時の対処法も、ヒューズを新品に交換すれば解決します。

リレー・スイッチの不良

ヘッドライトには手元のスイッチと連動し、ヘッドライトまでの通電を制御しているリレーという部品があります。それが故障すると、ヘッドライトは点きません。また、スイッチ自体に接触不良が発生している場合も、ヘッドライトが点灯しないことがあります。

なお、ヒューズ、リレー、スイッチは、ハロゲンライトだけに限らず全ての種類のヘッドライトに存在するため、不具合発生時に疑われる共通の原因と言えます。どこが不良なのか判明すれば、部品交換などですぐに修復可能です。

ただし、見えない電気を用いる電装品であるため、不良個所の判別には専門知識や検査器具が必要なケースもあります。

キセノンライトが点かなくなる原因と対処法

次に、高級車やハイグレードモデルに搭載が進んでいる、キセノンライトが点かなくなる原因と対処法を見ていきましょう。

バルブ(バーナー)の寿命切れ

ハロゲンライトは、電気によってフィラメントを燃やして、その光を利用しています。ものすごく簡単にいうと、ろうそくと同じような構造です。

一方、キセノンライトの理屈は蛍光灯とほぼ同じです。電極間の放電を利用しているためフィラメントがなく、その断絶や劣化による球切れは発生しません。

ただし、キセノンランプ本体といえるバルブ(バーナー)に内封されている気体(キセノンガス)が経年劣化や消耗すると、点灯した瞬間の色が「赤色」や「紫色」になり、最終的には点灯しなくなります。

この状態を「バルブの寿命が切れた」と呼びますが、その寿命は2,000時間程度と非常に長くなっています。

なお、こちらも新品への交換で復旧可能ですが、ややハロゲンライトより電球自体の価格も交換の難易度も高いです。

バラストの不具合・故障

キセノンライトは電極間の放電を利用しているため、電圧を一定にする必要があります。そのため、バッテリーから供給されるバラバラの電圧をきれいに揃える「バラスト」と呼ばれる部品がついています。

そして、色の変化がなかったのに突然つかなくなった場合は、このバラストの故障が考えられます。

なお、キセノンバルブの寿命は2,000時間ほどとされているのに対し、バラストは10年程度使っても故障しないだけの耐久性を持っています。そのため、滅多に修理することはありませんが、故障するとバラストごと交換するしか対処法はありません。

修理コストとしては、車種によって異なりますが部品代が10,000~20,000円、工賃も10,000円程度かかってきます。

LEDライトが点かなくなる原因と対処法

続いては、近年普及が進み始めてきた、LEDライトが点かなくなる原因と対処法について見ていきましょう。

LEDバルブの取り付け不備

LEDバルブは、滅多に球切れしません。その上、バラストなどの部品もついていない簡単な構造なので、点かない場合はLEDの取り付け不良をまずは疑いましょう。

また、新品への交換作業自体はハロゲンライトと同様に簡単です。そのため、ハロゲンライトの球切れを機にLEDライトに変える方も多いです。

しかし、LEDライトにはたくさんの社外品や互換品があり、安価な商品の中には初期不良を起こしているものが混じっているケースもあります。そのため、商品選びや購入先選びには注意しましょう。

カプラー部分の接触不良

「元々ハロゲンライトだったが、球切れしたのを機にLEDライトに変更した」といった時によく発生するのが、カプラー部分の接触不良です。

前述しましたが、ハロゲンライトは熱を発生するタイプの電球です。それを寿命が切れするまで使っていた場合、カプラー部分が熱に長時間さらされ続け、変形や劣化している場合があります。

この時、きちんと取り付けたのにも関わらず、接触不良によってヘッドライトがチラついたり、衝撃を受けた際消えてしまったりすることがあります。

重症の場合は、専門業者などでカプラーごと交換するしかありません。軽症の場合であれば、ホームセンターなどで市販されている接点復活剤を吹きかけてみるという方法もあります。

その他に考えられる原因

LEDライトは、球自体の寿命切れや故障が起こりにくいのがメリットの一つです。そのため、ヒューズ、リレー、スイッチの故障や不具合を疑ったほうがいいかもしれません。

また、全てのタイプに共通してここで挙げた原因全てに当てはまらない場合、バッテリーからの長い配線のどこかでリーク(漏電)が発生していることも考えられます。

この場合、車に関する知識のない方がどこでリークが起きているかを判断するのは、至難の業です。また、他の電装品に不具合が起きたり、最悪の場合発生した火花が引火して火災を引き起こしたりするリスクもゼロではないため、修理工場などで詳しく点検してもらったほうが安心です。

ロービームだけが点かない原因

ここまでヘッドライトが点かない原因や対処法について見てきました。

ヘッドライトが全く点かないのではなく、ハイビームは点くのにロービームだけが点かないという経験をした方も多いかもしれません。

そこでここからは、ロービームだけが点かないケースに的を絞って、その原因を見ていきましょう。

ロー側のバルブやヒューズだけが切れている

一般的に、ロービームのほうが使用頻度が高いとされています。

4灯式ヘッドライトなどで、ハイとローのバルブ及びヒューズが別々の場合、ロー側のものだけが切れていて点かないというケースが考えられます。また、バルブは別々だが、ヒューズやリレーは共通というケースもあります。

この場合、前者は片方だけが点かなくなり、後者の場合は両方とも点かなくなるので判別しやすいです。そのため、切れているほうを新品に変えれば問題解決です。

ちなみに、片方のバルブやヒューズが切れた場合、もう片方も近いうちに寿命がやってくる可能性が高いです。そのため、片方を変えたらもう片方も新品に変えるのが一般的となっています。

切り替えスイッチの作動不良

切り替えスイッチがうまく作動しておらず、ロー側へ電気が伝わっていない場合や切替機構が機能していない場合は、ロー側だけ点かなくなったり、切り替えができなくなることがあります。

また、切り替えスイッチの不良でロービームが点かない場合は、もれなく両方揃って点かないことがあったり、切り替えができなくなるので見分けられます。

さらに、バルブ、ヒューズ、リレーが完全に切れると対応するヘッドライトは一切点灯しなくなりますが、スイッチの場合はそれらを新品に交換しても、点灯不良が続きます。

ヘッドライトでロービームが点かないときの修理費用

最後に、ヘッドライトでロービームが点かない時の修理費用の相場をケース別に解説していきます。

「ロービームが点かない」と一言でいっても、ハイビームだけが点かない、もしくは両方点かない場合もあるでしょう。その場合の費用も、原因が同じなら同程度の費用がかかると考えて問題ありません。

バルブやヒューズ切れだけならDIYで交換も可能

ハロゲンライト・LEDライトのヘッドライトのバルブは、どこでも市販されているうえ、交換作業も少し要領を抑えれば誰でもできます。

キセノンライトも市販されていますが、やや取り付け作業が難しいため、プロに依頼したほうが安心です。

ちなみに、部品代は以下の通りです。

・ハロゲン…1,000円程度
・LED…安くて2,000~4,000円
・キセノン…3,000~5,000円

これぐらいの費用のものであれば、カー用品店や通販でも購入が可能です。

工賃は依頼する業者によって大きく異なりますが、最も難易度の高いキセノンでも片方で3,000~5,000円程度見ておけば十分でしょう。

また、ヒューズやリレーはどのタイプでも基本同じような価格でどこででも売られているほか、交換方法も難しくないためDIYで交換すれば、工賃分を節約できます。

DIYで交換する時の注意事項

球切れが原因の場合は、DIYで交換して工賃を浮かせることも十分可能です。

ただし、バルブは同じように見えても規格が違うものや色味の違うものがあります。購入前にきちんと自分の車の対応規格や商品の詳細、使い方などをネットでリサーチすることが必要です。

また、ヒューズやリレーにも対応アンペアがそれぞれ決まっています。外したヒューズ・リレーを用品店のスタッフに見せて確認するなどして、つけ間違えがないよう留意しましょう。

DIYする際は細かい作業になるため、手を怪我しないように手袋をはめ、安全に配慮することも忘れないようにしてください。

バルブやヒューズ切れ以外の原因の場合

流れている様子が肉眼では見えない電気関係の部品であるため、原因が判明しない場合も多いかもしれません。そんな時は、専門知識を持ち、テスターといった検査器具のある修理工場などで点検を受けることをおすすめします。

また、ヘッドライトが点いていないまま走行すると、整備不良で検挙され反則金と違反点数が科せられることもあります。

ロービームだけ点かない場合、ハイビームだけで走り続ければいいと思う方もいるかもしれません。道路交通法上では、夜間を走行する時は「ハイビームが基本」となっているため、一見問題がないように感じるでしょう。

しかし、「他車とすれ違う時など他の車両等の交通を妨げる恐れのある時に限り、すれ違い用前照灯(ロービーム)にすること」とも定められています。

単独では検挙・取り締まりされることはありませんが、ハイビームが原因で事故が発生した場合、交通違反として罰則の対象になることがあります。

点かないのがロービームだけであっても早急に原因を突き止め、然るべき対処をするよう心がけましょう。

まとめ

①車のヘッドライトには、ハロゲン、キセノン、LEDの3種がある

②ハロゲンが点かなくなる原因としては、球切れ、ヒューズの断絶、リレーやスイッチの不良が考えられる

③キセノンが点かなくなる原因としては、バルブの寿命、バラストの故障が考えられる

④LEDが点かなくなる原因としては、取り付け不備、カプラーの接触不良が考えられる

⑤3つのうち、LEDは極端にその寿命が長いため、球切れではなく、ヒューズ、リレー、スイッチの故障や不具合のほうを疑ったほうがいい

⑥ロービームは使用頻度が高いため、球切れやヒューズ切れを起こしやすい

⑦切り替えスイッチが故障した時も、ロービームだけが点かない、切り替えできないことがある

⑧ロー・ハイいずれか片方が点かない場合にしろ、両方が点かない場合にしろ、原因が同じならかかる修理費用に大差はない


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グーネットマガジン編集部

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