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更新日:2022.12.28 / 掲載日:2022.12.28
車のパワースライドドアが故障することはある?故障した時の原因や症状を解説
電動で開閉できるため、パワースライドドアはとても便利ですが、突然動かなくなった・開かなくなったなどのトラブルに見舞われることがあります。
そうなると、非電動のスライドドアよりも重くなり、難しい対処を迫られることになるでしょう。
ここでは、パワースライドドアが動かなくなった・あるいは開かなくなったなどのトラブルが発生した場合の対処法や、日常的な注意点などを解説します。
一方、トラブルが起きることも多いので、そうしたトラブルや故障の主な内容・原因・対処法について解説していきます。
はじめに、車で使われるパワースライドドアとは、どのような装置なのかを説明していきます。
それを踏まえた上で、メリットとデメリットについても見ていきましょう。
狭い駐車スペースでも、車両に対して平行に電動でドアを開閉できるので、車の乗り降りの際のひと手間が省ける大変人気のある機能です。
パワースライドドアには、離れたところからリモコンで操作できるものや車両の足元にあるセンサーによって開閉できるタイプもあります。両手が荷物で塞がっている場合などに、大きな効果を発揮するでしょう。
手動の簡単な操作で開け閉めできるのに加え、運転席でのボタン操作も可能なので、事故の防止にも役に立つでしょう。
例えば、小さい子供を後部座席に乗せて運転する場合は、走行中に誤ってドアを開閉しないようにチャイルドロックをかけることがあります。
パワースライドドアの場合、このチャイルドロックの操作も運転席で行えます。そのため、これらの操作をいちいち停車して外に出て行う必要がありません。
また、半ドアの状態になっても自動で閉めてくれる「オートクロージャー機能」もあるので、運転中に突然ドアが開くような事態も防げます。
また、スイングドアや手動のスライドドアの場合、勢いよく扉を閉めると指などを挟んで怪我をすることもあります。しかし、パワースライドドアにはほとんどの場合挟み込みを防止する安全装置がついているので、安心です。
パワースライドドアは、旧来のスライドドアと違ってスイッチ1つで操作でき、挟み込み防止機能によって事故も防げるという長所があることを紹介してきました。
一方で、事故などで故障した場合、修理費用が高くなるなどのデメリットもあるので見ていきましょう。
また、使われるパーツが多いということは、ドアの重量も増すということです。車両の重量も増えますし、さらに故障してしまい修理が必要となった場合、修理費用も高くなるでしょう。
例えば、内部のワイヤーの交換やメインモーターの修理の場合は5~10万円はかかります。高額なので人によっては修理をせず手動での操作に切り替えて使い続けるという方もいます。
ただし、修理費用については車を新車で購入している場合、メーカー保証でカバーできるかもしれません。事故や経年劣化によって故障が発生したら、保証の範囲にパワースライドドアも含まれているかどうか、販売店に確認してみてください。
それにより、パワースライドドアは特に車の側面からの衝突事故に遭遇した場合のリスクが従来のドアよりも高いと言えるでしょう。ドアの修理費のみならず、機械類の修理費用もかさむためです。
また、ちょっとした衝突事故で一見すると故障しているように見えない場合でも、後になってから内部の損傷が表面化することもあります。そうなると、ある日突然ドアが動作しなくなるという不具合が生じるかもしれません。
パワースライドドアは故障で動作しなくなっても手動で動かせますが、重量があるので大変です。事故などに遭遇した場合は費用面などのリスクの大きさを踏まえて、早めに点検・修理に出しましょう。
次に、実際に使用する際、安全面でどんな点に注意すべきかを見ていきましょう。
また、パワースライドドアは従来のスイングドアと違ってドアが開いているのか閉じているのかが後続車から分かりにくいという難点があります。外側に大きく開けば後続車からも見えるのですが、車両に対して水平にドアが動くからです。
そのため、駐車場や路肩に停めて車から降りる際は気を付けなければなりません。
スイングドアなら、ドアが外に向かって開くので後続車も人が降りてくる可能性について考慮できますが、パワースライドドアはそうした予測がつきにくいことがあります。
これはパワースライドドアに限らず、スライドドア全般に言えることです。子供はドアが開くと左右確認をせずに急に車から飛び降りることがあるので、特に注意を払う必要があるでしょう。
ドアが機械による動作ではなく重力によって勝手に動いて閉まってしまうと、うっかり手を挟んでしまう恐れもあります。
パワースライドドアに限らず、車のドアを開閉する際は確実に全開あるいは全閉して、しっかり固定することが大切です。
パワースライドドア機能つきの車を使っていて遭遇しやすいトラブルとして多いのが、開け閉めに関するトラブルです。
例えば、なんの前兆もなく突然開かなくなってしまった、あるいは半分までしか自動で開かなくなってしまった、といったケースが挙げられます。
他にも、開閉ともにボタンを押しても作動しない場合や、外からは開くけれど中からは開けられない…など、トラブルと言ってもその症状は様々です。
詳細は後ほど説明しますが、トラブル発生時には症状に合わせて原因を探る必要があります。
ほとんどの場合、この操作スイッチは運転席の足元付近にあり、何かの拍子に触れたことでオフになることがあります。こうなると、パワースライドドアを自動で動かすことはできませんし、開閉ボタンを押しても反応しません。
そもそも故障ではないので、操作スイッチをオンにすればすぐに復旧するでしょう。
子供を乗せる機会が多い車の場合、おもちゃやおやつの食べこぼしなどが散らばって、このような症状が起きることがよくあります。
これも故障ではないので対処は簡単です。チャイルドロックは車内から開けるのを防止する機能なので、外からは開けられますし、そもそもロックを外すだけで対処できます。
ドアが外からは開くのに中から開かない場合は、チャイルドロックの誤操作が考えられるでしょう。
ヒューズはブレーカーのようなもので、過電流が流れた際に電気回路を遮断する装置です。
もしヒューズが切れていたら、新しいものと交換すれば対処できます。
そのため、手動でも半分しか動かなくなったり、全く動かなくなったりします。
特に注意しなければならないのは、セルフの給油所で給油を行い、フタを閉める時です。フタを完全に閉めず、浮いた状態になっているだけでもパワースライドドアは動作不良を起こすので、きちんと閉めましょう。
リリースモーターは、ドアを開ける際の初動に関わるモーターで、故障するとドアが自動では動きません。あるいは、パワースライドドアのスイッチを押しても動かなかったり、半分くらいまで手動で動かさないと作動しなくなったりすることもあります。
一方、メインモーターは、ドアを大きく開閉するためのものです。故障すると、最初だけドアが自動で動くものの途中で止まってしまうという症状が発生します。
手動で力ずくで動かすことも可能ですが、ドアが重い・異音が発生する・途中で止まるなどの異常が起きるでしょう。
上記をまとめると、ドアを開ける際、はじめに手前に引くところで異常があればリリースモーターの故障が考えらます。そして、ドアが横にスライドするところで異常があればメインモーターの故障が考えられます。
いずれも自力での交換・修理は難しいので、早めに修理に出しましょう。
この場合、ドアは最後まで閉じるもののすぐに勝手に開いてしまうという症状が見られます。
ゴムパッキンが外れる原因としては、経年劣化の他にも、内張りを剥がした時に一緒に取れてしまうことなどが考えられます。
心当たりがある場合は、ゴムパッキンの異常を疑ってチェックするか、点検修理に出すといいでしょう。ゴムパッキンが挟まったままの状態だと、パワースライドドアはいつまでも異物が挟まっていると感知することになります。
ゴムパッキンは基本的に簡単に溝にはまり込むようにできているので、異常があればとりあえず押し込んでみてください。それで駄目なら、早めに部品を交換しましょう。
車が事故などに遭遇すると、車体の骨格部分にあたるフレームと呼ばれる部分が歪むことがあります。すると、ドアの開閉時に歪みの部分をセンサーが「異物」と判断してしまい、挟み込み防止機能が作動するのです。
次に、センサーやスイッチが故障している場合も考えられます。車両内部のセンサーやスイッチにつながる電気系統のいずれかのパーツが損傷していると、パワースライドドアの動作にも異常が出てきます。
ドアノブ操作では、ドアが開くのにスイッチ操作では開かないという場合は、電気系統で異常が起きている可能性が高いです。
最後に、ワイヤーが絡まったり切れたりするケースです。動力をモーターから伝えるためのワイヤーが経年劣化などで弱り、絡まりや断裂が起きることがあります。
いずれの場合も自力での修理は難しいので、専門家に見てもらいましょう。
ここまでで、パワースライドドアが動かなくなった場合の主な症状や対処法を解説してきました。
実際にそのような事態になった際は、やみくもにこれらの対処法を試すのではなく、ある程度の手順を踏んでいくといいでしょう。
ロードマップとしては、最初に簡単にできるパワースライドドアのスイッチがオフになっていないかを確かめてください。
もしもオンの状態なのに動かないなら、次はチャイルドロックがかかっていないかチェックしましょう。
チャイルドロックも問題ないなら、給油口が開きっぱなしになっていないか確認してください。
それで異常が認められなければ、今度は症状別の対処が必要です。
パワースライドドアが開くものの途中でストップするなら「メインモーター」の故障が考えられます。逆に、ドアを開ける時点でうまくいかないなら「リリースモーター」の異常が考えられます。
また、ドアは閉じるもののすぐ勝手に開いてしまう場合、ゴムパッキンの外れ、車のフレームの歪み、異物の挟まりなどによる挟み込み防止機能が作動している可能性があります。
特にモーターの故障など内部の危機に異常が起きている場合は、自力での修理は困難です。
パワースライドドアにトラブルが起こらないようにするためにはどうしたらいいのでしょうか?
ここからは、日常的にどのようなことに注意を払えばいいのか説明していきます。
例えば、車内が散らかっていないかこまめにチェックすれば、スライドドアのレールにゴミが落ちることを防止できるでしょう。
また、パワースライドドアも精密機械でできているので、パーツの経年劣化が進行するような乱暴な運転は避けてください。
誤って操作スイッチやチャイルドロックに触れないよう、丁寧な運転を心がけましょう。また、異常時にチェックすべき場所を前もって知っておくことも大切です。
使用時に異音がしたり、いつもよりもドアが重く感じられスムーズに動かなかったりしたら、トラブルの前兆かもしれません。
パワースライドドアのトラブル対応は、素人でも簡単に復旧できるものと専門家でないと復旧困難なものの2つに完全に分かれます。いずれかを見極めて、早めに点検・修理を行いましょう。
そうなると、非電動のスライドドアよりも重くなり、難しい対処を迫られることになるでしょう。
ここでは、パワースライドドアが動かなくなった・あるいは開かなくなったなどのトラブルが発生した場合の対処法や、日常的な注意点などを解説します。
この記事の目次
パワースライドドアも故障することがある
車のパワースライドドアは、スイッチ操作によって電動で開け閉めすることができる利便性の高い装置です。一方、トラブルが起きることも多いので、そうしたトラブルや故障の主な内容・原因・対処法について解説していきます。
パワースライドドアとは?
それを踏まえた上で、メリットとデメリットについても見ていきましょう。
パワースライドドアの機能
近年、スイッチ操作だけで簡単に開け閉めが可能なパワースライドドアが一般的になってきています。狭い駐車スペースでも、車両に対して平行に電動でドアを開閉できるので、車の乗り降りの際のひと手間が省ける大変人気のある機能です。
パワースライドドアには、離れたところからリモコンで操作できるものや車両の足元にあるセンサーによって開閉できるタイプもあります。両手が荷物で塞がっている場合などに、大きな効果を発揮するでしょう。
パワースライドドアのメリット
パワースライドドアの一番の長所は、従来のスイングドアと比較して、ドアの開閉の際にほとんど力がいらないという点です。手動の簡単な操作で開け閉めできるのに加え、運転席でのボタン操作も可能なので、事故の防止にも役に立つでしょう。
例えば、小さい子供を後部座席に乗せて運転する場合は、走行中に誤ってドアを開閉しないようにチャイルドロックをかけることがあります。
パワースライドドアの場合、このチャイルドロックの操作も運転席で行えます。そのため、これらの操作をいちいち停車して外に出て行う必要がありません。
また、半ドアの状態になっても自動で閉めてくれる「オートクロージャー機能」もあるので、運転中に突然ドアが開くような事態も防げます。
また、スイングドアや手動のスライドドアの場合、勢いよく扉を閉めると指などを挟んで怪我をすることもあります。しかし、パワースライドドアにはほとんどの場合挟み込みを防止する安全装置がついているので、安心です。
パワースライドドアのデメリット
一方で、事故などで故障した場合、修理費用が高くなるなどのデメリットもあるので見ていきましょう。
修理費用が高額
パワースライドドアは精密機械でできており、自動で開閉するための電動モーターなどが使われています。従来のスイングドアと比較するとパーツもかなり多くなるので、その分だけ車両価格も高くなるでしょう。また、使われるパーツが多いということは、ドアの重量も増すということです。車両の重量も増えますし、さらに故障してしまい修理が必要となった場合、修理費用も高くなるでしょう。
例えば、内部のワイヤーの交換やメインモーターの修理の場合は5~10万円はかかります。高額なので人によっては修理をせず手動での操作に切り替えて使い続けるという方もいます。
ただし、修理費用については車を新車で購入している場合、メーカー保証でカバーできるかもしれません。事故や経年劣化によって故障が発生したら、保証の範囲にパワースライドドアも含まれているかどうか、販売店に確認してみてください。
損傷時のリスク
パワースライドドアは、機械によってスムーズに動かせるよう、比較的薄い造りになっていることが多いです。そのため、事故に遭遇した場合、ドアそのものが受ける損傷も大きくなりやすく、ドアの動作を司る精密機械が故障することもあります。それにより、パワースライドドアは特に車の側面からの衝突事故に遭遇した場合のリスクが従来のドアよりも高いと言えるでしょう。ドアの修理費のみならず、機械類の修理費用もかさむためです。
また、ちょっとした衝突事故で一見すると故障しているように見えない場合でも、後になってから内部の損傷が表面化することもあります。そうなると、ある日突然ドアが動作しなくなるという不具合が生じるかもしれません。
パワースライドドアは故障で動作しなくなっても手動で動かせますが、重量があるので大変です。事故などに遭遇した場合は費用面などのリスクの大きさを踏まえて、早めに点検・修理に出しましょう。
パワースライドドアを安全に使おう
ここまで見てきた通り、パワースライドドアには利便性は高いが修理費用が高額になりがちという、メリット・デメリットがあります。次に、実際に使用する際、安全面でどんな点に注意すべきかを見ていきましょう。
乗り降り時の確認
パワースライドドアは自動でドアの開閉を行いますが、使用時は注意も必要です。誤って手や指を挟むと大怪我につながるので、リモコン操作は気を付けて行うようにしましょう。また、パワースライドドアは従来のスイングドアと違ってドアが開いているのか閉じているのかが後続車から分かりにくいという難点があります。外側に大きく開けば後続車からも見えるのですが、車両に対して水平にドアが動くからです。
そのため、駐車場や路肩に停めて車から降りる際は気を付けなければなりません。
スイングドアなら、ドアが外に向かって開くので後続車も人が降りてくる可能性について考慮できますが、パワースライドドアはそうした予測がつきにくいことがあります。
これはパワースライドドアに限らず、スライドドア全般に言えることです。子供はドアが開くと左右確認をせずに急に車から飛び降りることがあるので、特に注意を払う必要があるでしょう。
傾斜地では要注意
パワースライドドアは坂道や山道などの傾斜地では、きちんと固定されていないと勝手に動いてしまうことがあります。平坦な場所と比べて傾斜がある場所では、開閉の際に特に注意しましょう。ドアが機械による動作ではなく重力によって勝手に動いて閉まってしまうと、うっかり手を挟んでしまう恐れもあります。
パワースライドドアに限らず、車のドアを開閉する際は確実に全開あるいは全閉して、しっかり固定することが大切です。
パワースライドドアのトラブル
例えば、なんの前兆もなく突然開かなくなってしまった、あるいは半分までしか自動で開かなくなってしまった、といったケースが挙げられます。
他にも、開閉ともにボタンを押しても作動しない場合や、外からは開くけれど中からは開けられない…など、トラブルと言ってもその症状は様々です。
詳細は後ほど説明しますが、トラブル発生時には症状に合わせて原因を探る必要があります。
パワースライドドアのトラブルの原因と対処法
ここからは、さらにパワースライドドアでよくあるトラブルの原因や対処法について見ていきます。操作スイッチがオフになっている
パワースライドドアの開閉に関するトラブルの原因として最も多いのが、気付かないうちに操作スイッチをオフにしていたというものです。ほとんどの場合、この操作スイッチは運転席の足元付近にあり、何かの拍子に触れたことでオフになることがあります。こうなると、パワースライドドアを自動で動かすことはできませんし、開閉ボタンを押しても反応しません。
そもそも故障ではないので、操作スイッチをオンにすればすぐに復旧するでしょう。
レール部分に異物がある
パワースライドドアのレール部分に異物があると、挟み込み防止のためのセンサーが反応し、ドアが動かなくなります。子供を乗せる機会が多い車の場合、おもちゃやおやつの食べこぼしなどが散らばって、このような症状が起きることがよくあります。
チャイルドロック
パワースライドドアには「チャイルドロック」という、幼児などが誤ってドアを開けてしまうことを防止するための機能がついています。この機能が何かの拍子でオンになってしまうと、ドアの開閉はできなくなります。これも故障ではないので対処は簡単です。チャイルドロックは車内から開けるのを防止する機能なので、外からは開けられますし、そもそもロックを外すだけで対処できます。
ドアが外からは開くのに中から開かない場合は、チャイルドロックの誤操作が考えられるでしょう。
ヒューズが切れている
パワースライドドアは電動式なので、ヒューズが切れると動かなくなります。ヒューズはブレーカーのようなもので、過電流が流れた際に電気回路を遮断する装置です。
もしヒューズが切れていたら、新しいものと交換すれば対処できます。
給油口が開けっ放し
給油後に給油口が開いたままの状態だと、パワースライドドアが動きにくくなることがあります。これは、ドアが全開になると給油口のフタとぶつかってしまうからです。そのため、手動でも半分しか動かなくなったり、全く動かなくなったりします。
特に注意しなければならないのは、セルフの給油所で給油を行い、フタを閉める時です。フタを完全に閉めず、浮いた状態になっているだけでもパワースライドドアは動作不良を起こすので、きちんと閉めましょう。
モーターの故障
パワースライドドアの動力源となるモーターには、「リリースモーター」と「メインモーター」の2種類があります。どちらか片方が故障するだけで、ドアは動かなくなります。リリースモーターは、ドアを開ける際の初動に関わるモーターで、故障するとドアが自動では動きません。あるいは、パワースライドドアのスイッチを押しても動かなかったり、半分くらいまで手動で動かさないと作動しなくなったりすることもあります。
一方、メインモーターは、ドアを大きく開閉するためのものです。故障すると、最初だけドアが自動で動くものの途中で止まってしまうという症状が発生します。
手動で力ずくで動かすことも可能ですが、ドアが重い・異音が発生する・途中で止まるなどの異常が起きるでしょう。
上記をまとめると、ドアを開ける際、はじめに手前に引くところで異常があればリリースモーターの故障が考えらます。そして、ドアが横にスライドするところで異常があればメインモーターの故障が考えられます。
いずれも自力での交換・修理は難しいので、早めに修理に出しましょう。
ゴムパッキンの異常
パワースライドドアが閉まらない場合、ドアについているゴムパッキン(ウェザーストリップとも呼びます)が、劣化して外れている可能性もあります。ゴムパッキンが外れることで挟み込み防止装置が作動し、閉まらなくなるのです。この場合、ドアは最後まで閉じるもののすぐに勝手に開いてしまうという症状が見られます。
ゴムパッキンが外れる原因としては、経年劣化の他にも、内張りを剥がした時に一緒に取れてしまうことなどが考えられます。
心当たりがある場合は、ゴムパッキンの異常を疑ってチェックするか、点検修理に出すといいでしょう。ゴムパッキンが挟まったままの状態だと、パワースライドドアはいつまでも異物が挟まっていると感知することになります。
ゴムパッキンは基本的に簡単に溝にはまり込むようにできているので、異常があればとりあえず押し込んでみてください。それで駄目なら、早めに部品を交換しましょう。
その他のトラブル
パワースライドドアが動かなくなるトラブルの原因は他にもあります。例えば、車のフレームが歪んでいるケース、センサーやスイッチが故障しているケース、ワイヤーが絡まったり、切れたりするケースなどが考えられます。車が事故などに遭遇すると、車体の骨格部分にあたるフレームと呼ばれる部分が歪むことがあります。すると、ドアの開閉時に歪みの部分をセンサーが「異物」と判断してしまい、挟み込み防止機能が作動するのです。
次に、センサーやスイッチが故障している場合も考えられます。車両内部のセンサーやスイッチにつながる電気系統のいずれかのパーツが損傷していると、パワースライドドアの動作にも異常が出てきます。
ドアノブ操作では、ドアが開くのにスイッチ操作では開かないという場合は、電気系統で異常が起きている可能性が高いです。
最後に、ワイヤーが絡まったり切れたりするケースです。動力をモーターから伝えるためのワイヤーが経年劣化などで弱り、絡まりや断裂が起きることがあります。
いずれの場合も自力での修理は難しいので、専門家に見てもらいましょう。
トラブル対処のためのロードマップ
実際にそのような事態になった際は、やみくもにこれらの対処法を試すのではなく、ある程度の手順を踏んでいくといいでしょう。
ロードマップとしては、最初に簡単にできるパワースライドドアのスイッチがオフになっていないかを確かめてください。
もしもオンの状態なのに動かないなら、次はチャイルドロックがかかっていないかチェックしましょう。
チャイルドロックも問題ないなら、給油口が開きっぱなしになっていないか確認してください。
それで異常が認められなければ、今度は症状別の対処が必要です。
パワースライドドアが開くものの途中でストップするなら「メインモーター」の故障が考えられます。逆に、ドアを開ける時点でうまくいかないなら「リリースモーター」の異常が考えられます。
また、ドアは閉じるもののすぐ勝手に開いてしまう場合、ゴムパッキンの外れ、車のフレームの歪み、異物の挟まりなどによる挟み込み防止機能が作動している可能性があります。
特にモーターの故障など内部の危機に異常が起きている場合は、自力での修理は困難です。
トラブルを防ぐために日常的にできること
ここからは、日常的にどのようなことに注意を払えばいいのか説明していきます。
日常的に注意を払う
パワースライドドアの不具合や故障は、ドアの使用時に少し注意するだけで、ある程度は防止することができます。例えば、車内が散らかっていないかこまめにチェックすれば、スライドドアのレールにゴミが落ちることを防止できるでしょう。
また、パワースライドドアも精密機械でできているので、パーツの経年劣化が進行するような乱暴な運転は避けてください。
誤って操作スイッチやチャイルドロックに触れないよう、丁寧な運転を心がけましょう。また、異常時にチェックすべき場所を前もって知っておくことも大切です。
違和感があればすぐに点検を
パワースライドドアの不具合やトラブルは、モーターなどの部品の故障、ワイヤー切れなどによって突然発生します。しかしあらかじめトラブルの前兆が見られることも多いので、普段から微かな違和感も見逃さないようにしましょう。使用時に異音がしたり、いつもよりもドアが重く感じられスムーズに動かなかったりしたら、トラブルの前兆かもしれません。
パワースライドドアのトラブル対応は、素人でも簡単に復旧できるものと専門家でないと復旧困難なものの2つに完全に分かれます。いずれかを見極めて、早めに点検・修理を行いましょう。
まとめ
①パワースライドドアは、「動かない」「開かない」などのトラブルが起きることがある
②パワースライドドアのトラブルで最も多い原因は「いつの間にかスイッチがオフになっていた」というもの
③レールの異物、開けっ放しの給油口、チャイルドロックが原因の場合もある
④ヒューズ切れやモーターの故障、ゴムパッキンの異常もありうる
⑤やみくもに対処せず、手順を踏んで故障かどうか確認するとよい
⑥トラブル防止のために、違和感があればすぐ点検をしよう
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