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更新日:2022.12.29 / 掲載日:2022.12.29
車のパワーウィンドウが故障したらどうする?動かない時の原因や対処法を解説
車のパワーウィンドウは、スイッチ操作だけでウィンドウガラスを開閉できる装置です。かつて一般的だったハンドルによる手動式は今では珍しく、ほとんどの車はパワーウィンドウが備わっているでしょう。
ここでは、このパワーウィンドウが開かなくなった、もしくは閉じなくなったなどのトラブルに見舞われた場合の主な原因と対処法を説明していきます。
また、ガラスが割れてしまった場合や手動式ウィンドウの場合についても解説します。

車のパワーウィンドウは、手元のスイッチを操作するだけで窓ガラスを上下に開閉できる便利な装置ですが、故障して動かなくなることがあります。
以下ではその原因や対処法、修理費用などについて詳しく説明していきます。

最初に、車のパワーウインドとはどのようなもので、旧来の手動式の窓ガラスとはどう違うのかを説明します。
その構造や長所を踏まえた上で、パワーウィンドウはどのような原因で故障することがあるのかを見ていきましょう。
それぞれのウィンドウに開閉用のスイッチがあり、運転席には全てのウィンドウが開け閉めできるスイッチがあります。このスイッチを操作することで、モーターとレギュレーターが作動して窓ガラスを上下に動かすことができます。
レギュレーターには、ワイヤータイプとギアタイプの2種類があります。どちらも、モーターの回転によって生み出された動力を伝えるという機能は同じです。モーターの内部にはECU(エンジンコントロールユニット)があり、各種センサーなどと一体化している点が特徴的です。
スイッチ操作1つでサイドガラスを開閉することができるパワーウィンドウの利便性はとても高いと言えます。それは、旧来のハンドルによる手動式の窓を覚えている方なら強く感じられるでしょう。
例えば、スイッチ操作をしても反応しない、あるいは動作が不安定であるなどの症状が挙げられます。もしもスイッチ部分がグラグラしていれば、原因としては接触不良が考えられます。
また、ウィンドウガラスを一度下げると、上げるのに時間がかかるという症状もあります。これはモーターが故障しかけていることが考えられ、同時に異音が発生することもよくあります。
反対に、ウィンドウガラスが下がりにくいのも故障の前兆です。スイッチ操作からガラスが動き出すまでの間にブランクがあったり、作動時に引っかかりがあったりすれば、点検や修理に出すことをおすすめします。
窓枠とガラスの間に工具を挿してこじ開ける方法もありますが、ゴムのみならずレギュレーターにも負荷がかかるのでおすすめできません。
パワーウィンドウに不具合が見られたら、力ずくで解決しようとせずに修理工場で専門家に見てもらいましょう。
パワーウィンドウが経年劣化で不調になっている場合は他の部品も劣化している可能性が高いので、車全体を点検してもらうことをおすすめします。

ここまでで、パワーウィンドウという装置の構造と長所、そして故障する場合の前兆について説明してきました。
次に、パワーウィンドウが動かなくなった場合に考えられる主な原因や対処法について見ていきましょう。
ロックしていれば窓の開閉はできないので、動かないと思ったら最初にスイッチを確認してみましょう。
状況的に凍結が疑われる場合は、エンジンをかけて暖房をつけ、しばらく待ちましょう。パワーウィンドウが動かない理由が凍結であれば、車両が暖まりさえすればすぐに復旧します。
凍結している状態で無理にパワーウィンドウを動かそうとすると、モーターに必要以上の負荷がかかり故障する恐れがあるので注意しましょう。
バッテリー上がりが起きると、その他の電装品も動きが鈍くなるか動作がストップするので、充電するか新品に交換しましょう。
充電するには、しばらく車を走らせたり、他の車から電力を分けてもらったりする方法があります。
バッテリーのスペアがあれば素人でも交換することはできます。また、交換作業をディーラーに依頼する場合は、作業工賃込みでおよそ20,000円前後、費用がかかるので覚えておきましょう。
スイッチも頻繁に動かす部分なので、経年劣化が進んでいると内部で部品が折れてしまったりして、正常に動かなくなることがあります。そのため、パワーウィンドウが不調な時はスイッチの状態も確認してみましょう。
もしも単なる接触不良であれば、繰り返し操作してみることで接続が戻るかもしれません。ただし、極端にスイッチがグラグラしていたり、反対に全く動かなかったりするのであれば明らかに故障です。
スイッチの故障は、スイッチ自体やその周辺のパーツの経年劣化によって起こります。また、スイッチ回路に過電流が流れることでショートしてしまい、その結果正常に動かなくなるというケースもあります。
もしもスイッチに異常が起きていたら、自力で故障個所を点検・修理するよりも、修理工場などに依頼してスイッチ系統を丸ごと交換するほうが低コストです。車種にもよりますがおよそ15,000~30,000円で済むでしょう。
ガラスが上下する時に動きに乱れが生じて「ガクガク」と異音を発したり、開閉が突然できなくなったりしたら、レギュレーターの故障が考えられます。
内部のワイヤーやアームを交換する必要があり、費用は10,000~20,000円ほどかかります。
モーターはパワーウィンドウにとって動力源といえるパーツなので、故障すればサイドガラスの開け閉めがスムーズにできなくなります。また、レギュレーターの不具合から連鎖的に影響を受けて壊れることもあるので、注意が必要です。
パワーウィンドウの操作時に異音が起きるなどの現象が発生し、モーターの異常が疑われる場合は、早めに修理に出しましょう。そのまま放置すると、パワーウィンドウが完全に動かなくなる恐れがあります。
もちろん、専門家でないとパワーウィンドウの不調の原因がモーターなのかどうかを見極めるのは難しいでしょう。
もしもモーターが故障しているのであれば、早めに交換するのが得策です。この場合の費用相場は、およそ40,000円となります。
このようなウィンドウ周辺のゴムの劣化を放置したままで無理にパワーウィンドウを使い続けると、モーターなどの周辺機器にも負担がかかります。
ゴム部分の交換費用だけなら15,000円ほどで済みますが、連鎖して周辺機器が壊れれば、費用はさらに高くつくでしょう。
グリースだけが原因なら塗り直すことで復旧しますが、他のパーツの故障を誘発することもあります。
例えば、単純なシステムエラーが起きることもありますし、窓にちょっとした異常があるだけでも挟み込み防止機能が作動してしまうことがあります。
特に挟み込み防止機能が誤作動を起こすパターンとしては、ゴミが窓の隙間に溜まっていたりしている、ガラスが汚れている、などが挙げられます。
ドア周辺に誤作動を引き起こすようなものがないか、日常的にチェックしましょう。

パワーウィンドウがトラブルを起こした場合、修理費用は車種などによって異なりますが、おおよその目安としては以下になります。
・スイッチ…15,000~30,000円
・レギュレーター…10,000~40,000円
・モーター…20,000~30,000円
・ドアガラスランチャンネル…10,000円
例えば、レギュレーターを分解してみて、故障ではなく単なる動作不良であればグリースアップによって比較的簡単に動作をスムーズに戻せることもあります。
しかし、パーツの欠けや摩耗が起きていると交換になるので、どうしても上記のような金額になるでしょう。
さらに、モーターとレギュレーターをセットで交換する場合は、トータルコストはさらに高くなります。
モーターは、動作確認をして操作しても無音の状態であれば、交換となり、費用が高くなる可能性が高いです。
また、窓周辺のゴム製品のことを「ドアガラスチャンネル」といいますが、これもゴム製ゆえに経年劣化します。グリースによる応急処置も可能ですが、ゴムの劣化・硬化は避けられないのでいずれは交換となり、他の窓も同様に劣化していたら修理費用はさらに高くつくでしょう。

車の運転席側のパワーウィンドウが故障しており、閉まらない状態だと車検に通らないので、必ず修理しましょう。
これは動作の問題ではなく、ウィンドウが閉まらないと違反となるフィルムなどが貼られていないかどうかが確認できないためです。ただし、この点についてははっきりした答えがなく、「運転席の窓ガラスが開閉しないと車検に通らない」という説明がされることもあります。
少なくとも運転席の窓ガラスの動作に異常があると、検査で何らかの指摘を受ける可能性はあるでしょう。
反対に運転席側の窓ガラスが開かない場合や動きが鈍いだけの場合、また運転席側以外の窓ガラスに動作不良があったとしても、指摘されるとは限りません。
これは検査官によるところがあり、場合によっては指摘されることがあるのでグレーゾーンだと言えます。少なくとも、運転席側以外の窓ガラスについては、明確な保安基準はないとだけ覚えておきましょう。
前述の通り、トラブルが発生したとしても誤ってロックしていたり、挟み込み防止機能が誤作動していただけだったりと、故障ではないことがほとんどです。
一方で、見方を変えれば、パワーウィンドウが故障したらよほどの事態だと言えるでしょう。つまり、滅多に故障しないパワーウィンドウが経年劣化によって故障したら、その時は車自体が乗り換えの時期だと言えます。
実際、パワーウィンドウの寿命はイコール車の寿命だと考えるドライバーも多いです。

旧来の、ハンドルをグルグル回して窓を開閉する手動式ウィンドウは、エンジンを切っていても窓の開閉ができるという利点がありました。
また、仕組みがアナログなので、故障したとしても精密機械のような複雑さがなく、応急処置も単純です。
そんな手動式ウィンドウの故障でよくあるのが、「窓落ち」という現象です。上下に動いて開閉するサイドウィンドウが下に落ちたままで上がってこなくなる、あるいは閉じたままで動かなくなるトラブルがこのように呼ばれています。
原因は、ギアの故障と窓受けから窓そのものが外れることの2つです。ギアの場合は長年使うことで摩耗し、他のパーツと噛み合わなくなることが故障の原因となります。
また、窓が外れる主な原因はハンドルを早く乱暴に回すことです。こうなると専門家による交換が必要となります。
ハンドルが重くて窓が開けられないこともあります。これは、窓のレールゴム(ランチャンネル)の損傷あるいは摩耗が原因です。自力で修理することもできますが、専門家に任せたほうが安心です。

ここまでで、車のパワーウィンドウが故障した時の主な原因や対処法、そして修理費用や車検に通るかどうかなどを解説してきました。
最後に、もっとも直接的なトラブルである「ガラスが割れた」場合にどう対処すべきかを見ていきましょう。
次に、割って落としたガラス片を全て回収します。そして運転席・助手席側の窓枠にはできるだけ透明なビニールなどを張り、視界を確保した状態で走行しなければなりませんが、高速道路でなければ何も張らずに走っても大丈夫です。
この時、段ボールなどを張って視界を完全に塞いでしまうと、道路交通法違反になるので注意しましょう。
一番いいのは自分で処置せずにJAFなどのロードサービスに救援を依頼し、レッカー移動などで車を運んでもらうことです。
ちなみに、後部座席のサイドウィンドウなら、段ボールなどを張って視界が遮られる状態になっても問題ありません。他の窓を開けると張った段ボール等が風圧で吹き飛ぶので、他の窓は閉め切った状態にしておきましょう。
純正品で交換するとして、部品代と工賃をあわせて25,000~50,000円は見ておきましょう。また、後部席側のサイドガラスを交換する場合、ガラスが小さな車種だと部品代が変動することもあります。
UVカットなどの機能つきのガラスであれば、値段が倍以上になることも珍しくありません。
ここでは、このパワーウィンドウが開かなくなった、もしくは閉じなくなったなどのトラブルに見舞われた場合の主な原因と対処法を説明していきます。
また、ガラスが割れてしまった場合や手動式ウィンドウの場合についても解説します。
この記事の目次
パワーウィンドウも故障することがある

以下ではその原因や対処法、修理費用などについて詳しく説明していきます。
パワーウィンドウとは?

その構造や長所を踏まえた上で、パワーウィンドウはどのような原因で故障することがあるのかを見ていきましょう。
パワーウィンドウの構造と長所
パワーウィンドウは、レギュレーターを介しながらモーターによって生まれた動力をサイドガラスへ伝えて開閉する仕組みです。最近は、ごく当たり前の付属品と言えるでしょう。それぞれのウィンドウに開閉用のスイッチがあり、運転席には全てのウィンドウが開け閉めできるスイッチがあります。このスイッチを操作することで、モーターとレギュレーターが作動して窓ガラスを上下に動かすことができます。
レギュレーターには、ワイヤータイプとギアタイプの2種類があります。どちらも、モーターの回転によって生み出された動力を伝えるという機能は同じです。モーターの内部にはECU(エンジンコントロールユニット)があり、各種センサーなどと一体化している点が特徴的です。
スイッチ操作1つでサイドガラスを開閉することができるパワーウィンドウの利便性はとても高いと言えます。それは、旧来のハンドルによる手動式の窓を覚えている方なら強く感じられるでしょう。
パワーウィンドウが故障する前兆
利便性の高いパワーウィンドウですが、機械で動くため、故障して動かなくなることもあります。そうした故障が発生する前には、前兆としてサインが出ていることも多いので、覚えておきましょう。例えば、スイッチ操作をしても反応しない、あるいは動作が不安定であるなどの症状が挙げられます。もしもスイッチ部分がグラグラしていれば、原因としては接触不良が考えられます。
また、ウィンドウガラスを一度下げると、上げるのに時間がかかるという症状もあります。これはモーターが故障しかけていることが考えられ、同時に異音が発生することもよくあります。
反対に、ウィンドウガラスが下がりにくいのも故障の前兆です。スイッチ操作からガラスが動き出すまでの間にブランクがあったり、作動時に引っかかりがあったりすれば、点検や修理に出すことをおすすめします。
パワーウィンドウが故障した時の対処法は?
パワーウィンドウに不具合が起きてガラスが正常に動かなくなっている場合は、周囲のゴムの部分が固着していることも考えられます。窓枠とガラスの間に工具を挿してこじ開ける方法もありますが、ゴムのみならずレギュレーターにも負荷がかかるのでおすすめできません。
パワーウィンドウに不具合が見られたら、力ずくで解決しようとせずに修理工場で専門家に見てもらいましょう。
パワーウィンドウが経年劣化で不調になっている場合は他の部品も劣化している可能性が高いので、車全体を点検してもらうことをおすすめします。
パワーウィンドウが故障する原因について

次に、パワーウィンドウが動かなくなった場合に考えられる主な原因や対処法について見ていきましょう。
ロックされている
パワーウィンドウが動かないと思ったら、気付かないうちにロックしていた!というケースは日常的にもよくあります。ロックしていれば窓の開閉はできないので、動かないと思ったら最初にスイッチを確認してみましょう。
凍結
冬の寒い時期は、窓やその周辺が凍結して物理的に動かなくなることがあります。例えば、冬に屋外で一晩駐車していた場合です。状況的に凍結が疑われる場合は、エンジンをかけて暖房をつけ、しばらく待ちましょう。パワーウィンドウが動かない理由が凍結であれば、車両が暖まりさえすればすぐに復旧します。
凍結している状態で無理にパワーウィンドウを動かそうとすると、モーターに必要以上の負荷がかかり故障する恐れがあるので注意しましょう。
バッテリー上がり
バッテリー上がりが原因で、パワーウィンドウが動かなくなることもあります。バッテリー上がりが起きると、その他の電装品も動きが鈍くなるか動作がストップするので、充電するか新品に交換しましょう。
充電するには、しばらく車を走らせたり、他の車から電力を分けてもらったりする方法があります。
バッテリーのスペアがあれば素人でも交換することはできます。また、交換作業をディーラーに依頼する場合は、作業工賃込みでおよそ20,000円前後、費用がかかるので覚えておきましょう。
操作スイッチの故障
操作スイッチが故障していることで、パワーウィンドウが動かなくなることもあります。スイッチも頻繁に動かす部分なので、経年劣化が進んでいると内部で部品が折れてしまったりして、正常に動かなくなることがあります。そのため、パワーウィンドウが不調な時はスイッチの状態も確認してみましょう。
もしも単なる接触不良であれば、繰り返し操作してみることで接続が戻るかもしれません。ただし、極端にスイッチがグラグラしていたり、反対に全く動かなかったりするのであれば明らかに故障です。
スイッチの故障は、スイッチ自体やその周辺のパーツの経年劣化によって起こります。また、スイッチ回路に過電流が流れることでショートしてしまい、その結果正常に動かなくなるというケースもあります。
もしもスイッチに異常が起きていたら、自力で故障個所を点検・修理するよりも、修理工場などに依頼してスイッチ系統を丸ごと交換するほうが低コストです。車種にもよりますがおよそ15,000~30,000円で済むでしょう。
レギュレーターの故障
レギュレーターは、パワーウィンドウを動かすためのワイヤーやアームと関連する仕組みのことです。これによってモーターの回転が窓ガラスに伝わり、上下に動くようになっています。つまり、この機構が故障するとパワーウィンドウは動きません。ガラスが上下する時に動きに乱れが生じて「ガクガク」と異音を発したり、開閉が突然できなくなったりしたら、レギュレーターの故障が考えられます。
内部のワイヤーやアームを交換する必要があり、費用は10,000~20,000円ほどかかります。
モーターの故障
内部のモーターの故障も、パワーウィンドウが動かなくなる主な原因の1つです。モーターそのものが経年劣化を迎えた、あるいは摩耗した状態だと動作が悪くなり、最悪の場合完全に故障してしまいます。モーターはパワーウィンドウにとって動力源といえるパーツなので、故障すればサイドガラスの開け閉めがスムーズにできなくなります。また、レギュレーターの不具合から連鎖的に影響を受けて壊れることもあるので、注意が必要です。
パワーウィンドウの操作時に異音が起きるなどの現象が発生し、モーターの異常が疑われる場合は、早めに修理に出しましょう。そのまま放置すると、パワーウィンドウが完全に動かなくなる恐れがあります。
もちろん、専門家でないとパワーウィンドウの不調の原因がモーターなのかどうかを見極めるのは難しいでしょう。
もしもモーターが故障しているのであれば、早めに交換するのが得策です。この場合の費用相場は、およそ40,000円となります。
ウィンドウ周辺のゴムの劣化
ガラスの可動部分の境界にあるゴムは「ガラスラン」や「ガラスチャンネル」とも呼びます。これが摩擦や経年劣化によって固くなると、パワーウィンドウの動きが不安定になります。このようなウィンドウ周辺のゴムの劣化を放置したままで無理にパワーウィンドウを使い続けると、モーターなどの周辺機器にも負担がかかります。
ゴム部分の交換費用だけなら15,000円ほどで済みますが、連鎖して周辺機器が壊れれば、費用はさらに高くつくでしょう。
グリース切れ
前述したレギュレーターは動きが滑らかになるようにグリースが使われているので、グリースが劣化・硬化したり、切れてしまったりするとパワーウィンドウの動作に支障をきたします。グリースだけが原因なら塗り直すことで復旧しますが、他のパーツの故障を誘発することもあります。
誤作動
パワーウィンドウの故障で意外と多いのが、思いがけない理由による装置の誤作動です。例えば、単純なシステムエラーが起きることもありますし、窓にちょっとした異常があるだけでも挟み込み防止機能が作動してしまうことがあります。
特に挟み込み防止機能が誤作動を起こすパターンとしては、ゴミが窓の隙間に溜まっていたりしている、ガラスが汚れている、などが挙げられます。
ドア周辺に誤作動を引き起こすようなものがないか、日常的にチェックしましょう。
パワーウィンドウの修理費用

・スイッチ…15,000~30,000円
・レギュレーター…10,000~40,000円
・モーター…20,000~30,000円
・ドアガラスランチャンネル…10,000円
例えば、レギュレーターを分解してみて、故障ではなく単なる動作不良であればグリースアップによって比較的簡単に動作をスムーズに戻せることもあります。
しかし、パーツの欠けや摩耗が起きていると交換になるので、どうしても上記のような金額になるでしょう。
さらに、モーターとレギュレーターをセットで交換する場合は、トータルコストはさらに高くなります。
モーターは、動作確認をして操作しても無音の状態であれば、交換となり、費用が高くなる可能性が高いです。
また、窓周辺のゴム製品のことを「ドアガラスチャンネル」といいますが、これもゴム製ゆえに経年劣化します。グリースによる応急処置も可能ですが、ゴムの劣化・硬化は避けられないのでいずれは交換となり、他の窓も同様に劣化していたら修理費用はさらに高くつくでしょう。
車検に通らないケース

これは動作の問題ではなく、ウィンドウが閉まらないと違反となるフィルムなどが貼られていないかどうかが確認できないためです。ただし、この点についてははっきりした答えがなく、「運転席の窓ガラスが開閉しないと車検に通らない」という説明がされることもあります。
少なくとも運転席の窓ガラスの動作に異常があると、検査で何らかの指摘を受ける可能性はあるでしょう。
車検に通る・もしくはグレーゾーンのケース
前項で説明した通り、車検時に窓ガラスの動作不良によって確実に不合格となるのは、運転席側の窓ガラスが閉じない場合に限ります。反対に運転席側の窓ガラスが開かない場合や動きが鈍いだけの場合、また運転席側以外の窓ガラスに動作不良があったとしても、指摘されるとは限りません。
これは検査官によるところがあり、場合によっては指摘されることがあるのでグレーゾーンだと言えます。少なくとも、運転席側以外の窓ガラスについては、明確な保安基準はないとだけ覚えておきましょう。
パワーウィンドウの故障=車の経年劣化
パワーウィンドウは滅多に故障することはないとされています。前述の通り、トラブルが発生したとしても誤ってロックしていたり、挟み込み防止機能が誤作動していただけだったりと、故障ではないことがほとんどです。
一方で、見方を変えれば、パワーウィンドウが故障したらよほどの事態だと言えるでしょう。つまり、滅多に故障しないパワーウィンドウが経年劣化によって故障したら、その時は車自体が乗り換えの時期だと言えます。
実際、パワーウィンドウの寿命はイコール車の寿命だと考えるドライバーも多いです。
手動式ウィンドウの故障

また、仕組みがアナログなので、故障したとしても精密機械のような複雑さがなく、応急処置も単純です。
そんな手動式ウィンドウの故障でよくあるのが、「窓落ち」という現象です。上下に動いて開閉するサイドウィンドウが下に落ちたままで上がってこなくなる、あるいは閉じたままで動かなくなるトラブルがこのように呼ばれています。
原因は、ギアの故障と窓受けから窓そのものが外れることの2つです。ギアの場合は長年使うことで摩耗し、他のパーツと噛み合わなくなることが故障の原因となります。
また、窓が外れる主な原因はハンドルを早く乱暴に回すことです。こうなると専門家による交換が必要となります。
ハンドルが重くて窓が開けられないこともあります。これは、窓のレールゴム(ランチャンネル)の損傷あるいは摩耗が原因です。自力で修理することもできますが、専門家に任せたほうが安心です。
サイドガラスが割れた場合

最後に、もっとも直接的なトラブルである「ガラスが割れた」場合にどう対処すべきかを見ていきましょう。
破片の回収・応急処置
サイドガラスが割れると、通常のガラスとは異なり、角ばった砂利のような形で粉々に砕けます。フレームに残ったガラスもスペアジャッキやレンチなどで軽く叩きながら砕いていき、全て下に落とすようにしましょう。次に、割って落としたガラス片を全て回収します。そして運転席・助手席側の窓枠にはできるだけ透明なビニールなどを張り、視界を確保した状態で走行しなければなりませんが、高速道路でなければ何も張らずに走っても大丈夫です。
この時、段ボールなどを張って視界を完全に塞いでしまうと、道路交通法違反になるので注意しましょう。
一番いいのは自分で処置せずにJAFなどのロードサービスに救援を依頼し、レッカー移動などで車を運んでもらうことです。
ちなみに、後部座席のサイドウィンドウなら、段ボールなどを張って視界が遮られる状態になっても問題ありません。他の窓を開けると張った段ボール等が風圧で吹き飛ぶので、他の窓は閉め切った状態にしておきましょう。
ガラスを交換してもらう
パワーウィンドウに限らず、車のスライドドアのサイドガラスを交換する場合はスイングドアの窓ガラスと比べて費用が高くなることが多いです。純正品で交換するとして、部品代と工賃をあわせて25,000~50,000円は見ておきましょう。また、後部席側のサイドガラスを交換する場合、ガラスが小さな車種だと部品代が変動することもあります。
UVカットなどの機能つきのガラスであれば、値段が倍以上になることも珍しくありません。
まとめ
①パワーウィンドウはスイッチでモーターを操作して開閉する
②反応が鈍い・開きにくい・閉じにくいなどの症状は、故障の前兆
③まずロックされていないか、凍結していないかを確認する
④バッテリー上がりであれば充電・交換によって回復するケースもある
⑤スイッチ・レギュレーター・モーターの故障なら修理や交換が必要
⑥修理費用はパーツによって15,000~40,000円が相場
⑦運転席側のウィンドウが故障していると車検に通らない
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