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更新日:2023.01.28 / 掲載日:2023.01.28
車のドアロックが動かない場合はアクチュエーターの故障?原因と対処法を解説
車の施錠解除を自動で行っているのが、ドアアクチュエーターです。
この記事では、ドアアクチュエーターの構造や作動及びドアロックに関連する故障の原因について説明していきます。また、対処方法も紹介するので参考にしてみてください。
決められた期間や走行距離に応じてメンテナンスをしっかり行っていれば、深刻なトラブルになることはありません。また、トラブルが発生する前には何かしらの前兆があるので、それを見逃さないことが大切です。
いつもと違うと感じたら、できるだけ早く修理工場で見てもらいましょう。そうすることで大きなトラブルを未然に防ぐことができ、仮に修理となっても費用を抑えることができます。
例えば、ドアロックアクチュエーターが故障した場合には、施錠解錠を行う際に音が出たり、たまに施錠解錠ができなかったりするといった兆候がありますので、些細なことでも見逃さないようにしてください。

ドアロックは、ドアとボディをつなぐ装置で、2つの役割があります。
①ドアとボディを連結する役割
ドアラッチとボディ側のストライカーを連結することでドアとボディを固定し、1次・2次と2段階ロックをします。
1次ロックは半ドア状態のことをいい、2次ロックは完全にドアが閉まっている状態をいいます。どちらもラッチの安全装置によりロックされていて、アウターハンドルやインナーハンドルを操作しない限り勝手にドアが開くことはありません。
しかし、半ドアのまま走行することは危険であるため、運転席のメーター内にインジケーターを点灯させてドアが完全に閉まっていないことを警告し、運転者へ注意を促しています。
②ドアの施錠解錠をする役割
ドアの施錠解錠を手動又はキーレスエントリーなどにより行うことができます。
施錠すれば、アウターハンドルやインナーハンドルを操作してもドアが開くことはできません。また、解錠することでアウターハンドルやインナーハンドルでドアを開けることができます。
後部ドアにはチャイルドロックが装備されています。これはロック操作することでインナーハンドルが無効となり、車内からドアが開かないようにする機能です。
後部座席に子供を乗せた際にあやまってインナーハンドルを操作し、ドアが開いて車外へ転落することを防ぎます。
アクチュエーターとは、電気や油圧などのエネルギーを利用して、往復動作や回転動作など様々な動きに変換する装置です。
ドアロックアクチュエーターは、電気エネルギーを利用してモーターを回転させ、作動機構を介してドアロックの施錠解錠を行います。
ドアロックアクチュエーターが故障した場合、原因はモーター本体の不具合であることが多いです。作動機構の不具合としては、経年劣化による内部部品の摩耗や破損や外部からの過負荷による内部部品の破損が挙げられます。
ドアロックアクチュエーターは、モーターと作動機構が一体となるアッセンブリーとして部品が供給されています。
しかし、ディーラーでは部品単体のバラシを行う修理は行っておらず、アッセンブリーでの交換となります。その理由は、モーターと作動機構が一体となったアッセンブリーとして部品保証をしているため、バラした時点で作動保証が取れなくなるためです。
アッセンブリーの価格は、おおよそ10,000円です。ディーラーや修理工場などで交換を依頼する場合には別途交換費用がかかりますので、事前に確認しておきましょう。

ドアロックアクチュエーターは、全ドアに採用されています。キーレスエントリーから施錠解錠電波を車両側で受信すると、各アクチュエーターモーターが動き、施錠解錠を行います。
今では、離れた場所からでもキーレス操作によって全ドアの施錠解錠ができるのは当たり前ですが、手動で施錠解錠を行っていた時代からするととても便利になりました。
最近は、キーを携帯しているだけで車両側がキー認識を行い、照合されるとアウターハンドルを握るだけで施錠解除されるなど、センサーとの組み合わせによりさらに便利な機能へと進化しています。
また、スマートキーは車に登録されるとハンドルロックの解除、イグニッションスイッチ操作ができるようになり、エンジンスタートが可能となる機能も備わっています。
施錠解錠方法や名称についてはメーカーや車種ごとに異なりますので、取扱説明書をよく読んで操作しましょう。
スマートキーと車両側の認証が不一致となれば、ハンドルロックも解除されずエンジンを始動できないので、盗難防止機能として役立っています。
以下では、それぞれの不具合の特徴について説明します。

ドアロックの機械的不具合として、「ドアの開閉ができない」「ドアロックの施錠解錠ができない」といったことが起こります。
ドアの開閉ができないと、アウターハンドルやインナーハンドルを操作してもドアが開かない症状やドアを閉めたらドアが跳ね返る症状が発生します。
その原因として考えられるのが、ドアラッチの作動不良です。ドアラッチはドアストライカーとドアを連結させて、ドアが勝手に開かないようにロックして乗車員の安全性を保っています。
ドアラッチ摺動部のグリス切れや砂埃など異物が噛み込むことでドアラッチが固着してしまい、アウターハンドルやインナーハンドルの操作では動かなくなることもあります。
また、ロッドを介して樹脂部品により連結しているのが、ドアラッチを作動させるアウターハンドルやインナーハンドルです。経年劣化や無理な力がかかると樹脂部品が破損してしまい、ロッドが外れてアウターハンドルやインナーハンドルの操作ができなくなります。
なお、施錠解錠も同様の構造であるため、連結部の樹脂部品が破損すると施錠解錠ができなくなります。
アウターハンドルやインナーハンドルは、ロッドを介してドアロックのラッチを動かしてロックを解除させるため、操作の手応えがあります。
操作の節度が全くなく、部品単体が動いているように感じる時には、ロッド類が外れている可能性が高いです。この場合は、修理工場へ行きましょう。
また、ドアを閉めようとした時にドアがロックされずに跳ね返される場合には、ドアラッチの不具合が考えられます。ロードサービスを呼んで、応急処置または修理工場への搬送をしてもらいましょう。
ドアが閉まらないからと何度も繰り返しドアを閉めると、ドアロックが破損し余計に修理費用がかさむ可能性があるため、注意してください。
また、ドアが閉まらない状態で車を運転することはとても危険なので、自分で応急処置ができない場合はロードサービスを呼びましょう。
アクチュエーターは、モーターと作動機構が一体となった部品です。そのため、モーター内部のブラシが摩耗して通電できなくなってモーターが回らない場合や作動機構の経年劣化による摩耗や破損など、どちらか一方に不具合が生じてもアクチュエーターは作動しなくなります。
また、アクチュエーター本体への電気が通電していない場合には、モーターを動かす動力源がありません。配線図を使用して、原因を突き止める必要があります。
ドアロックアクチュエーターが動かない場合は、故障していないドアより車へ乗り込み、できるだけ早く修理工場での修理を行いましょう。ドアロック機構には影響がないため、走行することは可能です。
ドアロックアクチュエーターは、モーターの回転運動を作動機構により正転反転の動きに変換して、施錠解錠を繰り返しています。そのため、故障した場合に注意することは、施錠解錠どちらかの状態でノブが固定されてしまった時に無理に動かさないことです。
無理に動かすと、ドアロックへリンクしているロッドが曲がったり、連結している樹脂部品が破損したりする恐れがあります。さらに、被害を増大させ余分に費用がかさむ可能性がありますので、注意しましょう。

現在走行している車の多くは、エンジンとモーターで走るハイブリッド車が主流となっています。そのため、エンジンやモーターそして灯火類やエアコンなどの快適装備などを動かすにも電気が必要です。
電気はバッテリーに蓄えられていますが、電気を使用するばかりでは電気が無くなり、車は走り続けることができません。そこで、エンジンからの動力を使用して発電機を回し、車を動かす電気とバッテリーに蓄える電気を作り出しています。
電気を送る配線は、部品に応じて容量が決められています。容量以上の電気が流れると回路が損傷する可能性があるため、それを守る役割をしているのがヒューズです。
容量以上の電気が流れた場合には、ヒューズが溶けて電気を遮断し、電気が流れた先の回路が損傷しないようにします。
本来はスムーズに電気が流れているはずのところに、何らかの不具合が発生して規定以上の電流が流れてしまった際は、車を守るためにヒューズが切れて車を守るのです。
例えば、固着して回らないモーターに電気を流すと配線への負荷が大きくなるため、ヒューズが切れて電気を遮断し配線を保護します。他には、外的要因や経年劣化による配線の損傷によるショートによって回路上の部品へ損傷を与えないようにヒューズが切れることもあります。
その場合、手動で運転席側のドアロックの施錠解錠ノブを動かしてみてください。作動すれば車両側は問題がなく、キーレストランスミッター側に原因があることが分かります。
もし車両側で施錠解錠ができない場合は、ヒューズ切れがないかを確認しましょう。
エンジンルーム又は車内にヒューズボックスがあり、使用頻度の高いヒューズはヒューズボックス裏に予備が取り付けられています。ヒューズ切れを起こしたものと同じアンペア数のヒューズを取り付け、施錠解錠が正常に作動するかを確認しましょう。
作動させてすぐにヒューズが切れてしまう場合は、地道に原因を探っていく必要があります。
ヒューズを交換する上で最もやってはいけないことは、装着されているアンペア数以上の容量の大きいヒューズを装着してしまうことです。最悪の場合、配線が燃える可能性がありますので、必ず同じアンペア数のヒューズを装着してください。
また、新しいヒューズを入れて復帰した場合でも、何らかの原因で再度ヒューズ切れが起こる可能性があります。そのため、ヒューズ切れが起こった際は、修理工場で修理してもらうことをおすすめします。
・外部的要因による配線へのダメージ
・配線の経年劣化
・配線をつないでいるカプラー部の接触不良
このように電気回路である配線が途中で遮断されると電気が流れなくなるため、ドアロックの施錠解除ができなくなります。
ショートとは、決められた道順(回路)を通らずに近道をすることによって起こる現象です。
ショートが起こると部品の誤作動や部品内部の破損など断線よりも厄介になります。断線は電気が流れないだけで済みますが、ショートは過った回路に電気が流れてしまうため被害が拡大する恐れがあるのです。
配線の断線やショートは、完全な修理を行わないと何度でも不具合が発生します。そのため、原因究明にとても時間を要します。
「故障診断機」という機械を使用すれば系統までの絞り込みは可能ですが、原因までたどり着くには整備士の知識や経験に基づいた地道な潰し込みが行われます。
この潰し込みとは、不具合が発生している回路上の「OK箇所」を一つずつ消し込み、消去法で原因を突き止める方法です。
ドアロックアクチュエーターの予備品(作動するもの)に交換し、作動するか否かで部品か配線かの判断をすることができますが、配線不具合の場合には地道な潰し込み作業を続ける必要があります。
いずれにしても原因を突き止めない限り症状は改善されません。信頼できるお店に預けて修理してもらうことをおすすめします。

キーレスエントリーの不具合は、電波を発信する以下の3つの故障が考えられます。
・トランスミッター(リモコンキー)
・車両側受信機
・配線 など
トランスミッターから発信された電波は車両側で受信し、その電波を信号に変換してドアロックアクチュエーターへ電気を流し施錠解除を行います。それらのどこか一つでも故障すると、作動することができません。
キーレスエントリーで最も多い不具合は「リモコンキーの電池切れ」です。
リモコンキーは内部電池により作動しているので、電池切れが起これば当然動かなくなります。内部電池はボタン電池を搭載しているのが一般的ですので、同じサイズの電池に交換しましょう。
また、リモコンキーの施錠解錠のボタンは使用頻度が高いため、内部基板の接点が摩耗して通電不良となる可能性があります。
車両側での原因は、受信機の部品単体故障や外的要因、経年劣化による接続不良やアース不良などよる要因など様々です。
まずは、リモコンキー側の要因を潰し込んで、それでも作動しない場合には車両側の診断を行うことになります。
まずは、リモコンキーの電池を交換して作動するのかを確認しましょう。電池交換をしても作動しない場合には、スペアのリモコンキーで作動確認を行ってみてください。
スペアのリモコンキーは普段使用されていない場合が多いので、電池切れを起こしている可能性があります。新しい電池と交換してから作動確認をしましょう。
それでも作動しない場合には、車両側の受信機や配線などを調べていく必要があるため、修理工場にお願いして見てもらいましょう。
統合制御とミリ波レーダーやカメラ解析技術を連動させることで、衝突安全装置や自動運転の実現が可能となりました。それにより運転者への支援や運転時の負担軽減に大いに貢献しています。
しかしその分、故障診断も複雑化しており、原因追及にも故障診断機はなくてはならない存在です。また、故障診断機を利用して各システムのアップデートなども行われ、車もパソコンやスマホのようにバージョンアップをして、より使いやすい車へと常に進化しています。
便利で無くてはならない故障診断機ですが、それを使いこなすには整備士の知識と経験の上で成り立っています。そのため、信頼できる整備士のいるお店を見つけて修理を依頼できると安心です。

車の運転中に違和感を感じることは、何かが不調になりかけている前兆でもあります。この違和感を感じる感性が、未然に故障や事故を防ぐことにつながります。
そのため、もし車に違和感を感じたら早めに修理工場で見てもらうことをおすすめします。
この記事では、ドアアクチュエーターの構造や作動及びドアロックに関連する故障の原因について説明していきます。また、対処方法も紹介するので参考にしてみてください。
車の故障とは?
車はいつでも好きな場所まで移動ができる便利な乗り物です。しかし、工業製品である以上、使い続ければ摩耗や劣化そして破損します。決められた期間や走行距離に応じてメンテナンスをしっかり行っていれば、深刻なトラブルになることはありません。また、トラブルが発生する前には何かしらの前兆があるので、それを見逃さないことが大切です。
いつもと違うと感じたら、できるだけ早く修理工場で見てもらいましょう。そうすることで大きなトラブルを未然に防ぐことができ、仮に修理となっても費用を抑えることができます。
例えば、ドアロックアクチュエーターが故障した場合には、施錠解錠を行う際に音が出たり、たまに施錠解錠ができなかったりするといった兆候がありますので、些細なことでも見逃さないようにしてください。
ドアロックとは?

①ドアとボディを連結する役割
ドアラッチとボディ側のストライカーを連結することでドアとボディを固定し、1次・2次と2段階ロックをします。
1次ロックは半ドア状態のことをいい、2次ロックは完全にドアが閉まっている状態をいいます。どちらもラッチの安全装置によりロックされていて、アウターハンドルやインナーハンドルを操作しない限り勝手にドアが開くことはありません。
しかし、半ドアのまま走行することは危険であるため、運転席のメーター内にインジケーターを点灯させてドアが完全に閉まっていないことを警告し、運転者へ注意を促しています。
②ドアの施錠解錠をする役割
ドアの施錠解錠を手動又はキーレスエントリーなどにより行うことができます。
施錠すれば、アウターハンドルやインナーハンドルを操作してもドアが開くことはできません。また、解錠することでアウターハンドルやインナーハンドルでドアを開けることができます。
後部ドアにはチャイルドロックが装備されています。これはロック操作することでインナーハンドルが無効となり、車内からドアが開かないようにする機能です。
後部座席に子供を乗せた際にあやまってインナーハンドルを操作し、ドアが開いて車外へ転落することを防ぎます。
アクチュエーターとは?
車には様々なアクチュエーターが採用されています。アクチュエーターとは、電気や油圧などのエネルギーを利用して、往復動作や回転動作など様々な動きに変換する装置です。
ドアロックアクチュエーターは、電気エネルギーを利用してモーターを回転させ、作動機構を介してドアロックの施錠解錠を行います。
ドアロックアクチュエーターが故障した場合、原因はモーター本体の不具合であることが多いです。作動機構の不具合としては、経年劣化による内部部品の摩耗や破損や外部からの過負荷による内部部品の破損が挙げられます。
ドアロックアクチュエーターは、モーターと作動機構が一体となるアッセンブリーとして部品が供給されています。
しかし、ディーラーでは部品単体のバラシを行う修理は行っておらず、アッセンブリーでの交換となります。その理由は、モーターと作動機構が一体となったアッセンブリーとして部品保証をしているため、バラした時点で作動保証が取れなくなるためです。
アッセンブリーの価格は、おおよそ10,000円です。ディーラーや修理工場などで交換を依頼する場合には別途交換費用がかかりますので、事前に確認しておきましょう。
ドアロックの便利機能

今では、離れた場所からでもキーレス操作によって全ドアの施錠解錠ができるのは当たり前ですが、手動で施錠解錠を行っていた時代からするととても便利になりました。
最近は、キーを携帯しているだけで車両側がキー認識を行い、照合されるとアウターハンドルを握るだけで施錠解除されるなど、センサーとの組み合わせによりさらに便利な機能へと進化しています。
スマートキーとは?
キーレスエントリーは、離れた位置からドアロックの施錠解錠を行えます。そのため、スマートキーを携帯して車に近づけば登録されているキーであることを自動認識し、ドアロックを施錠解錠します。また、スマートキーは車に登録されるとハンドルロックの解除、イグニッションスイッチ操作ができるようになり、エンジンスタートが可能となる機能も備わっています。
施錠解錠方法や名称についてはメーカーや車種ごとに異なりますので、取扱説明書をよく読んで操作しましょう。
イモビライザーとは?
イモビライザーとは、スマートキーと連動する機能の一つです。車両側とスマートキーの認証照合がされると、ステアリングロックの解除とエンジンスタートができます。スマートキーと車両側の認証が不一致となれば、ハンドルロックも解除されずエンジンを始動できないので、盗難防止機能として役立っています。
ドアロックの不具合は「機械的不具合」と「電気的不具合」に分けられる
ドアロックの不具合は、機械的要因と電気的要因の2つがあります。以下では、それぞれの不具合の特徴について説明します。
機械的不具合の原因とは?

ドアの開閉ができないと、アウターハンドルやインナーハンドルを操作してもドアが開かない症状やドアを閉めたらドアが跳ね返る症状が発生します。
その原因として考えられるのが、ドアラッチの作動不良です。ドアラッチはドアストライカーとドアを連結させて、ドアが勝手に開かないようにロックして乗車員の安全性を保っています。
ドアラッチ摺動部のグリス切れや砂埃など異物が噛み込むことでドアラッチが固着してしまい、アウターハンドルやインナーハンドルの操作では動かなくなることもあります。
また、ロッドを介して樹脂部品により連結しているのが、ドアラッチを作動させるアウターハンドルやインナーハンドルです。経年劣化や無理な力がかかると樹脂部品が破損してしまい、ロッドが外れてアウターハンドルやインナーハンドルの操作ができなくなります。
なお、施錠解錠も同様の構造であるため、連結部の樹脂部品が破損すると施錠解錠ができなくなります。
機械的不具合の対処方法
ドアロックの機械的不具合の対処方法として第一にすべきことは、アウターハンドルやインナーハンドルを操作した時に「節度があるかどうか」を確認することです。アウターハンドルやインナーハンドルは、ロッドを介してドアロックのラッチを動かしてロックを解除させるため、操作の手応えがあります。
操作の節度が全くなく、部品単体が動いているように感じる時には、ロッド類が外れている可能性が高いです。この場合は、修理工場へ行きましょう。
また、ドアを閉めようとした時にドアがロックされずに跳ね返される場合には、ドアラッチの不具合が考えられます。ロードサービスを呼んで、応急処置または修理工場への搬送をしてもらいましょう。
ドアが閉まらないからと何度も繰り返しドアを閉めると、ドアロックが破損し余計に修理費用がかさむ可能性があるため、注意してください。
また、ドアが閉まらない状態で車を運転することはとても危険なので、自分で応急処置ができない場合はロードサービスを呼びましょう。
電気的不具合(アクチュエーターが作動しない)原因とは?
アクチュエーターが作動しないのは、機械的不具合の他にも原因があります。それは、「モーター本体の不具合」や「電気がモーターまで流れていない」といった電気的不具合です。アクチュエーターは、モーターと作動機構が一体となった部品です。そのため、モーター内部のブラシが摩耗して通電できなくなってモーターが回らない場合や作動機構の経年劣化による摩耗や破損など、どちらか一方に不具合が生じてもアクチュエーターは作動しなくなります。
また、アクチュエーター本体への電気が通電していない場合には、モーターを動かす動力源がありません。配線図を使用して、原因を突き止める必要があります。
アクチュエーターが作動しない場合の対処方法
ドアロックアクチュエーターは、それぞれのドアに搭載されています。そのため、アクチュエーターが作動しないドア以外は正常に作動します。ドアロックアクチュエーターが動かない場合は、故障していないドアより車へ乗り込み、できるだけ早く修理工場での修理を行いましょう。ドアロック機構には影響がないため、走行することは可能です。
ドアロックアクチュエーターは、モーターの回転運動を作動機構により正転反転の動きに変換して、施錠解錠を繰り返しています。そのため、故障した場合に注意することは、施錠解錠どちらかの状態でノブが固定されてしまった時に無理に動かさないことです。
無理に動かすと、ドアロックへリンクしているロッドが曲がったり、連結している樹脂部品が破損したりする恐れがあります。さらに、被害を増大させ余分に費用がかさむ可能性がありますので、注意しましょう。
ヒューズ切れが起こる原因とは?

電気はバッテリーに蓄えられていますが、電気を使用するばかりでは電気が無くなり、車は走り続けることができません。そこで、エンジンからの動力を使用して発電機を回し、車を動かす電気とバッテリーに蓄える電気を作り出しています。
電気を送る配線は、部品に応じて容量が決められています。容量以上の電気が流れると回路が損傷する可能性があるため、それを守る役割をしているのがヒューズです。
容量以上の電気が流れた場合には、ヒューズが溶けて電気を遮断し、電気が流れた先の回路が損傷しないようにします。
本来はスムーズに電気が流れているはずのところに、何らかの不具合が発生して規定以上の電流が流れてしまった際は、車を守るためにヒューズが切れて車を守るのです。
例えば、固着して回らないモーターに電気を流すと配線への負荷が大きくなるため、ヒューズが切れて電気を遮断し配線を保護します。他には、外的要因や経年劣化による配線の損傷によるショートによって回路上の部品へ損傷を与えないようにヒューズが切れることもあります。
ヒューズ切れの対処方法
ドアロックの施錠解錠ができない場合、どこに原因があるのか判断が難しいかもしれません。その場合、手動で運転席側のドアロックの施錠解錠ノブを動かしてみてください。作動すれば車両側は問題がなく、キーレストランスミッター側に原因があることが分かります。
もし車両側で施錠解錠ができない場合は、ヒューズ切れがないかを確認しましょう。
エンジンルーム又は車内にヒューズボックスがあり、使用頻度の高いヒューズはヒューズボックス裏に予備が取り付けられています。ヒューズ切れを起こしたものと同じアンペア数のヒューズを取り付け、施錠解錠が正常に作動するかを確認しましょう。
作動させてすぐにヒューズが切れてしまう場合は、地道に原因を探っていく必要があります。
ヒューズを交換する上で最もやってはいけないことは、装着されているアンペア数以上の容量の大きいヒューズを装着してしまうことです。最悪の場合、配線が燃える可能性がありますので、必ず同じアンペア数のヒューズを装着してください。
また、新しいヒューズを入れて復帰した場合でも、何らかの原因で再度ヒューズ切れが起こる可能性があります。そのため、ヒューズ切れが起こった際は、修理工場で修理してもらうことをおすすめします。
配線が断線やショートを起こす原因とは?
配線が断線やショートする原因は、以下の3つが考えられます。・外部的要因による配線へのダメージ
・配線の経年劣化
・配線をつないでいるカプラー部の接触不良
このように電気回路である配線が途中で遮断されると電気が流れなくなるため、ドアロックの施錠解除ができなくなります。
ショートとは、決められた道順(回路)を通らずに近道をすることによって起こる現象です。
ショートが起こると部品の誤作動や部品内部の破損など断線よりも厄介になります。断線は電気が流れないだけで済みますが、ショートは過った回路に電気が流れてしまうため被害が拡大する恐れがあるのです。
配線の断線やショートは、完全な修理を行わないと何度でも不具合が発生します。そのため、原因究明にとても時間を要します。
配線の不具合は修理するのに時間がかかる
配線が原因となる不具合は、消去法による潰し込みが必要な時間を要する修理となります。「故障診断機」という機械を使用すれば系統までの絞り込みは可能ですが、原因までたどり着くには整備士の知識や経験に基づいた地道な潰し込みが行われます。
この潰し込みとは、不具合が発生している回路上の「OK箇所」を一つずつ消し込み、消去法で原因を突き止める方法です。
ドアロックアクチュエーターの予備品(作動するもの)に交換し、作動するか否かで部品か配線かの判断をすることができますが、配線不具合の場合には地道な潰し込み作業を続ける必要があります。
いずれにしても原因を突き止めない限り症状は改善されません。信頼できるお店に預けて修理してもらうことをおすすめします。
キーレスエントリーの不具合を起こす原因とは?

・トランスミッター(リモコンキー)
・車両側受信機
・配線 など
トランスミッターから発信された電波は車両側で受信し、その電波を信号に変換してドアロックアクチュエーターへ電気を流し施錠解除を行います。それらのどこか一つでも故障すると、作動することができません。
キーレスエントリーで最も多い不具合は「リモコンキーの電池切れ」です。
リモコンキーは内部電池により作動しているので、電池切れが起これば当然動かなくなります。内部電池はボタン電池を搭載しているのが一般的ですので、同じサイズの電池に交換しましょう。
また、リモコンキーの施錠解錠のボタンは使用頻度が高いため、内部基板の接点が摩耗して通電不良となる可能性があります。
車両側での原因は、受信機の部品単体故障や外的要因、経年劣化による接続不良やアース不良などよる要因など様々です。
まずは、リモコンキー側の要因を潰し込んで、それでも作動しない場合には車両側の診断を行うことになります。
キーレスエントリーの不具合が起きた場合の対処方法
キーレスエントリーの車両でリモコンキーの操作が全くできない場合には、運転席ドアのキーシリンダーへ、キーを差し込んで回せばドアロックの施錠解錠を行うことが可能です。まずは、リモコンキーの電池を交換して作動するのかを確認しましょう。電池交換をしても作動しない場合には、スペアのリモコンキーで作動確認を行ってみてください。
スペアのリモコンキーは普段使用されていない場合が多いので、電池切れを起こしている可能性があります。新しい電池と交換してから作動確認をしましょう。
それでも作動しない場合には、車両側の受信機や配線などを調べていく必要があるため、修理工場にお願いして見てもらいましょう。
今の車は「故障診断機」がないと治せない
現在の車は、エンジンや足回りブレーキをコンピューターで統合制御しています。そのため、車の姿勢変化をリアルタイムで検知修正し、常に安全で安定した走行を実現しています。統合制御とミリ波レーダーやカメラ解析技術を連動させることで、衝突安全装置や自動運転の実現が可能となりました。それにより運転者への支援や運転時の負担軽減に大いに貢献しています。
しかしその分、故障診断も複雑化しており、原因追及にも故障診断機はなくてはならない存在です。また、故障診断機を利用して各システムのアップデートなども行われ、車もパソコンやスマホのようにバージョンアップをして、より使いやすい車へと常に進化しています。
便利で無くてはならない故障診断機ですが、それを使いこなすには整備士の知識と経験の上で成り立っています。そのため、信頼できる整備士のいるお店を見つけて修理を依頼できると安心です。
車に違和感を感じたら早めに修理工場で見てもらいましょう

そのため、もし車に違和感を感じたら早めに修理工場で見てもらうことをおすすめします。
まとめ
- ①車のドアロックには、「ドアとボディを連結する役割」と「ドアの施錠解錠をする役割」の2つがある
- ②アクチュエーターは、ドアロックの施錠解錠を行うための作動装置である
- ③ドアロックは、キーレスを使用することで自動で施錠解錠を行える
- ④ドアが閉まらない状態で車は運転せずに、自分で応急処置ができない場合はロードサービスを呼ぶ
- ⑤アクチュエーターに不具合があっても、それ以外の箇所は通常に使える
- ⑥新しいものに交換したとしても、原因を突き止めないとヒューズは切れ続けてしまう
- ⑦配線による不具合は、原因を突き止めるまで地道な潰し込みが必要
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