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更新日:2023.01.29 / 掲載日:2023.01.29
車のキャニスターが故障したらどうなる?その症状や修理時の注意点について解説
車のキャニスター(チャコールキャニスター)は、排出ガスによる大気汚染を防止するための装置です。
このキャニスターがなくても走行はできますが、放置すると燃料タンクが壊れて大事故を引き起こす恐れがあり、車検時の点検項目にも入っています。
この記事では、キャニスターの概要や故障した場合の症状について詳しく説明していきます。
また、そうした症状が発生した時にどのように対処すべきかなどの注意点についても紹介します。

キャニスターは、自動車からの排出ガスを抑制する装置です。
以下では、キャニスターの基本的な役割とその重要性についてと故障した場合にどう対処するのが適切かなどについて解説していきます。
初めにキャニスターの仕組みや重要性、交換時期などについて以下で確認していきましょう。
そもそもキャニスターは、コーヒーや紅茶を入れるための蓋つき容器のことです。こうした容器に活性炭(チャコール)が入っていることから、車業界の用語としては「チャコールキャニスター」と呼びれています。
つまり、チャコールキャニスターと、この記事で使っているキャニスターという単語は同じものになります。
いずれも先述した通り、燃料タンク内で蒸発したガソリンなどの蒸気を吸着させておき、エンジン稼働時に吸入負圧を利用してもう一度循環させ、燃焼させます。
こうすることで、キャブレターや燃料タンクから蒸発したガスが、大気中に放出されるのを防ぎます。そのため、キャニスターは環境に配慮した装置だということです。
車内が異常にガソリン臭い車は、キャニスターのパイプ詰まりや故障の可能性を疑いましょう。
しかし、キャニスターの働きがないと車内はガソリン臭くなりますし、大気汚染にもつながります。
また、キャニスターは3次排出ガス規制に基づき、正常な状態で車に取り付けられている必要があります。詳細は後述しますが、車検時の点検項目のひとつでもあり、その意味ではなくてはならないパーツです。
実際には、車種や運転スタイルなどによって変わってきますが、走行距離10万キロを超えた車はキャニスターの寿命についても気にかけておきましょう。
自分でキャニスターの異常に気付く前に、経年劣化の状態を定期点検などでチェックしてくれるので、そこまで心配する必要はありません。しかし、運転していて異常にガソリン臭がするという場合は、すぐに点検修理に出しましょう。

ここまで、燃料から生じたガスの排出を抑える装置であるキャニスター(チャコールキャニスター)の仕組みや、その重要性などを見てきました。
次に、キャニスターが故障した場合、どのような症状が現れるのかを見ていきましょう。
こうした損傷があると、燃料タンクの周辺で強いガソリン臭がするので、臭いを感じた場合はキャニスターの故障を疑ってください。
ただし、燃料タンクそのものなど、その他のパーツが損傷していた場合もガソリン臭がすることがあります。
車の異常なガソリン臭は、臭うのが燃料タンク付近である場合とエンジンルーム内である場合で原因が違ってきます。
ガソリンはエンジンルームに向けて放出されることが多いため、故障の内容によってはエンジンルーム内が臭くなることもあります。
燃料タンク付近がガソリン臭い場合、タンクそのものが破損している可能性もゼロではありません。しかし、最近は鉄製ではなく合成樹脂製のタンクが多いので、破損することは少なくなっています。
アイドリングとは、停車しつつもエンジンは稼働している状態を指しますが、不安定になると細かい振動や異音などの異常を感じるでしょう。
ただ、アイドリングが不安定になる原因はキャニスターに限らず様々です。そのため、もし不安定さを感じたら、まずは専門業者に点検してもらったほうがいいでしょう。
キャニスターの故障以外にアイドリングが不安定になる原因として考えられるのが、点火プラグの不具合です。
点火プラグは、ガソリン車なら必ず装備されていますが、不具合や劣化が起きていると混合気とガソリンの燃焼が不安定になり、アイドリング時の異常につながります。
他にも、エンジン点火のために欠かせないイグニッションコイルが不具合を起こしていると、電力が流れにくくなります。また、スロットルボディの劣化や汚れ・詰まりも同様にアイドリングの不安定化を招きます。
そして、キャニスターが故障した場合もエンジン警告灯は点滅することがあります。
基本的にエンジン警告灯が点滅するのは、内部の部品が壊れた場合や配線トラブルが生じた場合なので、継続的に点滅するようであれば、早めに専門業者に点検してもらいましょう。
警告灯が異常な点滅を起こし、同時にガソリン臭を感じた場合は、ガソリン漏れの可能性もあるので、とにかくすぐに停車してください。そのまま点滅が続けば、車の振動や配線トラブルなどで状態が変わることもあります。
これが「点滅」ではなく一度「点灯」してエンジンをかけ直したら消えたという場合は、ECUの検知機能が失われた可能性があります。もちろんエンジンが正常に戻ったことも考えられますが、念のため専門業者にチェックしてもらってください。
一方、エンジンルームの内部で強いガソリン臭を感じたら、インジェクターの破損またはマフラーに異常が起きている可能性もあります。
インジェクターは、車のエンジンに燃料を供給する装置のことです。これによってガソリンと空気が混ぜ合わさることで混合気が発生し、燃料となります。このインジェクターのホースに亀裂が生じていたり、つなぎ目の劣化などが起きていたりすると、ガソリン臭くなります。
マフラーは、ガソリンの燃焼時に生じたガスを外へ排出する装置のことです。これはガスの排出の際に発生する水分によって錆びることがよくあります。錆がひどいとガスを正常に排出できなくなり、その結果エンジンルームにガソリン臭がこもることになります。
このように、エンジンルーム内がガソリン臭くなった場合も、車両内部で深刻な不具合が起きている可能性があります。
異音や警告灯の点滅とあわせてガソリン臭を感じたら、すぐに点検・修理するようにしましょう。

ここまで、キャニスターが故障した場合の最も特徴的な症状として「ガソリン臭」がすることを説明してきました。
しかし、ガソリン臭がしたからと言ってキャニスターの故障が原因とは限りません。
実際にこのような症状が発生した場合の対処法と考え方について以下で詳しく説明していきます。
特に燃料タンクが破損してガソリンが漏れていると大変危険なので、それ以上の運転は控えてください。
では、ガソリン臭を感じた場合は、具体的にどう対処するのが正しいのでしょう?
まず、ガソリン漏れの状態でエンジンをかけていると発火する恐れがあるので、速やかに安全な場所で停車するのが第一です。
そして、エンジンを切って、念のためその異臭が本当に自分の車から発生しているものなのか確認しましょう。付近にガソリンスタンドがあったり、故障車両などがあったりすると、ガソリン臭を感じることもあります。
自車の異常であることが確認できたら、火気に注意して安全な場所に退避しますが、ガソリンは静電気でも発火するので慎重に行動してください。
退避が済んだら、ロードサービスなどに連絡して救援を求めましょう。
燃料タンクに水が溜まってしまうのは、結露が原因です。
給油の際、ほとんどの場合は満タンにすることが多いと思いますが、ガソリンが次第に減ってタンク内に空間ができると、そこの空気から結露が生じてしまいます。そして、その水分が底に溜まると、燃料タンクに錆が生じて穴が開く結果になります。
これを防ぐ方法は、給油の際に必ずガソリンを満タンにするくらいですが、そもそもガソリンにも微量の水分が含まれているので、燃料タンク内の結露を完全に防ぐのは不可能です。
もしも自車で鉄製の燃料タンクが使われており、錆が心配な場合は、「水抜き剤」が有効です。タンクに注入することで水分と燃料を混ぜ合わせて燃焼させられるのに加え、防錆剤が含まれているものもあります。
例えば、走行中に障害物を踏んでしまったり、車体の底に衝撃を与えられたりした場合、タンクが損傷してガソリンが漏れてしまうケースです。
仮にそうした事故に遭遇した直後は問題がなくとも、少し時間が経ってからだんだん燃料が漏れてくることもあります。
ガソリン臭がして、過去に事故に遭遇したなどの心当たりがある場合は、すぐに専門業者に相談しましょう。

キャニスターは重要部品であるとはいえ、走行する分にはなくても困りません。とはいえ、キャニスターは車検の点検項目のひとつでもあります。
そこで、細かな日常点検を行う場合やユーザー車検を実施する場合、どのように点検するといいのか覚えておいたほうがいいでしょう。
以下では、その点検方法について詳しく説明していきます。
キャニスターは、業者の車検でもユーザー車検でも、不具合があればすぐに指摘されるので、必要な場合は事前に確認しておくことが大切です。
正常に燃料蒸発ガスが排出されるよう、チェックバルブの機能と詰まり・損傷などの有無を確かめるようにしましょう。
キャニスターの他にも、ばい煙や有毒ガスの発散を防止するための装置はいくつかあります。それは、「―酸化炭素等発散防止装置」「燃料蒸発ガス排出抑止装置」「ブローバイガス還元装置」などです。
これらの装置は、車検の定期点検整備記録簿に記載する必要があります。例えば、ブローバイガス還元装置の場合は、メターリングバルブの状態と配管に損傷がないかを点検します。特にユーザー車検を行う際は覚えておくといいでしょう。
キャニスターから出ているホースの接続部分やホースそのものにひび割れがないかチェックし、本体にも損傷や亀裂がないか確かめてみましょう。
本来はキャニスター本体を車から外してチェックすべきですが、そこまでせずとも簡単に点検することができます。以下では、そのやり方を解説します。
最初に車のエンジンをかけて、暖機が済んだら給油口のキャップを開けましょう。すると、燃料タンク内の気圧が外の空気と同様になるので、そこで一度キャップを閉めて1分ほど待ち、再びキャップを開けます。
この時、「シュー」という音がしたらキャニスターの大気フィルターが目詰まりを起こしている可能性があるため、キャニスターそのものを交換しなければなりません。
ちなみに給油する際にキャップを外した場合も「シュー」と音がしますが、これは上記のチェックバルブ確認時の音とは違います。
大気フィルターは、経年劣化などが原因で詰まることがよくあります。もしも自己点検をしたい場合は、このような方法で簡単にチェックできますが、ユーザー車検を考えている方はきちんとキャニスター自体を外して確認しましょう。

ここまで、キャニスターが故障した場合の主な症状、注意点、点検方法などを解説してきました。
最後に、車からガソリン臭がした場合の修理費用はいくらになるのか見ていきましょう。キャニスターを修理する場合とそれ以外の部品を修理する場合の2パターンに分けて説明していきます。
キャニスター本体は高額というほどではありませんが、ディーラーに修理を依頼すると、工賃で約3万円がプラスされることもあるようです。
価格面での不安がある場合は、修理に出す前に一度見積もりを出してもらうといいでしょう。
例えば、水分によって錆が生じるとマフラーはガスを正常に排出できず、ガソリン臭が溜まってしまうことになります。
もしマフラーのこのような損傷を修理するとしたら、3万円~10万円はかかると考えておいてください。車種によって値段が大きく変わるので数字にはやや幅がありますが、思いのほか高くつきそうな場合は中古品を使うことも検討すると良いでしょう。
燃料タンクは車の安全性に直結する部品なので、損傷してしまった場合は丸ごと交換しなければなりません。これも車種によって値段が異なりますが、5万円~12万円はかかります。
燃料タンクの交換は、車種によっては1時間半ほどで簡単に終わることもあれば、タンク周辺の部品を取り外す手間がかかる場合は6時間ほどかかることもあります。作業時間によって工賃も大きく変動するので注意してください。
このキャニスターがなくても走行はできますが、放置すると燃料タンクが壊れて大事故を引き起こす恐れがあり、車検時の点検項目にも入っています。
この記事では、キャニスターの概要や故障した場合の症状について詳しく説明していきます。
また、そうした症状が発生した時にどのように対処すべきかなどの注意点についても紹介します。
車のキャニスターが故障した場合

以下では、キャニスターの基本的な役割とその重要性についてと故障した場合にどう対処するのが適切かなどについて解説していきます。
キャニスターとは?
車で使われているキャニスターは、「チャコールキャニスター」とも呼ばれています。これは、燃料から生じたガスが大気中に放出されるのを防ぐための装置です。初めにキャニスターの仕組みや重要性、交換時期などについて以下で確認していきましょう。
キャニスターの概要
キャニスターは「燃料蒸発ガス排出防止装置」のことです。これは、不完全燃焼で生じたガスや燃料タンクから気化したガスを、いったん活性炭入りの容器を通してろ過し、燃焼室へ再度送り込むという役割です。そもそもキャニスターは、コーヒーや紅茶を入れるための蓋つき容器のことです。こうした容器に活性炭(チャコール)が入っていることから、車業界の用語としては「チャコールキャニスター」と呼びれています。
つまり、チャコールキャニスターと、この記事で使っているキャニスターという単語は同じものになります。
いずれも先述した通り、燃料タンク内で蒸発したガソリンなどの蒸気を吸着させておき、エンジン稼働時に吸入負圧を利用してもう一度循環させ、燃焼させます。
こうすることで、キャブレターや燃料タンクから蒸発したガスが、大気中に放出されるのを防ぎます。そのため、キャニスターは環境に配慮した装置だということです。
車内が異常にガソリン臭い車は、キャニスターのパイプ詰まりや故障の可能性を疑いましょう。
キャニスターがある理由
キャニスターの目的はあくまでも空気の浄化にあるので、キャニスターがなくても走行する上で特に問題はありません。しかし、キャニスターの働きがないと車内はガソリン臭くなりますし、大気汚染にもつながります。
また、キャニスターは3次排出ガス規制に基づき、正常な状態で車に取り付けられている必要があります。詳細は後述しますが、車検時の点検項目のひとつでもあり、その意味ではなくてはならないパーツです。
キャニスターの交換時期
キャニスターは、一般的に走行距離10万キロを目安に交換するのが適切だと言われています。実際には、車種や運転スタイルなどによって変わってきますが、走行距離10万キロを超えた車はキャニスターの寿命についても気にかけておきましょう。
自分でキャニスターの異常に気付く前に、経年劣化の状態を定期点検などでチェックしてくれるので、そこまで心配する必要はありません。しかし、運転していて異常にガソリン臭がするという場合は、すぐに点検修理に出しましょう。
キャニスター故障の症状

次に、キャニスターが故障した場合、どのような症状が現れるのかを見ていきましょう。
燃料タンク付近がガソリン臭くなる
先に説明した通り、キャニスターは燃料タンク内で生じたガスを無害化させる役割です。そのため、損傷してしまうと車両内のガスの処理能力が低下して、ガスを有害なまま大気中に放出することになります。こうした損傷があると、燃料タンクの周辺で強いガソリン臭がするので、臭いを感じた場合はキャニスターの故障を疑ってください。
ただし、燃料タンクそのものなど、その他のパーツが損傷していた場合もガソリン臭がすることがあります。
車の異常なガソリン臭は、臭うのが燃料タンク付近である場合とエンジンルーム内である場合で原因が違ってきます。
ガソリンはエンジンルームに向けて放出されることが多いため、故障の内容によってはエンジンルーム内が臭くなることもあります。
燃料タンク付近がガソリン臭い場合、タンクそのものが破損している可能性もゼロではありません。しかし、最近は鉄製ではなく合成樹脂製のタンクが多いので、破損することは少なくなっています。
アイドリングが不安定になる
キャニスターが故障すると、信号待ちなどで停車している時、アイドリングが不安定になることがあります。アイドリングとは、停車しつつもエンジンは稼働している状態を指しますが、不安定になると細かい振動や異音などの異常を感じるでしょう。
ただ、アイドリングが不安定になる原因はキャニスターに限らず様々です。そのため、もし不安定さを感じたら、まずは専門業者に点検してもらったほうがいいでしょう。
キャニスターの故障以外にアイドリングが不安定になる原因として考えられるのが、点火プラグの不具合です。
点火プラグは、ガソリン車なら必ず装備されていますが、不具合や劣化が起きていると混合気とガソリンの燃焼が不安定になり、アイドリング時の異常につながります。
他にも、エンジン点火のために欠かせないイグニッションコイルが不具合を起こしていると、電力が流れにくくなります。また、スロットルボディの劣化や汚れ・詰まりも同様にアイドリングの不安定化を招きます。
エンジン警告灯の点滅
車のエンジンには何種類もの制御センサーが搭載されており、走行時の安全や車の性能に支障がないかを常にチェックしています。このセンサーが異常を発見すると、走行中・停車中に関係なくエンジン警告灯が点灯するでしょう。そして、キャニスターが故障した場合もエンジン警告灯は点滅することがあります。
基本的にエンジン警告灯が点滅するのは、内部の部品が壊れた場合や配線トラブルが生じた場合なので、継続的に点滅するようであれば、早めに専門業者に点検してもらいましょう。
警告灯が異常な点滅を起こし、同時にガソリン臭を感じた場合は、ガソリン漏れの可能性もあるので、とにかくすぐに停車してください。そのまま点滅が続けば、車の振動や配線トラブルなどで状態が変わることもあります。
これが「点滅」ではなく一度「点灯」してエンジンをかけ直したら消えたという場合は、ECUの検知機能が失われた可能性があります。もちろんエンジンが正常に戻ったことも考えられますが、念のため専門業者にチェックしてもらってください。
燃料タンクが破損する
キャニスターそのものは、正常に働いていなくても車の運転に支障が生じることはありません。しかし、キャニスターに大気を取り入れるフィルターが詰まると、燃料タンクのひび割れにつながることがあるので注意しましょう。【注意点】エンジンルーム内がガソリン臭い場合
先述した通り、燃料タンク付近がガソリン臭い場合は、キャニスターやその他の部品の故障を疑いましょう。一方、エンジンルームの内部で強いガソリン臭を感じたら、インジェクターの破損またはマフラーに異常が起きている可能性もあります。
インジェクターは、車のエンジンに燃料を供給する装置のことです。これによってガソリンと空気が混ぜ合わさることで混合気が発生し、燃料となります。このインジェクターのホースに亀裂が生じていたり、つなぎ目の劣化などが起きていたりすると、ガソリン臭くなります。
マフラーは、ガソリンの燃焼時に生じたガスを外へ排出する装置のことです。これはガスの排出の際に発生する水分によって錆びることがよくあります。錆がひどいとガスを正常に排出できなくなり、その結果エンジンルームにガソリン臭がこもることになります。
このように、エンジンルーム内がガソリン臭くなった場合も、車両内部で深刻な不具合が起きている可能性があります。
異音や警告灯の点滅とあわせてガソリン臭を感じたら、すぐに点検・修理するようにしましょう。
ガソリン臭がした場合の対処法

しかし、ガソリン臭がしたからと言ってキャニスターの故障が原因とは限りません。
実際にこのような症状が発生した場合の対処法と考え方について以下で詳しく説明していきます。
キャニスターの故障とは限らない
ここまで述べた通り、異音や警告灯の点滅とあわせて車内でガソリン臭を感じた場合は、キャニスターをはじめとする何かしらのパーツが故障している可能性があります。特に燃料タンクが破損してガソリンが漏れていると大変危険なので、それ以上の運転は控えてください。
では、ガソリン臭を感じた場合は、具体的にどう対処するのが正しいのでしょう?
まず、ガソリン漏れの状態でエンジンをかけていると発火する恐れがあるので、速やかに安全な場所で停車するのが第一です。
そして、エンジンを切って、念のためその異臭が本当に自分の車から発生しているものなのか確認しましょう。付近にガソリンスタンドがあったり、故障車両などがあったりすると、ガソリン臭を感じることもあります。
自車の異常であることが確認できたら、火気に注意して安全な場所に退避しますが、ガソリンは静電気でも発火するので慎重に行動してください。
退避が済んだら、ロードサービスなどに連絡して救援を求めましょう。
錆などによる燃料タンクの破損
燃料タンクの内部に水が溜まってしまい、錆が発生して穴が開くことがあります。こうしたトラブルはタンクが鉄製である古い車ほど起きやすく、最近の新車は樹脂製の燃料タンクが多いので錆びることはないでしょう。燃料タンクに水が溜まってしまうのは、結露が原因です。
給油の際、ほとんどの場合は満タンにすることが多いと思いますが、ガソリンが次第に減ってタンク内に空間ができると、そこの空気から結露が生じてしまいます。そして、その水分が底に溜まると、燃料タンクに錆が生じて穴が開く結果になります。
これを防ぐ方法は、給油の際に必ずガソリンを満タンにするくらいですが、そもそもガソリンにも微量の水分が含まれているので、燃料タンク内の結露を完全に防ぐのは不可能です。
もしも自車で鉄製の燃料タンクが使われており、錆が心配な場合は、「水抜き剤」が有効です。タンクに注入することで水分と燃料を混ぜ合わせて燃焼させられるのに加え、防錆剤が含まれているものもあります。
事故などによる燃料タンクの破損
頻繁に起こることではありませんが、事故によって燃料タンクが破損することがあります。例えば、走行中に障害物を踏んでしまったり、車体の底に衝撃を与えられたりした場合、タンクが損傷してガソリンが漏れてしまうケースです。
仮にそうした事故に遭遇した直後は問題がなくとも、少し時間が経ってからだんだん燃料が漏れてくることもあります。
ガソリン臭がして、過去に事故に遭遇したなどの心当たりがある場合は、すぐに専門業者に相談しましょう。
キャニスターの点検方法

そこで、細かな日常点検を行う場合やユーザー車検を実施する場合、どのように点検するといいのか覚えておいたほうがいいでしょう。
以下では、その点検方法について詳しく説明していきます。
キャニスターは車検での点検項目のひとつ
車検では「チャコールキャニスターの点検」という項目があります。そのため、キャニスターに不具合があると車検に通らなくなってしまいます。キャニスターは、業者の車検でもユーザー車検でも、不具合があればすぐに指摘されるので、必要な場合は事前に確認しておくことが大切です。
正常に燃料蒸発ガスが排出されるよう、チェックバルブの機能と詰まり・損傷などの有無を確かめるようにしましょう。
キャニスターの他にも、ばい煙や有毒ガスの発散を防止するための装置はいくつかあります。それは、「―酸化炭素等発散防止装置」「燃料蒸発ガス排出抑止装置」「ブローバイガス還元装置」などです。
これらの装置は、車検の定期点検整備記録簿に記載する必要があります。例えば、ブローバイガス還元装置の場合は、メターリングバルブの状態と配管に損傷がないかを点検します。特にユーザー車検を行う際は覚えておくといいでしょう。
点検箇所①ホースと本体
キャニスターのホースと本体の点検は、目視で十分できます。キャニスターから出ているホースの接続部分やホースそのものにひび割れがないかチェックし、本体にも損傷や亀裂がないか確かめてみましょう。
点検箇所②チェックバルブ
キャニスターのチェックバルブは、とても重要な点検箇所です。本来はキャニスター本体を車から外してチェックすべきですが、そこまでせずとも簡単に点検することができます。以下では、そのやり方を解説します。
最初に車のエンジンをかけて、暖機が済んだら給油口のキャップを開けましょう。すると、燃料タンク内の気圧が外の空気と同様になるので、そこで一度キャップを閉めて1分ほど待ち、再びキャップを開けます。
この時、「シュー」という音がしたらキャニスターの大気フィルターが目詰まりを起こしている可能性があるため、キャニスターそのものを交換しなければなりません。
ちなみに給油する際にキャップを外した場合も「シュー」と音がしますが、これは上記のチェックバルブ確認時の音とは違います。
大気フィルターは、経年劣化などが原因で詰まることがよくあります。もしも自己点検をしたい場合は、このような方法で簡単にチェックできますが、ユーザー車検を考えている方はきちんとキャニスター自体を外して確認しましょう。
キャニスターを修理する場合

最後に、車からガソリン臭がした場合の修理費用はいくらになるのか見ていきましょう。キャニスターを修理する場合とそれ以外の部品を修理する場合の2パターンに分けて説明していきます。
キャニスターの修理費用
キャニスターを修理する場合、部品代としては1万円~1万5000円前後を想定してください。キャニスター本体は高額というほどではありませんが、ディーラーに修理を依頼すると、工賃で約3万円がプラスされることもあるようです。
価格面での不安がある場合は、修理に出す前に一度見積もりを出してもらうといいでしょう。
キャニスター以外のパーツの修理費用
前述の通り、車がガソリン臭い場合はマフラーや燃料タンクなどキャニスター以外の部品が損傷していることがあります。例えば、水分によって錆が生じるとマフラーはガスを正常に排出できず、ガソリン臭が溜まってしまうことになります。
もしマフラーのこのような損傷を修理するとしたら、3万円~10万円はかかると考えておいてください。車種によって値段が大きく変わるので数字にはやや幅がありますが、思いのほか高くつきそうな場合は中古品を使うことも検討すると良いでしょう。
燃料タンクは車の安全性に直結する部品なので、損傷してしまった場合は丸ごと交換しなければなりません。これも車種によって値段が異なりますが、5万円~12万円はかかります。
燃料タンクの交換は、車種によっては1時間半ほどで簡単に終わることもあれば、タンク周辺の部品を取り外す手間がかかる場合は6時間ほどかかることもあります。作業時間によって工賃も大きく変動するので注意してください。
まとめ
- ①キャニスター(チャコールキャニスター)は、排出ガスによる大気汚染を防止する装置
- ②キャニスターは、車検の点検項目にも入っている
- ③キャニスターが故障するとガスがろ過されず、ガソリン臭がする
- ④燃料タンクなどの破損が原因でガソリン臭がすることもある
- ⑤キャニスターの破損だけなら車は走行できるが、ガソリン漏れだと危険なので運転せずにすぐに点検修理してもらおう
- ⑥キャニスター修理の部品代は、約1万円~1万5000円
- ⑦マフラーや燃料タンクの修理代は、10万円以上することもある
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