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更新日:2023.01.31 / 掲載日:2023.01.31
車のCVTとは?故障時の症状と原因を解説
車といえば以前はマニュアル車かオートマチック車が主流でしたが、最近ではCVT車も増えています。初めてのCVT車である場合、故障にも気づきにくいかもしれません。
そこでこの記事では、CVTが故障した時の症状や原因、故障時にどのような対処をするべきか詳しく解説していきます。

車を購入する時、以前はマニュアル・トランスミッション(MT)車かオートマチック・トランスミッション(AT)車が主流でしたが、最近ではCVT車という選択肢もあります。
CVTとは、コンティニュアス・ヴァリアブル・トランスミッション(Continuously Variable Transmission)の略称であり、日本語に直すと「無段変速機」または「連続可変トランスミッション」です。
CVTは変速にギアを使っていないことが大きな特徴であり、ギアの切り替えがないことから無段変速機と呼ばれています。
CVTには以下の3種類があります。
・ベルト式
金属製のベルト(スチールベルト)と、ベルトで結ばれた向かい合った2つのプーリー(滑車)の幅を調整して変速します。
1つ目のプーリーは入力側としてエンジンと繋がっていて、2つ目のプーリーは出力側としてタイヤと繋がっています。そのベルトの位置変動によって円周の長さが変わり、回転速度が変化します。タイヤ側のプーリーが開きエンジン側が閉じれば高速に、逆にタイヤ側のプーリーが閉じエンジン側が開けば低速となります。
・チェーン式
金属ベルトの代わりにチェーンを使ったものです。
・トロイダル式
パワーローラーと呼ばれるコマを2つのプーリーの間に挟み、接地面の角度を調節しつつ変速するものをトロイダル式と呼びます。
この3つの中で主に採用されているのは、ベルト式になります。
ATの場合、運転の状況に合わせて自動で適切なギアを選んでくれるため、自動変速機とも呼ばれています。
CVTはギアの切り替えによるタイムラグがないことから、走りが滑らかであり動力伝達効率にも優れていますが、小型車に向いています。
一方、ATはギアの切り替えによるタイムラグは多少あるものの、ギアの組み合わせにより駆動をしっかり伝達できることから、馬力の大きい車にも使用できるという点にも違いがあります。
・ATより燃費が良くなりやすい
・変速が無段階であるため効率よくスムーズな加速ができる
・エンジンのパワーをタイヤにロスをすることなく伝えられる
・小型化可能であるため軽量化の助けとなる

CVTの故障は初期段階だと気づきにくいかもしれませんが、多くの場合には何かしらの異常や違和感があるものです。
車のコンディションに注意して、これから説明する症状が出たなら、CVTの故障の前触れもしくは故障している可能性があると言えるでしょう。
また、アクセルを踏んだのに急減速する、またはアクセルを緩めたのに急加速するなどといった症状が見られる場合もあります。
いつもより加速が変だと思ったら、その感覚を大事にすることが重要です。
ジャダーはスタートクラッチの汚れなどによって滑りが生じることが原因で起こります。また、異音は金属ベルトなど各部品の摩耗によって大きくなった部品のすき間から生じることがあります。
さらに、故障前に見られる現象としては燃費の低下も挙げられます。それは、ベルトに滑りが生じているとエンジンが作り出した動力がきちんと伝えられなくなってしまうからです。
その他、不具合が電気的なものであれば、エンジンチェックランプが点灯することもあります。
「シミー現象」とも呼ばれますが、特にハンドルが大きく左右に揺れるとタイヤもハンドルの方向にブレてしまうため、危険な症状と言えるでしょう。
CVT以外にもクラッチ周り、ブレーキ周り、ホイール周りの不具合がジャダーの原因となります。
異音の種類としては、人によって聞こえ方が異なるものの、「ガリガリ」「ガラガラ」「ゴリゴリ」「ゴトゴト」「バリバリ」などがあります。
異音が発生する原因はCVTだけではありませんが、音の間隔と車の速度が比例しているように思われる場合、CVTが原因である可能性は高いと言えます。
故障時、特にエンジンの回転が空回りするような感じや上り坂などで車が進まない場合、それ以上は車を走らせないようにしましょう。そのまま乗り続けていると、完全に走行不能になってしまう危険があります。
下記は、CVTが故障した疑いがある場合に見られる様々な症状の例となります。すでに説明したものも含まれていますが、これらの症状に気づいたなら早急に整備工場やディーラーに確認してもらいましょう。
・異音の発生
・発進時に異常な振動が発生する
・発進時また走行の際にミッションが滑る
※アクセルを踏んだ時にエンジンの回転数は上がるのにスピードは上がらない状態
・Dレンジ(前進走行)にしてもすぐに発進しない
・Rレンジ(バック)に入らない、入りにくい
・シフトを操作した際の変速の衝撃が大きい
・意図したものではない加速・減速の発生
・マフラーからの白煙
・走行中に停まる

車から異音が生じている場合、CVTが故障していることもあれば、それ以外の部分での不具合ということも考えられます。
ここからは、CVTによる異音とそれ以外の異音の違いについて説明していきます。
キーンという金属的な音は、車を走らせている際にアクセルをオフにし、エンジンブレーキがかかった状態で聞こえることが多いです。よほどの音量でない限りは、メカノイズと考えられます。
一方、ウィーンという音はエンジンをかけた直後に聞こえることが多いです。特に真冬やしばらく運転していなかった車で生じやすくなっています。
エンジンをかけてすぐはCVT内部の温度が低いため、大きなモーター音がします。この場合には、すぐに車を発進させるのではなく、しばしエンジンをアイドリングさせ、CVTやエンジンを温めた後、ゆっくりと運転を開始するといいでしょう。
温まってくれば、モーター音は小さくなっていくのが通常です。もしエンジンやCVTが暖まったように思われてもまだ大きな音がしているようなら、故障の可能性があります。
・キュルキュル
この音が聞こえる可能性があるのは、金属製のベルトの劣化によって滑りが発生している場合です。
・バリバリ、ゴトゴト
Dレンジにシフトし、アクセルを踏み込んだ時にバリバリまたはゴトゴトといった異音と振動が生じる場合、金属製のベルトによる音の可能性が高いです。
バリバリならまだ初期段階ですが、ゴトゴトになるとベルトが破断する手前になっているかもしれません。いつ走行不能になるか分からないため、早急に対応する必要があります。
・カラカラ
車のスピード、エンジンの回転に沿って音の速さも変わる場合にはCVTの回転する部分、変わらない場合には回転しない部分での部品がガタついている可能性があります。
・ゴー
ベアリング(回転部分の軸受け)が摩擦によってガタつくと、金属ボールが消耗することで回転時に音がします。しかし、ベアリングはCVTだけではなくタイヤのホイールにもあります。どちらからの音なのか判別はつきにくいため、整備工場やディーラーに見てもらうのが良いでしょう。
ここからは、その確かめるための簡単な方法を2つ紹介していきます。
車を発進させる際はミッションに負荷がかかるため、不具合に気づきやすいです。CVTはスムーズで滑らかな加速がセールスポイントなので、もし加速にこれまでとは違う何かを感じるのであれば、故障の前兆かもしれません。
長い上り坂で加速をした時に、エンジンの回転は上がっているものの車のスピードは上がっていないように感じる場合、動力がきちんと伝わっておらず、効率が落ちていると見ることができるでしょう。

CVTは故障しにくいと言われてはいますが、これまでに説明してきた通り、故障してしまうこともあります。しかし、その故障の原因は自分にあるかもしれません。
ここからは、CVTが故障するいくつかの原因を説明していきます。
CVTに負担がかかるのは、急な加速や急な発進、過度な走行、常時重い荷物を積んでいることが挙げられます。
さらに、エンジンをかけた際にCVTが暖まっておらず、モーター音がしているのに、アイドリングせずに発進させることもCVTに負荷をかける行動です。
毎日コンビニやスーパーといった近距離の運転を繰り返すことは、CVTの温度が低いまま動かすことの繰り返しで酷使していることになります。
人間でも予備運動なしで走ったりストップ&ダッシュを繰り返したりすることは、心臓に負担がかかるだけでなく足のケガにも繋がります。車もそれと同じようなものと言えるかもしれません。
CVTの故障をできるだけ避けるためには、普段から丁寧な車の取り扱いと運転を心掛けることが重要です。
メーカーによってCVTフルードは交換不要と言っているところもあれば、4万kmを交換の目安としているところもあります。しかし、長期間CVTフルードを交換しないとリスクがあるとされています。
それは、潤滑性能などの特性が失われるだけでなく、CVT内部に汚れがつくことにより、ジャダーの発生やCVTの滑りの原因となってしまうからです。
そのため、重大な故障を避けて長く乗り続けたいのであれば、4万km程度でCVTフルードの交換をすることをおすすめします。
なお、新車で購入し、メーカーの特別保証期間が残っている場合のCVTフルード交換はディーラーで行うのがベターです。
メーカーによっては、ディーラー以外でCVTフルード交換を行った後に不具合が生じた際、正しいCVTフルードを使用していない可能性があるとして保証に応じてくれない場合があります。
また、CVTフルードを交換する際は、ATフルードを入れることなく、純正品のCVTフルードを使用するようにしましょう。ATフルードを入れても車は走行しますが、ATフルードとCVTフルードの特性は異なっているため、正しいものを使用しないことでCVT内部のベルトが滑るなど、故障のリスクが高まります。
摩耗によって動力がきちんと伝わらないことから滑りと呼ばれる状態になり、車のスムーズな走行を妨げます。
また、摩耗によって蓄積する金属粉にも注意が必要です。CVTフルードが金属粉などで汚れていると、それが研磨剤のようになってさらに摩耗を促進させてしまうことになります。

運転中にCVTの異常と思われる症状に気づいた場合、どうすればいいのでしょうか?
また、CVTの故障であることがはっきりした場合、修理するべきなのでしょうか?
ここからは、CVTの修理内容や費用について詳しく説明していきます。
放置しておくと走行中に車が急に停まったり、修理の際にCVT自体の交換が必要になってしまったりするかもしれません。
異音の修理がCVTフルード交換のみで済む場合には、特殊な車でない限り、1万5000円程でしょう。
CVT自体の交換が必要と判断された場合、新品だと軽自動車で30万円程、普通自動車で40~80万円程する可能性があります。
リビルト品(中古のパーツを新品に近い状態に分解修理したもの)であれば、軽自動車は15万円程、普通自動車は15~40万円程とかなりお得になります。
その他にも中古品のCVTだと数万円で済むかもしれませんが、元の車についていた時の状況が不明であるため、すぐに壊れてしまう可能性があります。そのため、もしメーカー保証の期間が残っているなら、まずは保証してもらえるか確認することをおすすめします。
CVTが故障していると値段をつけてくれない業者もありますが、海外に販売網があったり、その他の部品を再利用したりする業者であれば、買い取ってくれるでしょう。
そこでこの記事では、CVTが故障した時の症状や原因、故障時にどのような対処をするべきか詳しく解説していきます。
この記事の目次
車のCVTとは何か知っておこう

CVTとは、コンティニュアス・ヴァリアブル・トランスミッション(Continuously Variable Transmission)の略称であり、日本語に直すと「無段変速機」または「連続可変トランスミッション」です。
CVTは変速にギアを使っていないことが大きな特徴であり、ギアの切り替えがないことから無段変速機と呼ばれています。
CVTには以下の3種類があります。
・ベルト式
金属製のベルト(スチールベルト)と、ベルトで結ばれた向かい合った2つのプーリー(滑車)の幅を調整して変速します。
1つ目のプーリーは入力側としてエンジンと繋がっていて、2つ目のプーリーは出力側としてタイヤと繋がっています。そのベルトの位置変動によって円周の長さが変わり、回転速度が変化します。タイヤ側のプーリーが開きエンジン側が閉じれば高速に、逆にタイヤ側のプーリーが閉じエンジン側が開けば低速となります。
・チェーン式
金属ベルトの代わりにチェーンを使ったものです。
・トロイダル式
パワーローラーと呼ばれるコマを2つのプーリーの間に挟み、接地面の角度を調節しつつ変速するものをトロイダル式と呼びます。
この3つの中で主に採用されているのは、ベルト式になります。
CVTとATの違い
CVTとATは、運転操作や自動で変速する点は共通ですが、変速の仕組みが大きく異なります。それは、ATにはギアがありますが、CVTにはギアがないからです。ATの場合、運転の状況に合わせて自動で適切なギアを選んでくれるため、自動変速機とも呼ばれています。
CVTはギアの切り替えによるタイムラグがないことから、走りが滑らかであり動力伝達効率にも優れていますが、小型車に向いています。
一方、ATはギアの切り替えによるタイムラグは多少あるものの、ギアの組み合わせにより駆動をしっかり伝達できることから、馬力の大きい車にも使用できるという点にも違いがあります。
CVTの良さ
排気量の大きい車では使用できないとはいえ、CVTには下記のように様々な利点があると言えます。・ATより燃費が良くなりやすい
・変速が無段階であるため効率よくスムーズな加速ができる
・エンジンのパワーをタイヤにロスをすることなく伝えられる
・小型化可能であるため軽量化の助けとなる
CVTが故障する際に見られる症状

車のコンディションに注意して、これから説明する症状が出たなら、CVTの故障の前触れもしくは故障している可能性があると言えるでしょう。
CVTが故障する前兆
CVTの故障する前触れとしては、アクセルを踏んでおり、エンジンの回転数も上がっているのに、加速感が感じられない場合が挙げられます。また、アクセルを踏んだのに急減速する、またはアクセルを緩めたのに急加速するなどといった症状が見られる場合もあります。
いつもより加速が変だと思ったら、その感覚を大事にすることが重要です。
CVTが故障する手前の症状
CVTの不調に気づかずそのままにしておくと、CVTの調子は悪化していきます。すると、発進・加速・減速時にジャダーなどの振動または異音が起きることが多いです。ジャダーはスタートクラッチの汚れなどによって滑りが生じることが原因で起こります。また、異音は金属ベルトなど各部品の摩耗によって大きくなった部品のすき間から生じることがあります。
さらに、故障前に見られる現象としては燃費の低下も挙げられます。それは、ベルトに滑りが生じているとエンジンが作り出した動力がきちんと伝えられなくなってしまうからです。
その他、不具合が電気的なものであれば、エンジンチェックランプが点灯することもあります。
ジャダーとは?
ジャダー(Judder)は、英語で激しく振動することを意味していますが、自動車用語ではハンドルが異常に振動したり、左右に振れたり、異常な音が発生することを指しています。「シミー現象」とも呼ばれますが、特にハンドルが大きく左右に揺れるとタイヤもハンドルの方向にブレてしまうため、危険な症状と言えるでしょう。
CVT以外にもクラッチ周り、ブレーキ周り、ホイール周りの不具合がジャダーの原因となります。
CVTが故障した時の症状
CVTが故障してしまった場合、振動や異音がひどくなり、加速しようとしても車は進まず、運転に支障をきたすほどになってきます。異音の種類としては、人によって聞こえ方が異なるものの、「ガリガリ」「ガラガラ」「ゴリゴリ」「ゴトゴト」「バリバリ」などがあります。
異音が発生する原因はCVTだけではありませんが、音の間隔と車の速度が比例しているように思われる場合、CVTが原因である可能性は高いと言えます。
故障時、特にエンジンの回転が空回りするような感じや上り坂などで車が進まない場合、それ以上は車を走らせないようにしましょう。そのまま乗り続けていると、完全に走行不能になってしまう危険があります。
CVTが故障する時の症状まとめ
CVTの故障については、これまで説明したような経過を辿ることもあれば、ある日いきなり壊れるという可能性もあり、パターンは様々です。下記は、CVTが故障した疑いがある場合に見られる様々な症状の例となります。すでに説明したものも含まれていますが、これらの症状に気づいたなら早急に整備工場やディーラーに確認してもらいましょう。
・異音の発生
・発進時に異常な振動が発生する
・発進時また走行の際にミッションが滑る
※アクセルを踏んだ時にエンジンの回転数は上がるのにスピードは上がらない状態
・Dレンジ(前進走行)にしてもすぐに発進しない
・Rレンジ(バック)に入らない、入りにくい
・シフトを操作した際の変速の衝撃が大きい
・意図したものではない加速・減速の発生
・マフラーからの白煙
・走行中に停まる
CVTの故障による異音とそうでない異音の違い

ここからは、CVTによる異音とそれ以外の異音の違いについて説明していきます。
メカノイズ
異音がするといっても、メカノイズであれば異常ではないケースもあります。例えば「キーン」「ウィーン」などといったモーター音です。キーンという金属的な音は、車を走らせている際にアクセルをオフにし、エンジンブレーキがかかった状態で聞こえることが多いです。よほどの音量でない限りは、メカノイズと考えられます。
一方、ウィーンという音はエンジンをかけた直後に聞こえることが多いです。特に真冬やしばらく運転していなかった車で生じやすくなっています。
エンジンをかけてすぐはCVT内部の温度が低いため、大きなモーター音がします。この場合には、すぐに車を発進させるのではなく、しばしエンジンをアイドリングさせ、CVTやエンジンを温めた後、ゆっくりと運転を開始するといいでしょう。
温まってくれば、モーター音は小さくなっていくのが通常です。もしエンジンやCVTが暖まったように思われてもまだ大きな音がしているようなら、故障の可能性があります。
CVT故障に関連した異音
CVTの故障または故障に繋がる症状によって生じる異音の例は、下記になります。・キュルキュル
この音が聞こえる可能性があるのは、金属製のベルトの劣化によって滑りが発生している場合です。
・バリバリ、ゴトゴト
Dレンジにシフトし、アクセルを踏み込んだ時にバリバリまたはゴトゴトといった異音と振動が生じる場合、金属製のベルトによる音の可能性が高いです。
バリバリならまだ初期段階ですが、ゴトゴトになるとベルトが破断する手前になっているかもしれません。いつ走行不能になるか分からないため、早急に対応する必要があります。
・カラカラ
車のスピード、エンジンの回転に沿って音の速さも変わる場合にはCVTの回転する部分、変わらない場合には回転しない部分での部品がガタついている可能性があります。
・ゴー
ベアリング(回転部分の軸受け)が摩擦によってガタつくと、金属ボールが消耗することで回転時に音がします。しかし、ベアリングはCVTだけではなくタイヤのホイールにもあります。どちらからの音なのか判別はつきにくいため、整備工場やディーラーに見てもらうのが良いでしょう。
CVTの故障を確かめる簡易的方法
「CVTが故障しているような気もするが、気のせいかもしれない…」と感じる場合、確かめる方法があります。ここからは、その確かめるための簡単な方法を2つ紹介していきます。
①車の発進時
CVTの故障を確かめる方法の1つに、車を発進させた時の加速が挙げられます。車を発進させる際はミッションに負荷がかかるため、不具合に気づきやすいです。CVTはスムーズで滑らかな加速がセールスポイントなので、もし加速にこれまでとは違う何かを感じるのであれば、故障の前兆かもしれません。
②上り坂での加速
CVTの故障を確かめる2つ目の方法は、上り坂で加速してみることです。長い上り坂で加速をした時に、エンジンの回転は上がっているものの車のスピードは上がっていないように感じる場合、動力がきちんと伝わっておらず、効率が落ちていると見ることができるでしょう。
CVTが故障する原因

ここからは、CVTが故障するいくつかの原因を説明していきます。
運転の仕方、車の扱い方
CVTが故障するかしないかは、自分の運転の仕方もかなり関わってきます。CVTに負荷をかける運転を続けていると、故障のリスクは高まります。CVTに負担がかかるのは、急な加速や急な発進、過度な走行、常時重い荷物を積んでいることが挙げられます。
さらに、エンジンをかけた際にCVTが暖まっておらず、モーター音がしているのに、アイドリングせずに発進させることもCVTに負荷をかける行動です。
毎日コンビニやスーパーといった近距離の運転を繰り返すことは、CVTの温度が低いまま動かすことの繰り返しで酷使していることになります。
人間でも予備運動なしで走ったりストップ&ダッシュを繰り返したりすることは、心臓に負担がかかるだけでなく足のケガにも繋がります。車もそれと同じようなものと言えるかもしれません。
CVTの故障をできるだけ避けるためには、普段から丁寧な車の取り扱いと運転を心掛けることが重要です。
CVTフルードを交換していない、不適切なものを使用している
CVTには専用のオイルがあり、「CVTフルード」と呼ばれています。メーカーによってCVTフルードは交換不要と言っているところもあれば、4万kmを交換の目安としているところもあります。しかし、長期間CVTフルードを交換しないとリスクがあるとされています。
それは、潤滑性能などの特性が失われるだけでなく、CVT内部に汚れがつくことにより、ジャダーの発生やCVTの滑りの原因となってしまうからです。
そのため、重大な故障を避けて長く乗り続けたいのであれば、4万km程度でCVTフルードの交換をすることをおすすめします。
なお、新車で購入し、メーカーの特別保証期間が残っている場合のCVTフルード交換はディーラーで行うのがベターです。
メーカーによっては、ディーラー以外でCVTフルード交換を行った後に不具合が生じた際、正しいCVTフルードを使用していない可能性があるとして保証に応じてくれない場合があります。
また、CVTフルードを交換する際は、ATフルードを入れることなく、純正品のCVTフルードを使用するようにしましょう。ATフルードを入れても車は走行しますが、ATフルードとCVTフルードの特性は異なっているため、正しいものを使用しないことでCVT内部のベルトが滑るなど、故障のリスクが高まります。
CVTの摩耗と金属粉
車を使用すれば、それだけCVTも摩耗していきます。摩耗も故障の原因の一つです。摩耗によって動力がきちんと伝わらないことから滑りと呼ばれる状態になり、車のスムーズな走行を妨げます。
また、摩耗によって蓄積する金属粉にも注意が必要です。CVTフルードが金属粉などで汚れていると、それが研磨剤のようになってさらに摩耗を促進させてしまうことになります。
CVTが故障した時の対処法

また、CVTの故障であることがはっきりした場合、修理するべきなのでしょうか?
ここからは、CVTの修理内容や費用について詳しく説明していきます。
運転中に異常に気づいた場合
運転中にこれまで説明したような故障の前兆となる症状や違和感に気づいたなら、それ以上の走行はできる限り避け、早めに整備工場やディーラーに見てもらうようにしましょう。放置しておくと走行中に車が急に停まったり、修理の際にCVT自体の交換が必要になってしまったりするかもしれません。
CVTを修理する場合の費用目安
CVTの故障は、程度により修理費用が異なってきます。異音の修理がCVTフルード交換のみで済む場合には、特殊な車でない限り、1万5000円程でしょう。
CVT自体の交換が必要と判断された場合、新品だと軽自動車で30万円程、普通自動車で40~80万円程する可能性があります。
リビルト品(中古のパーツを新品に近い状態に分解修理したもの)であれば、軽自動車は15万円程、普通自動車は15~40万円程とかなりお得になります。
その他にも中古品のCVTだと数万円で済むかもしれませんが、元の車についていた時の状況が不明であるため、すぐに壊れてしまう可能性があります。そのため、もしメーカー保証の期間が残っているなら、まずは保証してもらえるか確認することをおすすめします。
CVTを修理せず乗り換えることもできる
メーカーの保証期間を過ぎていてCVTそのものの交換が必要な場合には、修理せずに今の車を売却し、新しい車に乗り換えるという手もあります。CVTが故障していると値段をつけてくれない業者もありますが、海外に販売網があったり、その他の部品を再利用したりする業者であれば、買い取ってくれるでしょう。
まとめ
- ①CVTの故障の前兆は、アクセルを踏んでも加速しない、異音、振動などがある
- ②CVTが故障すると最悪の場合、走行不能になるため前兆に気づいたなら早めの対応が必要
- ③異音はCVTの故障とは限らず、メカノイズの場合もある
- ④CVTが故障する原因には、アイドリングなしでの発進、急な加速、過度な走行、不適切なオイルの使用、部品の摩耗などがある
- ⑤CVTの故障を防いで長く乗り続けるためには、丁寧な運転と適切なメンテナンスが大切
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