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更新日:2023.01.27 / 掲載日:2023.01.27

車のエンジンからオイル漏れが発生すると車の寿命?原因と対策・修理相場などを解説

「車のエンジンからオイルが漏れている」と聞くと、もう寿命なのかと心配になるかもしれませんが、決してそうとは言い切れません。

しかし、漏れている量や場所によっては、早急に修理などの対処をしないとさらなるトラブルを招く可能性もあります。

そこでこの記事では、オイル漏れの原因と対策、修理相場などを詳しく解説していきます。

車の寿命を左右する「オイル漏れ」に関する知識を総まとめ

車という精密機械を日常的に使い続けている限り、オイル漏れに限らず様々な不具合やトラブルに遭遇するでしょう。

しかし、それぞれが発生する原因や症状などを知っておけば、発生時に正しい対処をすることができます。また、車の寿命を延ばすことにもつながります。

そこで、まずは「オイル漏れ」とはどういった状態を指すのか、発生する原因と症状について説明していきます。

車のオイル漏れには「内部漏れ」と「外部漏れ」の2種類がある

多少の粘り気(粘度)はありますが、エンジンオイルは液体です。そのため、部品と部品の継ぎ目に衝撃による亀裂が入ると、そこから漏れてしまう可能性があります。

つまり、オイル漏れと一言で言ってもどこから漏れ出しているのかは分かりません。

オイル漏れは、外からは目で見えないエンジン内部でオイルが漏れている「内部漏れ」と、外側までオイルが漏れ出し、その様子を目で見ることができる「外部漏れ」の2種類に大きく分けられます。

内部漏れと外部漏れとでは、それぞれ発生する原因や出てくる症状が異なる点もあるため、取るべき対処法や修理部位と費用なども変わってきます。

オイルがエンジン内部に漏れ出す原因

内部漏れとは、エンジンの燃焼室つまりピストン内部にオイルが漏れ出している状態を指します。

エンジンオイルは本来、ピストンの動きをスムーズにして摩擦による熱を逃がすため、その外部を循環しています。そして、内部とはバルブステムシールまたはピストンリングによって遮断されています。

・バルブステムシールとは?
通常、ピストンの上部についている吸排気バルブから燃焼室にオイルが侵入しないよう、その隙間を埋めているシール材(パッキン)のことです。

・ピストンリングとは?
ピストン下部を循環している余分なオイルが燃焼室に入らないよう、シリンダー壁面の油膜を必要最小限に調整している金属製のリングのことです。

エンジンが稼働している間、ピストンとバルブは動き続けているので、バルブステムシールもピストンリングも次第に劣化していきます。

そのため、バルブステムシールの密閉能力がなくなるとオイルがバルブの隙間から下へ漏れ、燃焼室に侵入する「オイル下がり」が起きます。

また、ピストンリングが摩耗して油膜調整能力が低下すると、余分なオイルが燃焼室内に上がって入り込んでしまう「オイル上がり」が発生します。

つまり、内部漏れとは、この「オイル下がり」または「オイル上がり」のどちらかが発生しているということです。

内部漏れが発生しているときの主な症状

目で見て分かる外部漏れと異なり、内部漏れは文字通りエンジン内部で漏れが発生し、目視で確認できないため注意が必要です。

内部漏れが発生している場合、それがオイル上がりにしろオイル下がりにしろ、可燃性のエンジンオイルが燃焼室に入り込んでいる状態です。そのため、燃料と一緒に入り込んだオイルも燃えてしまいます。

そして、内部漏れが微量である場合は、症状がはっきり出ないこともありますが、進行するとマフラーからオイルの燃えカスである白煙が出始め、異臭を感じることもあります。

また、可燃物とはいえ燃料にとってオイルは不純物以外の何物でもありません。そのため、燃焼室内で不完全燃焼が起こり、加速力や燃費が低下するほか、点火プラグのオイル汚れによるアイドリング不安定などの症状が出てきます。

オイルがエンジン外部に漏れ出す原因

エンジンの外側から注意深く観察すれば目で確認できる「外部漏れ」は、オイルキャップやドレンボルトといったオイルの出入り口のほか、エンジンと周囲の部品をつないでいる継ぎ目からも漏れてしまう可能性があります。

通常、こういった箇所にはオイルが簡単には漏れ出さないようオイルシール・パッキン・ガスケットなどが取り付けられています。しかし、時間が経過するとこれらが劣化して密閉能力が低下してしまうのです。

また、車は常に強い振動・衝撃を受けているため、部品と部品をつないでいるボルトやナットが徐々に緩み、隙間が広がってそこからオイルが漏れ出すこともあります。

さらに、オイルキャップ・ドレンボルト・オイルエレメントなどは、整備ミスなどの人的要因や事故による衝撃など外的要因で破損すると、ヒビや穴から外部へ激しくオイルが漏れてしまうケースもあります。

外部漏れが発生しているときの症状

エンジン内で燃えてしまう内部漏れと異なり、外部漏れをしたオイルはエンジンと周辺部品を伝って下へと流れ落ちていきます。そのため、駐車場などで水たまりのようになったオイルを発見し、初めてオイル漏れに気づいたという方もいるかもしれません。

また、流れ落ちている過程で走行中高温になるマフラーにかかると、煙や異臭が発生することがあります。最悪の場合、火災につながりかねないため注意しましょう。

ちなみに、車から漏れる液体は何もオイルだけではありません。赤・青・緑などの色のついた液体の場合は、ラジエター液が漏れている可能性があります。

一方、漏れた液体が焦げたような臭いがする、粘り気を感じる、黒またはこげ茶色に濁っているといった場合は、オイル漏れを疑いましょう。

両者に共通する症状も知っておこう!

前述した通り、同じオイル漏れでも内部漏れと外部漏れではその原因と症状が異なります。ただし、双方に共通して異常にオイルの減りが早いという症状が出ます。

比較的、内部漏れより外部漏れのほうが、オイルの減るスピードが速い傾向です。とはいえ、エンジンオイルは漏れていない(正確にいうと修理が必要なほど漏れていない)状態であっても、長期間入れっぱなしにしておくと徐々に量が減っていきます。

具体的には、1,000km走行で0.5L以上(オイルレベルゲージの半分が0.5L程度)オイルが減るようであれば、何かしらの「異常」が発生していると考えましょう。

また、異常にオイルの量が減るのとは別に以下のような症状が出るケースもあります。

・オイルによるエンジンの冷却機能などが低下することで水温計が上がる
・ラジエター液が減る
・エンジン警告ランプが点灯する
・オーバーヒートする

オイル漏れを発見した時の対処法

次に、オイル漏れを発見した時の対処法について、時系列や程度に沿って解説していきます。

まずはオイルが減る量やペースを把握する

前述した通り、内部漏れと外部漏れに共通してオイルの量が異常に減るという症状が出ることがあります。そのため、まずは日常的なオイル量の点検をすることが、オイル漏れの発見と被害の拡大防止のためには不可欠です。

車には、必ずエンジンオイルの量とその汚れ具合をチェックできる「オイルレベルゲージ」が備わっています。

オイルレベルゲージには、その車のオイル量の上限と下限が記されています。オイル量がその間に入っているか、短期間で減っていないかはもちろん、汚れや不純物の有無などについてもチェックしましょう。

なお、走行後すぐにオイル点検をすると、高温になったエンジンなどに触れて火傷をする危険があります。そのため、エンジンが完全に冷えた状態で手袋を装着して安全に行いましょう。

また、オイルの量を正確に測るため、車を平たんな場所に停めてから点検するようにしてください。

程度が軽い場合は添加剤や漏れ止めを試す

点検の結果、オイル量の減り具合が微量であり、かつ異臭や白煙の発生も確認できないほどオイル漏れの程度・症状が軽い場合は、オイル添加剤や漏れ止めを入れて様子を見るという選択もあります。

オイル添加剤には、エンジン内の清浄・保護効果のほか、オイルが本来持っている潤滑・密封作用を向上させる効果もあるため、オイル上がり・オイル下がりが緩和できます。

また、漏れ止めと呼ばれる商品には、オイルの粘度を上げ、シールやパッキンの隙間を通りにくくしたり、シール・パッキンの伸縮性や弾力性を回復させ、密閉力を上げたりする効果などがあるとされています。

どちらも、オイル交換や追加のついでにオイルと混ぜて入れるだけという手軽さが魅力です。

ただし、どちらも必ずオイル漏れが直るとは限りません。一時的に効果が出たとしても、時間がたてば症状がぶり返す可能性もあります。

程度が重い場合は早急に点検・修理を受ける

オイル漏れの程度が重い場合は、車のパフォーマンスが落ちるだけではなく、安全運転に支障をきたす重大なリスクを伴う可能性があります。そのため、できるだけ早めに業者で点検をしてもらい、修理・部品交換などを受けるようにしましょう。

なお、程度が重いというのは、以下のような症状が出てしまっているオイル漏れを指します。

・マフラーから白煙がモクモクと大量に上がっている(内部漏れ)
・ポタポタとしずくが確認できるほどオイルが漏れている(外部漏れ)
・オイルが異常に減り、警告灯がつく(内部・外部共通)

オイル漏れを放置するリスク

軽症の内部漏れの場合は、あまり目立った症状が出ないことがあります。燃費・加速性能の低下についても、気が付かないかもしれません。

ただし、重症になってくるとパフォーマンスの低下が顕著となり、オイル量の不足によるオーバーヒートやエンジン焼き付きなどが発生することもあります。また、外部漏れが軽症であっても内部漏れよりオイル量の減少スピードが速いため、その弊害が発生するリスクは高まります。

重度になり、漏れたオイルが万が一引火すると、火災や爆発など人命にかかわる大事故を起こすリスクもあるため、絶対に放置しないようにしましょう。

種類や原因によって大きく異なるオイル漏れの修理費用

オイル漏れはその種類・程度そして実際に漏れを起こしている場所によって、大きく修理にかかる費用が異なります。

そこでここからは、内部漏れ・外部漏れに分けて、それぞれの修理相場・目安を紹介していきます。

内部漏れが発生している時の修理費用

オイル上がりの原因となるピストンリングは、部品代自体の価格は数百円と安価です。しかし、エンジン内部のピストンにつけられている部品なので、交換するには一度エンジンを車から下ろし、バラして組み直さなければなりません。

車種・依頼業者によってまちまちですが、安くても20万~30万円、エンジンが高排気量・高性能の場合は、100万円以上の工賃がかかることもあります。

場合によっては、オイル上がりを起こしていない中古のエンジンを入手して、それを丸ごと載せ替えたほうが安くつくこともあります。

一方、オイル下がりを起こすバルブステアシールは、エンジン内部にあるものの比較的上部についています。そのため、車種によってはシリンダーヘッド・カムシャフト・ロッカーアームなどを外せば交換可能です。

その場合は、部品代と工賃合わせて5万~10万円で修理することができます。

外部漏れが発生しているときの修理費用

外部漏れの修理費用は、漏れている場所によってかなり費用が変わってきます。

例えば、ヘッドカバーパッキンからの漏れなら、部品代2,000~3,000円プラス工賃です。

ドレンボルトパッキンの場合、部品代は数百円で済み、工賃を取られない場合もありますが、必然的にオイルが全て抜けるため、オイル代が加算されます。

オイルフィルターからのオイル漏れは、古くなり劣化したオイルフィルターを交換すれば解決します。1,000~3,000円程度の部品代と、そこに工賃と若干補充するオイル代が加わり、総額2,000~7,000円程度です。

オイルを貯めているオイルパンからの漏れは、その原因によって価格が異なります。パッキン不良の場合は5,000~7,000円程度で済みますが、ひびや破損が原因でオイルパン自体の交換が必要な場合は、数万円の出費を覚悟しなければなりません。

外部漏れの修理の中で最も手間と時間がかかるのが、カムシャフトとエンジンの接続部分にあるオイルシールからの漏れです。車種によって異なりますが、3万~10万円程度かかります。

オイル漏れを修理する前に考慮したいこと

ここまで、オイル漏れの修理費用を種類・不具合箇所別に紹介してきました。

ここからは、修理をする前に一度じっくり考えてほしいことを挙げていきます。

車の継続使用予定と修理費用のバランス

事故や縁石などへの乗り上げ、作業ミスといった外的要因を除き、オイル漏れが起きる根本的な原因は各所の経年劣化です。そのため、激しいオイル漏れが発生している車は、それなりに長い年数・走行距離を経た車と考えていいでしょう。

今後、その車をどれくらい使用するのかと修理費用のバランスを見て、修理するか買い替えるかを検討することをおすすめします。

オイル漏れの連鎖が発生する可能性もある

オイル漏れは、その車の中で一番劣化している箇所に発生します。そのため、漏れている箇所を修理・交換・整備した場合、次に劣化している箇所からオイル漏れが発生するケースが多いです。

そして、次を直したらその次、また次の箇所へとオイル漏れの連鎖が発生することもあります。オイル漏れを修理する場合は、この事実と決して安くない修理費用との兼ね合いも考慮しておきましょう。

オイル漏れを遅らせて車の寿命を延ばすコツ

オイル漏れは、放置して重症化すると運転に支障が出る上、場合によっては中古車が買えてしまうほどの修理費用がかかります。そして、修理したとしても連鎖することも少なくないオイル漏れは、車を維持する上でできる限り避けて通りたいトラブルです。

そこで最後に、オイル漏れを遅らせて車の寿命を延ばすコツ・秘訣をいくつか紹介していきましょう。

実は完全にオイル漏れを食い止める方法は存在しない

エンジンに継ぎ目があり、オイルが液体である以上、オイル漏れはどんな車でも必ず発生し、それを完全に食い止める方法は存在しません。

そのため、オイル漏れはいずれ必ず発生するということを自覚した上で適切にメンテナンスを行えば、オイル漏れを遅らせて車を長持ちさせることにつながるでしょう。

適切なオイル交換が最大にして唯一のコツ

人間にとっての心臓がエンジンなら、その中を流れる血液にあたるのがオイルです。人間は血液を全て入れ替えることができませんが、車のエンジンオイルは全て新しいものに交換できます。

新しいオイルは、冷却効果や潤滑作用によるエンジンなどの振動を緩和する効果が高いです。そのため、オイル交換を適切かつ定期的に行えば、熱や振動・衝撃によるオイル関連パーツの劣化を遅らせることができます。

反対に、古く汚れたオイルはその性能が低下している上、酸化したオイルがシール類を痛め、その劣化スピードを速めてしまいます。

つまり、オイル交換は車にとっての「アンチエイジング」であり、元気に活躍し続けるために欠かすことのできない、最も重要なメンテナンスだと言えます。

オイルをろ過するエレメントの交換も重要

エンジン内部には、燃料の燃えカスであるススや摩耗した金属片が大量に溜まっていて、エンジンオイルはその洗浄作用によってこれらを吸着してくれます。そして、汚れたオイルはオイルフィルターという部品でろ過され、再度エンジン内を循環することになります。

しかし、このオイルフィルターが古くなり、ろ過能力が落ちると、新しいオイルと交換してもすぐ汚れてしまい、その効果を十分に発揮できません。

また、オイルフィルターが目詰まりした場合、エンジン内の油圧が想定以上に上がって、圧力に耐えきれなくなった部分からオイルが漏れてしまうこともあります。

オイルフィルターは脱着が容易な使い捨てタイプになっていて、交換相場は1,000~3,000円程度とそこまで高額ではありません。

オイル交換は一般的に走行距離5,000kmごとに行うのが良いとされています。そのうちの2回に1回は、併せてオイルフィルターも交換するようにしましょう。

まとめ

  • ①オイル漏れには「内部漏れ」と「外部漏れ」の2種類がある
  • ②内部漏れは、ピストンリング摩耗・シリンダー変形・バルブシールの劣化が原因と考えられ、排気ガスが白くなる・加速力や燃費の低下・アイドリングの不安定などの症状が出る
  • ③外部漏れは、オイルシールやガスケットの劣化・オイルパンの破損などが原因と考えられ、オイル溜まりの出現や異臭などの症状が出る
  • ④内部漏れ・外部漏れはいずれの場合も、エンジンオイルの急激な減少・水温計の上昇・警告灯の点灯などの症状が出る
  • ⑤こまめにオイルの量を確認し、オイル漏れの程度に応じて適切な対策を講じよう
  • ⑥オイル漏れの修理費用は漏れの種類・不具合箇所によって様々だが、一般的に内部漏れのほうが外部漏れより高額になることが多い
  • ⑦オイル漏れを完全に予防する方法は存在しないが、適切なオイル・エレメントの交換により、車の寿命を延ばすことはできる
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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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