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更新日:2023.02.28 / 掲載日:2023.02.28
夏に車のエンジンがかかりにくい時はどうすればいい?その原因と対処法を解説
夏に車のエンジンをかけると、かかりが悪いことがあります。主な原因は暑さによるバッテリー上がりやオーバーヒートです。
その場合、ジャンピングスタートなどの適切な対応を取ることで解決することがあります。しかし、エンジンがかからないという症状だけでは、原因を突き止めるのは簡単ではありません。
また夏に限らず、気温が極端な季節は車のトラブルも多く発生します。ここでは、こうしたトラブルの原因や対処法を解説します。

気温が上昇する夏場は、高温が原因で車のエンジンに負荷がかかり、エンジンがかかりにくくなる・あるいはかからなくなるというトラブルを起こすことがあります。
そしてその原因は、バッテリー上がりかオーバーヒートであることが多いです。
以下では、それぞれの症状について詳しく解説していきます。
バッテリーには電装品やモーターの稼働に必要な電力を蓄電・供給する役割があります。バッテリー上がりを起こすと、こうした基本的な機能が弱まりエンジンもかかりにくくなります。
夏場は、バッテリー内部の液の比重が気温によって変動しやすいことから、バッテリー上がりが起きやすいとされています。
それに加えてエアコンをフル稼働することで電力の消費に充電が追い付かなくなれば、ますますバッテリー上がりが起こる可能性は高まるでしょう。
オーバーヒートの主な原因で代表的なのが、冷却水の不足です。冷却水はただの水ではなく特殊な液剤で、エンジン周辺を循環することで高温になったエンジンを冷やし続けています。
しかし、故障や破損などのトラブルで冷却水が外に漏れ出すと、この冷却機能が失われてエンジンはオーバーヒートするでしょう。また、冷却水を循環させるウォーターポンプが故障しても、同様の結果になります。
エンジンオイルが劣化していたり、もともとオイルの量が少なかったりした場合や長時間の走行によるエンジンへの負荷などもオーバーヒートの原因になります。
坂道を低速ギアで走り続けても同様のトラブルが発生しやすいので、注意しましょう。

エンジンがかかりにくい・かからないという症状だけを見ると、バッテリー上がりとオーバーヒートは区別がつきにくいものです。
トラブルの原因がどちらなのかを見分けるには、さらに細かい点をチェックする必要があります。
まずバッテリー上がりの典型的な症状として、セルモーターが回らなくなることが挙げられます。セルモーターを回すと通常はキュルキュルと音がしてエンジンがかかりますが、バッテリー上がりを起こしているとカチカチという音がするだけです。
また、バッテリー上がりの場合は各種電装品へ電気の供給ができなくなります。そのため、エンジンをかけなくともキーをひねった際にパワーウィンドウやライトが動くようであれば、バッテリーの不具合である可能性は低いでしょう。
もっとも、バッテリー上がりによる電圧低下も次第に悪化していくものなので、電装品が作動しても効きが弱いようならバッテリー上がりの可能性も否定しきれません。あわせて、次の項目で説明するオーバーヒートの症状が見られないかどうかもチェックしましょう。
代表的なものとしては、以下の4つがあります。
・水温計が「H」を示す
・焼け焦げたような異臭がする
・エンジンから異音がする
・ボンネットから煙が上がる
特に、スピードメーターの近くにある「℃」や「H(HOT)」「C(COOL)」といった形で示されている水温計を見てみましょう。冷却水の温度が示されていますが、これが「H」に近づくと水温が高いことを意味しているため、オーバーヒートの疑いがあります。
最近の車には水温計がないものもあります。そうした車種の場合はメーターパネルの近くにある水温警告灯を確認し、点灯・点滅していないかチェックしてください。
波型のマークが赤い色になると、高温を示しています。この水温計の異常に加えて、加速する際に弱々しい感じがする、スピードがなかなかのらない、アイドリングが不安定といった症状が見られたら、ほぼ確実にオーバーヒートしていると判断できます。すぐに修理に出しましょう。
例えば異音だと、初期症状としてはカリカリという音がします。さらに悪化すると、このカリカリ音はカンカン、キンキンという金属音に変わっていきます。
また、冷却水が漏れて蒸発すると甘い臭いがするので、この場合はオーバーヒートを起こしていなくとも冷却水漏れそのものを点検・修理してください。
もしも、この冷却水漏れの臭いを通り越してオイルが焼けるような臭いに変化したら、オーバーヒートはさらに悪化しており、より深刻な状態だと言えます。エンジンは深刻なダメージを受けているかもしれません。
ボンネットからの発煙は気化した冷却水が水蒸気となって出ているもので、オーバーヒートを起こしている場合はかなり症状が進んでいます。ただし、この発煙はあくまでも冷却水漏れを示す症状なので、早めに修理すればエンジンのダメージは軽微で済むかもしれません。

ここまでで、夏によく発生するバッテリー上がりとオーバーヒートについて説明してきました。
ここからは、オーバーヒートに焦点を絞り、その予防法や万が一オーバーヒートしてしまった場合の対処法を解説します。
定期的なメンテナンスや日常的な点検をごく普通に行い、無理な運転をしなければ防止するのは難しくはありません。
まずは水温計をこまめにチェックしながら運転することが大切です。また、冷却水やエンジンオイルの残量にも注意してください。
いずれも定期的な交換や法定点検を行っていれば経年劣化は防げます。異臭などで漏れていることに気付いたら、放置せずにすぐ修理に出しましょう。
内部のラジエーター本体と冷却水、エンジンオイルの状態を中心的にチェックしてください。症状が深刻でなければ、しばらく待ってエンジンが冷えれば運転を再開できることもあります。
しかし、その場所が高速道路だった場合やエンジンが冷めても復旧しないようであれば、ロードサービスに救援を求めましょう。

エンジントラブルは夏以外でも起こることがあります。そして、その原因は単純な操作ミスから深刻な故障を起こしている場合など様々です。
ここからは、バッテリー上がりとオーバーヒート以外で考えられるエンジントラブルの原因について詳しく説明していきます。
エンジンオイルを定期的に交換しないと、トラブルにつながります。前述しましたが、漏れなどの理由で冷却水が不足し、オーバーヒートを起こせばエンジンそのものが壊れるでしょう。
それ以外にも燃料ポンプやスパークプラグの劣化など、様々な原因でエンジンは故障します。
例えば、盗難防止のためのハンドルロック、ギアの入れ間違い、ブレーキの踏み込み不足などでエンジンが稼働しない場合です。これらは、落ち着いて対処すれば簡単に復旧できます。
また、それ以外の要因としてよくあるのが燃料切れ(ガス欠)です。この場合は、何らかの方法で燃料を入手するか、ロードサービスに頼りましょう。
電子キーが故障していることもあるので、その場合は内蔵の非常用キーを使いましょう。
例えば、ここまででも説明した冷却水を循環させている冷却装置です。また、エンジンに電力を供給するバッテリー、バッテリーに電気を送り込むオルタネーター(発電機)もそうです。
この他にも、車の内部の電気系統に過剰な電流が流れてヒューズが切れれば、やはりエンジンはかからなくなります。
セルモーターにも寿命があるので、こちらが故障しても同じようにエンジンの稼働はできません。

ここまでで、エンジンがかかりにくい、あるいはかからないといったトラブルが発生した場合に考えられる原因について説明してきました。
では、そうしたトラブルが発生したらどのように対処すればいいのでしょうか?
以下で詳しく解説します。
例えば、表面的にはバッテリー上がりの症状だったとしても、実際にはオルタネーター(発電機)が故障していることがあります。そうなるとバッテリーだけを充電したり、新品に取り換えたとしても、またすぐに不具合が起きるでしょう。
また、オーバーヒートの症状が見られても、先に説明した通りその原因はいくつも考えられます。異音・異臭・白煙があれば冷却水漏れによるものと分かるでしょう。
しかし、このような場合は勝手に判断して対処すると症状が悪化したり、怪我をする恐れもあります。そのため、ロードサービスに救援を依頼したほうがいいでしょう。
救援車のバッテリーと自車のバッテリーを専用のケーブルで接続して、電気を分けてもらいましょう。
また、車のエンジン用のモバイルバッテリーである「ジャンプスターター」があれば、救援車なしでも専用ケーブルでバッテリーと接続して充電できます。
ただし、ハイブリッド車やトラックはこの方法は使えないので注意しましょう。
特に高速道路でエンジントラブルが発生したら、車を安全な場所に停止し、周囲に対する安全確保を済ませて避難しなければなりません。車をチェックする余裕はありませんので、すぐにロードサービスに救援を依頼しましょう。

夏はエンジントラブルだけではなく、様々なトラブルが起きやすい季節です。
ここからは、猛暑による悪影響やエアコンの不具合、そして窓が閉まらない場合や車内に虫が進入した場合などの対処法について解説します。
夏にガスライターや炭酸飲料のボトルなどを車内に置いたままにしていた場合、暑さで膨張して破裂することもあります。
夏場に屋外で車を駐車する場合は、暑さ対策を行いましょう。
例えば、サンシェードは日除けになってくれるので、車内の温度が上がるのを抑制してくれます。また、サンシェードは熱を通しにくい厚みのあるもので、日差しを反射しやすいシルバーや白色のものを選びましょう。
他にも、ハンドルが熱くなるのを防止するハンドルカバーや遮熱効果があるカーフィルムを利用するのもいいでしょう。
エアコンで車内を冷やすのもいいですが、多用し過ぎるとバッテリー上がりの原因になるので注意してください。
エアコンは走行時にエンジンルームに入る風を利用して車内へ冷気を送り込むので、停車していると車内を冷やせなくなります。そのため、停車時にエアコンの利きが悪くなったと感じても、再び車が動き出せば復旧するので心配いりません。
しかし、車を走行させたのにいつまで経っても車内が満足に冷えないという場合は、何らかの故障が考えられます。
エアコンで多い故障としては、ガス漏れやコンプレッサーの異常、冷却水漏れによる不足などが挙げられます。これらは専門家でないと修理・交換はできないので、速やかに専門店へ依頼するようにしましょう。
また、故障ではありませんが、エバポレーターやフィルターの汚れが原因でエアコンから悪臭がすることがあります。走行に直接悪影響はないものの、臭いで体調を崩す可能性もあるので注意しましょう。
最近の車はパワーウィンドウが一般的です。故障によって閉まらなくなることもありますが、力ずくで動かすこともできるでしょう。しかし、周囲のゴムが固着している可能性があり、レギュレーター(モーター)にも負荷がかかるので、できれば避けるのが賢明です。
旧来のハンドルを手動で回して窓を開閉するタイプでも「窓落ち」という現象があります。サイドウィンドウが下に落ちた状態で上がってこないというものです。また、逆に閉じたままで動かないというトラブルもあります。
窓落ちの原因は、窓そのものが窓受けから外れたかギアが故障したかのいずれかです。手動のハンドルタイプの窓は少なくなったものの皆無ではないので、もしこのようなトラブルに遭遇したら修理工場に相談してください。
大きな虫や人に危害を加えるタイプの虫が車内に入ると運転に支障が出るので、気付いたら安全な場所に停車し、窓やドアを全開にして出ていくのを待つようにしましょう。
ただし、停車場所が虫の多い場所だと、また新たな虫の進入を許すことになるので、停車場所は慎重に選んでください。ハチやアブなど危険な虫なら、なおさら車から出ていくのを待つのが得策です。
スプレーで追い出す方法も考えられますが、殺虫剤は閉め切った車内では使わず、できれば事前に防虫剤や防虫スプレーを使用して進入そのものを防ぐようにしましょう。
また、虫を駆除するためのスプレーは夏場に車内に置きっぱなしにすると暑さで膨張し破裂することもあります。扱いにはくれぐれも注意してください。
その場合、ジャンピングスタートなどの適切な対応を取ることで解決することがあります。しかし、エンジンがかからないという症状だけでは、原因を突き止めるのは簡単ではありません。
また夏に限らず、気温が極端な季節は車のトラブルも多く発生します。ここでは、こうしたトラブルの原因や対処法を解説します。
この記事の目次
夏に起きやすいエンジントラブルの原因とは?

そしてその原因は、バッテリー上がりかオーバーヒートであることが多いです。
以下では、それぞれの症状について詳しく解説していきます。
原因①バッテリー上がり
夏に限らず、エンジントラブルの原因でよくあるのがバッテリー上がりです。バッテリーには電装品やモーターの稼働に必要な電力を蓄電・供給する役割があります。バッテリー上がりを起こすと、こうした基本的な機能が弱まりエンジンもかかりにくくなります。
夏場は、バッテリー内部の液の比重が気温によって変動しやすいことから、バッテリー上がりが起きやすいとされています。
それに加えてエアコンをフル稼働することで電力の消費に充電が追い付かなくなれば、ますますバッテリー上がりが起こる可能性は高まるでしょう。
原因②オーバーヒート
夏場は、エンジンのオーバーヒートもよく起こります。オーバーヒートを起こしてしまうとエンジンがかからなくなるほか、ひどい場合は焼け焦げたような異臭や異音、発煙などの症状が表れます。オーバーヒートの主な原因で代表的なのが、冷却水の不足です。冷却水はただの水ではなく特殊な液剤で、エンジン周辺を循環することで高温になったエンジンを冷やし続けています。
しかし、故障や破損などのトラブルで冷却水が外に漏れ出すと、この冷却機能が失われてエンジンはオーバーヒートするでしょう。また、冷却水を循環させるウォーターポンプが故障しても、同様の結果になります。
エンジンオイルが劣化していたり、もともとオイルの量が少なかったりした場合や長時間の走行によるエンジンへの負荷などもオーバーヒートの原因になります。
坂道を低速ギアで走り続けても同様のトラブルが発生しやすいので、注意しましょう。
バッテリー上がりとオーバーヒートの見分け方

トラブルの原因がどちらなのかを見分けるには、さらに細かい点をチェックする必要があります。
まずバッテリー上がりの典型的な症状として、セルモーターが回らなくなることが挙げられます。セルモーターを回すと通常はキュルキュルと音がしてエンジンがかかりますが、バッテリー上がりを起こしているとカチカチという音がするだけです。
また、バッテリー上がりの場合は各種電装品へ電気の供給ができなくなります。そのため、エンジンをかけなくともキーをひねった際にパワーウィンドウやライトが動くようであれば、バッテリーの不具合である可能性は低いでしょう。
もっとも、バッテリー上がりによる電圧低下も次第に悪化していくものなので、電装品が作動しても効きが弱いようならバッテリー上がりの可能性も否定しきれません。あわせて、次の項目で説明するオーバーヒートの症状が見られないかどうかもチェックしましょう。
オーバーヒートの症状
オーバーヒートの症状は、エンジンがかからなくなる、もしくはかかりにくくなる以外にも様々あります。代表的なものとしては、以下の4つがあります。
・水温計が「H」を示す
・焼け焦げたような異臭がする
・エンジンから異音がする
・ボンネットから煙が上がる
特に、スピードメーターの近くにある「℃」や「H(HOT)」「C(COOL)」といった形で示されている水温計を見てみましょう。冷却水の温度が示されていますが、これが「H」に近づくと水温が高いことを意味しているため、オーバーヒートの疑いがあります。
最近の車には水温計がないものもあります。そうした車種の場合はメーターパネルの近くにある水温警告灯を確認し、点灯・点滅していないかチェックしてください。
波型のマークが赤い色になると、高温を示しています。この水温計の異常に加えて、加速する際に弱々しい感じがする、スピードがなかなかのらない、アイドリングが不安定といった症状が見られたら、ほぼ確実にオーバーヒートしていると判断できます。すぐに修理に出しましょう。
オーバーヒートの前兆
オーバーヒートの代表的な症状を説明しましたが、症状として挙げた異音・異臭・ボンネットからの発煙は、完全にオーバーヒートの状態に陥らなくとも前兆として現れてきます。例えば異音だと、初期症状としてはカリカリという音がします。さらに悪化すると、このカリカリ音はカンカン、キンキンという金属音に変わっていきます。
また、冷却水が漏れて蒸発すると甘い臭いがするので、この場合はオーバーヒートを起こしていなくとも冷却水漏れそのものを点検・修理してください。
もしも、この冷却水漏れの臭いを通り越してオイルが焼けるような臭いに変化したら、オーバーヒートはさらに悪化しており、より深刻な状態だと言えます。エンジンは深刻なダメージを受けているかもしれません。
ボンネットからの発煙は気化した冷却水が水蒸気となって出ているもので、オーバーヒートを起こしている場合はかなり症状が進んでいます。ただし、この発煙はあくまでも冷却水漏れを示す症状なので、早めに修理すればエンジンのダメージは軽微で済むかもしれません。
オーバーヒートの予防法と対処法

ここからは、オーバーヒートに焦点を絞り、その予防法や万が一オーバーヒートしてしまった場合の対処法を解説します。
オーバーヒートを防ぐために
車のオーバーヒートを防ぐにはどうすればいいのでしょう?定期的なメンテナンスや日常的な点検をごく普通に行い、無理な運転をしなければ防止するのは難しくはありません。
まずは水温計をこまめにチェックしながら運転することが大切です。また、冷却水やエンジンオイルの残量にも注意してください。
いずれも定期的な交換や法定点検を行っていれば経年劣化は防げます。異臭などで漏れていることに気付いたら、放置せずにすぐ修理に出しましょう。
オーバーヒートしてしまったら
もしも走行中にオーバーヒート、もしくはその前兆の症状が見られたら、まずは安全に停車してボンネット内を確認しましょう。内部のラジエーター本体と冷却水、エンジンオイルの状態を中心的にチェックしてください。症状が深刻でなければ、しばらく待ってエンジンが冷えれば運転を再開できることもあります。
しかし、その場所が高速道路だった場合やエンジンが冷めても復旧しないようであれば、ロードサービスに救援を求めましょう。
エンジントラブルのその他の原因

ここからは、バッテリー上がりとオーバーヒート以外で考えられるエンジントラブルの原因について詳しく説明していきます。
エンジン自体の故障
エンジン自体が故障してしまえば、当然エンジンをかけることはできなくなります。エンジンそのものが故障する主な原因としてよくあるのがオイル切れです。エンジンオイルを定期的に交換しないと、トラブルにつながります。前述しましたが、漏れなどの理由で冷却水が不足し、オーバーヒートを起こせばエンジンそのものが壊れるでしょう。
それ以外にも燃料ポンプやスパークプラグの劣化など、様々な原因でエンジンは故障します。
操作ミス
単純な操作ミスなどでエンジンがかからず、トラブルと勘違いするケースもあります。例えば、盗難防止のためのハンドルロック、ギアの入れ間違い、ブレーキの踏み込み不足などでエンジンが稼働しない場合です。これらは、落ち着いて対処すれば簡単に復旧できます。
また、それ以外の要因としてよくあるのが燃料切れ(ガス欠)です。この場合は、何らかの方法で燃料を入手するか、ロードサービスに頼りましょう。
電子キーが故障していることもあるので、その場合は内蔵の非常用キーを使いましょう。
パーツの故障
車は様々なパーツで成り立っているので、どれかが故障してもエンジントラブルを引き起こすことがあります。例えば、ここまででも説明した冷却水を循環させている冷却装置です。また、エンジンに電力を供給するバッテリー、バッテリーに電気を送り込むオルタネーター(発電機)もそうです。
この他にも、車の内部の電気系統に過剰な電流が流れてヒューズが切れれば、やはりエンジンはかからなくなります。
セルモーターにも寿命があるので、こちらが故障しても同じようにエンジンの稼働はできません。
エンジンがかかりにくい場合の対処

では、そうしたトラブルが発生したらどのように対処すればいいのでしょうか?
以下で詳しく解説します。
原因の判別は難しい
エンジンがかかりにくい場合、その原因を自分だけで完璧に突き止めるのは困難です。例えば、表面的にはバッテリー上がりの症状だったとしても、実際にはオルタネーター(発電機)が故障していることがあります。そうなるとバッテリーだけを充電したり、新品に取り換えたとしても、またすぐに不具合が起きるでしょう。
また、オーバーヒートの症状が見られても、先に説明した通りその原因はいくつも考えられます。異音・異臭・白煙があれば冷却水漏れによるものと分かるでしょう。
しかし、このような場合は勝手に判断して対処すると症状が悪化したり、怪我をする恐れもあります。そのため、ロードサービスに救援を依頼したほうがいいでしょう。
ジャンピングスタート
バッテリーの電圧低下によってエンジンがかかりにくい・かからない状態になった場合は、ジャンピングスタートによって復旧させることができます。救援車のバッテリーと自車のバッテリーを専用のケーブルで接続して、電気を分けてもらいましょう。
また、車のエンジン用のモバイルバッテリーである「ジャンプスターター」があれば、救援車なしでも専用ケーブルでバッテリーと接続して充電できます。
ただし、ハイブリッド車やトラックはこの方法は使えないので注意しましょう。
ロードサービス
エンジントラブルへの対処は、ある程度車の扱いに慣れていないと難しく、専門の知識や技術なしに原因の解明や点検・修理を行うのも困難です。そのため、エンジントラブルが起きたらJAFなどのロードサービスに頼るのが賢明です。特に高速道路でエンジントラブルが発生したら、車を安全な場所に停止し、周囲に対する安全確保を済ませて避難しなければなりません。車をチェックする余裕はありませんので、すぐにロードサービスに救援を依頼しましょう。
その他の夏のトラブル

ここからは、猛暑による悪影響やエアコンの不具合、そして窓が閉まらない場合や車内に虫が進入した場合などの対処法について解説します。
暑い日の対策
夏場は温度が上昇しやすいので、車内もすぐに高温になります。特に炎天下で車を放置すればハンドルは触れないほど暑くなりますし、中に人がいれば熱中症などで命に関わる事態になるでしょう。夏にガスライターや炭酸飲料のボトルなどを車内に置いたままにしていた場合、暑さで膨張して破裂することもあります。
夏場に屋外で車を駐車する場合は、暑さ対策を行いましょう。
例えば、サンシェードは日除けになってくれるので、車内の温度が上がるのを抑制してくれます。また、サンシェードは熱を通しにくい厚みのあるもので、日差しを反射しやすいシルバーや白色のものを選びましょう。
他にも、ハンドルが熱くなるのを防止するハンドルカバーや遮熱効果があるカーフィルムを利用するのもいいでしょう。
エアコンで車内を冷やすのもいいですが、多用し過ぎるとバッテリー上がりの原因になるので注意してください。
エアコンの故障と対策
夏に交通渋滞に遭遇した際、エアコンの利きが悪くなることがあります。これはエアコンの構造が原因です。エアコンは走行時にエンジンルームに入る風を利用して車内へ冷気を送り込むので、停車していると車内を冷やせなくなります。そのため、停車時にエアコンの利きが悪くなったと感じても、再び車が動き出せば復旧するので心配いりません。
しかし、車を走行させたのにいつまで経っても車内が満足に冷えないという場合は、何らかの故障が考えられます。
エアコンで多い故障としては、ガス漏れやコンプレッサーの異常、冷却水漏れによる不足などが挙げられます。これらは専門家でないと修理・交換はできないので、速やかに専門店へ依頼するようにしましょう。
また、故障ではありませんが、エバポレーターやフィルターの汚れが原因でエアコンから悪臭がすることがあります。走行に直接悪影響はないものの、臭いで体調を崩す可能性もあるので注意しましょう。
窓が閉まらない
車は稀に窓が閉まらないというトラブルが発生することがあります。夏場は窓が開けっぱなしだとエアコンの冷気が外に逃げてしまい大変なことになるので、速やかに修理工場で点検・修理してもらいましょう。最近の車はパワーウィンドウが一般的です。故障によって閉まらなくなることもありますが、力ずくで動かすこともできるでしょう。しかし、周囲のゴムが固着している可能性があり、レギュレーター(モーター)にも負荷がかかるので、できれば避けるのが賢明です。
旧来のハンドルを手動で回して窓を開閉するタイプでも「窓落ち」という現象があります。サイドウィンドウが下に落ちた状態で上がってこないというものです。また、逆に閉じたままで動かないというトラブルもあります。
窓落ちの原因は、窓そのものが窓受けから外れたかギアが故障したかのいずれかです。手動のハンドルタイプの窓は少なくなったものの皆無ではないので、もしこのようなトラブルに遭遇したら修理工場に相談してください。
車内に虫が入ってきたら
夏場に窓を開けていると虫が車内に進入してくることがありますが、危険のない虫なら捕まえて駆除してもいいでしょう。ただし、人に危害を加えるタイプの虫だった場合は、出ていくのを待ったほうがいいことも多いです。大きな虫や人に危害を加えるタイプの虫が車内に入ると運転に支障が出るので、気付いたら安全な場所に停車し、窓やドアを全開にして出ていくのを待つようにしましょう。
ただし、停車場所が虫の多い場所だと、また新たな虫の進入を許すことになるので、停車場所は慎重に選んでください。ハチやアブなど危険な虫なら、なおさら車から出ていくのを待つのが得策です。
スプレーで追い出す方法も考えられますが、殺虫剤は閉め切った車内では使わず、できれば事前に防虫剤や防虫スプレーを使用して進入そのものを防ぐようにしましょう。
また、虫を駆除するためのスプレーは夏場に車内に置きっぱなしにすると暑さで膨張し破裂することもあります。扱いにはくれぐれも注意してください。
まとめ
- ①夏場のエンジントラブルの原因として、よくあるのがバッテリー上がりとオーバーヒート
- ②季節に関係なく、ハンドルロックなどの操作ミスでエンジンがかからないこともある
- ③エンジンの不調の原因を素人が見極めるのは難しい
- ④バッテリー上がりの場合はジャンピングスタートが有効なこともある
- ⑤夏は暑さでトラブルが多く起こるので、そのための対策を行うこと
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