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更新日:2023.02.28 / 掲載日:2023.02.28

車のエンジンをかけると水の流れる音がする時はどうすればいい?その原因を解説

車の発進時にエンジンをかけると、車の内部から水の流れる音が聞こえることがあります。具体的な音の種類や聞こえ方は様々ですが、そうした音がした場合は車のエンジン稼働に欠かせない冷却水(クーラント液)に異常が起きている可能性があります。

この記事では、車の冷却水の仕組みや車の内部から水音がした場合に考えられる原因、それらへの対処法や費用について解説していきます。

エンジンをかけると水の流れる音がする原因と対処法について

車のエンジンをかけた際に内部から「ジャージャー」あるいは「コポコポ」など、水の流れる音が聞こえることがあります。

以下では、この異音の正体は何なのか、このような症状が起きたらどのようなことに注意するべきかを説明していきます。

水の流れる音の原因は冷却水(クーラント液)

エンジンをかけた時に車の内部から水の流れる音が聞こえたら、その音の正体はほぼ間違いなく冷却水(クーラント液)です。

では、こうした異音が聞こえた場合それは何を意味するのか、内部で何が起きているのか見ていきましょう。

冷却水(クーラント液)とは?

冷却水(クーラント液)は、車の内部を循環してエンジンを冷やす役割を担っています。

車のエンジンは内部でガソリンなどの燃料を燃やして始動するので高温になります。そのままだと熱のためエンジンが破損するため、エンジン周辺で冷却水を循環させて冷やし続けています。

こうすることでエンジンはオーバーヒートに陥るのを防ぎ、本来の機能を発揮し続けられています。

もしこの冷却の仕組みがストップしてしまうと、エンジンは熱で動かなくなり、悪化すれば爆発や炎上などのトラブルを起こすこともあります。

冷却水の仕組み

冷却水は、エンジン周辺の特に高温になりやすい箇所を中心に流れています。ウォータージャケットやウォーターギャラリーなどの通り道を抜けて、エンジン本体の熱を奪った冷却水はラジエーターでその熱を放出し、またエンジン内へと循環されます。

また、冷却水はただの水ではなく専用の薬剤です。不凍・防錆の性質もあるため冬場でも凍結することなく車の内部を循環し、またエンジン内の金属部品の腐食も防いでくれています。

水の流れる音のパターン

車のエンジンをかけた際、内部から水の流れる音が聞こえてくることがあります。聞こえ方は人によって様々ですが、パターンとしては「コポコポ」「ジャバジャバ」「ジャージャー」「ポチャポチャ」といったものがあります。

こうした音は全て冷却水に何らかのトラブルが起きていることを示しており、中でも注意が必要なのは冷却水の漏洩です。

冷却水が漏れるとその部分にだけ空気が入り込み、水の流れる音が聞こえるようになります。

水の流れる音がしたら一番に「冷却水漏れ」に注意

前項で述べた通り、車の内部から水の流れる音がする場合は冷却水が減少して空気が入り込んでいるのが原因です。冷却水が水漏れを起こしていることが考えられ、そのまま放置すれば冷却水が不足してエンジンの温度が適切に保たれなくなる恐れがあります。

冷却水は必ずしもエンジンを冷やすために使われているわけではありません。冷却水がエンジンから奪った熱で、エアコンのヒーターも利かせています。そのため、車内側にあるヒーターコアでも水の流れる音がしたら点検が必要です。

冷却水そのものは補充することができますが、漏れている箇所を修復しないとまた同じ症状が表れるでしょう。確認すべきポイントはラジエーターやウォーターポンプで、ここでひどい水漏れが起きることがあります。

また、水の流れる音と同時に冷却水が熱で蒸発する際の甘い臭いがしたら、確実に冷却水が漏れています。こうした異臭を感じ取ったら、すぐに専門家に点検・修理を依頼するようにしましょう。

冷却水が漏れる原因

冷却水が漏れてしまう原因は、主に3つのことが考えられます。また、冷却水自体の劣化や錆にも注意が必要です。

以下で詳しく見ていきましょう。

原因①ラジエーターの損傷

ラジエーターは、長時間にわたって運転した場合などに、エンジンの温度が上がりすぎるのを防いでくれる部品です。

ラジエーターは基本的にフロントバンパーの内側に設置されており、走行時に受ける風を利用して冷却水を冷やしています。そのため、走行時に前方から障害物や飛び石が当たると、穴が開いて冷却水漏れを起こすことも珍しくありません。

原因②ヒーターホース等の劣化

ヒーターホースは、ゴム製なので決して頑丈にはできておらず、時間が経つと固くなりヒビや亀裂ができて冷却水漏れを起こすことがあります。

同様に、ラジエーターホースの劣化にも注意が必要です。ラジエーターホースもまた冷却水の熱を奪いエンジンをオーバーヒートから守る役割を持っています。しかし、長く使用しているとどうしても経年劣化は避けられません。

原因③ウォーターポンプの寿命

ウォーターポンプは、高温になったエンジンを冷却するために冷却水を循環させる部品です。上述のラジエーターホースなどとともにエンジンをオーバーヒートから守ってくれています。

ウォーターポンプの寿命は、走行距離10万キロか車の製造年から10年というのが一般的です。寿命を迎えると回転する部分にガタがくるため、冷却水漏れを起こして本来の機能を維持できなくなります。

冷却水の劣化と錆にも注意

冷却水は漏洩に注意する必要がありますが、冷却水そのものが劣化して錆を発生させると、中のエアー(空気)が抜けにくくなったり、いわゆるエアーが「かみやすい」状態になったりします。これをそのまま放置しておくとオーバーヒートの原因になるでしょう。

エアーが抜けにくくなったり、かみやすい状態になると、やはりエンジン稼働と同時に水の流れる音が聞こえるようになります。

例えば、エンジンを始動させてだんだん温まってくると、ウォーターラインやヒーターコアにかんでいたエアーにより、サブタンクやラジエーターから音がします。

自分で冷却水の状態を確認する時は、エンジンが冷えているかどうかをきちんと確認してから行いましょう。エンジンがきちんと冷えていないと火傷をする恐れがあります。

そしてラジエーターキャップを外し、ラジエーターを上から覗きます。ラジエーターが少しでも錆で埋まっていたら、ウォーターラインは錆で埋まってしまっていることが考えられます。

また、冷却水自体が赤錆によって焦げ茶色に変色していても同様なので、この場合は専門家によるウォーターラインのオーバーホールが必要です。不安を感じたら、すぐに修理工場に相談するようにしましょう。

放置するとオーバーヒートの原因になる

ここまでで、エンジン始動時に車の内部から水の流れる音がしたら、冷却水が漏れている可能性があることを説明しました。

これを放置すると、オーバーヒートの原因につながります。そのため、ここからはオーバーヒートが起きるとどんなトラブルが発生するのかを見ていきましょう。

オーバーヒートとは?

そもそもオーバーヒートとは、エンジンが発する熱量が冷却装置による冷却機能を上回ってしまった際に起きるトラブルです。

オーバーヒートを起こす原因は、冷却水のトラブルに限らず、以下のような場合も考えられます。

・エンジンオイルが漏れたり不足している
・ウォーターポンプを動かすベルトが緩んでいる
・ラジエータ内の冷却水の循環不良
・サーモスタットの異常

また、運転方法が原因でオーバーヒートを起こすこともあります。例えば、坂道などで長時間低いギアで走行を行った場合や渋滞時などにノロノロ運転を長く続けたりした場合です。気付かずそのまま走行するとエンストを起こし、最悪の場合はエンジンが損傷してしまいます。

オーバーヒートが疑われる場合、まずはボンネットを開けてエンジンルームの風通しを良くしましょう。すぐにエンジンを切ると一気にエンジンが高温になり、油膜切れからエンジンの故障へと発展することもあるので注意しましょう。

オーバーヒートによる様々なトラブル

冷却水の漏洩や不足が生じると、オーバーヒートによって複数のトラブルが起こります。

・エンジンがかかりにくい
・加速が弱くなる
・異臭
・異音
・エンジンから白煙のような水蒸気が出る

このような、はっきりした症状が見られるようになると、既にエンジンは末期状態になっていることも少なくありません。そのまま無理をして走り続けると、エンジンが炎上・爆発し、事故に発展する恐れもあります。

冷却水の点検方法

冷却水が漏れていないか、あるいは不足していないかどうかを確認するためには、以下の3箇所を見てみましょう。

・大まかに車から液体が垂れていないか
・冷却水タンクの確認
・水温計のチェック

以下では、それぞれのやり方を説明します。

車が停止している時にエンジンの真下の地面が赤あるいは緑の液体で汚れていたら、冷却水の漏洩が疑われます。地面にまで染みができている場合は相当量が漏れていると思われるので、ボンネットを開けてチェックしましょう。

次に、目視で冷却水タンクを確認します。確認するのはエンジンルームのリザーバータンクです。このタンクは半透明で、内部の冷却水の量が「MAX/MIN」の目盛りの間にあれば適量です。

水温計をチェックする場合は、エンジンをかけて10分程経ったら水温計の針が上がってくるので、この針の位置をチェックしましょう。針の位置が「C(クール)」と「H(ヒート)」の間にあれば正常です。

冷却水を交換する方法

冷却水を交換する場合は、車の下に入り込んでラジエーターから冷却水を抜かなければなりません。この作業には危険が伴うのに加え、車種によっては冷却水を完全には抜けないこともあるので、無理な場合は整備工場やディーラーに依頼してください。

自分で交換作業を行う場合の手順は以下の通りです。

1.火傷をしないようにエンジンが冷えていることを確認する
2.後車の前方下部に体をもぐり込ませ、ラジエーター下部のドレンコック(ドレンボルト)を緩める
3.冷却水が排出されるので、準備した容器で受け止める
4.冷却水の排出が完了したら、外していたドレンコックを装着して排液口をふさぐ
5.準備しておいた新しい冷却水を、ラジエーターキャップからあふれないように少しずつ注ぎ入れる
6.キャップを開いたままでエンジンをかけ、エア抜きを行う
7.開いておいたラジエーターキャップから気泡が出てくる
8.エンジンが温まった状態で、この気泡が出なくなったらキャップを締める

これで交換作業は終わりです。

冷却水を完全に全量交換するには?

前項で冷却水の交換方法を説明しましたが、この方法だと古い冷却水を全て抜くのは難しいです。そのため、完全に全量交換する場合は、新しい冷却水を注入する前に水を入れて循環させ、内部を洗い流さなければなりません。

新しい冷却水を入れる前に、水道水でいいのでラジエーター内部を水で満たしましょう。そしてエンジンをかけてラジエーターとエンジン内を循環させて排出すれば古い冷却水はほとんどなくなるので、これを1~2回行ってください。

冷却水を補充するには?

古い冷却水を抜かずに補充するだけであれば、エンジンが冷えている状態でリザーバータンクの上部のキャップを開けましょう。そこから、新しい冷却水を「MAX」と「MIN」の間まで入れてキャップを閉めてください。

補充方法そのものは簡単ですが、新しい冷却水を準備する際は購入時に注意すべきことがあります。それは、冷却水には希釈されていない原液タイプのものと既に希釈されているストレートタイプの2種類があるということです。

原液タイプの場合、ユーザーは自分で希釈して使わなければなりませんが、希釈割合によって凍結温度を調整できるという利点があります。寒冷地など、車を使う地域に適している凍結温度になるよう調整しましょう。

一方ストレートタイプの場合、凍結温度がマイナス30度くらいに調整してあるので、ほとんどの地域でそのまま使えるでしょう。

補足:冷却水の種類に注意!

前項では冷却水に原液タイプとストレートタイプの2種類があることを説明しましたが、これ以外にも冷却水には交換時期により異なった種類があるので注意が必要です。それら複数のタイプの組み合わせの中から、合ったものを選んで購入しましょう。

まず注意すべきなのは、冷却水の交換時期の違いです。赤あるいは緑色のものは2年に一度、青あるいはピンクのものは7~10年に一度が交換時期の目安となっています。このように着色されているのは、冷却水漏れが起きた場合に発見しやすいからでもあります。

冷却水を完全に交換するのであれば、新旧冷却水の交換時期は異なっても問題ありません。一方補充する場合は、できれば古い冷却水と同じ色(交換時期)のものを使うことをおすすめします。

違う色のものが混ざると褐色に変色するので、注意が必要です。色のことを気にしないのであれば、赤あるいは緑色の冷却水に青あるいはピンクの冷却水を加えるのは問題ありません。しかし、逆にすると故障の原因になるのでやめましょう。

エア抜きをする場合

冷却水の交換方法の中でも少し説明しましたが、冷却水を交換したら必ずエア抜きの作業を行わなければなりません。この作業が不十分なままだと、内部に空気が入り込んでエンジン稼働時に水の流れる音がしてしまいます。

エア抜きは、ほとんどの場合ラジエーターのキャップを外して行うことになりますが、最近は車の内部のリザーブタンクが密閉式になっているものもあります。この場合は、リザーブタンクのキャップを外して作業を行いましょう。

エア抜きの手順は先述した通りですが、以下のような流れになります。

1.ラジエーターキャップを外してエンジンをかけたらそのまま温度を上げていきます。
2.ラジエーターから気泡が出てくるので、それがなくなるまで待ちましょう。
3.細かい気泡が出てきて、いつまでも消えないこともありますが、この程度ならいずれ自然に消えるので問題ありません。
4.ラジエーターキャップをはめて元に戻し、溢れた冷却水を取り除いて作業は完了です。

冷却水関係の修理にかかる費用

冷却水関係の修理にかかる費用は、冷却水をただ交換するだけであれば1リットルあたり千円程度とさほど高額にはなりません。

ただし、水漏れの修理・交換を行うとなると工賃や部品代がかかるでしょう。例えば、ラジエーターは本体に穴が開いていたり、ホースが劣化・損傷したりしていて部品交換が必要になると、車種によって変わりますが3万~10万円程度かかります。

修理・交換する部品などによってこの金額が大きく変わってくるので、注意が必要です。

まとめ

  • ①エンジンをかけた時に水の流れる音がする場合、冷却水(クーラント液)に異常が起きている可能性がある
  • ②冷却水には、循環することでエンジンを冷やしてオーバーヒートを防ぐ役割がある
  • ③車の内部の冷却水の異常を放置すると、オーバーヒートを起こすこともある
  • ④水の流れる音がしたらまず最初に「冷却水漏れ」に注意する
  • ⑤冷却水自体の劣化や、車の内部の錆にも注意が必要
  • ⑥冷却水は交換する方法だけでなく補充することもできる
  • ⑦補充する場合は冷却水の種類に注意する
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