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更新日:2024.04.05 / 掲載日:2024.03.19
【2024年版】トヨタ ヤリスVSトヨタ パッソを徹底比較
近年、コンパクトカーの人気が高まっています。低燃費で月々のガソリン代をおさえられたり小さいながら室内空間が充実したりとメリットが豊富なことから、コンパクトカーを選択する人が増えています。
しかし、各メーカーから様々なコンパクトカーが出ていることから「どの車種を選べばいいかわからない」と悩む方もいるでしょう。
今回は様々な車種の中から特に人気のトヨタのヤリスとパッソを比較します。価格や燃費、広さなどを紹介するため、自分に適した車選びにお役立て下さい。

トヨタ ヤリスのプロフィール

ヤリスは日本国内で長く愛されていたヴィッツ(Vitz)の名称が変更された車種です。ヴィッツは日本国内限定での呼び方で、海外では長年ヤリス(YARIS)という名称で販売していました。
しかし、2020年のフルモデルチェンジに伴い、世界での車種名をヤリスに統一。日本国内でもヤリスの名前で少しずつ浸透し、町中で様々なカラーのヤリスを見かける機会が増えました。
なお、ヤリスは美の女神である「Charis」が由来です。気品あふれるボディデザインと最新システムやニーズに応えるグレードのバリエーションが多くのユーザーを獲得しています。
先代モデルとの比較
ヤリスは国内で「ヴィッツ」の名称で親しまれており、2020年からヤリスに名称が変更されています。そのため、ここでは初代ヴィッツから現在のヤリスに至るまでの歴史を振り返ります。
初代ヴィッツは1999年から2005年まで販売された車で、大人4人が乗っても快適に過ごせる室内空間を目指したコンパクトカーでした。ヴィッツ自体は「スターレット」という車の後継者にあたります。
初代はプラットフォームやエンジン、サスペンションなど多くの箇所を新設計して開発され、時代のニーズに合わせたデザインと性能は多くのユーザーを獲得しました。
2代目ヴィッツは2005年から2010年まで販売されたモデルです。初代のボディデザインを残しつつも、性能面で大きな変化が見られます。
近年注目が高まる安全性能の重視、新開発のプラットフォームによる広い室内空間、高い環境性能などニーズと社会が抱える課題に向き合っています。また、この2代目から海外でヤリスとして販売がスタートします。
3代目ヴィッツは2010年から2020年まで販売されたモデルです。このモデルがヴィッツとして最後になります。
3代目ではボディデザインがスタイリッシュになり、インテリアの上質さが光ります。ボディーカラーは17色と豊富な選択肢があり、年齢を問わず自分に適した1台を見つけやすいでしょう。
また、アイドリングストップ機能を充実させ、環境への配慮も見られます。さらに、空力特性の向上から空気抵抗を減らしスムーズな走りも実現しています。
そして、2020年からはヤリスに名称を統一して販売開始。低燃費かつ安全装備を充実させた次世代のコンパクトカーとして、免許をとったばかりの方から年配の方まで幅広い層を獲得しています。
トヨタのコンパクトカーとして初めて、E-Fourを搭載した点も見逃せません。最新のToyota Safety Senseを搭載したりスマートフォンと連携できるディスプレイオーディオを搭載したりと求められる要素をふんだんに盛り込んだ1台です。
長く安心して乗れる車といえるでしょう。
トヨタ パッソのプロフィール

パッソはトヨタの子会社であるダイハツ工業が開発・生産する車種です。2004年から販売開始され、2023年秋に生産終了した長い歴史を持つ車と言えます。
丸みを帯びたデザインは女性からの人気が高く「可愛らしい車」として知られています。5ナンバーで5人乗りの車ではあるものの、取り回しが良く運転に自身がない方でも安心して乗れる特徴があります。
また、十分な機能を持ちながらも乗り出し価格が安いという点もおすすめのポイントです。
現在は新車での扱いがないため中古車市場で探すことになりますが、需要が高く流通量が多いので自分に適した1台を選びやすいでしょう。
先代モデルとの比較
ここではパッソの歴史を振り返ります。
パッソは2004年から2010年まで販売されたものが初代にあたります。初代から室内空間が広々としており、価格も100万円以下で購入できたことから人気の高さが目立ちました。
ダイハツ工業の強みであるスモールカーの生産技術とトヨタが世界に誇る販売力を集結させ、予想を上回る台数を世に送り出します。販売開始後にはレーシーなグレードも用意され、スポーツカーを彷彿させる専用エクステリアが人気を博しました。
2代目は2010年から2016年まで販売されたモデルを指します。女性目線での開発が特徴的で、実際の開発には女性スタッフが多く参加しています。
デザインの柔らかさはもちろんインテリアにおいても子育て世代や女性が「あったらいいな」と思える細かな工夫が見られます。具体的には視界の広さや使い勝手の良い収納スペースが挙げられます。また、走行性にもこだわり、3気筒と4気筒の2種類がラインナップされています。
先代のレーシーはグレードから外れたものの、女性人気が高い「+Hana(プラスハナ」「Yururi(ユルリ)」などが追加され、可愛らしさとオシャレさが多くのユーザーの心を掴みました。
3代目パッソは2016年から2023年まで販売されたモデルです。6年ぶりのフルモデルチェンジでは開発から生産までを一貫してダイハツ工業が担当しています。
エンジンは1Lの3気筒エンジンのみになり、足回りの強化やボディの軽量化が見られます。また、ダイハツ工業独自の安全対策として「スマートアシストII」が搭載されています。
なお、パッソは2023年に生産が終了されたため、3代目が最後のモデルです。これからパッソの購入を検討する場合は、中古車市場で探しましょう。
グレードと価格の比較
ここでは、ヤリスとパッソのグレードごとに価格を比較します。
ヤリスのグレード (ハイブリッド車) | メーカー希望小売価格 |
---|---|
Z(1.5L・2WD) | 2,350,000円(税込) |
G( 1.5L・2WD) | 2,145,000円(税込) |
X( 1.5L・2WD) | 2,013,000円(税込) |
ヤリスのグレード (ガソリン車) | メーカー希望小売価格 |
---|---|
Z(1.5L・CVT・2WD) | 2,008,000円(税込) |
Z(1.5L・6MT・2WD) | 1,904,000円(税込) |
G(1.5L・CVT・2WD) | 1,799,000円(税込) |
G(1.5L・6MT・2WD) | 1,723,000円(税込) |
G(1.0L・CVT・2WD) | 1,645,000円(税込) |
X(1.5L・CVT・2WD) | 1,624,000円(税込) |
X(1.5L・6MT・2WD) | 1,548,000円(税込) |
X(1.0L・CVT・2WD) | 1,470,000円(税込) |
パッソのグレード (ガソリン車) | メーカー希望小売価格(新車時) |
---|---|
X(1.0L・2WD) | 1,275,000円(税込) |
XLパッケージ(1.0L・2WD) | 1,385,000円(税込) |
X(1.0L・4WD) | 1,451,000円(税込) |
XLパッケージ(1.0L・4WD) | 1,561,000円(税込) |
MODA(1.0L・2WD) | 1,572,000円(税込) |
MODA G(1.0L・2WD) | 1,737,000円(税込) |
MODA(1.0L・4WD) | 1,748,000円(税込) |
MODA G(1.0L・4WD) | 1,913,000円(税込) |
ヤリスはハイブリッド車とガソリン車、また排気量の選択肢があります。ランニングコストを抑えたい場合はハイブリッド車の扱いがあるヤリスがおすすめです。
パッソはガソリン車のみですが、車体価格は低めに抑えられています。
外観とボディサイズの比較

ここでは、ヤリスとパッソのボディサイズを比較します。両車種のサイズは下記の通りです。
ヤリス | 全長3,940mm×全幅1,695mm×全高1,500〜1,515mm |
---|---|
パッソ | 全長3,650〜3,680mm×全幅1,665mm ×全高1,525mm |
ボディサイズにおいてはヤリスの方がやや大きめに作られています。
なお、取り回しの良さとしては最小回転半径がヤリスは4.8〜5.1m、パッソは4.6mとややパッソの方が優勢です。小回りがきく車をお求めの場合はパッソが適しているでしょう。
車を購入する際に気になるポイントとして、駐車場との兼ね合いがあります。高さがある車は駐車場が限られますが、ヤリスもパッソも高さや幅はほとんどの駐車場で問題なく停められるでしょう。
ただし、稀に機械式駐車場で高さ制限を1.55mと設けている場所が見られます。その場合は、駐車を控えた方が良いでしょう。旅先で駐車場を探す場合は注意が必要です。
室内の広さを比較

ここでは、ヤリスとパッソの室内空間を比較します。具体的なサイズは下記の通りです。
ヤリス | 室内長1,845mm×室内幅1,430mm×室内高1,190mm |
---|---|
パッソ | 室内長1,975mm×室内幅1,420mm×室内高1,270mm |
室内長と高さはパッソが広く取られており、幅では若干ヤリスが広くなっています。パッソの方が高さがあるため、空間を広く感じられるでしょう。
燃費性能の比較
ここでは、ランニングコストを重視する方向けに、ヤリスとパッソの燃費を紹介します。各グレードの燃費(国土交通量審査値)は下記の通りです。
ヤリスのグレード (ハイブリッド車) | WLTCモード | 市街地モード | 郊外モード | 高速道路モード |
---|---|---|---|---|
Z(2WD) | 35.4km/L | 35.5km/L | 38.8km/L | 33.6km/L |
Z(4WD) | 30.2km/L | 31.5km/L | 33.2km/L | 28.0km/L |
G(2WD) | 35.8km/L | 36.9km/L | 39.8km/L | 33.5km/L |
G(4WD) | 30.2km/L | 31.5km/L | 33.2km/L | 28.0km/L |
X(2WD) | 36.0km/L | 37.5km/L | 40.2km/L | 33.4km/L |
X(4WD) | 30.2km/L | 31.5km/L | 33.2km/L | 28.0km/L |
ヤリスのグレード (ガソリン車) | WLTCモード | 市街地モード | 郊外モード | 高速道路モード |
---|---|---|---|---|
Z(1.5L・CVT・2WD) X(1.5L・CVT・2WD) | 21.6km/L | 16.1km/L | 22.9km/L | 24.3km/L |
Z(1.5L・CVT・4WD) X(1.5L・CVT・4WD) | 19.2km/L | 14.5km/L | 20.0km/L | 21.6km/L |
G(1.5L・CVT・2WD) | 21.4km/L | 15.7km/L | 22.6km/L | 24.1km/L |
G(1.5L・CVT・4WD) | 19.2km/L | 14.5km/L | 20.0km/L | 21.6km/L |
G(1.0L・CVT・2WD) X(1.0L・CVT・2WD) | 20.2km/L | 15.3km/L | 21.8km/L | 22.4km/L |
Z(1.5L・6MT・2WD) G(1.5L・6MT・2WD) X(1.5L・6MT・2WD) | 19.6km/L | 14.7km/L | 20.3km/L | 22.3km/L |
パッソのグレード (ガソリン車) | WLTCモード | 市街地モード | 郊外モード | 高速道路モード |
---|---|---|---|---|
X(2WD) XS(2WD) XL package・S(2WD) XG package(2WD) MODA(2WD) MODA Gpackage(2WD) | 21.0km/L | 17.4km/L | 22.6km/L | 22.6km/L |
X(4WD) XS(4WD) XL package・S(4WD) XG package(4WD) MODA(4WD) MODA Gpackage(4WD) | 19.0km/L | 15.7km/L | 20.4km/L | 20.5km/L |
ヤリスはハイブリッド車の扱いがあるため燃費性能が高いでしょう。しかし、ガソリン車においてはパッソの方が燃費が良い傾向にあります。
ランニングコストを重視する場合はハイブリッド車のヤリスを選択、乗り出し価格を抑えながらも燃費が気になる場合はパッソがおすすめです。
動力性能の比較
こちらでは、ヤリスとパッソの動力性能を見ていきましょう。両車種のスペックは下記の通りです。
ヤリスのグレード | エンジン種類 | 総排気量 | 最大出力 |
---|---|---|---|
ハイブリッド車全グレード | 直列3気筒 | 1.490L | 67kW(91PS)/5,500r.p.m |
ガソリン車1.5L | 直列3気筒 | 1.490L | 88kW(120PS)/6,600r.p.m |
ガソリン車1.0L | 直列3気筒 | 0.996L | 51kW(69PS)/6,000r.p.m |
パッソのグレード | エンジン種類 | 総排気量 | 最大出力 |
---|---|---|---|
ガソリン車全グレード | 直列3気筒 | 0.996L | 51kW(69PS)/6,000r.p.m |
ヤリスは3つの排気量を用意しているため、高い走行性能を求める場合は1.5Lがおすすめです。
タイヤサイズの比較
ここではヤリスとパッソのタイヤサイズを比較します。具体的なサイズは下記の通りです。
ヤリス | 175/70R14、185/60R15(Z全グレード、UXGのハイブリッド4WD車) |
---|---|
パッソ | 165/65R14 |
基本的なタイヤサイズは同じものの、ヤリスでは15インチのタイヤも含まれています。
安全装備の比較

ヤリスは全車にトヨタ独自の安全運転支援システムである「Toyota Safety Sense」を搭載しています。「ぶつからない」「はみ出さない」「ついていく」など、ドライバーの運転における疲労を軽減するサポートが備わっています。
また、駐車を支援するトヨタチームメイトのアドバンストパークも一部搭載があります。
パッソはダイハツ工業のシステムである「スマートアシストII」を一部グレードに搭載しており、車両や歩行者との衝突を予防できたり被害を軽減できる機能が備わっています。
また、全グレードにはEBD(電子制動力配分制御)付ABS&ブレーキアシストやハンドル操作やアクセル操作を支援する機能が備わっています。
ラゲッジスペースの比較

ここでは、ヤリスとパッソのラゲッジスペースを比較します。具体的なサイズは下記の通りです。
ヤリス | 奥行630mm×幅1,153mm×高さ831mm 荷室容量:約270L |
---|---|
パッソ | 奥行約505mm×幅約1,230mm×高さ約780mm 荷室容量:約670L(後部座席を収納した場合) |
ラゲッジスペースの寸法では大きな差がないといえるでしょう。
おすすめグレードの選び方
ここからは、ヤリスとパッソのおすすめグレードを紹介します。
今回は「価格」「走り」「装備」3つの観点からからおすすめしたいグレードを解説します。自分が車選びにおいて重視するものを意識しましょう。
価格重視
価格重視で車選びを行いた場合、下記のグレードがおすすめです。
・ヤリス
X(1.0L・CVT・2WD):1,470,000円(税込)
・パッソ
X(1.0L・2WD):1,275,000円(税込)
いずれもガソリン車かつ1.0Lの排気量モデルです。
ただし、パッソにおいては現在中古車市場のみでの取り扱いのため、より価格を抑えられるでしょう。中古車市場での価格は年式や走行距離、修復歴等で異なるため様々な中古車販売店を確認してみましょう。
走り重視
ヤリスを走り重視で選ぶならハイブリッド車の「X」グレードがおすすめです。シンプルな装備かつ燃費性能が、2WDでは36.0km/Lと脅威の低燃費を誇ります。軽快かつコストパフォーマンスが高い車をお求めの方におすすめです。
パッソでは「XS」がおすすめです。標準モデルであるXグレードにスマートアシストが搭載されており、快適な運転をサポート可能です。動力自体は全グレードに変わりがありませんが、安全性能において各グレードで差別化が図られています。
装備重視
装備重視で選ぶなら、ヤリスは最上位グレードの「Z」がおすすめです。3灯式LEDヘッドランプやリアランプが標準で装備されているため、視認性とデザイン性が高いでしょう。
また、タイヤサイズの選択肢が広がったりステアリングが本革となったり細部にも差別化が見られます。
パッソの場合は「MODA“G package”」がおすすめです。下記のエクステリアが他のグレードと差別化されています。
- フロントグリル(サテン調メッキと艶有りブラック塗装)
- フロントバンパー
- LEDフロントフォグランプ
- フロントフォグランプベゼル(シルバー塗装有)
また、センターオーナメント付のホイールからも特別感があります。
※本記事は、2024年2月時点の情報になります。現在の相場価格と異なる可能性がございます。