中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.20 / 掲載日:2013.02.15
スズキ スイフト RS (2012年11月~) 中古車購入チェックポイント
スズキ スイフト RS (2012年11月~) 中古車購入チェックポイント
DBA-ZC72S
参考車両:「RS」CVTFF
初年度登録2012年12月
追加装備:<メーカーオプション>有料色スノーホワイトパール、ディスチャージヘッドランプ、AM/FMラジオ付CDプレーヤー <ディラーオプション>ETC、フロアマット (2012年12月)
■全体のチェックポイント
「RS」は、特別仕様の“少しスポーティ”な足まわりがチェックどころ。エアロパーツの状態も確認したい。とはいえ、基本的な部分にダメージがないかしっかりチェックすることを忘れてはいけない。走りに関わる部分の整備状態も必ず確認しよう。
エアロスタイルだけでなく車体の重要な部分も
「RS」は、エアロパーツを装着している外装が気になるところ。しかし、もっと大事な車体の骨格部分に大きなダメージがないか見落とさないように。
1.車体のバランスをチェック
1.車体のバランスをチェック
正面からは、バンパー、ボンネット、ヘッドライト、フェンダーなどを見て、どこかにずれや歪みなどがないかチェック。細部では、「RS」のバンパー左右下部に付けているフロントスパッツの角や下側に損傷がないかもチェック。
2.後部のチェックポイント
2.後部のチェックポイント
後面も、バンパー、テールゲート、コンビネーションランプ、フェンダーなどのバランスを見る。「RS」は、ルーフスポイラーやリアアンダースポイラーもチェックポイント。
3.周辺も調べて判断する
ドアは、外して修理することがあり、交換してしまうことも多いので、ドアヒンジ部のネジをチェック。立て付け調整でネジを回すことがあるので、ドア自体のほか、ドアキャッチ(ロックの受け金具)、ピラー(柱)、サイドシル(梁)など、関連部品や周辺の状態も詳しく調べる必要がある。
4.縁と奥を覗いてみる
4.縁と奥を覗いてみる
フェンダーは、膨らんでいるホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)に損傷や修理跡などがないかチェック。フェンダーに歪みがないかチェック。パネルを内側に折り込んでいる縁の部分やタイヤハウス内の状態もチェック。
5.下側に要チェックポイント
5.下側に要チェックポイント
「RS」は、側面下部にサイドアンダースポイラーを装備。傷や破損、修理した形跡などがないかチェック。交換していないか注意して、取り付け状態もチェック。 重要なのは、サイドアンダースポイラーを被せているサイドシル(車体の梁)のほうだ。損傷、腐食(錆)、修理跡がないか、床下側を覗いてチェック。ステップ部(サイドシルの上側)周辺も調べよう。
6.開口部の修理跡に注意
「スイフト」のテールゲートは少し奥まっているので損傷を受けにくくなっているが、テールゲートの開閉具合をチェックし、テールゲートの内側も見る。ヒンジやヒンジ固定部なども歪みや修理跡がないかチェック。 開口部のパネル接合部に修理/交換の形跡がある車両には要注意。
7.車体の内側を調べる
7.車体の内側を調べる
ボンネットを開けて、左右フェンダー側や室内側のパネル、フレーム、メンバー(補強部材)など、エンジンルーム内側の鉄板をチェック。車体部に強い衝撃を受けると影響が及びやすい、最前部にあるラジエターサポートも、歪み、損傷、修理/交換跡などがないか必ずチェックする。
8.取り付け状態を確かめる
8.取り付け状態を確かめる
フロントフェンダーは、エンジンルーム側に腐食や修理跡などがないかチェック。固定ネジを回した形跡がないかもチェック。
9.修理/交換個所を確認
9.修理/交換個所を確認
たとえ修復歴に該当しなくても、事故などで修理/交換している部分がないか販売店に聞いてみよう。
欧州仕様の足まわりもきちんと機能しているか
欧州仕様のチューニングを施した足まわりが「RS」の魅力。2012年11月発売モデルからCVT車は7速マニュアルモード付パドルシフトも採用している。可能なら試乗して、走行機能の状態をチェックしたい。
1.エンジンをかけてみる
点検整備記録と突き合わせてエンジン周辺をチェック。オイル漏れにも注意。少なくとも日常点検項目くらいは見ておいて、詳しい整備状況などは販売店スタッフに聞いて確認する。 エンジンをかけて、スムーズに始動するか、アイドリング回転は安定しているか、異音が出てないかチェック。白煙や黒煙など排気ガスの色にも注意。
2.特別装備の足まわりを慎重にチェック
2.特別装備の足まわりを慎重にチェック
「RS」には、欧州仕様のダンパーやタイヤ、パワーステアリングコントローラーが組み込まれており、2WD車は4WD車と同様のリアディスクブレーキを装備している。ダンパーは、オイル漏れやへたりがないかチェック。試乗して、サスペンションの機能とステアリングの感触をチェック。ブレーキの効き具合もチェックしたい。
3.下まわりも覗いてみる
3.下まわりも覗いてみる
床下のパネルやマフラーなど部品類に傷、曲がり、破損、修理/交換の形跡などがないかチェック。オイル漏れや水漏れ、樹脂やゴム部品の破損などにも注意しよう。
4.走行機構の状態を確認
できれば試乗して、CVTの無段変速の具合をチェック。パドルシフトも、走行時の操作と動作をチェック。クルーズコントロールも異常がないか確かめたい。
5.販売店で整備してもらう
異常や不具合を判断するのは難しい。販売店できちんと点検・整備して納車してもらうようにしよう。
6.ホイールのチェック
16インチアルミホイールは、傷や破損などがないかチェック。リム(タイヤと接している縁の部分)に傷や曲がりがないか。ホイールに歪み(変形)がないかチェック。
7.タイヤの摩耗状態に注意
タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷やひび割れなどがないかチェック。接地面の一部だけが減る偏摩耗を起こしていれば、車体やサスペンションなどに異常があることも考えられるので要注意。
室内を調べると同時に装備機器の作動も確認
運転席に座ってシートポジションを調整。装備機器類もスイッチON・OFFだけでなく、調整操作して機能をチェックする。
1.隅まで細かくチェック
1.隅まで細かくチェック
室内は、汚れ、傷、破損などがないか。前席だけでなく後席周辺も、床や天井なども含めて念入りにチェック。ボックスやポケットは、内部も見る。ラゲッジスペースのサブトランクの状態も見てみよう。
2.操作して機能をチェック
ヘッドライトの点灯、ウインカーの点滅、ドアロック、パワーウインドウ、室内ランプ、エアコンなど、基本的な装置や装備機器のほか、オプションのAM/FMラジオ付CDプレーヤーなども。実際に操作して、正常に機能するか確認。
3.細部は販売店で点検
とりあえずわかるところだけでもチェックし、どこかに不具合がないかは販売店で調べてもらおう。
■最初に車両の情報を確認する
販売店で中古車両の現物を見る際は「年式・仕様・グレード」を確認。標準装備以外に、メーカーオプション(新車時の注文装備)や後から加えた装備などが付いていないか確認。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●隣接しているパネルの隙間が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか、修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの微妙な狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども確認できる。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っている部分やザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡があれば、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●隣接しているパネルの色艶も比べてみる。修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがある。●ドアの開口部などにマスキングした(塗装する部分の周囲にスプレー飛沫がかからないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような“直線状の段差”があれば、マスキング跡。なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内は、新車時から外装色とは異なっていることがある。スペアタイヤ収納部は、車種によっては塗装の飛沫が付着して色むらになっているように見える場合もあるので、新車時の塗装か、新しく塗装したのか判断する必要がある。
「ネジ」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体まわりの部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ネジの頭が塗装されていれば比較的容易に確認できるが、無塗装ネジの場合は判断しにくいので、関連部のネジや車体左右の同じ部分のネジと見比べる。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ヒンジ部のネジを見る。同時に、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部に修理跡などがないか見る。
「溶接とシーラー」を見る
●車体部品を交換する場合は、溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(鉄板接合部にある丸い窪み)を修理工場で打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●鉄板の接合部などに塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理/交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、盛り上がっていたり、窪んでいたり、横方向にヒダがあるなど、パネルの接合状態やシーラーを塗布する方法によって形状が違っている。不自然に見える部分があれば、車体の左右同じ場所を比べてみる。
■今回の車両のプロフィール
●フルモデルチェンジを2010年9月にした「スイフト」。車体骨格の構造を変更し、新1.2Lエンジンを搭載。副変速機構付CVT、シフトアシスト機構を追加した5速MTを採用。グレードは、スタンダードな「XG」、上級「XL」、最上級「XS」の3タイプを設定。2011年9月には、XLとXSに「アイドリングストップ」搭載車を追加した。●「RS」は、2011年11月に発売した特別仕様車。XG をベースに、欧州仕様と同様のダンパーやタイヤ、パワーステアリングコントローラーを採用。外装に、フロントスパッツ(バンパースポイラー)、リア/サイドアンダースポイラー、ルーフスポイラーを装着。内装には、シルバーステッチ入りの本革巻きステアリングホイールやファブリックシート表皮を採用。ハロゲンフォグランプやLED サイドターンランプ付ドアミラー、16インチアルミホイールなども装備している。●2012年11月に「RS」は一部仕様を変更。クルーズコントロールや単眼大型ストップランプ内蔵リアコンビネーションランプを装備。CVT 車は7 速マニュアルモード付パドルシフト、2WD車はリアディスクブレーキ(4WD 車は標準装備)を採用している。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
RS | DBA-ZC72S | 5MT | FF |
DBA-ZC72S | CVT-7M | FF | |
DBA-ZD72S | CVT-7M | 4WD |