中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.25 / 掲載日:2013.10.04
ホンダ モビリオ スパイク(2005年12月~2008年6月) 中古車購入チェックポイント
ホンダ モビリオ スパイク (2005年12月~2008年6月) 中古車購入チェックポイント
DBA-GX1
参考車両:AU
初年度登録:2007年6月
追加装備:アルミホイール、DVD ビデオ・ナビゲーション内蔵DVD/CD 7.0 AV システム (2007年6月)
全体のチェックポイント
広い室内空間を備えて「クルマで遊ぶ」ことを狙った背高コンパクトカー。内外装をチェックしながら車両がどのように使われていたか探ってみよう。参考車両は、修復歴車ではないが、傷や修理跡がある“格安車両”だ。どこにどの程度のダメージを受けているか把握したい。
外装の状態と同時に修理や交換の形跡を探る
価格が安い中古車には、理由がある。外装だけでなく、骨格部もチェック。修復歴でなくても、修理や交換している個所がないか販売店に聞いてみよう。
1.車体のバランスをチェック
1.車体のバランスをチェック
前面は、バンパー、ボンネット、ヘッドライト、フェンダーなどにずれや歪みなどがないか見る。細部では、バンパーの角や下側に損傷がないか。ボンネットやフロントガラスの飛び石傷がないか調べる。
2.前部の要チェックポイント
2.前部の要チェックポイント
エンジンルームの最前部で車体の左右に繋がっている「ラジエターサポート」は、車体前部に大きな衝撃を受けるとダメージが及びやすい。修正跡、修理や交換した形跡(修復歴)がないか見てみよう。
3.縁と奥も覗いてチェック
3.縁と奥も覗いてチェック
フェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)に傷や凹み、修理跡がないか。フェンダーに歪みがないかチェック。パネルを内側に折り込んでいる縁の部分やタイヤハウス内の状態もチェック。内側に設置しているライナー(泥よけカバー)に異常がないか見る。下側に付いているマッドガードの破損にも注意しよう。
4.車体内側の様子も探る
4.車体内側の様子も探る
フロントフェンダーは、エンジンルーム側も、錆や修理跡がないかチェック。ネジやブラケット(支え金具)を調べて、取り付け状態を確認。車体内側のフレームなどに歪みや修理/交換跡がないか見る。
5.ドアと同時に周辺を見る
ドアに損傷を負うと、外して修理したり、交換することもあるので、ネジやヒンジの状態をチェック。同時に、ピラー(柱)やサイドシル(車体の梁)なども損傷や修理跡がないか調べる。
6.開閉具合もチェックする
スライドドアは、損傷がないかチェックし、ヒンジやレール(溝金具)の状態も見る。スムーズに開閉できるか必ず試してみる。スライドの動きが悪い場合は、販売店で点検してもらい、きちんと調整・修理してもらえるか聞いてみよう。
7.側部の要チェックポイント
必ず調べたいのがサイドシル(車体下部にある梁)の状態。損傷や腐食(錆)、修理跡などがないか。床下側やステップ部(サイドシルの上側)も慎重にチェック。交換した形跡がある車両には要注意。
8.後部のチェック
前部と同様に、車体パーツ各部の立て付けをチェックし、損傷や修理跡がないかチェック。テールゲートは、開閉の具合も調べよう。
9.開口部も慎重にチェック
9.開口部も慎重にチェック
テールゲートを開けると、開口部にパネルの接合部があるのが見える。溶接、シーラー、塗装などの状態に注意しながら修理や交換した形跡がないか調べよう。
10.取り付け状態もチェック
10.取り付け状態もチェック
テールゲートは、内側やヒンジも見る。この車両は、ヒンジと固定部に溶接跡があるので、車体側のダメージに注意する必要がある。
使い方や扱い方にも注意しながら細かくチェック
室内は、念入りにチェックし、装備機器類も正常に機能するか確認。修理や交換が必要だと余分な出費がかかるので、細部まで慎重にチェックしよう。
1.装備機器類の作動を確認
1.装備機器類の作動を確認
ヘッドライトやウインカー、ブレーキランプなど保安装置。ドアロックやパワーウインドウ、室内ランプなど、基本的な機器類の作動状態をチェック。エアコンは、特に冷房の効き具合に注意しよう。
この車両には、すでに生産を終了した社外品のDVD ナビ&AVが付いている。ナビ画面が暗すぎないかチェック。地図データの作成時期も確認。AVも、ちゃんと機能しているか確かめたい。
2.隅まで細かく調べる
2.隅まで細かく調べる
室内は、汚れ、傷、破損などがないか。前席周辺だけでなく、後席や荷室も、床や天井なども含めて丹念にチェック。ボックスやポケットなどは、内部の状態も見る。
3.可動部分もチェック
3.可動部分もチェック
ボックスの蓋やエアコンルーバーなどは、可動部の破損にも注意。ドリンクホルダーも、ツメなどが壊れていないか調べよう。
4.便利装備の状態にも注目
「モビリオ スパイク」は、ウルトラカーゴが売り。シートアレンジを試しながらシートの動きを調べる。クォーターボックスやカーゴサイドポケットは、蓋を開けてみる。荷室のスペアタイヤリッドも、開閉具合をチェックし、中の様子を見る。
★販売店で点検してもらう
とりあえずわかるところだけでもチェックし、どこかに不具合がないかは販売店で調べてもらおう。
■エンジンをかけてみる
■エンジンをかけてみる
エンジンをかけて、スムーズに始動するか、アイドリング回転は安定しているか、異音が出てないかチェック。白煙や黒煙など、排気ガスの色にも注意したい。なんらかの異常を感じたら、販売店スタッフに聞いてみよう。
■オートマチックのチェック
■オートマチックのチェック
エンジンをかけた状態でセレクトレバーを各ポジションに入れながら操作具合をチェック。可能なら試乗して、オートマチック動作をチェックし、走行時に不具合症状が出ないか確かめたい。
■販売店できちんと整備してもらう
エンジンやCVTの異常や不具合を判断するのは難しい。ブレーキやサスペンションなども含めて、販売店で点検・整備してもらおう。
■下まわりに問題がないか見る
■下まわりに問題がないか見る
床下を覗いて、車体パネルやマフラーなど部品類に傷、曲がり、破損、修理や交換の形跡などがないかチェック。オイルやグリスの漏れによる油汚れ、樹脂やゴム部品の割れなどにも注意。錆があれば、表面に浮いている程度なら心配ないといえるが、広がり範囲と腐食の進行状態を確かめよう。
■タイヤとホイールをチェック
■タイヤとホイールをチェック
タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷やひび割れなどがないかチェック。接地面の一部だけが減る偏摩耗を起こしていれば、車体やサスペンションなどに異常があることも考えられるので要注意。ちなみに、この車両のタイヤは、要交換状態だ。
標準装備はスチールホイールだが、この車両はアルミホイールを装着している。傷や破損などがないかチェック。リムの縁(タイヤと接している部分)に傷や曲がりがないか気を付けよう。事故などによるホイールの歪み(変形)や割れなどにも注意したい。
最初に車両の現状を確認する
中古車両の現物を見て「年式・仕様・グレード」を確認。標準装備の他に、メーカーオプション(新車時の注文装備)や後から加えた装備などが付いていないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
車両の情報を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初年度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
立て付けを見る
●隣接しているパネルの隙間が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか、修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの微妙な狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども確認できる。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
塗装の状態を見る
●部分的に色艶が違っている部分やザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡があれば、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●隣接しているパネルの色艶も比べてみる。修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがある。●ドアの開口部などにマスキングした(塗装する部分の周辺にスプレーの飛沫が広がらないようにするためのカバーを粘着テープなどで留める)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような“直線状の段差”があれば、マスキング跡。なんらかの理由で周辺を塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内は、新車時から外装色とは異なっていることがある。●スペアタイヤ収納部は、車種によっては塗装の飛沫が付着しているように見える場合もあるので、新車時の塗装か、新しく塗装したのか判断する必要がある。
取り付け状態を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体まわりの部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ネジの頭が塗装されていれば比較的容易に確認できるが、無塗装ネジの場合は判断しにくいので、関連部のネジや車体左右の同じ部分のネジと見比べる。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部も、修正跡や修理跡がないか見る。
接合部を見る
●車体部品を交換する場合は、溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(鉄板接合部にある丸い窪み)を修理工場で打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●鉄板の接合部などに塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理/交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、盛り上がっていたり、窪んでいたり、横方向にヒダがあるなど、パネルの接合状態やシーラーを塗布する方法によって形状が違っている。不自然に見える部分があれば、車体の左右同じ場所を比べてみる。
今回の車両のプロフィール
●コンパクト3列シートワゴン「モビリオ」の派生モデルとして2002年9月に新発売した「モビリオ スパイク」。外観は、前部を専用デザインとし、側面後部の窓を廃止。2列シート仕様にして荷室を広くとった作りを特徴としている。2004年2月に一部改良。フロントとリアのデザイン、装備などを一部変更。
●2005年12月1日にマイナーモデルチェンジし、内外装のデザインおよび仕様装備を一部変更。グレードは、スタンダードな「AUタイプ」とパワースライドドアやキーレスエントリーシステムなどを標準装備した「Wタイプ」を設定。両タイプに、7スピードモードCVTを採用し、パドルシフト付本革巻きステアリングホイールやテールゲートスポイラーなどを加える「Sパッケージ」を設定している。