中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.26 / 掲載日:2013.01.18
日産 リーフ (2010年12月~) 中古車購入チェックポイント
日産 リーフ (2010年12月~) 中古車購入チェックポイント
ZAA-ZE0
参考車両:G
初年度登録:2011年8月 (2011年8月)
■全体のチェックポイント
EV(電気自動車)が最大の特徴だが、車体構造はガソリン車と同じ。基本ポイントを押さえて内外装をしっかりチェック。システムの不具合などを判断するのは、外見を見ただけでは無理。走行機能全体をきちんと点検・整備している車両を見つけよう。
充電状態をメーター表示とナビ画面で確認
EVシステムの不具合を判断するのは難しいが、ディーラーで専用診断機を使った点検整備を受けていれば、良好な状態を保っている可能性が高い。わからないことは、販売店に聞こう。
1.充電ケーブルを接続してみる
1.充電ケーブルを接続してみる
充電ポートの右が普通充電200/100V用で、左は急速充電用。コネクタを抜き差しして、接触不良や差込口の変形/破損がないか確認。可能なら、車載のケーブルを使って充電を試してみたい。
2.バッテリーの劣化状況は
2.バッテリーの劣化状況は
バッテリーは、廃車になるまで使えることになっているが、なかには使用環境が悪くて劣化している例も。満充電時に、バッテリー残量表示が100%まで埋まるかどうかも確かめたいところだ。
外観に違和感や不自然に見える部分がないか
車体まわり全体の様子をじっくりと観察。周囲と色が違う部分は、修理や交換で塗装している可能性があるので注意しよう。
1.テールゲートを開けて
テールパイプがなく、ディフューザー(空気整流板)を設けたバンパーが特徴の車両後部も前部と同様に、バンパー/テールゲート/フェンダーなどのバランスをチェック。テールゲートは、スムーズに開閉できるか。テールゲートを交換していないか。開口部に修理/交換の形跡がないか調べよう。
2.左右のバランスにも注意
2.左右のバランスにも注意
正面から各部のバランスを見る。左右ヘッドライトの片方が新しい場合は、その側の車体部を修理しているかもしれない。バンパーのずれや角の損傷にも注意しよう。
3.外装の色調もチェック
3.外装の色調もチェック
前部側面では、バンパー、ヘッドライト、ボンネット、フェンダー、ドア、ピラー(フロントガラス部の柱)などの立て付けを見る。修理や交換で塗装していると、色調が違って見えることがあるので、パネル面の色艶にも注意。
操作系をひととおり動かして機能を確かめる
販売店スタッフに教えてもらい、パワースイッチを押してシステムを起動。EV操作のほか、装備機器や運転支援機構などの機能もチェックしたい。
販売店スタッフに教えてもらい、パワースイッチを押してシステムを起動。EV操作のほか、装備機器や運転支援機構などの機能もチェックしたい。
1.シフトとブレーキを確認
1.シフトとブレーキを確認
電制シフトと呼ぶ電気スイッチ式シフトレバーは、D(ドライブ)、ECO(エコ)、R(リバース)の各ポジションに入れて、異常がないかチェック。電動パーキングブレーキも、確実に作動するか確かめる。
2.ハンドルまわりもチェック
2.ハンドルまわりもチェック
オーディオ&カーナビのステアリングスイッチ。「G」にはクルーズコントロールスイッチも付いている。クルーズコントロールは走ってみないとわからないが、オーディオ&カーナビの具合は調べてみたい。
3.スイッチは全部試してみる
3.スイッチは全部試してみる
インパネ右端に集中している各機能のスイッチ。メーター表示切り替えや車両接近通報音などのスイッチを押してみよう。
内装、装備、付属品なども、できるだけ細かく見る
内装がきれいに保たれている車両は丁寧に扱われていた可能性が高いが、シートの擦り切れやしわ、ペダルの消耗など、走行距離が長くなると避けられない劣化などにも注意しよう。
1.カーナビは地図の確認も
2.すみずみまで慎重にチェック
室内は、汚れや傷、穴、破損などがないか、前席、後席、ラゲッジスペースまでチェック。6:4分割可倒式リアシートの折り畳みなども試してみる。付属品の充電ケーブル格納バッグの中も開けてみよう。
3.整備状態を確かめる
3.整備状態を確かめる
モータールームには、走行用モーター、減速機、インバーターなどがあり、走行用バッテリーは室内側の床下に設置している。メカニズムはわからなくても、とりあえず12V補機バッテリー(各システムやヘッドライト、オーディオ、ワイパーなどの電源)やブレーキ液、ウォッシャー液などは見てみたい。EV機構を含めた全体の詳しい整備状況は、販売店スタッフに聞いて確認しよう。
4.ボンネットの交換に注意
内側に修理跡がないかチェックし、ヒンジおよびヒンジ固定部も調べる。ボンネットを取り外していれば、車体前部一帯をより慎重にチェックする必要がある。
5.修復歴がないか確認
車体の骨格部を修理/交換している車両は修復歴があることを明示しているはずだが、念のために、モータールーム内側のパネル、フレーム、メンバー(補強部材)などの鉄板に異常がないか見てみよう。
6.下側に要チェックポイント
6.下側に要チェックポイント
車体側面は、ドアの下にあるサイドシル(車体の梁)を必ずチェック。床下側も覗いて、腐食や損傷、修理/交換の形跡がないか。特にパネル接合部の修理跡(交換の疑い)に要注意。ステップ部(サイドシルの上側)も調べよう。
7.ドアを開けてチェック
ドアは、立て付けを見て、損傷や修理跡がないかチェック。スムーズに開閉できるかチェック。大きな損傷を負うと交換してしまうこともあるので、ドアヒンジ部のネジも見る。関連する開口部も、傷や修理跡がないかチェックしよう。
8.タイヤとホイールを調べる
8.タイヤとホイールを調べる
タイヤは、残り溝の深さを点検。傷やひび割れなどがないかチェック。接地面の摩耗状態も調べて、外側や内側だけが極端に減る偏摩耗を起こしていれば、車体やサスペンションに異常を抱えている可能性もあるので要注意。アルミホイールも、損傷や歪み(変形)、破損などがないかチェックする。
9.床下の様子も覗いてみる
9.床下の様子も覗いてみる
車体の鉄板、サスペンションなどの部品類、走行バッテリー収納部のカバーなどに、傷、曲がり、破損、修理/交換跡などがないかチェック。油汚れ、樹脂やゴム部品の割れなどにも注意。錆があれば、表面に浮いている程度なら心配ないといえるが、範囲と腐食の進行状態を見る。
■最初に車両の情報を確認する

●中古車両の現物を販売店で見る際は「年式・仕様・グレード」を確認。標準装備以外に、メーカーオプション(新車時の注文装備)や後から加えた装備などが付いていないか確認。●「車検証(自動車検査証)」で初年度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
目利きはココを見る!
立て付けを見る
●隣接しているパネルの隙間が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか、修理/交換している可能性がある。
●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。
●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの微妙な狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども確認できる。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
塗装の状態を見る
●部分的に色艶が違っている部分やザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡があれば、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●隣接しているパネルの色艶も比べてみる。修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがある。
●ドアの開口部などにマスキングした(塗装する部分の周辺にスプレーの飛沫が広がらないようにするためのカバーを粘着テープなどで留める)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような“直線状の段差”があれば、マスキング跡。なんらかの理由で周辺を塗装しているので、周辺を詳しく調べる。
●エンジンルーム内は、新車時から外装色とは異なっていることがある。●スペアタイヤ収納部は、車種によっては塗装の飛沫が付着しているように見える場合もあるので、新車時の塗装か、新しく塗装したのか判断する必要がある。
固定ネジを回していないか見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体まわりの部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ネジの頭が塗装されていれば比較的容易に確認できるが、無塗装ネジの場合は判断しにくいので、関連部のネジや車体左右の同じ部分のネジと見比べる。
●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部も、修正跡や修理跡がないか見る。
溶接とシーラーに異常がないか見る
●車体部品を交換する場合は、溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(鉄板接合部にある丸い窪み)を修理工場で打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。
●鉄板の接合部などに塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理/交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、盛り上がっていたり、窪んでいたり、横方向にヒダがあるなど、パネルの接合状態やシーラーを塗布する方法によって形状が違っている。不自然に見える部分があれば、車体の左右同じ場所を比べてみる。
■今回の車両のプロフィール
●2010年12月に新発売した「リーフ」は、既存車を流用したり、エンジンと電気モーターを併用するハイブリッドなどは考えず、はじめから“100%電気自動車”として設計した世界初の量産電気自動車。走行中に排出ガスを出さない“ゼロ エミッション”で航続距離200kmの走行が可能。満充電は、200V普通充電で約8時間、80%急速充電で約30分。100V普通充電では、満充電まで約28時間。電気モーターによる走りは力強く、静粛性が高いのも特徴となっている。
●仕様グレードの「X」は、カーナビ+EV専用情報通信、インテリジェントキー、16インチアルミホイールなどを標準装備しているベーシックタイプ。上級タイプの「G」には、ソーラーパネル、クルーズコントロール、バックビューモニターなどを追加装備している。
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
X | ZAA-ZE0 | – | FF |
G | ZAA-ZE0 | – | FF |
●その後、2012年11月にマイナーチェンジし、内外装およびメカニズムを一部変更。廉価グレード「S」を追加設定している。