中古車購入チェックポイント
更新日:2018.10.24 / 掲載日:2014.10.31
日産 ラティオ(2012年10月~) 中古車購入チェックポイント
日産 ラティオ(2012年10月~) 中古車購入チェックポイント
DBA-N17
参考車両:G
初度登録:2013年2月
追加装備:<ディーラーオプション>日産オリジナルナビゲーション+2スピーカー
全体のチェックポイント
「ティーダ ラティオ」を一新して2012年10月に発売した「ラティオ」。参考車両は、上級グレードにディーラーオプションを追加している。車両をチェックする際は、車両の装備内容をまず確認。使用状況によっても傷み具合に差があるので、ユーザー歴や使用歴を販売店に聞いてみるのもいいだろう。外装・内装のほか、走行系各部の状態と整備状況も必ず確認したい。
外装と同時に骨格部にもダメージがないか調べる
1.外観の様子を観察する
1.外観の様子を観察する
まずは、外装に異常がないか探ってみる。前面は、バンパー、グリル、ボンネット、ヘッドライト、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、ボンネットやフロントガラスの飛び石傷などにも注意したい。
2.周辺も含めてチェック
2.周辺も含めてチェック
バンパーは、角や下部のあたりに損傷がないか見て、ずれていないか立て付けもチェック。下側にあるスパッツ(タイヤの前にあるエア整流板)の破損などにも注意。
バンパーに連なるフェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている)の縁、奥のタイヤハウス内、内側にあるフェンダーライナー(泥よけカバー)なども慎重にチェック。
3.車体の内側もチェック
ボンネットは、内側とヒンジ部をチェック。フェンダーは、エンジンルーム側に、腐食(錆)や修理跡がないか見て、取り付け状態を調べる。同時に、フレームなど車体パネルもチェック。最前部で左右に繋がっているラジエターサポートおよび関連部品なども、要チェックポイントだ。
4.後部のチェック
4.後部のチェック
後面も、バンパー、トランクリッド、コンビネーションランプ、フェンダーなどを慎重にチェック。バンパーの下は、マフラーエンドの位置や損傷などにも注意。
トランクリッドは、解錠・施錠の具合、開閉の動き具合、全開状態で下がってこないかチェック。トランクリッド内側、ヒンジ、ヒンジ固定部周辺もチェック。開口部も、パネル接合部の溶接やシーラーの異常に注意しながら修理/交換跡がないか調べる。
スペアタイヤ収納部周辺のパネルも、歪みや修理/交換跡などがないかチェックする。
5.ドアと関連部をチェック
ドアは、外面だけでなく、接合部に注意しながら内側のパネルもチェック。ヒンジやネジを見て、取り付け状態をチェック。同時に、開口部など車体側の関連部も慎重にチェックする。
6.下側に要チェックポイント
6.下側に要チェックポイント
車体側面は、下部のサイドシル(車体の梁)に傷や凹み、腐食、修理跡などがないか。下側を覗いて、下に突き出ている部分もチェック。判断は難しいかもしれないが、パネル接合部の修理/交換の形跡に注意する。
ドアを開けて、ステップ部(サイドシルの上側)周辺もチェック。ピラー(柱)やフェンダーとの接合部あたりも調べる。
7.損傷の程度を確かめる
ドア開口部は、乗り降りによる擦り傷や打ち傷、簡易補修跡などがないかチェック。マスキング跡があれば、周辺を詳しく調べて、損傷の程度と範囲を確認。左リアフェンダーは、フューエルリッドをチェック。給油口周辺も修理跡やマスキング跡がないか見る。
8.床下の様子も覗いて見る
8.床下の様子も覗いて見る
車体パネルや補強部材、カバー類、マフラーやサスペンションなどの部品類も、傷、曲がり、歪み、破損、修理/交換跡などがないかチェック。オイルやグリスなどの漏れ、樹脂やゴム部品の破損などにも注意。錆は、表面に浮いている程度なら心配ないといえるが、広がり範囲と腐食の進行状態をチェックする。
9.タイヤとホイールをチェック
9.タイヤとホイールをチェック
「ラティオ」は、175/70Rタイヤ&フルホイールカバー付14インチスチールホイールを標準装備。タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷やひび割れ、ブロックの欠けなどがないかチェック。接地面の一部が極端に減る偏摩耗など異常摩耗を起こしていれば、サスペンションの異常や車体の歪みなどにも注意する必要がある。
ホイールは、ホイールカバーに傷や破損、緩み、ガタなどがないかチェック。スチールホイールは、錆や歪みなどがないかチェック。リムの縁(タイヤと接している部分)に曲がりなどがないか調べる。
★損傷の有無と修理/交換歴を確認
「ラティオ」は、エンジンルームを縮小、燃料タンクの配置を工夫するなどして、広い室内空間とトランクルームを確保。小型・軽量なエンジンとトランスミッションを搭載し、サスペンションやエキゾーストなど細部まで形状や構造を見直すことで旧型「ティーダ ラティオ」よりも約70kgの軽量化。ボディ形状は、空気抵抗を低減するデザイン。といった細かい車体構造の話はともかく、外装だけでなく、車体骨格も損傷がないか確認。特に、走行に支障があるようなダメージに注意したい。
事故などで車体の骨格部を修理しているのは修復歴車だが、たとえ修復歴に該当しなくても、損傷や修理/交換している部分がないか販売店に聞いてみよう。
室内の状態と装備機器の機能・作動を確認する
1.隅まで細かくチェック
1.隅まで細かくチェック
室内は、シートや内装材に汚れや傷、穴、損壊などがないか。床や天井の状態もチェック。ボックスやポケット、トレーなどは、内部の状態も見る。シート表皮の染み、擦れ、ほつれ、破れ。フック類の破損。ボックスリッドやエアコン吹き出し口などは、開閉機構や可動部の破損にも注意しながらチェックする。
2.後席や荷室も調べる
2.後席や荷室も調べる
前席だけでなく、後席周辺も、シートからドア、床、天井まで丹念にチェック。車体まわりのチェックでトランクリッドを開けた時は、トランク室に傷みや破損などがないか見ておく。室内全体としては、使用状況による傷みに注意したい。
3.装備機器の作動を確認
3.装備機器の作動を確認
ヘッドライトやウインカー、ミラー、ブレーキ/バック/テールランプなど保安装置。パワーウインドウやドアロック、室内ランプの点灯など基本的な装備の作動状態をチェック。インテリジェントキー装着車は、キーの機能とドア解錠・施錠作動を確認。エアコンは、特に冷房の効き具合に注意して、調整・設定機能を試してみる。
4.追加装備の機能も確認
参考車両は、ディーラー装着オプションの日産オリジナルナビゲーション+2スピーカー(「G」はオーディオレス・2スピーカーが標準装備なので4スピーカーになる)を追加している。ナビシステムの各機能をはじめ、TV・DVD/CDなどAV機能、携帯電話/Bluetooth/iPhone連携など通信機能、地図SDメモリーなど、付随機能や関連機能がすべて正常か確認したい。
★装備機器の状態は販売店で確認
「G」は、インテリジェントキー、フルオートエアコン・プッシュ式、後席上下調整式ヘッドレスト、リアセンターアームレストなどを標準装備。参考車両には、ディーラーオプションの日産オリジナルナビゲーション+2スピーカーも付いている。車両をチェックする際は、車両の装備内容をまず確認。装備機器類は、とりあえずわかるところだけでもチェックし、細部は販売店で点検してもらおう。特に電装機器の作動に問題がないか確認したい。
走行機能のコンディションと整備状況をチェック
1.エンジンをかけてみる
1.エンジンをかけてみる
エンジンをかけて、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時には、表示・警告灯類の点灯、メーターやディスプレイの表示なども見る。インテリジェントキー&プッシュエンジンスターター装備車は、エンジンスイッチの機能も確認。わからないことや疑問は、販売店スタッフに聞いてみよう。
2.走行系機能の状態を確認
CVTは、[P・R・N・D・L]レンジへの切り替え操作具合をチェック。可能なら試乗して、走行時の自動無段変速動作、スポーツモード[SPORT]、アイドリングストップのエンジン自動停止・再始動および[AUTO OFF]スイッチ機能をチェック。「G」は、[VDC]+[TSC]の作動と[VDC OFF]スイッチ機能も確認したい。
いずれにしても異常を判断するのは難しいので、走行関連機構は販売店で調べてもらうほうがいい。
★正しく点検・整備してもらう
★正しく点検・整備してもらう
「ラティオ」は、3気筒1.2Lエンジン・副変速機(2段変速)付CVT・2WD(FF 前輪駆動)。アイドリングストップ機構、制動力配分[EBD]付[ABS]+ブレーキアシスト、電動パワーステアリング[EPS]などを搭載。「G」は、インテリジェントキー&プッシュエンジンスターターや車両安定制御機構(横滑り抑止[VDC]+空転抑止[TSC])も標準装備している。とりあえずオイル漏れなどがないかエンジン周辺を見て、詳しい整備状況は販売店に聞いて確認。車両の購入を決めるなら、走行に関わる部分をすべてきちんと点検・整備してもらうようにしよう。
■最初に車両の現状を確かめる
中古車両をチェックする際は、現物を見て、年式(登録年月日)・仕様・グレードを確認。標準装備のほかに、メーカーオプションや販売店オプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
今回の車両のプロフィール
●「ティーダ ラティオ」をフルモデルチェンジし、グローバルな新型コンパクトセダンとして2012年10月に発売した「ラティオ」。一新した車体に上級感と快適性を採り入れ、環境性能や安全性を向上。日本仕様車は、1.2Lエンジン・副変速機付CVT(自動無段変速機)・2WD(FF 前輪駆動)を搭載し、全車にアイドリングストップ機構を採用している。仕様グレードは、スタンダードタイプ「S/X/G」とビジネスタイプ「B」を設定。ハロゲンヘッドランプ、電動格納式ドアミラー、ウレタンステアリングホイール、オーディオレス(カバーレス)、運転席・助手席エアバッグ、フルホイールカバー付14インチスチールホイール、スペアタイヤ(応急用)などを全車標準装備。
「S/X/G」の外装は、メッキフロントグリル/ドアハンドル、ブラックドアサッシュ。「S」は、アナログメーター、液晶オド・ツイントリップメーター、リモコンエントリーシステム、マニュアルエアコンなどを標準装備。「X」は、ファインビジョンメーター、メーター内ディスプレイ、シルバー加飾、トランクルームランプ、トランクオープナーレバーなどを装備。「G」は、Xの装備に加えて、インテリジェントキー、プッシュエンジンスターター、盗難防止イモビライザー、フルオートエアコン、外気温度計、電磁式トランクオープナー、メッキインナードアハンドル、運転席バニティミラー、オーディオレス・2スピーカー、後席ヘッドレスト、リアセンターアームレスト、車両安定制御機構VDC+TCSなどを標準装備。「B」は、ブラックフロントグリル/ドアハンドル、車体同色ドアサッシュ。基本的な装備はSとほぼ同じだが、トランクリッドトリムなど一部装備を省略している。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
S | DBA-N17 | CVT | FF |
X | DBA-N17 | CVT | FF |
G | DBA-N17 | CVT | FF |
B | DBA-N17 | CVT | FF |