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更新日:2024.09.09 / 掲載日:2024.08.30
【2024年版】トヨタ ハリアーVSアウディ Q3を徹底比較
昨今は街乗りメインを想定したクロスオーバーSUVが多数登場している一方、ハリアーとQ3はオフロード志向にも対応できる本格派SUVとして高い評価を獲得しています。
SUVには多数の種類があり、どれを選べばいいか迷ってしまう方も多いでしょう。
当記事では、車の購入を検討している方に向けて、ハリアーとQ3の性能を比較します。
トヨタ ハリアーのプロフィール

近年は環境に配慮する流れが起きていることから、ガソリン車だけでなくハイブリッド車やプラグインハイブリッド車のラインナップを多数登場させています。特に現行モデルはEV走行距離93kmを可能にした「Z(PHEV車)」が販売されており、高い環境性能と高出力を実現しました。
ハリアーはオフロード志向よりクロスオーバーに近いラグジュアリーSUVですが、高い出力と強靱な設定により雨や雪道の走行でも劣らない性能を発揮します。
また、ラグジュアリー志向のなかでも比較的入手しやすい価格帯に落ち着いており、300万円〜400万円台でも購入できるグレードが多数展開されています。
バリエーション自体も全14種と幅広いため、好みや用途に合った1台を見つけられるでしょう。
先代モデルとの比較
ハリアーの歴史は古く、初代の登場は1997年のできごとです。当時のSUV市場は現在のようなクロスオーバー主体ではなく、未舗装のオフロードの走行を想定したタイプが多数派でした。そのような中、登場したのがハリアーで、当時では珍しい「高級クロスオーバーSUV」として販売を開始。「スポーツ・ユーティリティ・サルーン」のコンセプトのもと設計された高い利便性により、一躍大人気モデルにまで上り詰めました。
初代の登場から6年後、全体的な性能のブラッシュアップを図った正当進化を遂げたのが2003年登場の2代目ハリアーです。初代のコンセプトを踏襲した「新世代ラグジュアリーSUV」の思想のもと、新設計のプラットフォームやサスペンション、先進の安全装備を多数搭載し、時代を先取るパフォーマンスを実現しました。
また、2005年には初のハイブリッドモデルを発売し、ガソリン車以上のハイパワーを発揮。V型8気筒エンジンにも劣らない性能を実現しています。
2013年には3代目ハリアーが誕生。これまでは北米にて先行発売されていましたが、3代目からは国内専用モデルに変更されました。先代に比べてボディサイズを一回り小さくして小回り性能をアップ。サスペンションが改良されたことにより操縦の安定性も向上し、ユーティリティの大幅な改善に成功しています。
また、2017年のモデルにはトヨタの予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense P」が搭載され、事故予防や運転サポートも可能です。
その後、2020年の最終モデルをもって現行の4代目ハリアーにバトンタッチしました。
アウディ Q3のプロフィール

グレード構成は1.5L TFSIエンジン搭載の「35TFSI」と、2L TDIクリーンディーゼルエンジン搭載の「35TDI」シリーズに分かれ、それぞれ装備のクオリティの異なるグレードバリエーションが展開されています。
最大の魅力は7速Sトロニックトランスミッションと250Nm〜340Nmの高出力トルクによる高い走破性で、見た目のグジュアリーさに反してワイルドな走りっぷりを見せてくれます。
また、衝撃を軽減するアウディプレセンスフロントやサイドアシストなど各種セーフティ装備も充実。未舗装道路の走行から街乗りまで幅広いシーンで活躍できる車種です。
先代モデルとの比較
現行のQ3は2代目にあたり、初代の登場は2012年(日本の場合)でした。パワートレインは直列4気筒DOHCエンジンと7速Sトロニックトランスミッションの組み合わせで、このあたりは2代目にもその設計が受け継がれています。
「Competition」や「color selection – Misano Red」といった特別仕様車も多数輩出されており、現在ではその希少性から中古車市場において高値で取引されています。
グレードと価格の比較
ここではハリアーとQ3のグレード展開や価格を比較します。両車種の価格は下記の通りです。ハリアーのグレード プラグインハイブリッド車 |
メーカー小売希望価格 |
---|---|
Z(E-Four) | 6,200,000円(税込) |
ハリアーのグレード ハイブリッド車 |
メーカー小売希望価格 |
---|---|
G(2WD) | 4,119,000円(税込) |
G(E-Four) | 4,339,000円(税込) |
Z(2WD) | 4,628,000円(税込) |
Z(E-Four) | 4,848,000円(税込) |
Z Leather Package(2WD) | 4,928,000円(税込) |
Z Leather Package(E-Four) | 5,148,000円(税込) |
ハリアーのグレード ガソリン車 |
メーカー小売希望価格 |
---|---|
S(2WD) | 3,128,000円(税込) |
G(2WD) | 3,529,000円(税込) |
G(4WD) | 3,729,000円(税込) |
Z(2WD) | 4,038,000円(税込) |
Z(4WD) | 4,238,000円(税込) |
Z Leather Package(2WD) | 4,338,000円(税込) |
Z Leather Package(4WD) | 4,538,000円(税込) |
Q3のグレード | メーカー小売希望価格 |
---|---|
35 TFSI | 4,700,000円(税込) |
35 TFSI advanced | 4,970,000円(税込) |
35 TFSI S line | 5,270,000円(税込) |
35 TDI quattro advanced | 5,310,000円(税込) |
35 TDI quattro S line | 5,610,000円(税込) |
外観とボディサイズの比較

ハリアー | 全長4,740mm×全幅1,855mm×全高1,660mm |
---|---|
Q3 | 全長4,490〜全長4,495mm×全幅1,840mm×全高1,610mm |
また、機械式立体駐車場では車高制限を1,550mmに設定している場合があり、ハリアーとQ3はどちらも制限を超えてしまいます。機械式立体駐車場への駐車を検討する際は事前に車高制限を確認しておきましょう。
室内の広さを比較

ここではハリアーとQ3の室内空間を比較します。両車種のサイズは下記の通りです。
ハリアー | 室内長1,880mm×室内幅1,520mm×室内高1,185mm~1,215mm |
---|---|
Q3 | 室内長-mm×室内幅-mm×室内高-mm |
Q3は室内寸法が公表されていませんが、前述のボディサイズからハリアーより若干狭めに設計されていることが予想されます。運転時の居住性で選ぶなら、ハリアーのほうがうわてといえるでしょう。
燃費性能の比較
ここではハリアーとQ3の燃費性能を比較します。
ハリアーのグレード | WLTCモード | 市街地モード | 郊外モード | 高速道路モード |
---|---|---|---|---|
プラグインハイブリッド車(E-Four) | 20.5km/L | 18.4km/L | 21.8km/L | 20.7km/L |
ハイブリッド車(E-Four) | 22.3km/L | 19.5km/L | 25.1km/L | 22.1km/L |
ハイブリッド車(2WD) | 21.6km/L | 18.9km/L | 24.2km/L | 21.4km/L |
ガソリン車(2WD) | 15.4km/L | 11.3km/L | 15.7km/L | 18.0km/L |
ガソリン車(4WD) | 14.7km/L | 11.0km/L | 14.9km/L | 17.1km/L |
Q3のグレード | WLTCモード | 市街地モード | 郊外モード | 高速道路モード |
---|---|---|---|---|
35 TFSI 35 TFSI advanced 35 TFSI S line | 15.5km/L | 12.9km/L | 15.1km/L | 17.3km/L |
35 TDI quattro advanced 35 TDI quattro S line | 15.4km/L | 11.9km/L | 15.2km/L | 17.7km/L |
燃費性能はハイブリッドエンジンを搭載しているハリアーのほうがうわてです。特にハリアーのプラグインハイブリッド車は長距離のEV走行を可能としているため、ガソリン代を大幅に節約できるでしょう。
動力性能の比較
ここではハリアーとQ3の動力性能を比較します。両車種のスペックは下記の通りです。
ハリアーのグレード | エンジン種類 | 総排気量 | 最大出力 |
---|---|---|---|
プラグインハイブリッド車 | 直列4気筒 | 2.487L | 130kW(177PS)/6,000r.p.m |
ハイブリッド車全グレード | 直列4気筒 | 2.487L | 131kW(178PS)/5,700r.p.m |
ガソリン車全グレード | 直列4気筒 | 1.986L | 126kW(171PS)/6,600r.p.m |
Q3のグレード | エンジン種類 | 総排気量 | 最大出力 |
---|---|---|---|
35 TFSI 35 TFSI advanced 35 TFSI S line | 直列4気筒DOHCインタークーラー付きターボ | 1.497L | 110kW(150PS)/5,000r.p.m〜6,000r.p.m |
35 TDI quattro advanced 35 TDI quattro S line | 直列4気筒DOHCインタークーラー付きターボ | 1.968L | 110kW(150PS)/3,500r.p.m〜4,000r.p.m |
出力面は総じてハリアーのほうがうえです。特にハリアーのハイブリッドモデルは上記の数値に加えてハイブリッドエンジンによる出力補助がつくため、高い馬力を発揮します。
タイヤサイズの比較
ここではハリアーとQ3のタイヤサイズを比較します。両車種の純正タイヤは下記の通りです。
ハリアーのグレード | タイヤサイズ |
---|---|
Z | 225/55R19 |
G | 225/60R18 |
S | 225/60R17 |
Q3のグレード | タイヤサイズ |
---|---|
35 TFSI | 215/65R17 |
35 TFSI advanced 35 TFSI S line 35 TDI quattro advanced 35 TDI quattro S line | 235/55R18 |
タイヤはどちらもほとんど似た規格を使っているため、走行の安定性や小回り性能では大きな差はないといえるでしょう。
安全装備の比較

・プリクラッシュセーフティ
・レーントレーシングアシスト
・レーダークルーズコントロール
・アダプティブハイビームシステム
・ロードサインアシスト
・ドライバー異常時対応システム
・先行車発進告知機能
・パーキングサポートブレーキ
・ヒルスタートアシストコントロール など
一方、Q3に搭載されている安全装備は以下が挙げられます。
・サラウンドビューカメラ
・アウディプレセンスフロント
・ヒルディセントアシスト など
どちらも安全運転をサポートする機能が搭載されていますが、ハリアーのほうが充実度は高いといえます。
ラゲッジスペースの比較

ハリアー | 奥行985mm×幅1,265mm×高さ750m 荷室容量:約409L |
---|---|
Q3 | 奥行-mm×幅-mm×高さ-mm 荷室容量:最大530L |
おすすめグレードの選び方
ここからは、ハリアーとQ3のおすすめのグレードを「価格・走り・装備」の3つの視点から紹介します。車選びは車種の比較だけでなく、グレード選びも非常に重要です。ハリアーとQ3はどちらも最低グレードと最高グレードで価格差が100万円以上あります。
しかし、グレードが高いからといって必ずしも走行性能があがるとは限らず、種類によってはインテリアや外装の差だけで済んでいる場合もあります。車に求める性能や用途は個人によって異なるため、価格だけで決めずにグレードごとの違いを把握しておかなくてはなりません。
詳細な内容を見極めて、自分に合ったグレードを選びましょう。
価格重視
価格重視で選ぶ場合は、ハリアーのS(ガソリン車)を、Q3なら「35 TFSI」がおすすめです。どちらもエントリーグレードにあたりますが、どちらも走行性能に対して十分なコストパフォーマンスを誇ります。特にQ3はグレード間で燃費性能にほとんど差がなく、主な違いは登坂力と使用するインテリア面によるものです。デザインに大きなこだわりがない限り、こちらのグレードで十分使い勝手がよいといえるでしょう。
走り重視
走行性能重視で選ぶなら、ハリアーの「Z(プラグインハイブリッド)」、Q3なら「35 TDI」シリーズがおすすめです。ハリアーのプラグインハイブリッド車はEV走行を可能にした大容量リチウムイオンバッテリーを採用したモデルで、モーター込みで306PSを発揮する高馬力と、電力のみで93km走るクリーンさを実現しています。
Q3の35 TDIシリーズは、最大トルクは340Nmを発生する粘り強い登坂力を持つモデルです。4輪駆動と高出力トルクによって、急な坂道やオフロードでも安定した走りを見せてくれます。SUVらしいオフロード性能を求めるならこちらがおすすめといえるでしょう。
装備重視
装備やインテリアを重視する場合、ハリアーの「Z Leather Package」、Q3なら「35 TDI quattro S line」がおすすめです。ハリアーのZ Leather Packageは専用インテリアが充実した高級仕様モデルで、室内の各パーツが本革仕様に、変更されています。機能面でもシートメモリーやステアリングヒーターなど、運転を快適にしてくれるシステムが多数搭載されているため、運転環境にこだわりたい方にはおすすめといえるでしょう。
Q3の35 TDI quattro S lineは、グレード専用装備と豊富なオプションが選べる最上級モデルです。ドアやシートには「S line」のロゴが加飾され、シートやサスペンションはスポーツ仕様に変更。
また、S lineシリーズにはオプションでリヤシートUSBやパーシャルレザーを追加できる「プラスパッケージ」が選択できます。よりハイグレードな運転を求めるならオプションも追加してよいでしょう。
※本記事は、2024年8月時点の情報になります。現在の相場価格と異なる可能性がございます。