中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.29 / 掲載日:2014.05.16
欲しいクルマを諦めない人のための 40代向けベストバイ

現在40代、そしてこれから40代になろうという世代にとって、クルマはとても重要なアイテム。しかし40歳にもなると、クルマ以上に大切なたくさんのものを抱えることになるのも確かだ。では、40代にとってクルマ選びの最適解とはいったいどんなものになるのか?そのあたりを探っていく。
プロローグ 40代、買いたいクルマが変わる時
自動車ライター 清水草一
1962年生まれ。東京都出身。
31歳で脱サラしてフリーライターに。
40代の頃は、マークXのCMで佐藤浩市が演じる部長に憧れていたとか。
40代を終えてはじめてわかったこととは?
「52歳・変態的クルマ好き」である私にとって、思い返せば40代は、なかなか厳しい時期だった。
仕事面では、最も脂が乗っていた。いろいろなことに挑戦し、視野が広がりスキルも向上した。自分がどこまで伸びるか、いけるところまでいこう!と考えた時期だった。
同時に40代は、非常にお金のかかる時期だった。その多くが教育費だ。子どもが中3の時、本人が個別指導の塾に行きたいと言い出し、その夏期講習の費用を見た時は卒倒しそうになった。その年は、塾代だけで年間約200万円もかかった。我が家は学資保険や貯金を取り崩してなんとかしたが、教育ローンの必要性を痛感した。
住居費も増大する。自宅を建てる建てないにかかわらず、家族の増加による住居面積の拡大にともなって、住宅ローンや家賃負担が重くのしかかるのは、40代にとって当然の事情である。
この傾向は、自分の同期の連中を見ても概ね共通している。脂は乗るが出費も多い。それをなんとか乗り切る。40代とはそういう時期だ。そんな40代、私が自然とはまったのが中古車だった。
それまでの私は、新車と中古車の購入比率は半々くらい。新車もけっこう買っていた。子どもが小さいうちは、教育費は大してかからない。30代のうちは、まだ財布にそこそこ余裕があったのだろう。変態的クルマ好きとしては、出たばかりの新型モデルへの渇望感も高く、自然、新車購入が多くなった。
が、40代の10年間は、中古車の時代だった。購入した16台のクルマ、すべて中古車だったのである。16台もクルマを買っているから教育費の捻出が難しくなるんだろうと言われたらその通りだが、それでも16台もクルマを買えたのは、それがすべて中古車だったからだ。
また、買った台数は多かったが、比較的長く乗ったクルマも多かった。
「好みを押し殺したクルマ選びをすると、後悔することになりかねない」
変態的クルマ好きゆえに、クルマは短期で買い替えることが多いにもかかわらず、7年乗ったクルマもあった。複数台所有ゆえ、遊びクルマは次々に買い替えても、正妻的なクルマには長く乗った。乗らざるを得なかったとも言える。
私は変態的なクルマ好きであり、クルマで飯を食っている人間であるから、クルマを買うのは一種の業務。それでもそういう傾向ははっきり出た。一般の方は、もっとはっきりするだろう。40代に買ったクルマは、中古車を1台だけ。そういうことになる可能性も高いのではないだろうか?
最も脂の乗った時期に乗る、たった1台のクルマだ。ここは是非、思慮深く選びたい。
子どもがまだ小さいからと思っていると、あっという間に大きくなる。子どもや家族の要望は、時期とともに大きく変わっていく。今こうだからという事情を考慮しすぎ、自分の好みを押し殺したクルマ選びをすると、後悔することになりかねない。
個人的には、40代は、王道を往く、オールマイティなクルマ選びをすべきではないかと思う。
それは、比較的高年式の、乗る人数が減っても寂しく感じない、あらゆる用途に使えるクルマ。そしてなにより、自分が深く愛せる正妻的なクルマであるべきだ。40代は激変の時期でもある。その変化に対応できるクルマを選ぶべきなのだ。
清水草一が40代で乗った思い出のモデル
トヨタ プリウス(初代型)

47歳の時に、遅ればせながらハイブリッドカーを!と思い立ち、初代プリウスを43万円で購入。やはりハイブリッドカーは、未来から来た乗り物だった!燃費の良さ、特に渋滞中で爆発的な燃費記録が出ることに衝撃を受けつつ、アクアと交代するまで3年間、家族の足として活躍した。
マセラティ 430

40代になってすぐの頃、作家の北方謙三先生に、「清水はフェラーリばかりでなく、マセラティにも乗ってみろ」と言われ、衝動的に購入。お店で一番故障しそうな走行11万kmのマセラティ430(車両本体88万円)をあえて選んだが、1年半一度も故障せず。没落貴族のデカダンスを味わうことができた。
40代男性50人に緊急アンケート 事実!これがいま40代が乗りたいクルマ!
理想はあくまで理想で買うのは別のクルマ?
まずは世間の40代男性がいまどんなクルマに乗りたいと思っているかを調査。関東在住の40代男性50人を対象に、いま欲しいと思っているクルマを2台ずつ挙げてもらった。
1位を獲得したのは、BMW3シリーズ。2位~5位にも、すべてラグジュアリーモデルがランクインした。今回は購入額に制限を設けておらず、「現実には買えない」モデルが多く挙がり、「手が出ないけど」と、諦めムードの意見も多かった。つまり、現実に買うクルマと欲しいクルマとは別という考えなのだ。
そこで、以下のページでは、40代の理想と現実のギャップを埋めるおすすめのモデルを紹介していこう。

BMW 3シリーズ 25票

レクサス LS 9票

メルセデス・ベンツ Eクラス 7票

トヨタ クラウン 4票

山下孝介さん(41歳)
「雪国出身ですし、4WDはハズせないポイント。ただ設定があるだけでなく、4WDが似合うからインプレッサが欲しいです」

高橋覚さん(49歳)
「基本的には小さなクルマばかり乗ってますが、BMWの3シリーズは若い頃からの憧れ。人生で一度は乗ってみたいですよね」

小林雄二さん(47歳)
「ラグジュアリーブランドながらレースでも活躍しているレクサスのファンです。その最高モデルであるLSに乗ってみたい」
ベストバイテーマ 01
デザインの好みは年とともに変化する!
中年だからこそ似合うデザインモデル

Great Design Model
年を重ね、自分の容姿や周辺環境などが変わると、逆に周囲の世界も変わって見えてきて、趣味指向にも変化が見られる。40代の自分がいいと思える、自分に似合うデザインをゲットする。
Situation 1
あの頃はダサいと思っていたクルマが今はカッコいい
ボクが若い頃の「スカイライン」といえば、スポーティな雰囲気で人気が高かった。だから、V35スカイラインが出た時はガッカリしたものです。友人たちも口々に、「あんなのスカイラインじゃない」とか「ハリボテみたい」などとバカにしていました。しかし、今見ると印象が違うんですよね。モダンな雰囲気だし、全体のバランスもキレイにまとまってる。リアのL字型ライトも飽きがこない。時間が経ったからそう思えるのか、とにかく良く見えるんです。

いまカッコいいと思えていまの自分に似合うモデル
40を超えると、たいていの人は身体に衰えが出てくる。運動不足や新陳代謝の低下から、太ったり、皮膚がたるんだりするものだ。一方で、人生経験を積み重ねた結果、精神的には落ち着きが出てくる。すると、物事の見方や周囲への接し方も変化してきて、自然と選ぶアイテムが変わってくる。洋服はもちろん、髪型や時計、部屋のインテリア、もちろんクルマもだ。カッコいいと思う対象やセンスの変化で、かつてピンとこなかったクルマが良く見えてくることは多く、旧車がもてはやされるのもそのひとつの形態である。一方で、自分に似合うクルマだって年とともに変わってくる。若い頃のようにヤンチャなクルマにはもう乗れないし、安っぽいクルマにも乗りたくないだろう。どの部分を重用視して選ぶかは自分次第。ともあれ、現在の自分のセンスを発揮して車種選びをする必要はある。
40代向けベストバイ
提案01 父親がクラウンに乗っていたなら
トヨタ セルシオ(最終型)

中古車相場:23万円~250万円
90~00年代のトヨタのフラッグシップ。「いつかはクラウン」なんて言葉が流行り、父親世代はクラウンを目指した。しかし現在の40代にとって、トヨタの最高峰はセルシオである。あのゆったりデザインが似合うようになったいま、乗ってみたい一台。
Buyer’s Guide
当時の最高級サルーンも、10年弱の時間が経過して相場は下落の一途。初期型の2000年式は50万円前後がボリュームゾーンである。
提案02 子どもの頃番長になりたかった人は
三菱 ランサーエボリューション

中古車相場:14万円~274万円
かつての番長への憧れは、大人になり運転するようになって、街中を我が物顔で疾走するランエボなどのハイパワーモデルへと移り変わった。当時、冷ややかな目で見ていたあのクルマも、いま見ればカッコ良さが詰まっている。落ち着いた色で乗りたい。
Buyer’s Guide
VII~IXの第三世代が狙い目。極上物件はまだ高いが、ある程度走行距離を走った物件でも問題ないだろう。そう簡単には壊れない。
提案03 テクノ音楽にハマってた時期がある
日産 スカイラインセダン(先々代型)

中古車相場:19万円~121万円
デビュー時に歴代スカイラインファンたちをひっくり返らせたデザイン。デビュー当時に演出された近未来感は、現在ではモダンでポップな大人のオシャレに感じられる。音楽のジャンルでいえば、テクノがよく似合うサイバーな雰囲気のスタイリングだ。
Buyer’s Guide
搭載されるV6エンジンやFRの駆動方式は、年を経ても味わい深い。ちょうど10年前となる2003年式は流通台数も豊富で狙い目となる。
提案04 高級車SUVへの憧れを現実化する
トヨタ ハリアー(先代型)

中古車相場:101万円~280万円
世界的なブームから、現在ではスタンダードになった高級SUV。日本でその火付け役ともなったのがハリアーとムラーノだ。特に高級感を追求したデザインのハリアーは、いま見ても古さを感じさせない。新車当時は買えなかった憧れが、今なら手に入る。
Buyer’s Guide
先代型は約10年に渡って販売され続けたロングセラーモデル。2006年式以前のモデルは200万円を切るお買い得な物件が多くなっている。
提案05 SF映画にのめりこんでいたなら
日産 ジューク

中古車相場:115万円~251万円
デビュー当時「なんだこりゃ?」と思った人も多かったが、街乗りに適したライトSUVを望むユーザーにウケて、スマッシュヒットとなった。その永遠に古くならなそうな宇宙的デザインは、SF映画好きにはたまらない。若い感覚の持ち主に乗って欲しい。
Buyer’s Guide
最初の車検時期を迎えた2010~2011年式を中心に、150万円を切る物件が多く出回りはじめている。デザインも変更なく新鮮なまま。
提案06 欧州風味のデザインテイストが好き
トヨタ アべンシス(先代型)

中古車相場:34万円~108万円
トヨタのヨーロッパ工場で開発・製造されたミドルサイズサルーン。実車を見るとわかるが、細かな抑揚のあるデザインや、作り込まれた内装などに欧州テイストが感じられる。「欧州車」と言われてもダマされてしまいそうなトヨタ車は、他にはない。
Buyer’s Guide
タマ数が少なめで、探す手間はあるが、新車当時200万~300万円したモデルが、現在では70万円前後で買えるというのは魅力的。
提案07 バブルの香りをもう一度感じたい
三菱 パジェロ(現行型)

中古車相場:87万円~363万円
バブル世代でもある40代は、若い頃にRVブームを経験している。特に人気が高かったのはパジェロで、当時は「SUV」イコール「パジェロ」でもあった。現在もその雰囲気を失っていないパジェロを、サイドにラインの入ったツートーンのモデルで乗りたい。
Buyer’s Guide
大排気量の大型SUVということで、置き場所や走る場所を選ぶモデルだが、現行型でありながら200万円を切った物件も多くなってきた。
40代トーク オレたちのクルマカルチャー その1
澤田
「俺たちぐらいの歳の男のクルマ的原体験っていうと・・・」
田村
「ボクはアレだね、ポインター」
中岡
「ポインターって?」
田村
「ほら、ウルトラセブンの」
中岡
「あぁ!あのゴテゴテした(笑)」
澤田
「当時“ゴテゴテ”は必須だったよね。ていうか昔は日本も結構貧しくてさ、今とは違った意味で自家用車を持ってない家庭も多かったよ」
田村
「幼稚園ぐらいのときはたしかにそうでしたね。小学校高学年ぐらいになると、さすがに日本も豊かになってたけど」
中岡
「小学生というと、やはり・・・」
澤田・田村
「スーパーカー消しゴム!」
中岡
「ボクシーのボールペンのバネを強化して、やってましたよねぇ。ボクはベーエムヴェーが好きだった」
澤田
「若い人のために補足すると、ベーエムヴェーってBMWのことね」
中岡
「当時はなぜかドイツ語読みでしたよね」
田村
「ジェミニのCMで『街の遊撃手』とかいって物凄いカースタントしてたのもその時代でしたっけ?」
澤田
「いや、あれは80年代後半だから、もっと全然後。俺らが高校とか大学の頃のCMだよ」
中岡
「スー消しで遊んだ小学生時代が終わって中学に進んだ頃は、ボクは“街道レーサー”にハマりましたね」
田村
「あぁ、フェアレディZとかサバンナとかのタイヤをハの字にして、オバフェン付けて」
中岡
「そんでもって、タイヤはなぜか必ずピレリのP7で(笑)」
澤田
「クルマが輝いてた時代だね」
左から、田村直彦さん(46)、中岡正敏さん(44)、澤田基之さん(48)。クルマは「そこそこ好き」な3人が、体験してきたクルマカルチャーを語ってくれた。
※すべての価格は参考価格です
※中古車市場データはGoo-net 4月調べ

ベストバイテーマ 02
趣味のカーライフだって子どもと妻と楽しみたい♪
家族を大切にするためのオフグルマ

Family Enjoy Model
家族を支える40代にとって、車種選択は踏み絵となる。必ずしも欲しいクルマが、家族が望むものを備えているとは限らないからだ。家族のニーズと自分の喜びを両立するモデルとは?
Situation 2
子育てがひと段落ついても家族を巻き込んでドライブへ
30代の頃は、両親と子どもと6人以上乗れるクルマを買わなきゃいけないということで、「面白くないなぁ」なんて思いながら、ただ売れてるミニバンを選ぶだけでした。その反動か、子育てがひと段落ついたら、もっと自分好みのモデルに乗りたい!って思うんです。けど、探せばボク好みのミニバンだってあるんですよね。そして自分がクルマを楽しめると、自然と家族も楽しませることができるんです。いまは週末の家族とのドライブが楽しみで仕方ないです。

相反する思いを満たす最高のモデルを選ぼう
多くの男性にとって、40代は子育ての時期となる。必然的に、クルマ選びは家族の意見を尊重せざるを得なくなる。その一方で、40代といえば仕事が充実している時期でもあり、オフの日くらいは自分の趣味グルマで、充実した時間を過ごしたいという思いもあるだろう。
この2つの思いは、相反しているようだがそうでもない。なぜなら両者の思いを同時に叶えるクルマ選びは、決して不可能ではないからだ。なにせ日本車はとにかく車種が多い。家族のニーズは、乗車人数か、広さか、それとも燃費なのか、そのあたりをしっかり尊重したうえで、自分のワガママで車種を選べばいい。自分のクルマなのだから、自分の要望はしっかりと通すべきである。
このオフグルマの選択を間違えなければ、子どもが成長してからも、逆に家族のほうが乗りたがる、そんな未来予想図が見えてくるだろう。
40代向けベストバイ
提案01 安くて使えて親子三代で乗りたい
トヨタ ヴォクシー(先代型)

中古車相場:93万円~238万円
「売れてるクルマ」=「つまらない」という偏見は持つべきではない。たとえばヴォクシー。人が乗れてコスパも優れていて、走りも悪くない。パドルシフト付きモデルもある。さらに、ノアとヴォクシーから、自分好みのデザインを選ぶことだって可能だ。
Buyer’s Guide
流通台数が多いので、たくさんの物件を見ることができる。最初期モデルの2007年~2009年式あたりは160万円前後がボリュームゾーン。
提案02 家族や夫婦でアウトドアを楽しみたい
スバル フォレスター(先代型)

中古車相場:139万円~272万円
子どもが大きくなり一緒にアウトドアを楽しみたいというなら、このクルマだ。フォレスターは、最低地上高が高く、高性能4WDを搭載しているので、悪路走破性が非常に高い。なにより、内外装のつくりが安っぽくなくて、40代にふさわしい高いクオリティを持っている。
Buyer’s Guide
現行型が2年目を迎え、先代モデルが狙い目に。実際に山々を走り回るオーナーも多いので、足まわりやボディ下部はチェックしたい。
提案03 セカンドカーとして家族で乗りたい
ダイハツ タント(先代型)

中古車相場:65万円~144万円
すでに自分の趣味グルマを持っている人におすすめしたいのがハイルーフ軽。特にタントは、ヘタな高級サルーンより室内が広く、家族でのドライブにも十分使える。高級感を高めたグリル付きグレードもあるので、自分が運転しても安っぽく見られない。
Buyer’s Guide
昨年のフルモデルチェンジから半年が経過して、先代モデルの相場はだいぶ落ちついてきた。2008~2009年式は流通台数も豊富である。
提案04 ゆったりと走り荷室も広大なワゴンなら
トヨタ クラウンエステート

中古車相場:24万円~153万円
ロングドライブでも疲れにくい走りの安定感と、家族全員の荷物を搭載できる広大なラゲッジルームを両立したモデル。稀少車なため、人と違うクルマを好む人には最適だし、国産最高峰モデルたる「クラウン」の品質をしっかり味わうこともできる。
Buyer’s Guide
価格の高さや大き過ぎるボディのせいで新車時にあまり売れず、流通台数は少なめ。年式にこだわらなければ50万円以下でも買える。
提案05 いつでも走りたい時に走りに行ける
マツダ RX-8

中古車相場:35万円~228万円
最後のロータリーエンジン搭載車ながら、しっかり4ドアセダン。かつて「奥さんに言い訳の効くスポーツカー」として名を馳せた。そのスタイルと走行性能は、中途半端な2ドアクーペよりよっぽどスポーティで、走りを諦めたくない人にうってつけ。
Buyer’s Guide
通台数の少ない6速MT車の価格は高めである。ロータリーターボエンジンの特性上、チューニング車や過走行車は避けたいところ。
提案06 隣家のミニバンとの違いを見せたい
三菱 デリカD:5

中古車相場:116万円~330万円
ミニバンとSUVのクロスオーバーモデル。ミニバンとしては一風変わった雰囲気のタフなデザインや、ラフロード走行もこなす本格的4WDシステム、堅牢なボディ構造などが特徴だ。ミニバンでもあらゆることに使いたいなら、間違いのない選択となる。
Buyer’s Guide
中古車の市場では意外な人気モデルで、相場はミニバンのなかでも高め。最初期モデルとなる2007年式が200万円を切りはじめている。
提案07 先を見据えてまったりエコランしたい
トヨタ プリウス(先代型)

中古車相場:70万円~161万円
プリウスは誰もが知っている大人気ハイブリッドカーだが、まだ運転したことがないという人は一度乗ってみるべき。クルマの未来を感じられることは間違いない。まだ子どもが小さく、お金を貯めたいという人にもうってつけ。どう走っても燃費が悪くならない。
Buyer’s Guide
現行型が、登場からすでに5年以上経過して、中古車市場に多く流通しはじめたことで、先代モデルはより買いやすくなっている。
40代トーク オレたちのクルマカルチャー その2
澤田
「大体のヤツは高校3年のときにクルマの免許取ったよね」
田村
「ボクは7月に免許取って、8月にはもうS12シルビアで海行ってましたよ。友だち乗せて」
中岡
「で、車中で聴いてたのは当然カセットテープですよね」
田村
「うん。しかも自分で編集したマイベスト盤(笑)」
澤田
「高校生のときはマイ・ベスト盤はホントたくさん作ったよね。自分で聴く用と男同士用と、で当然彼女とドライブ行く時用と・・・ってオレ彼女いなかったし、免許取ったのも大学入ってからなんだけど(笑)」
田村
「我々が大学生や新社会人だった頃っていうのは、完全にバブル」
澤田
「そうだね。でもみんながみんなバブってたかというとそんなこともなくて。オレは渋谷にある大学に行ってたけど、たしかにアウディ80とか乗ってたヤツもいたけど・・・」
中岡
「アウディ80!」
澤田
「でもオレのまわりは結構貧乏でさ、バイトして10万円のボロいスカイライン買った山ちゃんってヤツがヒーローだったからね」
田村
「社会人になっても、自宅住まいのヤツは給料そっくり貯められるから入社2年後には三菱GTOとか買ってたけど、ボクは電車と徒歩」
澤田
「オレもそんな感じだったから、『チクショー!今に見てろよ!』ってメラメラ燃えてたね。とにかく上昇志向が強かったよ」
中岡
「そのあたりのメンタリティは、今の若い男子にはちょっと通じなさそうですけどね・・・」
若い頃のクルマ購入事情を語る、左から田村直彦さん(46)、中岡正敏さん(44)、澤田基之さん(48)
※すべての価格は参考価格です
※中古車市場データはGoo-net 4月調べ

ベストバイテーマ 03
価格に見合った価値のあるクルマは憧れでありアイデンティティだ!
いいものが高いのは当たり前 高くていいもの、いいクルマ

Expensive Better Model
消費税も増税され、世間はあいかわらずの節約ムード。しかし40代にもなれば、価格ばかりにこだわらず、それなりに価値観の高いクルマを選びたい。もちろんそのなかで安価なものを・・・。
Situation 3
クルマの価値がわかった今だから価格にこだわり過ぎずに選ぶ
思い返せば、いままで多くのクルマに乗ってきました。ただし、決して私も裕福なわけではないので、すべて中古車で安価なモデルばかりです。しかし40代にもなると、クルマに対する価値観も変わり、自分にとって本当にかけがえのないものだなって思えてきたんです。クルマで得られる経験や感情ってまさにプライスレスで、ただ価格の安さを追求してきた自分が恥ずかしいかぎりです。これからは多少高くても、納得のできるクルマを買おうと思っています。

多少の価格オーバーも価値が見いだせればOK
消費者として、安さを追求することは決して間違ったことではない。ましてこの春には消費税率が上がったばかりだし、節約が美徳だという考え方もある。しかし、ことわざの「安物買いの銭失い」とはよく言ったもので、安いものは品質が悪く、すぐに壊れて買い替えが必要となり、結局高い物を買うより損をする、ということだってあり得るだろう。さらに、40代にもなると、持ち物にもある程度のこだわりがあるだろうし、周囲に対するメンツだってある。これらを鑑みても、何においても「安くていいものが一番!」とは言い切れなくなってくる。クルマは高額商品であるから、特に価格の安さを追求しがちだ。だが、多少の予算オーバーを看過してでも、自分にとって必要なこだわりや美点があるなら、その選択は間違いではない。40代だからこそ、プライドを捨てずにクルマを手に入れたい。
40代向けベストバイ
提案01 最新のクリーンディーゼルを味わいたい
マツダ CX-5

中古車相場:176万円~299万円
低燃費技術「スカイアクティブ」と最新のクリーンディーゼルエンジン、そして世界でも評価の高い流麗なマツダの最新デザイン、そのフルスペックを味わうことができるSUV。特にクリーンディーゼルエンジンは、ディーゼル独特の感覚で味わい深い。
Buyer’s Guide
古くても2年落ちで、コンディションの優れた物件が多い。ただし、200万円以下で探すとなるとディーゼルは諦めざるをえない。
提案02 エグゼクティブでもヤンチャでいたい
レクサス GS(先代型)

中古車相場:135万円~399万円
高級ブランド・レクサスの上級サルーンとはいっても、アリストの系譜を受け継ぐGSはスポーティさを失っていない。むしろその走りは圧巻で、そこに惹かれて欲しがる人も多い。肩書き上セダンが欲しいが、速いクルマに乗りたいという人におすすめ。
Buyer’s Guide
先代型とはいっても、昨年まで新車販売されていたモデル。走行距離の少ない物件はかなり高め。妥協ポイントを見つけて探したい。
提案03 “ムダ”に満ちあふれたクルマの喜びを知る
マツダ ロードスター(現行型)

中古車相場:112万円~252万円
使い勝手の悪い2シーターなんて、生活に余裕がないと買えない。特に家庭をかかえる40代ともなると、入手するのは現実的には難しい。しかしこのクルマでは、クルマ本来の運転の楽しさを味わうことができる。本当の大人の贅沢とはこういうものだ。
Buyer’s Guide
一見安価で手に入りそうだが、高年式のRHT(リトラクタブル・ハード・トップ)モデルは、軒並み200万円超えとなっている。
提案04 使い勝手とエコを両立したよくばりな選択
トヨタ プリウスα

中古車相場:180万円~277万円
ハイブリッドカーの代名詞である「プリウス」ブランドの付いたワゴン、または3列シートモデルということで、ある意味贅沢の極みでもある。通常のプリウスより高級感も高く、見栄えも含めて、これ一台あれば、すべてこと足りてしまうだろう。
Buyer’s Guide
強気な価格設定にも関わらず新車でも人気のモデルなため、中古車の市場でも高値を維持。時間をかけて根気よく探すことが必要。
提案05 日本を代表するモデルに乗ってみたい
日産 フェアレディZ

中古車相場:80万円~233万円
日本を代表するスポーツカーといえば、まずこのクルマの名前を挙げるクルマ好きも多い。古くから北米などで販売されており、海外でも高く評価されている。本格的な走行性能や美しいスタイリングなど、実際に所有して日本の高い技術力を味わいたい。
Buyer’s Guide
GTとは言ってもスポーツクーペ。荒く乗られた物件やチューニングベースとなった物件も多いので、そのあたりはよく見極めたい。
COLUMN 10年通えるBARのようなクルマとは・・・
文/マリオ高野
男も40代くらいになると、長年通えるいきつけのバーのようなものが欲しくなるもの。そこで、そんな素敵なバーのように「味があって」「飽きがこなくて」「長く乗れるであろう」クルマについて、齢40にしていまだ人生に迷いまくっている私なりに考えてみた。するとどうも、クルマの趣味に関しては、多少なりとも成熟、というより老成した気がする。
まず、同車種の中でも、より渋めの地味なグレードを選びたくなる傾向が強まった。たとえば廉価グレードでルックスや装備は質素でも、クルマとしての基本性能が高ければ買い得であるとの判断が働くなど、クルマの本質を見ようとする意識が高まっているのだ。そういうクルマのほうが飽きが来ず、余計な金もかからず長く付き合えるものだろう。豪華な装備や人目を惹くエクステリア、ハイパワーエンジンなどは要らないが、軽快なハンドリングと耳に心地よい排気サウンドが楽しめる、居住性の高い実直な実用車を求めたい。
私の場合、人生のいろいろなもの(出世や幸せな結婚生活など)を諦めたせいで見栄を張ろうとする意識がなくなったことも、クルマ選びの幅を広げているように思える。悟りの境地を開いた気分である。
個人的には、3代目レガシィのできるだけ廉価グレードのMTを探して、古き良き時代のボクサーサウンドに包まれながら、独りで温泉地巡りがしたい。副変速機が備わる2代目フォレスターのMT車でアウトドア趣味を始めるのも良さそうである。
下流自動車評論家 マリオ高野
今年41歳になる自動車ライター。貧乏だが、クルマと西武ライオンズを愛することで、充実した毎日を送る。
独特の味がある水平対向エンジン搭載車は、40代が乗っても似合うシブさを持つ。耐久性も高く、大人の男が長く楽しむのに適した一台である。
まとめ
40代グルマの方程式
40代は人生の折り返しの時期にして、最も充実している時期とも言われる。もちろんその充実度は人によってさまざまだが、クルマ選びだって、良くも悪くも充実したものになることは間違いない。
なにせ40である。人としても分別がある年代だし、クルマに関していろいろな経験を経て知識も豊富である。さらに、クルマ好きであれば、クルマに対する夢も捨てていないだろう。これらさまざまなことを考慮にいれつつ、ある程度自由度のある幅広い選択肢のなかから、自分にとって最高の「40代グルマ」を選ぶ作業は楽しい。
充実した40代だからこそ、クルマ選びを楽しみ、さらに購入後のカーライフを楽しもうではないか。
※すべての価格は参考価格です
※中古車市場データはGoo-net 4月調べ