中古車購入チェックポイント
更新日:2018.10.26 / 掲載日:2006.05.17

ホンダ モビリオ スパイク 中古車購入チェックポイント

  • ホンダ モビリオ スパイク 中古車購入チェックポイント

    ホンダ モビリオ スパイク

    参考車両:モビリオ スパイク タイプA
    初度登録:2003年7月

  • ホンダ モビリオ スパイク

■全体のチェックポイント

ラゲッジルームが広くて荷物がたくさん積める、ワゴンタイプという点が、車両チェックで考慮するポイントになる。後部にダメージを受けていないか、特に注意。また、日常の足として使われている車両が多いので、外観の小さな傷や凹みなどを丹念に探ってみよう。オイル交換をはじめ、点検整備の状況も、しっかり確認したい。

  • 1.車両の違和感を探る

    ホンダ モビリオ スパイク(前面)

  • 1.車両の違和感を探る

     全体の雰囲気から異常を探るために、前後、左右の少し離れた位置から車体を観察してみよう。
     各部の立て付けや外板の隙間、外観の色艶などに不自然なところがあれば、その部分に損傷を受けていたり、補修している可能性がある。
     前部はボンネットやグリルとバンパーの横線が揃っているか、後部はテールゲートとバンパーは水平か、チェックしよう。また、ヘッドライトやテールランプなどは、右と左で違っていないかも、確認しよう。

  • 2.車体の表面を観察する

    ホンダ モビリオ スパイク(車体表面)

  • 2.車体の表面を観察する

     凹み、板金修理跡、プレスラインなどの状態を探ってみよう。
     角度を変えて斜め方向から透かして見るようにすれば、広くて浅い凹みや、「えくぼ」と呼ばれる小さな凹み、波跡(板金修理跡が波打っているように見える)なども発見しやすい。
     塗装の色艶が違っていたり、表面が荒れている部分があれば、補修しているか、あるいは板金修理している可能性もある。

  • 3.エンジン管理状態をみる

    ホンダ モビリオ スパイク(エンジンルーム)

  • 3.エンジン管理状態をみる

     ゴムホースやベルトの劣化など、消耗部品を中心に、エンジンと周辺の部品をチェック。
     ひび割れを起こしているゴム部品は、早めの交換が望ましい。
     エンジン周辺のオイルのにじみや汚れにも注意しよう。
     周囲と比べて新しく見える部品は、交換していることが疑える。定期点検で交換しているのか、トラブルによる交換なのか、整備記録を探って、確かめよう。

4.鉄板の色と状態を確認

 エンジンルーム内の鉄板部に修理跡や交換跡、塗装跡などはないか、見てみよう。車体の内側にまで影響するようなダメージを受けていると、歪みが残っていたり、修理した跡などの異常を見つけることがある。
 部品やネジなどに塗装の飛沫が付着していたり、周囲と比べて色が違うとか、不自然にきれいな部分があれば、その周辺を修理している可能性がある。

  • 5.ボンネットの脱着に注意

    ホンダ モビリオ スパイク(ボンネット)

  • 5.ボンネットの脱着に注意

     表面の傷や凹みをチェックすると同時に、内側に修理跡はないか、交換した様子はないかも調べてみよう。
     ボンネットにダメージを負うと、新しいボンネットと交換することも少なくない。支えている金具(ヒンジ)を確認して、固定ネジに脱着した形跡があれば、交換を疑ってみる。また、内側にシーラーを塗布しているのが普通だが、交換したボンネットにはシーラーがないこともある。

  • 6.最前部の鉄板を観察

    ホンダ モビリオ スパイク(ラジエターコアサポート)

  • 6.最前部の鉄板を観察

     エンジンルームのいちばん前で車体の左右に繋がっているラジエターコアサポートと呼ぶ鉄板を観察してみよう。車体前部をぶつけると、修正あるいは交換修理する確率が高い部分だ。
     歪みや手を加えた痕跡がないかがポイントだが、周囲と色が違う場合は、修理して再塗装している可能性もある。
     左右フェンダーとの接合部なども、不自然なところはないか、点検しよう。

  • 7.左右ライトを見比べる

    ホンダ モビリオ スパイク(ライト)

  • 7.左右ライトを見比べる

     バランスを見て、どちらかが新しいと感じたら、その側が補修されている可能性がある。片方だけライトが交換されている場合は、破損によるものか、事故の修理で交換したのか、周辺を詳しく調べて、確かめる必要がある。

  • 8.脱着を見極める

    ホンダ モビリオ スパイク(フロントフェンダー)

  • 8.脱着を見極める

     フロントフェンダーは、傷や凹みの他に、修理跡もチェック。
     固定ネジも調べて脱着した形跡があれば、交換している可能性がある。
     傷や凹みを補修したり、交換していても、きれいに直していれば事故車(修復歴車)の扱いにはならないが、車体の前部を広範囲に修理しているかもしれない。
     スパイクは、ステー(支え金具)を介してフェンダーを固定している。ステーに曲がりや歪み、修理跡がないかも見てみよう。

  • 9.交換の有無を確認

    ホンダ モビリオ スパイク(ドアヒンジ部)

  • 9.交換の有無を確認

     車体側面に大きな損傷を受けると、ドアを交換してしまうこともある。ヒンジ部の固定ネジを見て、脱着した様子はないか、探ってみよう。
     疑わしい場合は、左右のドアを見比べると、判断しやすい。
     ただし、新車の組み立て時や、ドアの立て付けを調整するためにネジを回すこともあるので、ネジを脱着しているように見えても、必ずしもドアを交換しているとはいえない。

  • 10.動き具合を確かめる

    ホンダ モビリオ スパイク(スライドドア)

  • 10.動き具合を確かめる

     スパイクは、後席両側にスライドドアを装備している。開け閉めして、スムーズに動くか、しっかりロックできるか、試してみよう。
     途中で重くなったり、引っ掛かる感じがするようなら、ドアが下がっていたり、車体が歪んでいることが原因になっていることも考えられる。
     仕様によっては、電動クロージャーも付いているので、きちんと作動するかも確認しよう。

11.脱着や変形を調べる

 スライドドアは、複雑な構造になっているので、側面に衝撃を受けている場合は、どこかに痕跡が残っている可能性もある。
 ドアのアーム(吊り金具)と、車体側のレールに歪みや修理跡がないかチェック。固定ネジを脱着した形跡がないかも確かめよう。
 ドアを交換する際はアーム類を分解する(外す)が、立て付け調整でネジを回すこともあるので周辺を調べて判断しよう。

  • ホンダ モビリオ スパイク(ドアのアーム)

  • ホンダ モビリオ スパイク(レール)

  • ホンダ モビリオ スパイク(固定ネジ)

  • 12.リアゲートの状態を点検

    ホンダ モビリオ スパイク(リアゲート)

  • 12.リアゲートの状態を点検

     スムーズに開閉できるかを、まず確認。途中で止めても静止するのが通常で、自然に下がってくる場合は開閉を補助しているステー(支え棒)のダンパー機能が低下している。オイル漏れなどにも注意してチェックしよう。
     閉めた状態で後面を見て、全体にずれていれば車体の歪みも考えられる。左右の片方だけ隙間が違っていれば、その側を板金修理をしている疑いがある。

13.開口部周辺をチェック

 車体後部に大きなダメージを受けると、支えている金具(ヒンジ)の固定ネジを脱着してリアゲートを交換することもある。ネジやヒンジ部に手を加えた形跡がないか見てみよう。
 また、開口部を見ると、左右両側共に鉄板が横から回り込んで、溶接されている。修理したり板金塗装していれば、周囲とは雰囲気が違って見えるので、左右を見比べながら、溶接やシーラー、塗装の状態などに異常はないか観察してみよう。
 後部から受けた衝撃は、キャビン(室内部)との接合部に歪みが生じたり、ルーフパネルの前部にまで波及することがある。修理箇所を見つけた場合は、関連する部分も詳しく調べる必要がある。

  • ホンダ モビリオ スパイク(リアゲート開口部1)

  • ホンダ モビリオ スパイク(リアゲート開口部2)

  • 14.給油口も開けてみよう

    ホンダ モビリオ スパイク(給油口)

  • 14.給油口も開けてみよう

     内部にシーラーの乱れやマスキング跡がないか、チェック。
     ピラー部(後部の柱部分)を板金修理するために外すことがあるので、ネジを脱着した形跡がないかも点検しよう。

  • 15.床まわりの様子がポイント

    ホンダ モビリオ スパイク(ラゲッジスペース床まわり)

  • 15.床まわりの様子がポイント

     ラゲッジスペースの床に収納されている、スペアタイヤを外してみよう。
     車体にダメージを受けてできた歪みなどが床部に残っているのを見つけることもある。
     また、塗装が部分的に周囲と違っていたり、防音防振材が部分的に剥がれていたり波打っている(剥がした痕跡がある)などの異常があれば、車体後部を修理している疑いがある。

  • 16.床下の異常を探る

    ホンダ モビリオ スパイク(床下)

  • 16.床下の異常を探る

     鉄板部の部分的な変形や凹み、支え金具類に歪みなどはないか、覗いてみよう。
     フレーム(車体の骨格部)やメンバー(車体の補強材)には特に注意して観察しよう。
     走行に影響がない見えない部分は補修や部品交換といった修理をしないことがある。マフラーなどの床下の部品類に傷や凹み、交換した形跡がないかどうかも探ってみよう。

  • 17.装備類を操作してみる

    ホンダ モビリオ スパイク(装備類)

  • 17.装備類を操作してみる

     動くものはすべて、正常に作動するか、確認しよう。
     保安部品関係(ヘッドライト、テールランプ、ブレーキ、バック、ウインカーなど)はもちろん、エアコンやオーディオなどの電装機器類をはじめ電動機構なども、スイッチを入れるだけでなく、操作して機能を確かめよう。
     パワーウインドウの開閉や後部座席ランプの点灯などは、意外に忘れやすいので注意しよう。
     また、オーディオやカーナビなどは、取扱説明書が揃っていることも確認しよう。カーナビが付いている場合は、地図ソフトがいつのものかも調べよう。

  • 18.エンジンの調子を点検

    ホンダ モビリオ スパイク(始動)

  • 18.エンジンの調子を点検

     エンジンをかけてみよう。
     かかり具合をはじめ、アイドリング、異音、回転の上下、排気ガスの色などもチェック。
     実際に走ってみるのが望ましいが、エンジンが暖まってからアクセルペダルを軽く煽ってみて、スムーズに回転が上下するかどうかも試してみよう。回転中に異音が聞こえたり、大きな振動が出ていれば、トラブルを抱えている可能性がある。

  • 19.シフト状態も試してみる

    ホンダ モビリオ スパイク(セレクトレバー)

  • 19.シフト状態も試してみる

     NからDへ、NからRへなど、各ポジションにセレクトレバーを動かしてみよう。できれば試走して、異常がないか調べたい。
     スパイクはCVTなので、ギアが切り替わるときのスムーズさがチェックのポイントだ。ギアを切り替える時にショックがある場合は、機構不良による異常と考えていいだろう。

  • 20.タイヤとホイールから推察

    ホンダ モビリオ スパイク(タイヤ)

  • 20.タイヤとホイールから推察

     タイヤ外周の接地面を見て、一部が極端に減っている偏摩耗を見つけたら、アライメント(ホイールの取り付け角度)狂っているだけなのか、あるいはダメージを受けて車体が歪んでいるのかを確かめる必要がある。
     また、ホイールカバー(またはアルミホイール)に傷が多いと、乱暴だったり、不注意や不慣れなど、運転の様子が想像できる。室内の状態なども含めて、車両の扱い方を推察してみよう。

  • 21.整備状態を把握する

    ホンダ モビリオ スパイク(整備記録)

  • 21.整備状態を把握する

     点検整備記録の内容を、車両をチェックする前に確認しよう。
     定期点検や消耗部品交換などの実施時期と、その時の走行距離を把握しておくと、車両各部の状態を探る参考になる。
     詳細な記録が残っている車両は、トラブルや修理の経緯が確認できるし、走行距離が伸びていても走行機能部分には大きな問題を抱えていないと推察できる。

車両チェックの勘どころ

塗装
●部分的に色調や艶が違う場合には、周辺の状態もチェック。●タイヤハウス(フェンダーのタイヤを覆っている部分)内に外装塗料が付着しているとか、メッキやゴム部品などに塗料の飛沫が付いているなどの場合も、周辺を詳しく確かめる必要がある。●ドアの開口部などにマスキング(塗装スプレーが他の部分に広がらないようにするカバーを留める粘着テープを貼る)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があれば、何らかの理由で塗装していることがわかる。

取り付けネジ
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体まわりの部品を交換する時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれているのは、ネジを回している証拠だ。●普通はネジの頭は塗装されているので、傷は比較的容易に確認できる。無塗装の場合は判断しにくいので、車体の左右を見比べるといい。

溶接とシーラー
●車体を構成する部品が溶接で固定されている部分は、シーラー(接合部の隙間を埋める充填材)が塗布されている。修理や交換で再溶接すると塗り直すので、不自然になっている。●疑わしい場合は、爪で押してみよう。表面が硬くても内部が柔らかい(プチッと表面が割れる)ようなら、修理後に新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、盛り上がっていたり、窪んでいたり、横方向にヒダがあるなど、鉄板の接合状態やシーラーを塗布する方法によって形状が違っている。不自然に見える部分を見つけたら、車体の左右同じ場所を見比べて判断しよう。●車体各部はスポット溶接されている(鉄板の接合部に小さな丸い窪みが並んでいる)部位も多いが、修理工場でスポットを打ち直している場合は、直径が5mm以下(新車時は5mm以上が普通)、窪みが深い、2度打ちしたずれなど、新車組み立て時の状態とは異なる特徴がある。●電気スポット溶接の電極が入らない奥まった部分などは、炭酸ガスアーク溶接に代えることがあるので、スポット溶接の窪みがなくなっていることもある。

立て付け
●外板パネルなどを修理すると、組み付ける際に誤差が出ることがあり、それは、隣り合うパネルの隙間(チリ)を見ればわかる。隙間の幅が均等になっていなければ、修理している可能性が高い。●バンパーなどは、押されてずれることがある。たとえ修理していなくても、隙間が合っていなければ、なんらかのダメージを受けている。●モール類(フェンダーからドアにかけて線状に繋がっている飾りなど)やプレスライン(外板が折れ曲がっている角の線)がずれていることからも、立て付けに異常があることがわかる。

■今回の車両のプロフィール

●2002年9月に登場したスパイクは、3列シート7人乗りの「モビリオ」に対して、2列シート(フロントベンチタイプ)5人乗りで、後席両側スライドドアを備えたワゴンタイプのコンパクトカー
 エンジンは1.5リッターで、トランスミッションはCVT(無段変速機)。駆動方式には、FFと4WDがある。
 グレードは、ベーシックな「Y」、ボディ同色エクステリア+メッキパーツの「A」、パワースライドドア&イージードアクローザー、プライバシーガラスなどを備えた「W」が設定されている。WとAには、マニュアルシフト感覚の「7スピードモード」も搭載。また、メタル調パーツやアルミホイール、オートエアコンなどを組み込んだ「Lパッケージ」もある。
 2003年5月に、Lパッケージにビレットグリルなどを加え、本革巻きステアリングホイールなども標準装備にした「Lパッケージ2」も追加設定。
 2004年2月には、一部改良、装備追加などで仕様変更されている。

■参考車両と同時期の仕様グレード設定

グレード型式シフト駆動
WLA-GK2CVT4WD
ALA-GK2CVT4WD
YLA-GK2CVT4WD
WLA-GK1CVTFF
ALA-GK1CVTFF
YLA-GK1CVTFF
Wタイプ Lパッケージ2LA-GK2CVT4WD
Aタイプ Lパッケージ2LA-GK2CVT4WD
Wタイプ Lパッケージ2LA-GK1CVTFF
Aタイプ Lパッケージ2LA-GK1CVTFF

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