中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.08 / 掲載日:2015.06.19
レクサス IS 中古車購入チェックポイント
レクサス IS(2014年7月~) 中古車購入チェックポイント
参考車両:IS350・F スポーツ(DBA-GSE31)
初度登録:2014年7月
追加装備:〈メーカーオプション〉プリクラッシュセーフティシステム+レーダークルーズコントロール、クリアランスソナー&バックソナー、F スポーツ専用本革スポーツシート+電動チルト&テレスコピックステアリングコラム+オート電動格納式ドアミラー+後席SRSサイドエアバッグ+ブラインドスポットモニター+クラフッテッドラインウッド・グレーオーナメントパネル、LEDヘッドランプ+レーンディパーチャーアラート+オートマチックハイビーム、ステアリングヒーター、マークレビンソンプレミアムサラウンドサウンドシステム
■全体のチェックポイント
2013年5月から発売している“30系”。高級車「レクサス」の充実装備と「IS」の走りが注目ポイント。参考車両は、2014年7月に一部改良した「IS350」を「F スポーツ」仕様にしたうえに、オプションの運転支援機構なども追加している。車体まわりを慎重にチェックするのはもちろんだが、電子制御が介在する走行機能の具合と整備状況を必ず確認したい。
走行機能にもダメージが及んでいないか注意する
1.外見の様子から観察する
1.外見の様子から観察する
まずは、外装に歪みやずれなどがないか、車体のバランスを見る。車体の姿勢(傾き)にも注意。
前面は、バンパー、グリル、ボンネット、ヘッドランプ、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、先端部やフロントガラスの飛び石傷などにも注意したい。
2.隣接部も同時にチェック
2.隣接部も同時にチェック
バンパーは、角や下部、グリル、フォグランプカバー、クリアランスランプなどの損傷にも注意し、立て付けもチェック。下側にあるエアスパッツ(空気整流板)の破損などにも注意。同時に、ヘッドランプやボンネットもチェック。
フェンダーは、ホイールアーチの縁、奥のタイヤハウス内、内側のフェンダーライナー(泥よけカバー)などもチェックする。
3.ドアと関連部を調べる
3.ドアと関連部を調べる
ドアは、外面だけでなく、内側パネルとの接合部あたりも修理跡などがないか見る。ドアを外して修理/交換していないか、ヒンジ部もチェック。ピラー(柱)やドアキャッチ(ロックの受け側)など関連部の状態もチェックする。
4.車体の内側を調べる
4.車体の内側を調べる
ボンネットは、内側やヒンジ部も調べる。フェンダーは、エンジンルーム側に、カバーがあるが、腐食や修理跡がないか見る。同時に、車体パネルもチェック。最前部にあるラジエターサポートあたりのカバーや関連部品なども要チェック。
5.後部のチェック
後面も、バンパー、トランクリッド、コンビネーションランプ、フェンダーなどをチェック。エンブレム、ナンバープレート、バンパーロワカバー、リフレクター、マフラーエンドパイプなどの損傷にも注意。
トランクリッドは、開閉具合をチェック。カバーで覆われているが、ヒンジアームや取り付け部あたりもチェック。トランクリッドの内側もチェック。開口部も、パネル接合部の溶接やシーラーの状態に注意しながら修理/交換跡などがないか見る。
6.下側に要チェックポイント
車体側面下部は、サイドマッドガードに損傷や修理跡などがないかチェック。床下側を覗いて、サイドマッドガードで覆われているサイドシル(車体の梁)に損傷、腐食、修理/交換跡などがないかチェック。同様に、ステップ部(サイドシルの上側)周辺も調べる。
7.損傷の度合いも確かめる
7.損傷の度合いも確かめる
ドア開口部は、事故などによる損傷や修理跡のほか、乗り降りによる擦り傷や打ち傷、簡易補修跡などがないかチェック。マスキング跡があれば、周辺を詳しく調べて、損傷の程度と範囲を確認する。
8.タイヤとホイールをチェック
8.タイヤとホイールをチェック
タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷・ひび割れ・欠けなどがないかチェック。接地面の一部が極端に減る偏摩耗など異常摩耗を起こしていれば、サスペンションの不良や車体の歪みなどにも要注意。アルミホイールは、塗装の傷み・剥がれ・ブレーキダスト、リムの欠損・曲がり、歪み(変形)や破損(割れ)などにも注意しながらチェックする。
9.床下も覗いてチェック
9.床下も覗いてチェック
車体パネルや補強部材、アンダーカバーなど車体部品。マフラーやサスペンション、ブラケット、アームなど走行機能部品類も、傷、歪み、曲がり、破損、修理/交換跡などがないかチェック。オイルやグリスなどの漏れ、樹脂やゴム部品の劣化・破損などにも注意。錆があれば、範囲と腐食の状態を調べる。
★損傷と修理歴の有無を確認する
「IS」は、ミッドサイズラグジュアリークラスのFRセダン。「F スポーツ」は、メッシュタイプスピンドルグリル&フロントバンパーやLEDフォグランプなどが専用パーツ。参考車両は、メーカーオプションの各種運転支援機構を追加しているので、フロントLEXUSエンブレム後部にミリ波レーダー、フロントウインドウ上部室内側に単眼カメラ、前後バンパーに超音波センサー(フロントグリルはクリアランスソナー装備用)、リアバンパー内に24GHz帯ミリ波レーダーが付いている。
衝撃吸収ボディ・高強度キャビン・歩行者保護ポップアップフード(フロントバンパー内に衝突物判別制御センサーがある)なども注意ポイントといえるが、車体構造はともかく、走行機能にもダメージがないか確認したい。車体の骨格部を事故修理している車両は修復歴車だが、たとえ修復歴に該当しなくても、損傷や修理/交換した箇所がないか販売店に聞いてみよう。
★足まわりの状態を確認
「F スポーツ」は、前225/40Rタイヤ&18x8Jアルミホイール・後255/35Rタイヤ&18×8 1/2Jアルミホイールとチューニングサスペンションを装着。「IS350・F スポーツ」のフロントブレーキには、高摩擦ブレーキパッド(効きはいいがブレーキノイズが発生しやすい)が付いている。例えば、タイヤの状態によっては走行制御機構が正常に作動しなくなる。サスペンション、ブレーキ、ステアリングなども、それぞれの状態を確認するが、走行制御機能などが関わっていることにも注意したい。
室内の状態と装備機器の機能・作動をチェック
1.隅まで細かく調べる
1.隅まで細かく調べる
室内は、内装材に汚れや傷、損壊などがないかチェック。ボックスやトレイなどは、内部も見る。シート表皮の染み、破れ、穴、ほころび。本革部分の擦れ、剥げ、ひび割れ。装飾パネルの傷や割れ。ボックスリッドやエアコンルーバーなどは、可動部の破損に注意しながらチェックする。
2.後室やトランク室も見る
後席も、シートからドア、床、天井までチェック。6:4分割可倒式シート(セキュリティロック付)の折り畳み具合なども試しながら周辺の状態を丹念に調べる。
トランク内も、車体まわりのチェックでトランクリッドを開けた時に、傷や破損などがないかチェックしておく。
全体的には、使用状況や扱い方による傷みに注意しながらチェックする。
3.装備機器の機能を確認
ヘッドランプ、ウインカー、ワイパー、ドアミラー、テール/ブレーキ/バックランプなど保安装置。パワーウインドウ、ドアロック、室内ランプ、リモコンキーによる各ドアの解錠・施錠など、基本的な装備機器の具合をチェック。
オートエアコンの自動調整機能や調整・設定の具合。ナビ機能やAV機能、通信機能、接続機能などのほか、ディスプレイ、リモートタッチスイッチ、ステアリングスイッチなどの連携機能もチェック。
4.追加機能の状態も確認
「IS」は標準装備でも充実しているが、参考車両は「F スポーツ」専用装備と各種メーカーオプションを装備している。追加された装備も、すべて正常に機能するか確認したい。電動・電子装置が多いので、電装機器の具合は販売店でチェックしてもらうといい。
★販売店で細部まで調べてもらう
「IS」は、運転席/助手席8ウェイパワーシート、オートエアコン・ナノイー機能・静電式温度調整スイッチ、SDナビ+ISプレミアムサウンドシステム+DSRCユニット、ナビディスプレイ連携マルチインフォメーションディスプレイ、リモートタッチ、ステアリングスイッチなどを全車標準装備。「F スポーツ」は、専用のディンプル本革ステアリング&シフトノブ、アルミ製スポーツペダル、スポーツシートなどを装備。参考車両には、メーカーオプションの電動ステアリングコラム、ウッドパネル、ステアリングヒーター、マークレビンソンプレミアムサラウンドサウンドシステムなども付いている。いずれにしても、販売店で車両の装備内容をまず確認。装備機器類の具合は、とりあえずわかるところだけでもチェックし、細部は販売店で点検してもらおう。
走行機能のコンディションと整備状況を確認する
1.エンジンをかけてみる
エンジンをかけて、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時には、電子キーとエンジンスイッチの機能を確認。表示灯・警告灯、インジケーター、メーター、ディスプレイなどの表示も見る。わからないことや疑問は、販売店スタッフに聞いてみよう。
2.運転支援機能もチェック
マニュアルモード付8速ATは、シフト具合をチェック。可能なら試乗して、自動変速動作と制御、マニュアル変速の具合もチェック。ドライブセレクトモード(NAVI・AI-AVS装備車は4モード)の走行特性切り替え。VSC/TRCの作動および統合制御VDIM。「F スポーツ」は、ショックアブソーバー減衰力制御やステアリング制御。参考車両は、追加した運転支援機構の具合も要チェック。
とはいっても、機能が正常かどうか判断するのは、まず無理。販売店で厳密に点検してもらおう。
★正しく点検・整備してもらう
★正しく点検・整備してもらう
「IS350」は、3.5L(V型6気筒・筒内直接+ポート燃料噴射・吸排気連続可変バルブタイミング)エンジン、8速スポーツダイレクトシフト、加速度感応シフトダウン制御を搭載。ドライブモードセレクト、VDIM、VSC・TRC・ABS・ブレーキアシスト、EPS、クルーズコントロール、ヒルスタートアシスト、バックガイドモニターなどは全車に搭載。「F スポーツ」は、専用メーター、NAVI・AI-AVS・シャシー制御付、アクティブステアリング統合制御付VDIM。「IS350・F スポーツ」は、VGRSやLDHも搭載。参考車両は、プリクラッシュセーフティシステム+レーダークルーズコントロール、クリアランスソナー&バックソナー、LEDヘッドランプ+LDA+AHB、BSMなども追加している。
各機構の話はともかく、それぞれの機能が正常か確認したい。いちおうエンジン周辺の様子だけでも見て、走行関連部の具合と整備状況は販売店に聞いて確認。車両の購入を決めるなら、すべての走行機構と制御システムをきちんと点検・整備してもらうようにしよう。
■最初に車両の現状を確かめる
中古車両をチェックする際は、現物を見て「年式(登録年月日)・仕様・グレード」を確認。標準装備のほかに、メーカー/ディーラーオプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。走行機構の整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
■今回の車両のプロフィール
●「IS」は、2013年5月に「IS350/IS250」をフルモデルチェンジするとともに、新たにハイブリッド車「IS300h」を追加。新型“30系”は、新世代レクサスを象徴する“スピンドルグリル”を採用。先進技術を投入し、走行・快適・安全・環境性能などを向上。従来同様の高級仕立て「バージョンL」とスポーティ仕様「F スポーツ」も設定。
*従来型“20系”の2ドアコンバーチブル「IS350C/IS250C」とプレミアムスポーツ「IS F」は継続販売。2013年8月にIS350C/IS250Cを一部改良。2013年9月にIS Fを一部改良。2014年5月には20系全車の販売を終了した。
●2014年7月にISシリーズを一部改良。装備設定や室内装飾などを一部変更している。
スマートエントリー&スタートシステム、本革ステアリングホイール&シフトノブ、ナノイー機能付オートエアコン、SDナビゲーションシステム&レクサスIS プレミアムサウンドシステム、運転席/助手席パワーシートなどを全車標準装備。
「IS250」は、2.5Lエンジン+マニュアルモード付6速ATを搭載し、16インチアルミホイールを装着したスタンダードモデル。「IS350」は、3.5Lエンジン+マニュアルモード付8速ATを搭載し、17インチアルミホイールを装着した上級モデル。「IS300h」は、2.5Lエンジン+高トルクモーターのハイブリッドシステムを搭載し、LEDヘッドランプやEVドライブモードなどを装備している。
グレードアップオプションの「バージョンL」は、電動リアウインドウサンシェード、セミアニリン本革シート、後席サイドエアバッグなどを装着。「F スポーツ」は、メッシュタイプスピンドルグリル&フロントバンパー、LEDフォグランプ、チューニングサスペンション、18インチアルミホイール、ディンプル本革ステアリングホイール&シフトノブ、ファブリック/合成皮革スポーツシートなどを装着し、NAVI・AI-AVSやアクティブステアリング統合制御付VDIMを搭載する。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
IS250 | DBA-GSE30 | 6AT-M | FR |
IS250 | DBA-GSE35 | 6AT-M | 4WD |
IS350 | DBA-GSE31 | 8AT-M | FR |
IS300h | DAA-AVE30 | ECVT | FR |