中古車購入チェックポイント
更新日:2018.10.23 / 掲載日:2015.10.16
スバル レガシィ B4(2014年10月~)中古車購入チェックポイント
スバル レガシィ B4 (2014年10月~) 中古車購入チェックポイント
参考車両:ベースグレード(DBA-BN9)
初度登録:2015年3月
追加装備:〈メーカーオプション〉ハーマンカードンサウンドシステム&SDナビゲーション
■全体のチェックポイント
走行機能のダメージにも注意しながらチェックする
1.外見の様子から探っていく
1.外見の様子から探っていく
まずは、外装に異常がないか観察する。前面は、バンパー、グリル、ボンネット、ヘッドライト、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、先端部やフロントガラスの飛び石傷などにも注意。
2.隣接部も同時にチェック
2.隣接部も同時にチェック
バンパーは、角や下部、ロア/アッパーグリル、フォグランプカバーなども損傷がないか見て、立て付けも調べる。下側にあるエアフラップ(整流板)の破損にも注意。同時に、ヘッドランプやボンネットもチェック。フェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)の縁、奥のタイヤハウス内、内側のフェンダーライナー(泥よけカバー)などもチェックする。
3.関連部も慎重にチェック
3.関連部も慎重にチェック
ドアは、外面だけでなく、内側のパネル接合部あたりも修理跡などがないかチェック。ドアを外して修理/交換していないか、ヒンジ部もチェック。同時に、ピラー(柱)やサイドシル(梁)など、関連部にも異常がないか調べる。
4.車体の内側もチェック
ボンネットは、内面やヒンジ部もチェック。フェンダーは、カバーで覆われているが、腐食(錆)や修理跡などがないか見て、取り付け状態もチェック。同時に、車体パネルもチェック。最前部にあるラジエターサポートおよび関連部品も、修理/交換していないか要チェック。
5.後部のチェック
後面も、バンパー、トランクリッド、コンビネーションランプ、フェンダー、ピラーなどをチェック。ナンバープレートやマフラーなどの損傷にも注意。
トランクリッドは、開閉具合とロッドダンパーの効き具合をチェック。トランクリッドの内側、ヒンジ、ヒンジ取り付け部もチェック。開口部も、パネル接合部のシーラーや溶接、塗装の状態に注意しながら修理/交換跡がないかチェック。できれば、トランク床下のサブトランク周辺の状態も見てみたい。
6.下側に要チェックポイント
車体側面は、下部に設置しているサイドシルスポイラーに傷や破損、修理跡などがないかチェック。サイドシルスポイラーで覆われているサイドシル(車体の梁)も、損傷、腐食、修理/交換跡などがないか必ずチェック。同様に、ステップ部(サイドシルの上側)周辺も慎重にチェックする。
7.損傷の程度も確かめる
ドア開口部は、乗り降りによる傷や簡易塗装補修跡などがないかチェック。マスキング跡があれば、周辺を詳しく調べて、損傷の程度と範囲を確認する。
右リアフェンダーは、フューエルリッドもチェック。カバーで覆われている給油口周辺も、異常がないか見る。
8.タイヤとホイールをチェック
8.タイヤとホイールをチェック
「ベースグレード」は、225/55Rタイヤ&17インチアルミホイールを標準装備。タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷や亀裂などがないかチェック。一部だけが減る偏摩耗など異常摩耗を起こしていれば、サスペンション不良のほか、車体が歪んでいる可能性もあるので要注意。アルミホイールは、リムの縁(タイヤと接している部分)の欠損や曲がり、過度な衝撃による変形や破損などに注意しながらチェックする。
タイヤ/ホイールの状態によっては、操縦性が悪化したり、車両安定制御VDCや連携制御などが正常に作動しなくなることにも注意したい。
9.床下も覗いてチェック
9.床下も覗いてチェック
車体パネルや補強部材、カバー類など車体部品。マフラーやサスペンション、アーム、ブラケットなど走行関連部品も、傷、曲がり、歪み、破損、修理/交換跡などがないかチェック。
オイルやグリスなどの漏れ、樹脂やゴム部品の劣化・破損などにも注意。錆があれば、広がり範囲と腐食状態を調べる。
★損傷と修理/交換歴の有無を確認する
「B4」の作りは、オーソドックスな4ドアセダン。LEDロービーム+ハロゲンハイビームヘッドランプ・オートレベライザー・ポップアップ式ヘッドランプウォッシャー付、LEDポジションランプ、フロントハロゲンフォグランプ、LEDウインカー付電動格納式ドアミラー・ヒーテッドドアミラー/フロントワイパーデアイサー/リアウインドウデフォッガー連動、LEDブレーキ/テールリアコンビネーションランプ、LEDリアフォグランプ(トランクリッド右側がフォグランプ、左側はバックランプ)、ガラスアンテナなどを装備。フロントガラス上部には、[アイサイトver.3]で使用するステレオカメラと雨滴感知オートワイパー/オートライト用のセンサーがある。参考車両は、メーカーオプションの[ハーマンカードンサウンドシステム&SDナビゲーション]に含んでいるリアビューカメラがリアナンバープレート上側に付いている。
車体まわりは、衝撃吸収ボディのほか、フロントクレードルフレーム(クレードル構造マウント)なども注意ポイントといえるのだが、車体構造などはともかく、外装だけでなく、走行機能にダメージがないか確認したい。車体の骨格部を事故修理しているのは修復歴車だが、修復歴に該当しなくても、損傷や修理や交換している箇所がないか販売店に聞いてみよう。
内装の状態と装備機器類の機能・作動をチェック
1.隅まで細かくチェック
室内は、内装材に汚れや傷などがないか。ダッシュボードからドア、床、天井までチェック。ボックスやトレー、ポケットなどは、内部も見る。シート表皮の染み、しわ、破れ。本革部分の擦れ、剥げ。加飾パネルなどの割れ、浮き。ボックスリッドやエアコン吹き出し口などの可動部破損などにも注意しながらチェックする。
2.トランク室までチェック
後席も、センターアームレスト(カップホルダー付)の出し入れ、ヘッドレストの調整、6:4分割可倒式トランクスルーの背もたれ前倒しなども試しながら周辺をチェック。
トランクルームも、傷みがないかチェック。トランクルーム床のボードを取り外して、サブトランクの状態も見る。
3.装備機器の機能を確認
ヘッドライト、ウインカー、ワイパー、ドアミラー、テール/ブレーキ/バックランプなど保安装置。パワーウインドウやドアロック、室内ランプなど基本的な装備機器。アクセスキーの機能と各ドアの解錠・施錠、アクセスキー対応運転席シートポジションメモリー機能などもチェック。フルオートエアコンは、自動制御機能や調整・設定機能をチェック。
4.追加装備の機能も確認
メーカーオプションのハーマンカードンサウンドシステム&SDナビゲーション装備車は、ナビ機能やAV機能はもちろん、通信・接続、リアビューモニター、ステアリングスイッチなど、付随・連携する機能なども正常か確認したい。
★販売店でチェックしてもらう
「B4」は、キーレスアクセス、運転席10ウェイ(シートポジションメモリー機能付)/助手席8ウェイ電動シート、全席シートヒーター、左右独立温度調整フルオートエアコン、オーディオレス・6スピーカーなどを全車標準装備。「ベースグレード」は、本革巻ステアリングホイール&シフトレバー、ファブリックシート・シルバーステッチ、木目調+シルバー塗装加飾パネルを標準装備。参考車両は、メーカーオプションのハーマンカードンサウンドシステム&SDナビゲーション〔専用12スピーカー・CD/DVD・AM/FM・地デジTV・Bluetooth対応ハンズフリー+リアビューカメラ+オーディオリモコンスイッチ+外部入力端子(USB/ピンジャック)+コンソール12V電源ソケット〕が付いている。いずれにしても、チェックする車両の仕様グレードや装備内容を販売店でまず確認。装備機器類は、とりあえずわかるところだけでもチェックし、細部は販売店で点検してもらう。特に電装機器に異常がないか注意したい。
走行機能・制御機能の具合と整備状況を確認する
1.エンジンを始動してみる
1.エンジンを始動してみる
エンジンをかけて、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時には、プッシュエンジンスイッチの機能も確認。表示灯・警告灯、メーター・ディスプレイの表示などにも注意する。わからないことや疑問は、販売店スタッフに聞いてみよう。
2.運転支援機能もチェック
6速マニュアルモード付CVTは、各ポジションへのシフト具合をチェック。可能なら、自動無段変速動作と制御、マニュアルモード[+・ー]パドルシフトの変速と制御具合などもチェック。
アイドリングストップのエンジン停止・再始動と[A OFF]、電動パーキングブレーキやEBD/ABS/ブレーキアシスト/ブレーキオーバーライド/トルクベクタリングなどブレーキ制御関連機能。VDC(VDC/TCS)の作動と[VDC OFF]。アイサイトver.3の各機能の作動に(ON/OFFや設定機能も)異常がないか確認したい。
とはいっても、正常かどうか判断するのはまず無理。販売店で厳密に点検してもらおう。
★正しく点検・整備してもらう
★正しく点検・整備してもらう
「B4」は、2.5L水平対向4気筒エンジン・アイドリングストップ・アクティブグリルシャッター+6速マニュアルモード付CVT(自動無段変速機)・オートステップ変速制御付+アクティブトルクスプリットAWD(電子制御4WD)、SI-DRIVE・3モード[I・S・S#]、電動パーキングブレーキ・ヒルホールド機能付、EBD付ABS・ブレーキアシスト・ブレーキオーバーライド・アクティブトルクベクタリング、VDC(横滑り抑止VDC/空転抑止TCS)などを搭載。アイサイトver.3(プリクラッシュブレーキ/ブレーキアシスト/ステアリングアシスト・全車速追従機能付クルーズコントロール・車線逸脱抑制・AT誤発進抑制制御・AT誤後進抑制制御(ステレオカメラ不使用機能)・ふらつき警報/車線逸脱警報・先行車発進お知らせ機能)も装備している。
各機構の構造はともかく、それぞれの機能に異常がないか確かめたい。とりあえずエンジンルーム内だけでも見て、走行系各部の現状を販売店に聞いてみる。車両の購入を決めるなら、水平対向エンジンをはじめ、スバル独自の機構をきちんと点検・整備できるか確認したい。
■最初に車両の現状を確かめる
中古車両をチェックする際は、現物を見て、年式(登録年月日)・仕様・グレードを確認。標準装備のほかに、メーカーオプションやディーラーオプション、市販機器、カスタムパーツなどを付けていないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
■今回の車両のプロフィール
●フルモデルチェンジして2014年10月に発売した6代目「レガシィ」は、SUV「アウトバック(BS9型)」とセダン「B4(BN9型)」を設定。外装・内装を変更したほか、車体・サスペンション・ステアリング・ブレーキなどを改良し、2.5L新世代水平対向4気筒エンジン+新リニアトロニック(6速マニュアルモード付CVT)+新アクティブトルクスプリットAWD(電子制御4WD)、ステレオカメラシステムを全面刷新して機能を向上した運転支援システム[アイサイトver.3]を搭載。スバル国内初採用のharman/kardonサウンドシステムを組み込んだ「ハーマンカードンサウンドシステム&SDナビゲーション」などもメーカーオプションとして設定している。
「B4」は、LEDロービーム+ハロゲンハイビームヘッドランプ、フロント/リアフォグランプ、LEDウインカー付電動格納式ドアミラー、LEDリアコンビネーションランプ、パドルシフト、フルオートエアコン、キーレスアクセス&プッシュスタート、オーディオレス・6スピーカー運転席10ウェイ/助手席8ウェイパワーシート、運転席/助手席/後席シートヒーターなどを全車標準装備。
「ベースモデル」とも呼ぶベーシックタイプは、17インチアルミホイール、本革巻ステアリングホイール&シフトレバー、ファブリックシート・シルバーステッチ、木目調+シルバー塗装加飾パネルなどを標準装備。
「リミテッド」は、ブラック塗装+切削光輝18インチアルミホイール、メッキリング付フロントフォグランプカバー、メッキ加飾付サイドシルスポイラー、マフラーカッター、スタブレックスライド(減衰可変ダンパー)、本革(高触感革)巻ステアリングホイール&シフトレバー、アルミパッド付スポーツペダル、リング照明付マルチインフォメーションディスプレイ付メーター、本革&合成皮革シート・シルバーステッチ、ピアノブラック調+シルバー塗装加飾パネルなどを標準装備している。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
B4(ベースグレード) | DBA-BN9 | CVT-6M | 4WD |
B4 リミテッド | DBA-BN9 | CVT-6M | 4WD |