中古車購入チェックポイント
更新日:2018.10.26 / 掲載日:2015.12.18
三菱 ミラージュ(2014年12月~)中古車購入チェックポイント
三菱 ミラージュ(2014年12月~) 中古車購入チェックポイント
参考車両:1.2G(DBA-A03A)
初度登録:2014年12月
追加装備:〈メーカーオプション〉寒冷地仕様+SRSサイドエアバッグ&カーテンエアバッグ〈ディーラーオプション〉2DINワイド7型メモリーナビゲーション、ETC、ECOフロアマット、トノカバー、ラゲッジマット
■全体のチェックポイント
“小型・低燃費・低価格・女性向けの扱いやすさ”などを売りに、2012年8月に発売した後、2014年12月の一部改良で1.2Lエンジン搭載車を追加した時期のモデル。ぶつけやすい部分に注意しながら車体まわりをチェックし、室内の状態や装備機器類の具合も確認。走行関連機能の整備状況なども忘れずに確認したい。
関連部のダメージにも注意しながらチェックする
1.外見の様子から探っていく
1.外見の様子から探っていく
まずは、外装に異常がないか車体まわりを観察する。前面は、バンパー、ボンネット、ヘッドランプ、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、先端部やフロントガラスの飛び石傷などにも注意。
2.隣接部も同時にチェック
2.隣接部も同時にチェック
バンパーは、角や下部、グリル、フォグランプカバーなどに損傷がないか見て、立て付けも調べる。下側にあるエアスパッツの破損にも注意。同時に、ヘッドライトやボンネットなどもチェック。
フェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)の縁、奥のタイヤハウス内、内側にあるフェンダーライナー(泥よけカバー)などもチェックする。
3.関連部も慎重にチェック
3.関連部も慎重にチェック
ドアは、外面だけでなく、パネル接合部に注意して内側もチェック。ドアを外して修理/交換していないか、ヒンジ部もチェック。同時に、ピラー(柱)やサイドシル(梁)など関連部もチェックする。
4.車体の内側もチェック
ボンネットは、内側やヒンジ部もチェック。フェンダーも、内側に腐食(錆)や修理跡がないか見て、固定ネジやブラケット(支え金具)もチェック。同時に、車体パネルもチェック。最前部にあるラジエターサポートおよび関連部品も、修理/交換跡などがないか調べる。
5.後部のチェック
後面も、バンパー、テールゲート、コンビネーションランプ、フェンダー、ピラー、ルーフなどをチェック。バンパー下側のマフラーの損傷などにも注意。
テールゲートは、開閉の動きとロッドダンパーの効き具合をチェック。テールゲートの内側やヒンジ部もチェック。パネル接合部の溶接やシーラーなどに注意しながら開口部もチェック。さらに、スペアタイヤ収納部周辺のパネルも、歪みや修理跡などがないか見る。
6.下側に要チェックポイント
車体側面は、下部に設置しているサイドスポイラーに損傷や修理跡などがないかチェック。それよりも重要なのは、覆われているサイドシル(車体の梁)のほうだ。床下側も覗いて、損傷や腐食、修理/交換跡などがないかチェック。同様に、ステップ部(サイドシルの上側)周辺もチェックする。
7.リアフェンダーのチェック
ドア開口部は、乗り降りによる傷や簡易修理跡などにも注意しながらチェック。マスキング跡があれば、周辺を詳しく調べて、損傷の程度と範囲を確認する。
左リアフェンダーは、フューエルリッドもチェック。給油口周辺も、マスキング跡や修理/交換跡などがないか調べる。
8.タイヤとホイールをチェック
8.タイヤとホイールをチェック
「1.2G」は、175/55Rタイヤ&15インチアルミホイールを標準装備。タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷や亀裂などがないかチェック。異常摩耗を起こしていれば、サスペンション不良のほか、車体の歪んでいる可能性もあるので要注意。タイヤの状態によっては、車両安定制御ASCなどが正常に作動しなくなることにも注意したい。
アルミホイールは、塗装の傷みや剥がれ、縁石などに接触することがあるリムの縁(タイヤと接している部分)の欠損や曲がり、過度な衝撃を受けると生じる歪み(変形)や割れなどにも注意しながらチェックする。
9.床下も覗いてチェック
9.床下も覗いてチェック
車体パネルや補強部材、カバー類など車体部品。マフラーやサスペンションなどの部品類も、傷、歪み、変形、破損、修理/交換跡などがないかチェック。油汚れ(オイルやグリスなどの漏れ)、樹脂やゴム部品の劣化・破損などにも注意。錆があれば、広がり範囲と腐食の進行状態を調べる。
★損傷の有無と修理/交換歴を確認する
「ミラージュ」の車体は、コンパクトカーの中でも小さいサイズの部類に入る5ドアハッチバック。外装は、ハロゲンヘッドライト・マニュアル光軸調整機構付、電動格納式リモコンドアミラー、可倒式ショートルーフアンテナ、フルホイールカバー付14インチスチールホイール(1.2Gを除く)などを全車標準装備。「S」以外は、フロントエアダム(エアスパッツ)、サイドエアダム(サイドスポイラー)、ルーフスポイラー、フロアアンダーカバーなど空力部品を装着。「1.0G/1.2G」は、ターンランプ付ドアミラーを標準装備。「1.2G」は、フロントフォグランプや15インチアルミホイールも標準装備となっている。参考車両は、メーカーオプションの寒冷地仕様(ヒーテッドドアミラーも含んでいる)+SRSサイドエアバッグ&カーテンエアバッグを追加している。
衝突安全強化ボディや歩行者頭部保護構造(フロントバンパー先端部やボンネットが変形しやすい衝撃吸収構造)といったところも注意ポイントといえるのだが、車体構造はともかく、外装だけでなく、走行機能にもダメージがないか確認したい。車体の骨格部を修理/交換している車両は修復歴車だが、修復歴に該当しなくても、損傷や修理/交換している箇所がないか販売店に聞いてみよう。
室内の状態と装備機器類の機能動作をチェック
1.隅まで細かくチェック
1.隅まで細かくチェック
室内は、内装材に汚れや傷、損壊などがないかチェック。ボックスやトレー、ポケットなどは、中も見る。シート表皮の染み、破れ。樹脂パネルや加飾パネルの割れ、浮き。ボックスリッドやエアコン吹き出し口などの可動部破損にも注意しながらチェックする。
2.後部まで丹念にチェック
前席だけでなく、後席も、シートからドア、床、天井まわりまでチェック。後部ラゲッジルームも、傷みなどがないかチェック。リアシート背面のストラップを引いて、6:4分割可倒式リアシートの背もたれ前倒しなども試してみる。
3.装備機器の作動を確認
ヘッドライト、ウインカー、ワイパー、ドアミラー、テール/ブレーキ/バックランプなど保安装置。パワーウインドウ、ドアロック、室内ランプなど基本的な装備。リモコンキーの機能とドアおよびテールゲート解錠・施錠具合などもチェック。
オートエアコンは、特に冷房の効き具合に注意して、自動制御や調整・設定機能をチェック。エアコンの作動は、アイドリングストップと連携制御していることにも注意したい。
4.追加装備の機能も確認
寒冷地仕様装備車は、シートヒーター機能、エアコンの暖房(電気式ヒーター)機能などの具合もチェック。ナビ装備車は、ナビ機能をはじめ、AV、通信・接続など、付随機能も正常か確認。
ほかにも、追加してる装備があれば、それぞれの機能と作動具合をチェックする。
★細部は販売店で点検してもらう
セパレートタイプフロントシート、6:4分割可倒式リアシート、ピアノブラック調インパネセンターパネル、オーディオレス・2スピーカーなどは全車標準装備。「S」以外は、キーレスオペレーションシステム、フルオートエアコン、リアヒーターダクト、ピアノブラック調シフトレバーパネル/パワーウインドウスイッチパネルなどを標準装備。「1.0G/1.2G」は、ワッフル調ファブリックシート地、本革巻ステアリングホイール&シフトノブなどを標準装備。参考車両は、「1.2G」に、メーカーオプションの寒冷地仕様を追加しているので、運転席/助手席シートヒーターやスタートアップヒーター(エアコンに電気式ヒーターを組み込む)なども装備。ディーラーオプションの2DINワイド7型メモリーナビゲーション、ETCユニット、ECOフロアマット、トノカバー、ラゲッジマットなども付いている。
いずれにしても、車両をチェックする際は、仕様グレードや追加装備など、現車の装備内容を販売店でまず確認する。装備機器類は、とりあえずわかるところだけでもチェックして、どこかに異常がないかは販売店で点検してもらおう。特に電装機器の作動に注意したい。
走行機能のコンディションと整備状況を確認する
1.エンジンをかけてみる
1.エンジンをかけてみる
エンジンをかけて、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時には、キーレスシステムおよびエンジンスイッチの機能も確認。表示灯・警告灯やメーター・インジケーター・ディスプレイなどの表示も見る。わからないことや疑問は、販売店スタッフに聞いてみよう。
2.運転支援機能もチェック
CVTは、[P・R・N・D・Ds・L]各レンジへのシフト操作具合をチェック。可能なら、走行時の自動無段変速動作や制御などの具合をチェック。アイドリングストップAS&Gの自動エンジン停止・再始動や作動停止[A OFF]スイッチの機能・制御もチェック。
ブレーキ、ステアリング、サスペンションなどの各機能ほか、車両安定制御ASC/TCLの作動と[ASC OFF]など、連携制御機能なども異常がないか確認したい。
とはいっても、正常かどうか判断するのは非常に難しいので、販売店で厳密に点検してもらおう。
★正しく点検・整備してもらう

参考車両「1.2G」は、1.2L 3気筒MIVEC(吸気可変バルブタイミング)エンジン+副変速機付CVT(自動無段変速機)+FF(前輪駆動)を搭載。「S」以外は、アイドリングストップAS&G(オートストップ&ゴー)・[A OFF]スイッチ、減速エネルギー回生システム、高効率オルタネーター、寒冷地対応バッテリーのほか、AS&Gモニター付マルチインフォメーションディスプレイ、ECOドライブアシスト、プッシュエンジンスイッチ+キーレスオペレーションシステム+盗難防止イモビライザーなどを装備。ヒルスタートアシスト、EBD付ABS&ブレーキアシスト、電動パワーステアリング、車両安定制御ASC(横滑り抑止ASC/駆動輪空転抑止TCL)・[ASC OFF]スイッチなどは、全車に標準装備している。
各機構の構造などはさておき、それぞれの機能に異常がないか確認したい。とりあえずエンジンルーム内に様子だけでも見て、走行関連各部の具合と整備状況を販売店に聞いてみる。車両を購入するなら、走行機能をすべてきちんと点検・整備してもらうようにしよう。
■最初に車両の現状を確かめる
中古車両をチェックする際は、現物を見て、年式(登録年月日)・仕様・グレードを確認。標準装備のほかに、メーカーオプションや販売店オプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
■今回の車両のプロフィール
●省燃費志向だった初代ミラージュにちなんだ車名を復活(最終型は2000年6月販売終了)して、2012年8月に発売した「ミラージュ」。既存のコンパクトカー「コルト」(2012年10月販売終了)よりも小型・軽量化した5ドアハッチバックの車体に、新開発1.0Lエンジン+新型CVT(自動無段変速機)を搭載し、アイドリングストップ[AS&G]を設定。◇2013年10月:一部改良。仕様装備・グレード設定を一部変更。◇2013年11月:「ハローキティ40thアニバーサリーパッケージ」限定400セットを発売。◇2014年8月:一部改良。車両安定制御[ASC]、ヒルスタートアシスト、ブレーキアシストを全車に標準装備。
●2014年12月に一部改良。1.2Lエンジン搭載車を追加するとともに1.0Lエンジンを改良。仕様装備やグレード設定も一部変更している。ハロゲンヘッドライト、ヘッドライトオートカット、電動格納式ドアミラー、可倒式ショートアンテナ、オーディオレスなどを全車標準装備。
仕様グレードの「S」は、AS&Gは非搭載。ウレタンステアリングホイール&シフトノブ、マルチインフォメーションディスプレイ(AS&Gモニターなし)、ECOランプ、マニュアルエアコン、キーレスエントリーシステム、フルホイールカバー付スチールホイールなどが標準装備のベーシックタイプ。
「M」は、AS&Gを搭載し、AS&Gモニター付マルチインフォメーションディスプレイ、タコメーター、ECOドライブアシストなどを装備。フロント/サイドスポイラー+ルーフスポイラー、LEDクリアハイマウントストップランプ、オートライトコントロール、エンジンスイッチ+キーレスオペレーションシステム、盗難防止イモビライザー、オートエアコン、リアヒーターダクトなどを標準装備。
「1.0G」は、Mに準じる装備のほか、ターンランプ付電動格納式ドアミラー、ワッフル調ファブリックシート地、本革巻ステアリングホイール&シフトノブなどを標準装備。
「1.2G」は、1.2Lエンジンを搭載。1.0G装備に、フロントフォグランプや175/55Rタイヤ&15インチアルミホイールなどを追加装備している。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | エンジン | シフト | 駆動 |
S | DBA-A05A | 1.0L | CVT | FF |
M | DBA-A05A | 1.0L * | CVT | FF |
1.0G | DBA-A05A | 1.0L * | CVT | FF |
1.2G | DBA-A03A | 1.2L * | CVT | FF |