中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.16 / 掲載日:2016.07.15
日産 スカイライン(2009年7月~2012年10月)中古車購入チェックポイント
日産 スカイライン クロスオーバー (2009年7月~2012年10月) 中古車購入チェックポイント
参考車両:370GT FOUR タイプP[DBA-NJ50]
初度登録:2010年11月
■全体のチェックポイント
関連部や走行機能にもダメージがないかチェック
1.外見の様子から探っていく
1.外見の様子から探っていく
まずは、歪みやずれ、塗装の異常などにも注意しながら外装を観察する。前面は、バンパー、ボンネット、ヘッドライト、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、フロントガラスの飛び石傷にも注意。
2.隣接部も同時にチェック
2.隣接部も同時にチェック
バンパーは、角や下部、フォグランプカバー、グリルなどに損傷がないか見て、ずれていないか立て付けも調べる。同時に、ヘッドランプやボンネットなどもチェック。フェンダーは、フェンダーモール、ホイールアーチの縁、奥のタイヤハウス内、内側のフェンダーライナー(泥よけカバー)なども、損傷や修理跡などがないかチェック。
3.関連部も慎重にチェック
3.関連部も慎重にチェック
ドアは、下部のメッキモール&プロテクターもチェック。外面だけでなく、内側のパネル接合部もチェック。ドアを外して修理/交換していないか、ヒンジ部も見る。ドアキャッチ(ロックの受け金具)やピラー(柱)など車体側も異常がないかチェックする。
4.車体の内側もチェック
ボンネットは、内側やヒンジ部もチェック。フェンダーも、カバーで覆われているが、エンジンルーム側に腐食(錆)や修理跡がないかチェック。同時に、車体パネルも歪みや修理跡などがないか見る。最前部で左右に繋がっているラジエターサポートおよび関連部品なども、要チェックポイントだ。
5.後部のチェック
後面も、バンパー、バックドア、コンビネーションランプ、フェンダー、ピラー、ルーフなどをチェック。ルーフスポイラー、ガーニッシュ、ナンバープレート、リフレクターなど付加部品のほか、下側のマフラーの損傷などにも注意。 バックドアは、開閉具合とロッドダンパーの効き具合をチェック。樹脂製なので、大きな損傷を負うと交換する確率が高いことにも注意してヒンジ部もチェック。開口部も、溶接やシーラーの異常などに注意しながら修理/交換跡などがないか調べる。
6.下側に要チェックポイント
車体側面は、下部に設置しているサイドシルプロテクターに損傷や修理跡などがないかチェック。プロテクターで覆われているサイドシル(車体の梁)も、床下側のパネル接合部にも注意して、損傷、腐食、修理/交換跡などがないかチェック。同時に、ステップ部(サイドシルの上側)周辺も調べる。
7.損傷の程度も確かめる
ドア開口部は、乗り降りによる傷や簡易補修跡などにも注意しながらチェック。マスキング跡があれば、周辺を詳しく調べて、損傷の程度と範囲を確認する。 右リアフェンダーは、フューエルリッドおよび給油口周辺も、修理跡などがないか見る。
8.タイヤとホイールをチェック
8.タイヤとホイールをチェック
225/55Rタイヤ&18x8Jアルミホイールを全車標準装備。タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷や亀裂などがないかチェック。異常摩耗を起こしていれば、サスペンション不良のほか、車体の歪みなどにも要注意。 アルミホイールは、塗装の傷みや剥がれ、縁石などに接触することがあるリムの縁(タイヤと接している部分)の欠損や曲がり、強い衝撃を受けると生じる歪み(変形)や割れなどにも注意しながらチェックする。 タイヤ/ホイールの状態によっては、直進性や操縦性を損なうだけでなく、車両安定制御機構などが正常に作動しなくなることにも注意したい。
9.床下も覗いてチェック
9.床下も覗いてチェック
車体パネルや補強部材、カバーなど車体部品。マフラーやサスペンションなどの部品類も、傷、歪み、曲がり、破損、修理/交換跡などがないかチェック。水漏れ、オイルやグリスの漏れ、樹脂やゴム部品の劣化・破損などにも注意。錆があれば、広がり範囲と腐食の進行状態をチェックする。
★損傷や修理/交換歴の有無を確認
「スカイライン クロスオーバー」は、センターフロアから前をV36 型セダンと共有し、後部をハッチバック化した、FR(後輪駆動)の車体構成。バンパー下部、フェンダーモール、ドア下部プロテクター、サイドシルプロテクターなどがブラックのSUV スタイル。キセノンヘッドランプ(ロービーム)+アクティブAFS、ハロゲンフォグランプ、LED ターンランプ付電動格納式ドアミラー、LED 式ハイマウントストップランプ付ルーフスポイラー、LED ストップ/テールリアコンビネーションランプ、デュアルエキゾースト、クロームカラーコート18 インチアルミホイールなどを全車標準装備。 「タイプP」は、リバース連動下向・ポジションメモリー連動ドアミラーを装備し、アラウンドビューモニター用のカメラ(フロントエンブレム下/左右ドアミラー/リアナンバープレート上側)とコーナーソナーセンサー(フロント/リアバンパー)が付いている。 内側トリム一体樹脂製バックドア、外板パネル表層のスクラッチシールド、車体の衝撃吸収構造などといったところも注意ポイントといえるが、車体構造はともかく、外装だけでなく、走行機能にもダメージがないか確認したい。車体の骨格部を事故修理しているのは修復歴車だが、たとえ修復歴に該当しなくても、損傷や修理/交換している箇所がないか販売店に聞いてみよう。
室内の状態と装備機器の機能動作をチェックする
1.隅まで細かくチェック
室内は、汚れや傷、損壊などがないかチェック。ボックスやポケットなどは、内部も見る。シート表皮の染み、破れ。本革部分の擦れ、剥げ。装飾パネルの割れ、浮き。ボックスリッドやエアコン吹き出し口などの可動部破損にも注意しながらチェックする。
2.後部まで念入りに調べる
前席周辺だけでなく、後席も、リモコン可倒式リアシート(左右独立6:4 分割・電動復帰)機能なども試しながら周辺を丹念にチェック。 後部ラゲッジスペースも、傷みなどがないかチェック。トノカバーやラゲッジアンダーボックス(Boseウーファーもある)の状態も見る。
3.電装機器の具合を確認
ヘッドライト、ウインカー、ワイパー、ミラー、ブレーキ/バック/テールランプなど保安装置。パワーウインドウやドアロック、室内ランプなど基本的な装備。インテリジェントキーのリモコン機能および各ドアの解錠・施錠具合などもチェック。 オートエアコンは、冷房の効きに注意して自動調整機能や各種調整・設定機能の具合をチェック。ナビシステムも、ナビ・AV・通信・接続のほか、バックビュー/サイドブラインドモニターやETC などナビ連動機能なども正常かチェック。 「タイプP」は、運転席パーソナルドライビングポジションメモリーシステム、前席シートヒーター、アラウンドビューモニターなどの具合も確認したい。
★細部は販売店で点検してもらう
インテリジェントキー(リモコンエントリー機能、フロントドア/バックドア/フューエルリッド解錠・施錠、フロントドア/バックドアリクエストスイッチ、アンサーバック機能、オートロック機能)、インテリジェントエアコンシステム(プラズマクラスター搭載フルオートエアコン、左右独立温度調整機能、後席エアコン吹き出し口)、カーウイングスナビゲーションシステム(地デジ内蔵HDD ナビシステム、7 インチワイドVGA ディスプレイ、ハンズフリーフォン、Bluetooth、DVD 再生、USB 接続、iPod 対応)+ Bose サウンドシステム(CD一体AM/FM ラジオ、11 スピーカー)+ステアリングスイッチ(オーディオ・ナビ・ボイスコマンド・ハンズフリーフォン)+外部映像入力端子+ ETC ユニット、本革巻ステアリングホイール&本革巻コンビシフトノブ、運転席/助手席パワーシート、トノカバー、ラゲッジアンダーボックスなどを全車標準装備。「タイプP」は、本革シート(前席ヒーター付)、運転席電動ランバーサポート、運転席パーソナルドライビングポジションメモリーシステム(ステアリング/ドアミラー/インテリジェントキー連動)なども標準装備している。 いずれにしても、チェックする際は、現車の仕様グレードと装備内容、追加装備の有無などを販売店でまず確認する。装備機器類は、とりあえずわかるところだけでもチェックし、どこかに異常がないかは販売店で点検してもらおう。特に電装機器の具合に注意したい。
走行機能のコンディションと整備状況を確認する
1.エンジンをかけてみる
1.エンジンをかけてみる
エンジンをかけて、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時には、インテリジェントキーとプッシュエンジンスイッチの機能も確認。表示灯・警告灯、メーター・インジケーター・ディスプレイなどの表示も見る。わからないことや疑問は、販売店スタッフに聞いてみよう。
2.制御機能の具合も確認
2.制御機能の具合も確認
マニュアルモード付7 速AT は、各レンジへのシフト具合をチェック。可能なら、走行時のオーマチック動作および自動シフト機能、マニュアルモードのシフトアップ・ダウン機能などの動作と制御具合をチェック。 ブレーキ、ステアリング、サスペンションなど各走行機能のほか、EBD・ABS・ブレーキアシストや車両安定制御VDC/TCS などの作動具合もチェック。4WD 車は、前後輪への電子制御駆動力配分や路面状況を検知する各種センサーなども異常がないか確認したい。 とはいっても、正常かどうか判断するのはまず無理。販売店で厳密に点検してもらおう。
★正しく点検・整備してもらう
「スカイライン クロスオーバー」は、3.7L V 型6 気筒[VQ37VHR]エンジン、マニュアルモード付7 速AT・スポーツモード[DS]・[D/DS]自動シフト・スノーモード[SNOW ON・OFF]スイッチを搭載し、「FOUR」は多板クラッチ式電子制御トルクスプリット4WD を搭載。車速感応式パワーステアリング、EBD 付ABS&ブレーキアシスト、VDC(横滑り抑止 VDC/空転抑止 TCS)・[VDC OFF]スイッチ、インテリジェントキー+プッシュエンジンスターター+エンジンイモビライザーなどを全車標準装備。「タイプP」の駐車支援機能は、アラウンドビューモニター(トップビュー/サイドブラインド/フロントビュー/フロントワイドビュー/バックビュー/リアワイドビューモニター・駐車ガイド機能・カメラ補助ソナー機能付)が標準装備になっている。 各機構の話はともかく、それぞれの機能に異常がないか確認したい。とりあえずエンジンルーム内の様子だけでも見て、走行機構各部の詳しい整備状況は販売店に聞いて確認する。車両の購入を決めるなら、走行関連機能をすべてきちんと点検・整備してもらうようにしよう。
■最初に車両の現状を確かめる
中古車両をチェックする際は、現物を見て、年式(登録年月日)・仕様・グレードを確認。標準装備のほかに、メーカーオプションや販売店オプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、バックドア(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際に溶接部分から切り離すことがあるので、パネル接合部を慎重に調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
■今回の車両のプロフィール
●“クーペとSUVを融合した新しいジャンルのデザイン”と“スカイラインの運動性能”を掲げて、2009年7月に新発売した「スカイライン クロスオーバー」。2006年11月に「セダン」、2007年10月に「クーペ」を発売した12代目V36型「スカイライン」の後部をハッチバック化した車体に、3.7Lガソリンエンジン+マニュアルモード付7 速AT(7AT-M)を搭載し、2WD(FR 後輪駆動)と電子制御4WD「FOUR」を設定。●2010年11月に「クーペ/クロスオーバー」の一部仕様を向上。「クロスオーバー」は、液晶メーターの色をオレンジからホワイトへ変更、センターコンソール内小物入れを廃止、スペアタイヤレスを採用、車体色設定を一部変更するなどの小変更を行っている。インテリジェントキー+プッシュエンジンスターター、インテリジェントエアコンシステム(プラズマクラスター搭載フルオートエアコン)、カーウイングスナビゲーションシステム+Bose サウンドシステム、ステアリングスイッチ(オーディオ、ナビ、ボイスコマンド、ハンズフリーフォン)+外部映像入力端子+ ETC ユニット、本革巻ステアリングホイール&本革巻コンビシフトノブ、運転席/助手席パワーシートなどを全車標準装備。「370GT/370GT FOUR」は、電動格納式ドアミラー、バックビューモニター/サイドブラインドモニター、運転席手動ランバーサポート手動、手動チルト・テレスコピックステアリング、モケットシート地などを標準装備したスタンダードタイプ。370GT/370GT FOUR「タイプP」は、ポジションメモリー連動・リバース連動下向ドアミラー、アラウンドビューモニター、本革シート、ステアリングスイッチ、運転席パーソナルドライビングポジションメモリーシステム(ステアリング・ドアミラー・インテリジェントキー連動)、運転席/助手席シートヒーター、運転席格納式コートハンガーなどを標準装備した上級タイプ。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
370GT | DBA-J50 | 7AT-M | FR |
370GT タイプP | DBA-J50 | 7AT-M | FR |
370GT FOUR | DBA-NJ50 | 7AT-M | 4WD |
370GT FOUR タイプP | DBA-NJ50 | 7AT-M | 4WD |
●その後、2012年10月に一部改良し、装備設定を一部変更。メーカーオプション設定だった安全装備を「タイプP」に標準装備。2014年7月に仕様を一部変更。全車に電動ガラスサンルーフおよびルーフレールを標準装備している。