三菱アイの中古車購入の際の選び方の参考ポイント

アイは都市部の快適な移動を想定したフットワークの良いシティコミューターとして開発されました。パワフルで俊敏な動力性能を誇るインタークーラー付ターボエンジンをリヤ・ミッドシップに搭載するフレンドリーな軽自動車として、2006年1月にリリースされました。

外観デザインは、2003年秋の第37回東京モーターショーで展示されたコンセプトモデル「i（アイ）」をほぼそのまま踏襲し、市販車として発売されました。

タマゴ型のボンネットを持たないワンモーションフォルムを採り入れ、タイヤを覆うような踏ん張りのある前後のフェンダーが安定感のあるスタイリングとなっています。ゆったりと伸びやかに弧を描くウエストラインがモダンで躍動感あふれる個性なモデルです。

通常はフロントに搭載するエンジンをリヤシート下に配置する「ミッドシップレイアウト」を採用した革新的なパッケージとなっています。広さが限られた軽自動車ながら、デザイン性の高い、悠々とした魅力的なスタイリングをはじめ、ロングホイールベースを活かした広々とした優れた居住性も見逃せないポイントです。フロント部分を衝撃吸収ゾーンにすることで万一の衝突際も高い安全性を確保するなど、多くのメリットを生み出しています。

また、極端にオーバーハングを切り詰め、前後のタイヤをボディの四隅に配置したことにより、ロングホイールベース化が可能となりました。
加えて、リヤ・ミッドシップレイアウトの恩恵により、ハンドルの切れ角を大きくとることが可能となり、フロントのロングストロークサスペンションとともに、シティコミューターとして重要視される小回り性能・快適な乗り心地を実現しています。

その魅力的なパッケージデザインにより、発売早々から高い人気を博し、発売から2週間で月間販売目標台数の2倍を受注するなど、順調な立ち上がりを記録しました。

搭載するエンジンは環境に配慮した省燃費性能や中低速域でも扱いやすいドライバビリティに優れたNAエンジン、市街地走行から高速走行まで余裕の走りを提供する、全域に渡トルクフルなエンジン特性を誇るインタークーラー付ターボエンジンが用意されています。

車名の「i：アイ」は、このクルマで「自分」や「個性」を表現する願いを込め、「I（myself）：自分」や、「innovation：革新」の頭文字から命名され、パーソナル性を大切にする革新的なクルマに相応しいネーミングと言えるでしょう。

ここではアイの中古車購入の際の選び方の参考ポイントとして、主なグレードの特徴、維持費と燃費、中古車の価格相場や価格帯を取り上げてご紹介します。

・S
直列3気筒自然吸気DOHCエンジンを搭載するベーシックグレードです。
駆動方式は後輪を駆動するミッドシップモデルとフルタイム4WDモデルが設定され、トランスミッションは4ATとなります。

ベーシックグレードながら、UV＆ヒートプロテクトフロントガラスやUVカット機能付プライバシーガラス（リヤドア/テールゲート）、マルチモードキーレスエントリーシステム、フルオートエアコンなどの快適装備が施されています。

また、デュアルSRSエアバッグシステムやABS（EDB：電子制御制動力配分装置付）+ブレーキアシスト機構、頸部衝撃軽減フロントシート、頭部衝撃緩和インテリアなどの安全装備が施されています。

ハロゲンヘッドライト、手動格納式リモコンドアミラー、ブラックヒーターコントロールダイヤル＆ATシフトインジケーターパネル、ダークグレーニットシート仕様となり、足回りは15インチタイヤ＆フルホイールキャップが装着されます。

・LX
「S」グレードに対して、電動格納式リモコンドアミラーや運転席ハイトアジャスターをはじめ、カップホルダー（インパネセンター）、ユースフルトレイ+アクセサリーボックスやキーレスオペレーティングシステム、CD+AM/FMラジオが追加装備される中間グレードです。
シートはニット表皮のレッド＆ダークグレーへ変更となります。

・L
「LX」グレードに対して、ディスチャージヘッドランプ、減光機能付フロントルーム＆マットランプが追加装備となり、足回りは15インチタイヤ＆アルミホイールが装着されます。

・M
直列3気筒DOHCインタークーラー付ターボが搭載されるベーシックグレードです。
「L」グレードに対して、ドアサッシュが精悍なブラックタイプ、ヒーターコントロールダイヤルとATシフトインジケーターパネルがシルバーへ変更されます。

また、フロントディスクブレーキが13インチベンチレーテッドタイプへグレードアップされます。

・G
「M」グレードの装備に加え、「LX」に準じる装備が施されるターボエンジンを搭載する最上位グレードです。
質感の高いスポーティな本革巻ステアリングホイール＆シフトノブ（ブラック）が追加装備されます。

ここでは、アイの世代ごとの燃費の違いと、燃費に基づく年間の燃料代と自動車税からなる年間維持費用をまとめます。
同じ型式でも車両重量などにより若干の差異が生じることがあります。

なお、年間の走行距離は年間1万km、ガソリン単価は無鉛レギュラーガソリン135円/L、無鉛プレミアムガソリン145円/Lと仮定しています。また、軽自動車税は2018年11月時点で参照したものとなります。

・HA1W：0.66L/4AT
使用燃料：無鉛レギュラーガソリン
10モード/10・15モード燃費：—-km/L（詳細不明）
年間ガソリン代：約—-円（—-L x 135円） ※1
軽自動車税：年間7,200円 ※2
年間維持費：約—-円 ※3

・HA1W：0.66L/4AT/フルタイム4WDモデル
使用燃料：無鉛レギュラーガソリン
10モード/10・15モード燃費：—-km/L（詳細不明）
年間ガソリン代：約—-円（—-L x 135円） ※1
軽自動車税：年間7,200円 ※2
年間維持費：約—-円 ※3

※1．ガソリン単価は無鉛レギュラーガソリン135円/L、無鉛プレミアムガソリン145円/Lと仮定しております。
※2．軽自動車税については、新規取得が2015年4月1日以前か以後かで金額が変わります。以前の場合は7,200円、以後の場合は10,800円となります。ここでは10,800円の税額を用いています。
※3．年間の走行距離は年間1万kmと仮定して1年間のガソリン代を算出し、自動車税を合算して、年間維持費として計算をしております。

軽自動車税について
※1　平成27年3月31日以前に新規取得された新車：年間7,200円
※2　平成27年4月1日以降に新規取得された新車：年間10,800円
※3　最初の新規検査から13年を経過した自動車：年間12,900円

アイは斬新ながら親しみやすい柔らかなタマゴ型のスタイリングをはじめ、環境性能にも優れる俊敏な動力性能を誇るパワフルなエンジンをリヤ・ミッドシップに搭載する、小回りの利く都市部の移動に便利な軽自動車として人気が高く、比較的価格が安定した中古車価格を維持しています。また、流通台数が多いことも特徴であり、用途や予算、好みなどに応じて、豊富な登録台数の中から、最適な1台を選べることも大きな魅力と言えるでしょう。

初代 アイ HA系：3～89万円
HA1W：3～78万円（ミッドシップモデル）
HA1W：7.8～89万円（フルタイム4WDモデル）

S：9～55万円
L：4.5～60万円
LX：14.8～49万円
M：4.8～73万円
G：5.8～65.5万円
ビバーチェ：9～78万円
T：22～89万円

アイは2006年1月から2013年9月まで販売されました。途中何度かの仕様変更やマイナーチェンジを実施しますが、フルモデルチェンジを受けることなく1代限りで販売終了しました。

発売開始から既に10年以上の年数が経過しており、初期型ではかなりの値ごろ感が見られますが、最終型は販売終了から5年程度なので、しっかりした中古車相場が形成されています。

販売初年度の2006年式と2007式の登録車両が多く見られ、10万円台から30万円台が中心となります。最終型となる2012年式以降のモデルでも50万円から60万円台の安定した中古車価格を維持していると言えるでしょう。

走行距離に関しては2006年式と2007年では、5万kmから15万kmまで幅のあるマイレージ車両が多くを占める中、全体的に3万km未満のやや走行距離の少ない車両の登録も多いのが特徴です（上記中古価格帯については、2018年12月13日時点での数値となっています）。

年式やグレード、オプション装備をはじめ、走行距離や程度、ボディカラーなどで個々の中古車販売価格が異なりますので、中古車を価格で選ぶ際には、最新の価格をチェックするようにしましょう。