トヨタチェイサーの中古車購入の際の選び方の参考ポイント

チェイサーは、1968年に誕生したモータリゼーション時代を象徴するグランドツーリング性能を高めたミドルクラスモデル「コロナ マークII」の流れをくむ、上級スポーティモデルとして1977年6月にリリースしました。

豪華な仕様を持つ3代目「マークII」の姉妹車ながら、よりスポーティな意匠を採り入れ、2.0L直列6気筒OHCエンジンを中心に4ドアセダンと2ドアハードトップボディにグレードを絞り込むなど、差別化が図られました。

中でも、Bピラーを持たない開放感あふれる2ドアハードトップモデルは、スタイリッシュな丸型2灯ヘッドランプやサイドを走る躍動感のあるキャラクターラインなど、ダイナミックなスタイリングから、多くの若者に支持を集める人気モデルとなりました。

以降も基本コンポーネンツを「マークII」や販売チャネルの異なる「クレスタ」と共有しながら、若々しさを強調するスポーティモデルとして進化を続けます。

姉妹車同様にツインターボ、スーパーチャージャーなどのパワフルな動力性能を追求した過給エンジン、環境性能を高めながら高性能化を両立したハイメカツインカムエンジンなど、排気量の拡大とともに、上級セダンに相応しい走行性能を提供してきました。
3モデルともに長らくトヨタの基幹モデルとしてラインナップされました。

最終モデルとなる6代目モデルは2001年6月まで生産され、イタリア車風で個性的なフロントマスクが印象的な「ヴェロッサ」へ引き継がれます。

ここではチェイサー中古車購入の際の選び方の参考ポイントとして、主なグレードの特徴、維持費と燃費、中古車の価格相場や価格帯を取り上げてご紹介します。

・XL
1.8 L 直列4気筒DOHC自然吸気エンジンを搭載するベーシックグレードです。
ベーシックグレードながら、デュアルSRSエアバッグシステムやABS、ブレーキアシストをはじめ、オートエアコンやエンジン回転数感応型パワーステアリング、チルトステアリング、時間調整式フロント間欠ワイパーなど安全・快適装備が施されます。

4本ステアリングホイールはウレタン巻、ヘッドランプはハロゲンタイプ仕様となります。
足回りは14インチタイヤ＆SUSフルキャップ付スチールホイールが装着されます。

・XLラフィーネパッケージ
「XL」グレードに対して、足踏み式パーキングブレーキやイルミネーテッドエントリー、ティンテッドフロントウインドシールドガラスなどの快適装備に加え、スライド式アームレスト付2段コンソールボックスやリヤアームレスト、木目調パネルが追加されます。

また、カセット一体式AM/FMマルチ電子チューナー＆CDプレーヤーが装備され、シートはラグジュアリータイプのファブリックシートとなります。

足回りは15インチタイヤ＆樹脂ホイールキャップ付スチールホイールへ変更されます。

・アバンテ
2.0Lもしくは2.5L 直列6気筒自然吸気エンジンが搭載される上級グレードです。
「XLラフィーネパッケージ」グレードに対して、オプティトロンメーターや車速感応オート/ドア連動電気式ドアロックやワイヤレスドアロックリモートコントロール、コンライト、前席ドアカーテシーランプなどの快適装備が追加されます。

ほかにも運転席8ウェイマルチアジャスタブルパワーシート＆電動ランバーサポートやチェイサー・ライブサウンドシステムが搭載されます。

2.5LモデルのみSRSサイドエアバッグ、新プログレッシブパワーステアリング、チルト＆テレスコピックステアリングが装備されます。

・アバンテG
2.5L もしくは3.0L直列6気筒自然吸気エンジンが搭載される最上級グレードです。
「アバンテ」グレードに対して、本革巻4本ステアリングホイール＆シフトレバーノブ、スペースビジョンメーターへと変更されます。

3.0LモデルのみVSCやTRC、AI-SHIFT、電子スロットルに加え、ドアミラーにヒーター機能が追加され、GPSボイスナビゲーション付ワイドマルチAVステーションが装備されます。

足回りは電子制御サスペンション「スカイフックTEMS」が装備され、15インチタイヤ＆アルミホイール仕様となり、3.0Lモデルは1サイズ幅の広いタイヤが装着されます。

・ツアラーV
スポーツ形状のファブリックシートをはじめ、専用サスペンションやリヤスポイラーを備えるスポーツグレード「ツアラー」の中でも、2.5L直列6気筒インタークーラー付ターボエンジンを搭載するホットモデルです。

3.0Lエンジンを搭載する「アバンテG」グレードに対して、トルセンLSDや、バッフル付エキゾーストパイプなどのスポーティドライブの質を高めるアイテムに加え、ディスチャージヘッドランプやアンバー照明オプティトロンメーターが装備されます。
オーディオシステムはMDプレーヤー付のチェイサー・ライブサウンドシステムとなります。

足回りは前後幅の異なる16インチロープロファイルタイヤ＆アルミホイールが装着されます。

ここでは、チェイサーの型式ごとの燃費の違いと、燃費に基づく年間の燃料代と自動車税からなる年間維持費用をまとめます。
同じ型式でも車両重量などにより若干の差異が生じることがあります。

なお、年間の走行距離は年間1万km、ガソリン単価は無鉛レギュラーガソリン135円/L、無鉛プレミアムガソリン145円/Lと仮定しています。また、自動車税は2018年8月時点で参照したものとなります。

・SX100：1.8L/4AT/FRモデル
使用燃料：無鉛レギュラーガソリン
10モード/10・15モード燃費：11.6km/L
年間ガソリン代：約116,379円（862.0L×135円） ※1
自動車税：年間39,500円 ※2
年間維持費：約155,879円 ※3

・GX100：2.0L/5MT/FRモデル
使用燃料：無鉛レギュラーガソリン
10モード/10・15モード燃費：12.0km/L
年間ガソリン代：約112,500円（833.3L×135円） ※1
自動車税：年間39,500円 ※2
年間維持費：約152,000円 ※3

・JZX100：2.5L/4AT/FRモデル
使用燃料：無鉛プレミアムガソリン
10モード/10・15モード燃費：10.6km/L
年間ガソリン代：約136,792円（943.3L×145円） ※1
自動車税：年間45,000円 ※2
年間維持費：約181,792円 ※3

・JZX100：2.5L/5MT/FRモデル
使用燃料：無鉛プレミアムガソリン
10モード/10・15モード燃費：10.2km/L
年間ガソリン代：約142,156円（980.3L×145円） ※1
自動車税：年間45,000円 ※2
年間維持費：約187,156円 ※3

※1．ガソリン単価は無鉛レギュラーガソリン135円/L、無鉛プレミアムガソリン145円/Lと仮定しております。
※2．自動車税は2018年9月時点で参照したものとなります。
※3．年間の走行距離は年間1万kmと仮定して1年間のガソリン代を算出し、自動車税を合算して、年間維持費として計算をしております。

チェイサーはトラディショナルな4ドアセダンボディながら、ラグジュアリーなインテリアや重厚感あふれる快適な乗り心地を備える、上級スポーティセダンであり、比較的安定した中古車価格を維持しています。また、流通台数が多いことも特徴であり、用途や予算、好みなどに応じて、豊富な登録台数の中から、最適な1台を選べることも大きな魅力と言えるでしょう。

6代目 チェイサー 100系：8～289万円
GX100：8～158.8万円
JZX100：9.8～289万円

ツアラー： 24.8～59万円
TRDスポーツ ツアラーV：69～259万円

1996年9月から2001年10月まで販売された6代目モデルが最終モデルとなります。
後継モデルとして「ヴェロッサ」に引き継がれますが、パワフルな動力性能を誇るスポーティなFRセダンとして今なお高い人気を誇ります。

最終モデルとなる2001年式でも既に販売から約17年が経過していますが、10万円未満から200万円を超える車両まで価格レンジが広いのが特徴のモデルです。
今日でも高値で取引されているのは、2.5L 直列6気筒インタークーラー付ターボエンジンを搭載したスポーツグレードが中心であり、走行距離が3万km以下の低走行車やドレスアップ車両、1オーナー車両は特にプレミアムが付くほどのプライスタグが提示されています。

走りを楽しむユーザーを中心に活発な取引がなされているため、ラグジュアリー系のモデルやノーマル車両を探すとなると、登録台数が極端に少なくなる傾向が見受けられます。
走行距離は大半の車両が7万kmを超えており、年式相応のマイレージと言えるでしょう（上記中古価格帯については、2018年9月5日時点での数値となっています）。

年式やグレード、オプション装備をはじめ、走行距離や程度、ボディカラーなどで個々の中古車販売価格が異なりますので、中古車を価格で選ぶ際には、最新の価格をチェックするようにしましょう。