中古車購入チェックポイント
更新日:2019.09.10 / 掲載日:2019.09.10
ダイハツ ウェイク【ONE MAKE MARKET RESEARCH】
ダイハツ ウェイク 2014年~
文●工藤貴宏
(掲載されている内容はグー本誌 2019年9月掲載の内容です)
※中古車参考価格はすべてグーネット2019年8月調べ。
これまでなかった“高身長”というパッケージングで、軽乗用車においてもっとも広い室内を実現しているウェイク。日常はもちろん、レジャーでクルマを活用する人ともマッチングがいい。
全長×全幅×全高:3395×1475×1835mm ●ホイールベース:2455mm ●トレッド前/後:1305/1295mm ●車両重量:1020kg ●排気量:658cc ●エンジン:直3DOHCターボ ●最高出力:64ps/6400rpm ●最大トルク:9.4kgm/3200rpm ●サスペンション:前/後:ストラット/トーションビーム ●ブレーキ前/後:Vディスク/ドラム ●タイヤ前後:165/55R15 ●中古車参考価格帯:90万円~160万円(14年~19年 ※全グレード)
背の高さが生み出す広く便利なインテリア
昨今の軽自動車の主流は、「スーパーハイトワゴン」と呼ばれる飛び切り天井が高くて、リヤドアにスライドドアを組み合わせたタイプ。ホンダ「Nボックス」を筆頭にスズキ「スペーシア」やダイハツ「タント」が代表的なモデルだ。
ダイハツ「ウェイク」は、ジャンルとしてはスーパーハイトにカウントされるが、その特徴はライバルたちよりも天井が高いこと。同じメーカーの車種であるタントの全高が1755mmなのに対し、ウェイクでは1835mmと、80mmも高いのだ。そんな独自のパッケージングは、競合ひしめく軽自動車においても直接的なライバルがいない存在である。
高身長の最大の恩恵は、室内空間の高さ。1455mmの室内高は軽自動車トップで、もちろん室内の広さも軽乗用車で最大。実際に座ってみると前席の開放感はもとより、後席の広さに圧倒される。また、1286mmある後席スライドドア開口部の天地高も軽自動車最大で、乗り降りがしやすいのも自慢である。
さらに、天地高を有効に活用することでハイトワゴンとしては広い荷室も実現している。上下に高さを調整したり取り外すことで荷室をアレンジする“デッキボード”を活用することで、効率よく荷物を積んだり、後席を畳むと床に段差のないスペースが生まれるのも強み。実用性の高さは、スーパーハイトワゴンのなかでベストといえる実力である。それが、ウェイクの最大の魅力であり、積極的に選びたい理由だ。
しかし、長所は実用性だけではない。背の高さは運転する人にも嬉しいメリットをもたらしている。それが、高身長を生かした“高い運転感覚”だ。地面から約1.4mの高さとなるアイポイント(目線の高さ)はほかのスーパーハイトよりも上で、背の高いミニバンと同等。周囲がよく見えるから運転しやすいのだ。
軽自動車にもミニバンのような周囲を見下ろす視界を求めるユーザーにとって、ウェイクはもっとも適したパッケージングなのである。
ウェイクの特徴
1:軽自動車最大級の全高1835mm
2:荷室の使い勝手を広げる「ミラクルラゲージ」
3:スライドドアをはじめとする快適装備の充実
[インテリア]広さ自慢で実用的な室内
軽乗用車最大の広さが自慢で、なかでも後席の広さは圧倒的だ。後席はリクライニング調整に加え、左右独立で240mmのシートスライドも採用。荷室側(シート後方)から操作できるのも美点だ。開放感を重視してセンターメーターを組み合わせたインパネは、助手席の前に大容量のトレーを用意する。
助手席前にはグローブボックスとは別に大型トレーがあり、一眼レフも置ける大容量が自慢。助手席の背もたれは水平になるまで前方に倒すことができ、テーブルに活用できる。便利なフックも備わる。
[ユーティリティ]アクティブな遊びを全力でサポート
「軽自動車の可能性を高めること」がウェイクに込められた想い。そこで開発時はいくつものレジャーシーンを想定し、なかでも「釣り」「キャンプ」「サイクリング」「サーフィン」「登山」そして「スキー/スノーボード」の六つのジャンルに関しては専門家の意見を聞きながら、利便性を高めるアイデアが盛り込まれている。
スノボ
効率よくスノーボードを車内へ積載する方法が独特。ウェイクの背の高さを生かし、アクセサリーのフックを活用して縦積みを実現した。
釣り
頭上空間が広いから、天井にロッド(ホルダーはアクセサリーで設定)を積んでも邪魔にならない。荷室は作業台にも早変わり。
キャンプ
バックドアに装着するタープのほか、車中泊をサポートするクッション、カーテン/シェードをアクセサリーとして用意。
ほかにもこんな便利な機能が
後席背面や荷室床をビニール素材とすることで水濡れや汚れを気にしなくて済む。また、荷室床下に最大約90Lと大容量の収納空間を備えるなど使い勝手の工夫は多数。「L」や「Gターボ」はパワースライドドアを左右に備える。
パワースライドドア
バックドアタープ(アクセサリー設定)
ラゲージバッグ(アクセサリー設定)
上下2段調整式デッキボード
先進の安全装備スマートアシストを採用
ウェイクはスマアシを当初から設定。途中で進化しているので高年式になるほど高機能。当初は赤外線式で自動ブレーキの作動上限は時速30kmだったが、2016年5月以降はカメラが加わり時速50kmまで拡大、2017年11月以降は2眼カメラ式となり時速80kmへ進化。
[ライバル/ホンダ N-BOX]最大のライバルとなるのは日本一売れている乗用車!
ウェイクはとびきり背が高い独自のパッケージングなので直接競合となるライバルは存在しないが、スーパーハイトワゴンとして最大のライバルと言えるのはホンダNボックス。室内や荷室の広さではウェイクにかなわないが、走行安定性や後席の格納はウェイクより優れている。
中古車参考価格帯:90万円~170万円(14年~19年 ※全グレード)
インパネはドライバーの正面に置きつつもハンドルにさえぎられることなく見えるメーターが特徴。荷室を広げた「Nボックス+」(プラス)も選べる。
[市場データ]登録済未使用車の在庫が非常に豊富
デビューから5年が経過し、初期型は相場が下がりつつある。しかし全体的に見ると値落ちは微々たるもので、依然中古車での人気がうかがえる。高年式の登録済未使用車が非常に多く、これらを積極的にねらっていきたい。
走行距離
物件の多くが2018年式以降の高年式。それゆえ、走行距離がほとんど伸びていない未使用車が非常に数多く流通している。グレード
ターボエンジン搭載車が全体の6割弱と、かなり豊富。ターボのみ相場は10万円ほど高くなっているが、走りが力強く、オススメしたい。年式
デビュー当初の2014年は、相場が低いが物件は全体の4%と少なめ。一方、2017年式~2018年式の割合が多く、探しやすい。
自動車ジャーナリスト工藤貴宏の「ダイハツ ウェイクのGOODとBAD」
【GOOD】軽自動車の可能性を広げる実用パッケージ
従来の軽自動車にはなかった背の高いパッケージングは、広い室内と実用性の高さが自慢。スーパーハイトワゴンとしてはトップレベルで荷室が広いので、荷物をたくさん積めるのも見逃せないポイント。豊富な収納スペースによる使い勝手やレジャーを想定した多彩なアクセサリーの設定など、ユーザーのカーライフを便利にするためのアイデアも魅力だ。
【BAD】背高ボディの弱点が見える走行性能
軽自動車の常識を打ち破る室内の広さや実用性が素晴らしい反面、背が高いことでウィークポイントとなるのが走行性能。重心の高い車体を安定する特性としているために峠道などで曲がりにくいときがあるし、高速道路では横風の影響を受けてフラつくことがある。また、車体が重いので自然吸気エンジン車だと加速が鈍くて、幹線道路では合流に苦労する。
編集部イチオシ!
Gターボ “SA III”
装備の充実度を考えると、「L」以上がオススメ。そして重めのボディをしっかり走らせることを考えると、動力性能にゆとりのあるターボエンジンを積む「Gターボ」が魅力だ。