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更新日:2019.12.10 / 掲載日:2019.12.10

スバル レガシィB4&アウトバック【ONE MAKE MARKET RESEARCH】

スバル レガシィB4

文●工藤貴宏
(掲載されている内容はグー本誌 2019年12月掲載の内容です)
※中古車参考価格はすべてグーネット2019年11月調べ。


6世代目のレガシィはゆったり乗れるセダンの「B4」と、アクティブなステーションワゴンの「アウトバック」をラインアップ。いずれも、ライバルにはない特徴が魅力的だ。

スバル レガシィ アウトバック

2014年式 スバル レガシィB4 リミテッド(CVT)全長×全幅×全高:4795×1840×1500mm ●ホイールベース:2750mm ●トレッド前/後:1580/1595mm ●車両重量:1530kg ●排気量:2498cc ●エンジン:水平対向4DOHC ●最高出力:175ps/5800rpm ●最大トルク:24.0kgm/4000rpm ●サスペンション前/後:ストラット/ダブルウィッシュボーン ●ブレーキ前後:Vディスク ●タイヤ前後:225/50R18 ●中古車参考価格帯:120万円~260万円(14年~19年 ※全グレード)

2014年式 スバル レガシィ アウトバック リミテッド(CVT)全長×全幅×全高:4815×1840×1605mm ●ホイールベース:2745mm ●トレッド前/後:1575/1590mm ●車両重量:1550kg ●排気量:2498cc ●エンジン:水平対向4DOHC ●最高出力:175ps/5800rpm ●最大トルク:24.0kgm/4000rpm ●サスペンション前/後:ストラット/ダブルウィッシュボーン ●ブレーキ前後:Vディスク ●タイヤ前後:225/50R18 ●中古車参考価格帯:170万円~330万円(14年~19年 ※全グレード)

ライバルモデルを超える走行安定性の高さがウリ

 レガシィにはセダンの「B4」にクロスオーバーの「アウトバック」と2タイプのボディを用意する。いずれも共通するのは、ゆったり過ごせる広い居住スペースや、安定性に優れた走りで疲れ知らずのロングツーリング性能だ。
 加えてセダン最大のポイントは、ライバルにない「4WD」の存在。ライバルはトヨタ カムリ、日産 ティアナ、そしてホンダ アコードなど。しかしそれらを見渡すと、カムリについ先日(2019年9月)4WD車が追加されたことを除けば、レガシィと同じ世代で4WDを用意するライバルはいない。対して、レガシィは全車4WDを採用している。
しかも、レガシィの4WDは機械式で、モーターで後輪を駆動する4WDに比べると機動性が高く滑りやすい路面で速度を上げて走っているときの安定感が高い。降雪地に住んでいるひとやウインタースポーツを楽しむひとにとっては、クラスでもっとも最適なセダンといえるのだ。
 一方、クロスオーバーSUVの「アウトバック」は広い室内と4WDの安定性に加え、悪路走破性の高さも魅力。車高を上げているので、地面と車体が接触しづらく、普通のクルマでは入り込めないような道にも入っていける。そのうえ、同じクラスのSUVにも勝る広さの荷室も自慢。いま、国産のステーションワゴンのなかでもっとも広い荷室を持っているのがアウトバックなのだ。そんなポイントから、キャンプを楽しむひとにもオススメしたい。

[モデルヒストリー]6世代目は「ツーリングワゴン」がない!?

 これまで日本でレガシィのイメージリーダーを務めてきたのは「ツーリングワゴン」と呼ぶ純粋なステーションワゴンだ。しかし、6代目では廃止。背景にはメイン市場の北米で「アウトバック」の人気が高いことと、ワゴン専用車「レヴォーグ」の存在がある。

2014年10月 フルモデルチェンジ

 フルモデルチェンジで6代目レガシィがデビュー。パワートレインは全車に2.5L自然吸気ガソリンエンジンを搭載し、駆動方式は4WD(スバルは「AWD」と呼ぶ)にCVTを組み合わせる。

2015年9月 一部改良

 衝突回避支援機能を備える「アイサイト」に加え、斜め後方の車両を検知する機能などを含む先進安全装備の「アドバンスドセイフティパッケージ」を標準装備化。サスペンションも改良。

2016年9月 一部改良

 搭載する「アイサイト」に、車線中央維持機能を追加。高速道路などで車線から外れないようにハンドル操作をアシストする。また新たにドライバーの手を温めるステアリングヒーターを採用。

2017年9月 マイナーチェンジ

 前後バンパーのデザイン刷新などエクステリアのリフレッシュも含むマイナーチェンジを実施。運転支援システム「アイサイト」には新たに後退時自動ブレーキシステムを追加し、安全性も向上した。

2018年9月 一部改良

 「アイサイト」の制御を改良し、歩行者や自転車との衝突回避可能性を向上。また低速走行中に前方に障害物がある状態で間違えてアクセルを踏み込んだ際に、衝突回避をアシストする機能を追加。

2019年9月 一部改良

 グレード体系を見直し、専用内外装を採用しつつ値段を抑えた新グレード「Bスポーツ」を追加。「リミテッド」にはブラウンレザーインテリアを設定した。標準仕様の「B4」は廃止。

[NEXT LEGACY B4]2019年シカゴショーで初公開

 2019年2月にアメリカ・シカゴで開催されたモーターショーにて次世代のレガシィが公開された。北米では2020年モデルとして2019年秋から販売がスタート。日本デビューは2020年秋か?

[インテリア]広くて快適な室内が自慢

 レガシィのインテリアをひとことで言うならば、洗練された大人の空間だ。奇をてらうことなくスッキリした精悍なデザインかつ上質な仕立てで、日常の移動からロングツーリングまで快適にこなせる。ファミリーユーザーにとって特筆すべき部分は後席の広さ。足元も横幅もゆったりで、長時間移動も疲れ知らず。

 運転席まわりは電動式のパーキングブレーキなど先進的なギミックも組み込む。ステアリングのボタンでアクセル操作に対するエンジンの反応を切り替えられたり、ハンドルのスイッチをきっかけにナビへ接続したiPhoneの音声操作も可能だ。

[ラゲッジ]荷室の積載性も優秀 アウトドアでも活躍!?

 「アウトバック」の荷室は広く、積載能力は国産ステーションワゴンの頂点に立つ。そしてじつは、525Lというセダン屈指の容量を誇る「B4」のトランクも自慢だ。

[メカニズム]走りにこだわるスバルの独自技術が魅力

 エンジンは、世界中の量産自動車メーカーのなかではポルシェとスバルしか生産していない「水平対向」と呼ぶタイプ。その理由は重心を低くして、車体の操縦性や緊急回避性能高めるため。レガシィシリーズで全モデルにAWD(4WD)を採用するのも、走行安定性を高めて安全につなげたいというスバルの高い意識が前提にある。

エンジン

 一般的なエンジンはピストンが上下もしくは斜めに動くのだが、水平対向エンジンはその名のとおり「水平」に動く。それが中心を境に左右から向かい合って「対向」しているのが水平対向エンジンと呼ばれる理由だ。

AWD

 このクラスの“常識”はFFだが、レガシィは全車にAWD(4WD)を採用。前輪と後輪の両方へ駆動力を送る4WDは、雪道など極めて滑りやすい路面はもちろんのこと、雨の日で路面が濡れた高速道路や横風の強いときでも安定性が高まり、安全と安心につながる。

アイサイト

 自動ブレーキ(追突回避支援ブレーキ)のアイサイトを全車に搭載。今ではごく一般的になった自動ブレーキだが、停止まで行うシステムをはじめて搭載した日本のメーカーはスバルだ。

アクティブトルクベクタリング

 旋回中に、フロントの内側輪だけに自動かつドライバーがまったく気がつかないほどのブレーキを掛けることでクルマが曲がりやすくなるシステム。クルマが道の外側へ膨らむのを抑制する。

[先代モデル]高出力のターボエンジンも選べる

 ゆったりと移動できる広い室内は6代目と共通だが、じつは5代目には6代目にはない魅力がある。それが力強い走りを実現するターボエンジン搭載車だ。またアウトバックには、6代目の国内仕様にはない6気筒エンジン搭載を搭載。高出力かつ味わい深い。
中古車参考価格帯:100万円~190万円(17年~19年 ※全グレード)

インパネは木目調パネルにシルバーの加飾をコーディネート。2010年5月以降のモデルはアイサイトが「ver.2」に進化して衝突回避性能を高めた。居住空間は十分な広さを誇る。

[市場データ]中古車の大半はアウトバックだが相場は高め

 B4とアウトバックの2本立てだが、物件数が多いのは後者。しかしながら、相場はB4よりも20万円~30万円ほど高めなので、購入後の用途を明確にして購入したい。現行型ゆえ極端な値落ちはしていないが、5年落ちで100万円近く相場が下がっているので、そろそろ買い時。

  • 走行距離
    実用的なモデルゆえ、それなりに走行距離が伸びた物件も少なくない。しかし3万km未満が半数近くを占めるので安心して探せる。

  • グレード
    B4とアウトバックは、後者が7割ほど占めている。B4はやや探しにくいのが欠点。どちらも上級モデル「リミテッド」が充実している。

  • 年式
    物件数は、デビュー翌年の2015年式が37%ともっとも豊富。続いて2016年式が充実している。ねらうならこのあたりが買いやすい。

自動車ジャーナリスト工藤貴宏の「レガシィB4/レガシィアウトバックGOODとBAD」

【GOOD】ゆとりある室内とこだわりの走行安定

 後席まで驚くほど広い居住スペースと、常識を超える広さを誇るラゲッジルームがまず美点。また、4WDを全車に採用することで走行安定性が高いのも注目すべきポイントだ。そのうえ「アウトバック」は、国産では希少なステーションワゴンかつ最低地上高を高くして悪路も走れるパッケージングも、国産ライバル不在のポジション。独自の魅力が光る。

【BAD】車体サイズが大きめでハイブリッドはなし

 室内や荷室が広く走行安定性も高いクルマだけに大きなウィークポイントは見当たらないが、強いていえばこのクラスのライバルでは定番となっているハイブリッドの設定がないこと。逆にいえば、それさえ気にならなければ“買い”といえる。車体サイズは大きめなので、自宅駐車場が狭いユーザーや運転に苦手意識を持つドライバーはしっかりと確認しよう。

編集部イチオシ!

アウトバック リミテッド

 ユーティリティを考えると荷室の広い「アウトバック」が魅力。上位グレードの「リミテッド」は本革シートや電動テールゲートを標準採用するので快適かつ、中古車は割安感がある。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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