中古車購入チェックポイント
更新日:2023.09.06 / 掲載日:2022.01.07
中古車購入時の選び方は?選ぶ際の確認ポイントを解説!
中古車の選び方はどうすれば良いのでしょう?
中古車と一口に言っても、古さも車種も様々です。特に初めて購入されようとしている方はどのようなものが良いのか決められず、悩んでいるかもしれません。
以下では、中古車の選び方のポイントを説明します。
中古車は購入目的を決めた上で正しく選びましょう
しかし、中古車は車種や車が乗り始められてからの経過年数だけでなく、同じ車種であっても一つ一つ状態が異なっています。そのため、単に価格だけを見て安易に選んでしまうと失敗してしまいかねません。
まずは自分がどんな目的でどのような車に乗りたいのか、ビジョンを明確にすることが大切です。その上で車の年数、状態を確認してください。
車に乗る人数、乗る人の年齢を考える
最初にはっきりさせておく必要があるのは、車に乗ると思われる人数です。例えば、5人以上の大家族なのに軽自動車1台であれば明らかに不便を感じることでしょう。車によって乗ることのできる人数は変わりますので、1人、2人、それ以上なのかでどのような車が適切か変わってきます。
また、乗る人数は同じであっても、小さい子どもがいるのか、高齢者かなど乗る人の年齢によっても便利と思うポイントが異なります。
車の使用場面を考える
車を使用する場面についても検討が必要です。1人で買い物をするだけが目的であれば、軽自動車やコンパクトカーで充分でしょう。
家族で休日に出かけることが多いのであればミニバンといった選択肢もあります。
高齢者が乗ることも想定されるなら「セーフティ・サポートカー」として認定されている車が便利かもしれません。
通勤や趣味で長時間乗ることが多い場合には燃費の良いハイブリッドカー、スポーツやアウトドアなどを趣味としていて荷物が多い場合にはSUVという手もあります。
どのように使いたいのか目的が漠然としたままだと、後で不都合に気づくかもしれません。しっかりと車を購入した後のイメージをしておくことが重要です。
車の予算を決めておく
いくら中古車が新車より安いとはいえ、購入後にガソリン代、駐車場代だけでなく、自動車税、車検代が必要となることは変わりありません。また、ローンを組んで購入する場合、これまでより毎月の費用が増えることになります。これらを考えずに購入してしまうと、後で家計が圧迫されてしまう危険があります。そのため、あらかじめ予算を決めておくことは重要です。予算を決めておくことで後で、生活が苦しくなることを避けられるかもしれません。
また、中古車販売店などに相談する際やインターネットで車を検索する際にも、選択肢が狭まるため多少選びやすくなるでしょう。
中古車を選ぶ際に確認するポイント
中古車を売っている業者はたくさんありますが、車を査定する際に見るポイントは同じです。業者が査定する項目をチェックするなら、購入した後もどれくらいの期間乗ることができそうなのか、また性能を確認することができます。
結果、適切な良い車を見つけることができるでしょう。
走行距離
中古車を選ぶ際にまず確認したいポイントは、走行距離です。走行距離が長くなればなるほど価格は安く、走行距離が短いほど新しいため価格は高くなります。
走行距離が10万kmを超えていても、ほとんどの中古車は問題なく走ることができるでしょう。ただし、それだけ長く乗られていると、部品や機能の劣化による故障のリスクが高くなっています。
走行距離は通常、1年で1万kmほどと言われています。この基準に照らし合わせて、走行距離があまりにも短いなら注意が必要です。長期間乗らず、メンテナンスもされずに駐車場で放置されていたかもしれません。
一般的には3万km・5万km・10万kmが走行距離の節目となり、大台に乗るごとに価格は下がっていきます。
新しさを重視するなら3万~7万km、価格の安さを重視するなら8万~12万kmの走行距離の中古車を選ぶ方が多いとされています。
年式
中古車選びにおいて、年式を確認することも重要なポイントです。年式は中古車の場合、一番初めのオーナーが購入した年で設定されています。「低年式が古い車」「高年式が新しい車」になりますので、覚えておきましょう。
車は乗れば乗るほど走行距離が伸びます。通常年式が古い車になればなるほど走行距離も長いため、価格は安くなっているかもしれませんが、そのぶん劣化していると言えます。
オーナーが何人も変わっている中古車は傷んでいることが多いため、予算などの関係で年式の古い車を探すのであれば、ワンオーナー車で検討するのがおすすめです。4年〜6年くらいの年式のワンオーナー車なら、傷も少なく状態も良い車が見つかる可能性が高いです。
なお、年式の節目としては3年、5年、7年となります。車検のあるタイミングで車を売却しようと考える方が多いためです。
少々値が張っても綺麗な中古車がほしいと思う場合には3年、価格と車の状態のバランスを考えるなら5年、何よりも価格の安さを重視して選びたいなら7年ものが良いでしょう。
車内と外装の状態
中古車選びで特に気になるのが、車内と外装の状態でしょう。車の内装は売りに出される前に清掃はされていますが、シミや汚れ、またペットやタバコの臭いが取り切れずに残っていることもあります。そういった車は、当然のことながら価格は安くなります。
車の外装で言えば、元の状態から比べて明らかに見た目が劣化している場合は、価格が安いです。
見た目の劣化とは、「へこみ」「ゆがみ」「傷」「車体の色あせ」などを指します。売却後にある程度は修復されているかもしれませんが、細かい傷やへこみはそのままになっていることもあります。
しかし、大前提として、中古車はすでに別の方が使用されていますので、細かな傷があるのは珍しいことではありません。中古車購入では、こうした点をそれほど気にしないことも必要です。
やはり気になるので後で自分で修復しようと思う場合には、その金額を購入した価格にプラスして考えましょう。購入した後に気になって後悔することのないよう、しっかり確認しておいてください。
各種装備の動作状況
各種装備の動作に異音などの不備がないかをチェックするのも、重要なポイントです。インターネットでの購入を考えている場合、実際に車を確認することができないことも多いので特に注意が必要です。
電装系で確認できる項目は以下になります。
・ウィンカー
・ワイパー
・パワーウィンドウ
・パワーステアリング
・各種ライト など
例えば、ワイバーはウィンドウに直接触れるラバー部分とブレード本体は消耗品であるとはいえ、動かして拭き具合を確かめてみることができます。
その際に併せて、動作のリズムが正しいかも確認しましょう。根元のモーターが劣化で故障していることもあるためです。
車内装備で確認できる項目は以下になります。
・電動スライドドア
・エアコン
・ナビ
・オーディオ
・バックカメラ など
オーディオの場合、夏や冬の温度変化で品質が変わっている可能性もあります。
査定項目をしっかり確認するだけでなく、納車された時にもあらためて、査定された内容と実状に相違がないかをチェックするようにしましょう。
車検の期間がどれくらい残っているか
中古車選びでさらに気をつけておく必要があるのは、車検が残っている場合、残りがどれくらいの期間なのかという点です。車検切れが近いと購入後の車検費用も取り分けておく必要が出てきますので、車の購入費用の予算自体を減らさなければいけなくなるかもしれません。
なお車検が残っていない場合でも、名義変更の前には必ず車検を通さなければいけないことになっています。そのため、車検の有無だけを考えれば、それほど気にする必要はないと言えます。
ただし、必ずしも車の本体価格に車検費用が含まれているわけではありません。場合によっては、購入後に別途での車検が必要な場合もありますので、車の本体価格にどこまで含まれているかは確認が必要です。
また、今後車を買い替えるということもあり得ます。今回購入した車を所有している期間中、車検を何回受けるかということも考えておくことができるでしょう。
点検整備記録があるか
点検整備記録簿があるかどうかを確認することも大切です。定期点検整備記録簿とは、法定点検(12ヶ月点検、24ヶ月点検)での整備内容を記録したものです。
定期点検整備記録簿を確認すれば、過去の記録からどのような部品を交換しているのかなど、きちんと整備が行われているかどうかを知ることができます。
交換した部品からはどんな故障や事故があったかが分かりますし、消耗部品が次回いつ交換時期となるのかも判断できます。
しかし、車に詳しい方でないと細かな部品を見てもあまり判断はつかないかもしれません。それでも、ブレーキパッドやエンジンオイル、バッテリー、タイヤの状態は見ておくことができるでしょう。
定期点検整備記録簿がないからといって、管理されておらず状態が悪い車であるとは限りませんが、あるものを選ぶほうが安心です。
タイヤの状況
中古車を選ぶ際はタイヤの状況も必ずチェックしておきましょう。販売されている中古車の大半は、新しいタイヤには交換されず、以前のオーナーが使用していたタイヤのままとなっています。
保安基準では交換限度は、残り溝の深さが1.6mmと決まっていますが、交換の目安は3mm以下になったタイミングです。グリップ性能の低下や雨の日の路面でタイヤが滑り、コントロールが利かなくなってしまう恐れがあるためです。
それ以外にも、経年劣化によるひび割れやタイヤの一部だけがすり減っている(片減り)がないかどうかも確認してください。どちらの場合にも、バースト(破裂)の危険があります。
購入しようとしている中古車のタイヤが明らかに上記のような状況である場合には、業者にタイヤ交換を交渉してみることができるかもしれません。
納車整備としてタイヤやパーツ交換を行っている業者である場合には特に、タイヤの交換希望を伝えておくことが大切です。
何も言わないままでいると不満がないとみなされ、スキップされてしまう可能性もあります。事前によく業者に確認を取りましょう。
避けるべき車①修復歴車
修復歴車とは、事故や災害のために車の骨格部分(フレーム)に損傷を受け、交換また修正した車のことです。「事故車」と呼ばれることもあります。安全面や機能面から考えると、修復歴車を選ぶべきではないと言えるでしょう。
骨格を損傷している以上、後になって予想していなかった故障が起きる可能性があります。たとえ試乗ではなんの問題もなかったとしても、その後の保証は何もありません。
修復歴車は激安となっていることが多いですが、購入は避けた方が無難です。
現在、修復歴がある場合には車種情報への記載が必須となっています。インターネットで検索する際は、修復歴なしの条件で探すことをおすすめします。
避けるべき車②水没車
水没車とは、台風などの水害によって水没した車です。「水害車」「冠水歴車」「冠水車」と呼ばれることもあります。水没車は修復歴車ではないため、記載義務がありません。たとえ修復歴はなくても、水没車である可能性は残されています。
水没車を見分ける方法としては、車内が泥臭かったり雑巾に似た臭いを感じる、またシートベルトを引き出した時にシミの線が入っていたりするなどです。
水没車は電装系で連鎖的に複数の故障が発生し、その結果修理費が高額になる場合があります。予想外の出費を避けるためにも、購入するべきではないでしょう。
避けるべき車③雪害車・塩害車
塩害車は潮風によるダメージ、雪害車は雪によるダメージを受けた車のことです。塩害については雪道を走行した際、撒かれている融雪剤の付着が原因となることもあります。どちらの場合にも、サビが大きな問題と言えます。
車の重要部品が錆びると機能に不具合が発生し、事故につながりかねません。また、部品の交換により修理費用が高額となることも考えられます。
塩害車・雪害車の見分け方は、普段それほど見ない部分が周囲と比較して不自然に錆びていないかということです。車体のサビはコーティングされることもありますので、エンジンルームなどを確認するといいでしょう。
お手ごろな中古車を探すポイント
いくら探しても希望通りの中古車が見当たらない場合もあるかもしれません。できるかぎり費用を抑え、お得に選ぶ方法を以下でご説明します。
あえて不人気な車・色にしてみる
費用を抑える一番の方法は、人気のある車や色を避けることです。新車で人気のある車や色は、当然のことながら中古車になったとしても人気が高く、価格も高い設定となっています。そのため、あえて人気のない方向で探せば、価格の安いものが見つかるかもしれません。
車種は人気のものを選ぶが色は不人気のもの、または車種も色も不人気のもの、などご自身の予算と希望に合わせて検討することができるでしょう。
なお、日本での定番とも言える色はホワイトパール系やブラックになります。シルバーやグレー系も人気です。
レッド・イエロー・グリーンなど、明るく奇抜とも言える色は一般的に手を伸ばしにくいようですが、乗っている分には分からないと考えることもできます。
人気があるから必ず性能も高いというわけでもありませんので、費用を抑えたい方はこれまで考えていなかった車や色も一度検討してみてください。
必要としているオプションが揃った車を選ぶ
中古車を購入する際、車そのものの価格だけでなく、必要なオプションの費用についても考えておくことが重要です。もし遠方に出かけることが多くカーナビやETCが必須なのであれば、最初から装備されている車が選択肢に入るでしょう。
車とオプションを別々で購入した場合、オプション付きの車を購入した場合に比べて、費用が高くなってしまうことがあるためです。
もしそれほど必要とは感じられないオプションを付けるかどうかで迷う場合には、付けない方が費用を節約できます。
50万円以上の車を購入すると、新車であれ中古車であれ環境性能割という税金が課せられますが、車だけでなくオプションにも課税されてしまいます。
なお、環境性能割とは2019年10月1日から自動車取得税に代わって導入された、車の取得者に対する税です。燃費性能の差で税率が変わり、非課税、1%、2%、3%に分かれています。
フルモデルチェンジ前の旧モデルを選ぶ
見た目は二の次、あくまで値段重視でいくのであれば、フルモデルチェンジ前のモデルを探してみるのも一つの手です。車のフルモデルチェンジが決まった場合、一般的に新型モデルの期待が高まるので旧モデルは売れなくなっていきます。旧モデルの売れ残りを防ぎ、在庫を減らすためにディーラーが値引きをしたところを狙います。
また、旧モデルの在庫が余ってしまった場合、実際には使用されていないのに中古車として販売されていることもありますので、そちらを探してみることもできるでしょう。
しかし、値段重視といってもちょっとは見た目も気になる、という場合には、フルモデルチェンジ後の古い年式の車を探すという手もあります。
どちらの場合にしても、まずはフルモデルチェンジした車と時期を知っておくことが必要です。
まとめ
①中古車を購入する際は、購入目的、予算をあらかじめ決めておく
②走行距離は長くなるほど安くなる。短すぎる場合は注意が必要
③年式が古い車は価格は安いが、そのぶん劣化しているリスクがある
④車の内装と外装、各種装備の動作に異音などの不備がないか、車検の期間、定期点検整備記録があるか、タイヤの状況についても確認すること
⑤修復歴のある車、水没車、雪害車は避けるのが無難
⑥費用を抑えたいなら、不人気な方向も検討し必要なオプションが揃った車を選ぶ
⑦フルモデルチェンジ前の旧モデルを選ぶという方法もある
この記事の画像を見る