中古車購入チェックポイント
更新日:2023.09.28 / 掲載日:2022.01.20
「保証なし」の中古車は大丈夫?保証の種類や保証が利かないケースを説明
中古車を購入する際、保証内容を確認するのはとても重要です。
保証なしの車はそれだけ故障しやすい可能性があります。また、保証つきの場合でもどの範囲までカバーしてくれるかは契約内容によって異なります。
では、中古車の保証の種類や内容には主にどのようなものがあるのでしょうか?また、保証でカバーされないのはどんな場合なのでしょうか?
以下で詳しく説明しますので、中古車を購入する際の参考にしてください。
中古とは言っても車は高額な買い物なので、故障した場合も安心して対応してもらえるようにしましょう。

車両に対する「保証」とは、故障した際の修理費用を販売店やメーカーが保証するというものです。
ディーラーで新車を購入した場合は「新車保証」がつくのが一般的で、3年または6万キロまで有効な保証がつくメーカーが多いです。
保証がつくと、有効期間内であれば無料で修理が受けることができ、追加料金を払うと保証期間を延長できる場合もあります。
一方、中古車でも保証をつけることができ、購入した中古車に新車保証の期間が残っていればその内容を引き継ぐこともできます。
中古車の場合、新車と比べて保証内容が充実しているとは言い切れません。それでも、故障などが起きた時には保証の有無が大きな差となるでしょう。
販売店からすれば、故障のリスクが高い粗悪品を保証つきで販売すれば、修理対応の回数が増えて損失となるでしょう。そのため、故障のリスクが高い車はもともと保証がつきにくく、見方を変えれば保証をなかなかつけない販売店は粗悪品を多く扱っている可能性があります。
保証をきちんとつけてくれる販売店は、車の整備や管理面について信頼が持てます。購入する側としても、故障のリスクが減ることになるので大きなメリットでしょう。
まず「保証」は先述の通り、故障などの場合にメーカーや販売店が責任を持って修理をするものです。
一方「補償」は交通事故などで生じた損害について、金銭などで「損失を補う」という意味があります。
特に自動車保険に関わる用語で、保証・補償の2つはこのような意味で使い分けられます。
ちなみに「保障」は地位や権利などを保護し、一定の状態を維持するという意味です。社会保障、安全保障といった使い方のほか、生命保険分野などでも使われることがあります。

中古車につけられる保証は、3つに大別することができます。
・中古車販売店がつける保証
・新車から継続する保証
・中古車情報サイトによる保証
この3つには、それぞれどのような特徴と違いがあるのかを説明します。
また、保証内容だけではなく保証期間も確認が必要です。販売店によっては保証期間が1~3カ月程度、走行距離1,000~3,000キロという範囲に限っていることがあります。確認を怠ると、知らないうちに期限が切れていたということになりかねません。
また、保証項目に車の走行に不可欠なパーツも含まれているかも確かめることが重要です。含まれていない場合は修理時に別料金が発生することがあります。
特にエンジンなどは修理費が高額になることが多いので、保証項目に含まれているかきちんと確認しましょう。
手続きについては、販売店が代行してくれることがあるので相談してみてください。自分で行う場合は、車両の名義変更が完了した段階で、ディーラーで12カ月点検と同様の点検を受けることで手続きを済ませられます。
内容的には、例えば「最長3年」「350以上の保証項目」といった形で保証をつけられます。
ただし、サイトによって保証内容は違っており、全ての販売店の買い物で必ず保証をつけられるとは限らないので、必ずサービス内容を事前に確認しておきましょう。

中古車販売店で車を購入すると、保証がつく場合とそうでない場合があります。これは3つの販売方式による違いです。
・現状渡し
・整備渡し
・保証つき
この3つの販売方式と保証の付き方の関係を説明します。
基本的に保証もつかず、いわば中古車が販売店を「素通り」してユーザーのもとに届くことになるため、安価で購入できるというメリットがあります。
ただし、整備されておらず保証もないことから故障のリスクも大きいので、素人は現状渡しでの購入は避けましょう。車の整備やカスタマイズを自分でできるという方向けです。
現状渡しと比較した場合、最低限の整備は行われているため安心感も大きいです。ただし、整備の質は店ごとに違っており、店によってはギリギリ保安基準を満たす程度しか整備されていないこともあります。
保証内容もそのレベルに合わせたものであることが多いので、理解した上で購入するようにしましょう。
ただし、その内容は店ごとに大きく異なるため、詳細な「保証内容」や「保証期間」の確認が必要です。
中には手厚い内容のものもありますが、一方で無料修理は数ヶ月に限るとか、保証が別料金のオプションである場合などもあります。
購入してから保証内容を確認するのではなく、保証内容を参考にして信頼できるお店を探すのも一つの考え方でしょう。

中古車の保証は、車に関わる全てをカバーしているわけではなく、故障した部位やパーツによっては対象にならない場合もあります。
詳しくは保証内容ごとに異なりますが、主にどういうパターンがあるのか見ていきましょう。
細かい内容は販売店によって異なりますが、これらの主要パーツが保証に含まれていない場合は注意が必要です。
また、保証内容によっては部品代は無償ですが交換にかかる工賃は有償ということもありますので、少しでも気になる場合は確認しておきましょう。
保障内容が曖昧だったり口頭のみでの約束だったりすると、後にトラブルに発展してしまうかもしれません。
それは、例えば「パワーウインドウ」「オーディオ」「エアコン」などです。
これらは修理費が高額なので要注意です。
販売店や個別の申込内容によって、これらが保証範囲に含まれるかは異なってきます。中古車を安価で購入したものの自力でのメンテナンスには自信がないという場合は、できれば契約前に保証内容を確かめておきましょう。
車両本体の塗装の剥がれやサビ、エンジンオイル、ワイパーゴム、タイヤなども保証に含まれないことが基本です。
また、運転時の操作ミスによる車両の破損も基本的には保証対象外です。
例えばガレージに車を入れる際にぶつけてしまい、エンジンや走行に異常が発生した場合などは、保証ではなく実費での修理もしくは任意保険の範疇となります。

ここまでで車の保証というのがどういうものなのか、保証つきの場合はどんな範囲をカバーしてもらえるのかについて説明しました。
故障やトラブルが発生した場合、販売店側に無償で対応してもらえるのは、この保証の範囲内の事柄に限られます。
では、保証なしの場合は販売店に対応を求めることはできないのでしょうか?
また、販売前から不具合があり、その事実を購入者が知らされていなかった場合はどうなるのでしょう?
以下で詳しく説明します。
これは、保証が付いていてもいなくても関係ありません。ただし、購入前から不具合が存在していたのかどうかがはっきりせず、それを証明することができないため責任を問えない、ということもありえます。
現状渡しであっても、購入後に自然消耗が原因とは言えない故障やトラブルが発覚し、それが車の購入時点で買主に説明されていなければ、やはり売主が「瑕疵担保責任」を負うことになります。これは民法の規定で定められています。
ただし、整備記録簿の内容チェックは素人には難しいため、場合によっては別の販売店や工場で検査してもらうのもいいかもしれません。複数の視点から見て不具合や問題が見つかったら、すみやかに販売店に対応してもらってください。
では具体的に「保証なし」であることがどんなシーンで影響してくるのかを見ていきましょう。
車両はたとえ普段から丁寧に扱っていたとしても必ず劣化するため、こういった不具合は車の持ち主が費用を負担することになります。
もちろんこまめなメンテナンスや部品交換によって、消耗・劣化を遅らせることもできますが、完全に防ぐのは不可能です。
中古車を購入するなら、いつかは修理が必要になることを想定しておきましょう。
仮に不具合が起きたのが購入の翌日などだったとしてもその原則は変わらず、修理費用は全額自己負担となります。
ただし、故障・トラブルの原因が納品時にすでに存在しており、購入者がその説明を受けておらず、なおかつその事実を証明できる場合は「瑕疵担保責任」が問えます。すみやかに販売店に連絡し、修理について相談しましょう。

一口に「保証」と言っても、新車の場合は「一般保証」と「特別保証」という2種類があったり、車種ごとに大きく違ったりします。
また、保証がきくかどうかについても「走行距離」や「修理回数」に制限が設けられていることもあります。
保証期限は一般保証が3年、特別保証が5年というのが一般的です。
また、双方ともに走行距離について制限があります。一般保証の場合は6万キロ、特別保証の場合は10万キロまで保証されるケースがほとんどです。
また、一般保証については有償で延長も可能で、2~7年までカバーしてくれることが多いです。
例えば、保証期間だけを見ても6カ月で期限切れになるものから最長10年保証可能なものもあります。
また、車種によっても違いがあって輸入車は最長で5年程度しか保証されない場合がほとんどです。国産車が優遇されているわけではなく、輸入車は故障しやすいとされているためです。そのため、多くの販売店では輸入車は保証対象外だったり、保証があっても内容が薄かったりすることがあります。
ただし、販売店によっては「普通車」「軽自動車」「輸入車」ごとに異なる内容の保証を設けていることもあります。
走行距離が無制限だったり輸入車でも保証内容が良かったりと、そのパターンは千差万別です。
新車保証と販売店独自の保証が併用可能かどうかは販売店次第なので、確認が必要です。
詳しくは各ディーラーや販売店によって異なるものの、例えば「走行距離3,000キロ」という条件の場合、3,000キロを超える走行距離の車は保証対象外となります。
店によってはこうした条件がないこともありますので、気になる場合は事前に確認しましょう。
特に長距離運転することが多いユーザーは、この点を基準に複数のお店で保証内容を比較してみてください。
「所定の利用回数を超えると有償修理になるケース」や「保証修理でかかった費用の累積金額に上限が設定されているケース」もあります。後者の場合は、修理するたびにいくらかかったか注意を払う必要が出てきます。積み重なった修理費用が満額に達すればもう保証はきかず、次回の修理からは自己負担となるでしょう。
保証なしの車はそれだけ故障しやすい可能性があります。また、保証つきの場合でもどの範囲までカバーしてくれるかは契約内容によって異なります。
では、中古車の保証の種類や内容には主にどのようなものがあるのでしょうか?また、保証でカバーされないのはどんな場合なのでしょうか?
以下で詳しく説明しますので、中古車を購入する際の参考にしてください。
この記事の目次
中古車選びで「保証内容」はとても大切
中古車の購入を検討する場合、車種やお店選び以外にも、車の保証内容ついて十分に確認する必要があります。中古とは言っても車は高額な買い物なので、故障した場合も安心して対応してもらえるようにしましょう。
車の「保証」とは?

ディーラーで新車を購入した場合は「新車保証」がつくのが一般的で、3年または6万キロまで有効な保証がつくメーカーが多いです。
保証がつくと、有効期間内であれば無料で修理が受けることができ、追加料金を払うと保証期間を延長できる場合もあります。
一方、中古車でも保証をつけることができ、購入した中古車に新車保証の期間が残っていればその内容を引き継ぐこともできます。
中古車の場合、新車と比べて保証内容が充実しているとは言い切れません。それでも、故障などが起きた時には保証の有無が大きな差となるでしょう。
保証なしの車は故障しやすい!低品質などの恐れ
保証内容をきちんとチェックすることは、優良販売店を見つけることにもつながります。保証の有無や内容の充実度によって、店側が自分の商品に対してどれくらい自信を持っているかが分かります。販売店からすれば、故障のリスクが高い粗悪品を保証つきで販売すれば、修理対応の回数が増えて損失となるでしょう。そのため、故障のリスクが高い車はもともと保証がつきにくく、見方を変えれば保証をなかなかつけない販売店は粗悪品を多く扱っている可能性があります。
保証をきちんとつけてくれる販売店は、車の整備や管理面について信頼が持てます。購入する側としても、故障のリスクが減ることになるので大きなメリットでしょう。
「保証」「補償」「保障」の違い
「保証」「補償」「保障」の3つの言葉は、表記する上で混同しやすいものですが、特に自動車については「保証」と「補償」が深い関係があります。まず「保証」は先述の通り、故障などの場合にメーカーや販売店が責任を持って修理をするものです。
一方「補償」は交通事故などで生じた損害について、金銭などで「損失を補う」という意味があります。
特に自動車保険に関わる用語で、保証・補償の2つはこのような意味で使い分けられます。
ちなみに「保障」は地位や権利などを保護し、一定の状態を維持するという意味です。社会保障、安全保障といった使い方のほか、生命保険分野などでも使われることがあります。
中古車の保証には3種類ある

・中古車販売店がつける保証
・新車から継続する保証
・中古車情報サイトによる保証
この3つには、それぞれどのような特徴と違いがあるのかを説明します。
①中古車販売店による保証
販売店では保証の内容をそれぞれ自由に設定することができるので、店ごとに保証内容は千差万別です。基本的な保証内容に不安がある場合は、別途料金を支払うことで、希望する内容を追加することもできます。また、保証内容だけではなく保証期間も確認が必要です。販売店によっては保証期間が1~3カ月程度、走行距離1,000~3,000キロという範囲に限っていることがあります。確認を怠ると、知らないうちに期限が切れていたということになりかねません。
また、保証項目に車の走行に不可欠なパーツも含まれているかも確かめることが重要です。含まれていない場合は修理時に別料金が発生することがあります。
特にエンジンなどは修理費が高額になることが多いので、保証項目に含まれているかきちんと確認しましょう。
②メーカーやディーラーによる保証
販売店による保証とは別に、メーカーやディーラーによる「新車保証」が中古車になってからも継続していることがあります。こうした中古車は、手続きを行うことで新車同様の保証をつけることができるでしょう。手続きについては、販売店が代行してくれることがあるので相談してみてください。自分で行う場合は、車両の名義変更が完了した段階で、ディーラーで12カ月点検と同様の点検を受けることで手続きを済ませられます。
③中古車情報サイトによる保証
車を購入する販売店の事業規模によっては、独自の保証はつけられないことがあります。そうした場合は、中古車の情報検索サイトが提供する保証サービスを検討してみてもいいでしょう。内容的には、例えば「最長3年」「350以上の保証項目」といった形で保証をつけられます。
ただし、サイトによって保証内容は違っており、全ての販売店の買い物で必ず保証をつけられるとは限らないので、必ずサービス内容を事前に確認しておきましょう。
中古車販売店の保証の付け方

・現状渡し
・整備渡し
・保証つき
この3つの販売方式と保証の付き方の関係を説明します。
①中古車の「現状渡し」の場合
「現状渡し」という販売方法は、整備されていない中古車を仕入れたままの状態で販売するものです。基本的に保証もつかず、いわば中古車が販売店を「素通り」してユーザーのもとに届くことになるため、安価で購入できるというメリットがあります。
ただし、整備されておらず保証もないことから故障のリスクも大きいので、素人は現状渡しでの購入は避けましょう。車の整備やカスタマイズを自分でできるという方向けです。
②中古車の「整備渡し」の場合
「整備渡し」という販売方法は、保安基準を満たすレベルの整備を行ってから販売されるため、品質的には大きな問題もなく購入できます。現状渡しと比較した場合、最低限の整備は行われているため安心感も大きいです。ただし、整備の質は店ごとに違っており、店によってはギリギリ保安基準を満たす程度しか整備されていないこともあります。
保証内容もそのレベルに合わせたものであることが多いので、理解した上で購入するようにしましょう。
③中古車の「保証付き」の場合
現状渡しや整備渡しに比べれば、「保証つき」は販売店による保証がしっかりついているので安心と言えます。ただし、その内容は店ごとに大きく異なるため、詳細な「保証内容」や「保証期間」の確認が必要です。
中には手厚い内容のものもありますが、一方で無料修理は数ヶ月に限るとか、保証が別料金のオプションである場合などもあります。
購入してから保証内容を確認するのではなく、保証内容を参考にして信頼できるお店を探すのも一つの考え方でしょう。
保証対象にならないパーツもある

詳しくは保証内容ごとに異なりますが、主にどういうパターンがあるのか見ていきましょう。
保証対象になるもの
車の動作や安全性に関わる「ブレーキ系統」や「ミッションの部分」は、保証項目に含まれるのが一般的です。細かい内容は販売店によって異なりますが、これらの主要パーツが保証に含まれていない場合は注意が必要です。
また、保証内容によっては部品代は無償ですが交換にかかる工賃は有償ということもありますので、少しでも気になる場合は確認しておきましょう。
保障内容が曖昧だったり口頭のみでの約束だったりすると、後にトラブルに発展してしまうかもしれません。
場合によって保証対象になるもの
車の安全性に直接関わってくるパーツは、保証対象に含まれるのが普通です。しかし、それ以外のパーツは自費になることがあります。それは、例えば「パワーウインドウ」「オーディオ」「エアコン」などです。
これらは修理費が高額なので要注意です。
販売店や個別の申込内容によって、これらが保証範囲に含まれるかは異なってきます。中古車を安価で購入したものの自力でのメンテナンスには自信がないという場合は、できれば契約前に保証内容を確かめておきましょう。
ほとんど保証対象にならないもの
車のインテリアや装飾に関するパーツ、また消耗品などは基本的に保証範囲には含まれないと考えておきましょう。車両本体の塗装の剥がれやサビ、エンジンオイル、ワイパーゴム、タイヤなども保証に含まれないことが基本です。
また、運転時の操作ミスによる車両の破損も基本的には保証対象外です。
例えばガレージに車を入れる際にぶつけてしまい、エンジンや走行に異常が発生した場合などは、保証ではなく実費での修理もしくは任意保険の範疇となります。
購入した時点で存在していたトラブルには保証がきく

故障やトラブルが発生した場合、販売店側に無償で対応してもらえるのは、この保証の範囲内の事柄に限られます。
では、保証なしの場合は販売店に対応を求めることはできないのでしょうか?
また、販売前から不具合があり、その事実を購入者が知らされていなかった場合はどうなるのでしょう?
以下で詳しく説明します。
「保証なし」の場合でも売り主による補償義務があることも
購入する前からすでに車に不具合が存在しており、購入後にそれが発覚してトラブルに発展した場合は、売主が「瑕疵担保責任」を負うことになります。その場合は、売主たる販売店側が責任を負うことになるでしょう。これは、保証が付いていてもいなくても関係ありません。ただし、購入前から不具合が存在していたのかどうかがはっきりせず、それを証明することができないため責任を問えない、ということもありえます。
「現状渡し」でも補償してもらえることも
販売店が車の整備を行わない「現状渡し」の場合は、保証がつかないことがほとんどです。そのため、不具合が発生したら全て買主の自己責任と考えられがちですが、必ずしもそうとは限りません。現状渡しであっても、購入後に自然消耗が原因とは言えない故障やトラブルが発覚し、それが車の購入時点で買主に説明されていなければ、やはり売主が「瑕疵担保責任」を負うことになります。これは民法の規定で定められています。
「整備渡し」の場合は検査内容に注意しておく
「整備渡し」の場合でも、購入したらすぐに点検整備簿を確認しましょう。納車時点での検査内容や状態を確認しておくことで、後に記録簿に記載された項目で不具合が発覚すれば、販売店の責任が問えます。ただし、整備記録簿の内容チェックは素人には難しいため、場合によっては別の販売店や工場で検査してもらうのもいいかもしれません。複数の視点から見て不具合や問題が見つかったら、すみやかに販売店に対応してもらってください。
保証がきかない2つのパターン
「保証なし」の中古車を購入した場合、原則的に故障やトラブルが発生しても無償の修理を受けることはできません。では具体的に「保証なし」であることがどんなシーンで影響してくるのかを見ていきましょう。
パターン①部品の経年劣化による修理
「保証なし」の車両の場合、部品の経年劣化が原因で不具合が起きても、車の持ち主の自己責任です。車両はたとえ普段から丁寧に扱っていたとしても必ず劣化するため、こういった不具合は車の持ち主が費用を負担することになります。
もちろんこまめなメンテナンスや部品交換によって、消耗・劣化を遅らせることもできますが、完全に防ぐのは不可能です。
中古車を購入するなら、いつかは修理が必要になることを想定しておきましょう。
パターン②購入後に発生したトラブルによる修理
「保証なし」の車は、購入後にトラブルや故障が起きても、原則的にその責任は購入者が負います。仮に不具合が起きたのが購入の翌日などだったとしてもその原則は変わらず、修理費用は全額自己負担となります。
ただし、故障・トラブルの原因が納品時にすでに存在しており、購入者がその説明を受けておらず、なおかつその事実を証明できる場合は「瑕疵担保責任」が問えます。すみやかに販売店に連絡し、修理について相談しましょう。
保証期間やその条件も確認しておく

また、保証がきくかどうかについても「走行距離」や「修理回数」に制限が設けられていることもあります。
新車の一般保証・特別保証
新車を購入した時点でつけられる「新車保証」には、カバーされる範囲が広い「一般保証」と、重要部分を保証する「特別保証」の2種類があります。保証期限は一般保証が3年、特別保証が5年というのが一般的です。
また、双方ともに走行距離について制限があります。一般保証の場合は6万キロ、特別保証の場合は10万キロまで保証されるケースがほとんどです。
また、一般保証については有償で延長も可能で、2~7年までカバーしてくれることが多いです。
中古車販売店の保証内容はさまざま
中古車の保証内容は販売店によって異なります。例えば、保証期間だけを見ても6カ月で期限切れになるものから最長10年保証可能なものもあります。
また、車種によっても違いがあって輸入車は最長で5年程度しか保証されない場合がほとんどです。国産車が優遇されているわけではなく、輸入車は故障しやすいとされているためです。そのため、多くの販売店では輸入車は保証対象外だったり、保証があっても内容が薄かったりすることがあります。
ただし、販売店によっては「普通車」「軽自動車」「輸入車」ごとに異なる内容の保証を設けていることもあります。
走行距離が無制限だったり輸入車でも保証内容が良かったりと、そのパターンは千差万別です。
2つの保証は併用できないこともある
新車保証が残っている中古車は「内容が被る」という理由から、新車保証を優先するように販売店側から言われることがあります。新車保証と販売店独自の保証が併用可能かどうかは販売店次第なので、確認が必要です。
走行距離の制限にも注意する
保証を受けるための条件として、走行距離が問題になることがあります。詳しくは各ディーラーや販売店によって異なるものの、例えば「走行距離3,000キロ」という条件の場合、3,000キロを超える走行距離の車は保証対象外となります。
店によってはこうした条件がないこともありますので、気になる場合は事前に確認しましょう。
特に長距離運転することが多いユーザーは、この点を基準に複数のお店で保証内容を比較してみてください。
保証の回数に制限はないか
保証してもらえる回数も重要です。保証に基づく修理は何回まで可能なのか、チェックするようにしましょう。「所定の利用回数を超えると有償修理になるケース」や「保証修理でかかった費用の累積金額に上限が設定されているケース」もあります。後者の場合は、修理するたびにいくらかかったか注意を払う必要が出てきます。積み重なった修理費用が満額に達すればもう保証はきかず、次回の修理からは自己負担となるでしょう。
まとめ
①「保証なし」の中古車は品質が悪く故障しやすい恐れがある
②中古車の保証は「販売店によるもの」「ディーラーによるもの」「中古車情報サイトによるもの」の3種類がある
③「現状渡し」と「整備渡し」で保証のあり方が異なる
④パーツには修理時に保証がきかないものもある
⑤保証なしの中古車でも購入時にすでに不具合があったと証明できれば、店側の責任を問える
⑥保証内容は店や車ごとに内容が異なり、保証の回数などに条件がついていることもある
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