中古車購入チェックポイント
更新日:2022.03.19 / 掲載日:2022.03.19
中古車の現状渡しはお得?現状渡しにおける中古車購入のポイントを解説
中古車を購入をする際、販売店に出向いたり中古車検索サイトでお買い得な車がないか探したりするという方が多いかもしれません。その際、「現状渡し」と書かれている安い車を見つけることもあります。
この現状渡しとは、どのような状態の車のことなのでしょう?
今回は、中古車を現状渡しで購入する際のポイントについて詳しく解説していきます。

中古車販売店の表示されている項目で「現状渡し」と記入されている車があります。その他に「整備渡し」と記入されている車もあります。
検索サイトでも数多くの中古車が検索できますので、中古車を探す際は目にしたことがあるという方もいるかもしれません。
中古車が販売されるときの情報として、年式、走行距離、修復歴の有無、内装や外装の損傷や汚れの程度が挙げられます。これらの情報は、車の販売価格にも大きく影響を受ける部分ですので、しっかり明記されています。
しかし、現状渡しと整備渡しが記載されていても、実際のところどのような違いがあるのか、購入する時に気になる方もいるでしょう。
ここからは、現状渡しと整備渡しの相違点について詳しく解説してきます。
中古車販売店の車の仕入れ方法は、ディーラーの新車販売の下取車、業者向けオークション、リースアップ・レンタアップ車、新古車など様々なやり方で行っています。
中古車の場合、品質が一律ではなく、使用状況や頻度によってもコンディションが異なってきます。仕入額によってはコストをかけずに販売することで、売れる状態にすることも考えられます。
現状渡しは、もし修理する必要がある部分があったとしても、そのままの状態ですし、点検もしていないので、故障している可能性があるのかが不明確になっているケースがあります。そのため、購入をして運転している時に不具合が出る可能性も否定できません。
その点で不安なところもありますが、現状渡しであれば他の車に比べて価格は安く提供されています。
少々性能などが劣っていたとしても安い車を購入したいと考えている方にとっては、お得と言えるでしょう。
保証はない状態であっても、安全に乗ることができる車であることは販売店にとっても必要なことです。そこで、車をチェックした上で納車することで故障等のトラブルを未然に防ぐことができます。
例えば、中古車を購入する際に車検が切れている状態のまま引き渡しを行うのであれば、現状引き渡しになります。その際は、自分で車検を通すことになります。
それに対して、販売店側で整備点検を行い、車検を通している車であれば、整備渡しになります。
車のコンディションを維持するためには、定期的なメンテナンスが必要です。最低限オイルチェックや冷却水の確認などはしておくことで長持ちします。
そのため、整備についてもどこまで行っているかは販売店の基準によっても異なると言えます。整備している状態がどこまでなのか、事前に契約書を確認しておくことが大事です。
現実的には整備してから納車をするほうが、リスクが少なく安全だと考えられますが、それでも現状渡しで販売するのは、現状だと運転には支障はないが、その後故障する可能性が高い車を保証しないで早く販売したいという理由でしょう。
事前整備には費用がかかりますし、期間が経ってから保証して修理をする時にもコストがかかります。そのため、修理をして販売しても値段が高額になって売れない状態になるよりは、そのまま販売して利益を生み出すようにしたいというのが、業者の考えです。
また、販売店でも整備にかける費用や人員、整備工場がない状態であれば、そのまま販売する方法しか取れない場合もあります。
以上が、中古車販売店が現状渡しを行う大きな理由として考えられます。

中古車を現状渡しで購入する時のメリットには、どのようなものがあるのでしょう?
整備面や保証のことを考えると、需要がないのでは?と考える方もいるかもしれません。いくら安くても不安だという方もいるでしょう。
しかし、現状渡しでも一定量、需要はあります。
ここからは、現状渡しの車を購入するメリットはどのような点なのか詳しく解説していきます。
整備や保証がつかないことによってリスクもありますが、価格は中古車の市場価格よりも安く販売されています。
もちろん、故障すると費用がかかるのは覚悟しなければなりませんが、必ずしもそうなるとは限りません。想定していた以上に長い期間故障しない可能性もあります。
ある程度のリスクを踏まえて購入するのであれば、安く車を手に入れることができる点はメリットです。
カスタマイズするベースの車として購入するなら、多少問題があったとしても、自分で整備などができれば問題ありません。むしろ車の本体価格が安いほうが良いと言えます。
用途によって個人的にカスタマイズする方もいれば、カスタマイズ専門の業者に依頼するケースも考えられます。それ以外にもレース用としての車両ベースにする際は、通常求められる車の性能などは必要ないので、現状渡しの車でも充分対応可能です。
このように、整備や用途が決まっている状態であれば、現状渡しの車はメリットがあるでしょう。

現状渡しの中古車は価格を抑えて購入できる点がメリットですが、もちろんデメリットもあります。
そして、通常の中古車購入と比べて気をつけなければいけない点もあります。また、保証や車検、中古車そのものを判断する目も必要です。
より良い状態の車を購入することで、今後のトラブルも回避できるでしょう。
ここからは、現状渡しの車のデメリットを3つ詳しく解説していきます。
また、保証がついていたとしても、契約内容はしっかり確認しておきましょう。
保証付きで販売される車でも、1ヶ月1,000kmや3ヶ月3,000kmなどのように、期間や走行距離が極端に短い保証になっているケースもあります。
それに加えて保証内容も限定され、ミッションやエンジンだけを対応するなど、範囲を限定していることもあります。
保証がないと、万一のトラブルに関しては自己負担になってしまう点がネックです。
そのため、最低限のメンテナンスを行っておくことで、故障しにくくすることができます。日常点検を定期的に行い、壊れにくい状態を維持させることを意識しておくと良いでしょう。
現状渡しは保証の恩恵を受けることが難しいため、不安であれば整備渡しや保証のある車を選ぶことをおすすめします。
現状渡しは車の状態を確認することも大切ですが、車検がどれだけ残っているかを確認することも大切です。
車検が残っている車はナンバープレートがついた状態になっていますが、車検切れであればナンバープレートがついていません。
現状渡しは車検が切れていたとしても行わないので、車検が切れた車を購入すると、購入後に自分で車検に出す必要があります。そうすると、車検の費用がかかってしまいます。
また、車検切れの車は公道を走ることができないので、積載車に載せて運ぶ必要があり、さらに費用が上乗せされます。そのため、想定していた金額より高くなるでしょう。
もし車検切れの車を購入するのであれば、販売店で車検を通すことが可能か確認して、出来るなら納車前に行ってもらいましょう。そのほうが余計な費用がかからずに済みます。
現状渡しだと、車の状態を判断できる能力が要求されます。適格に状況判断をすることが難しい場合でも、自分でチェックできる項目はあります。
例えば、車検証や点検記録簿はダッシュボードの中に収納されているので確認しやすいでしょう。それ以外にも、ライトやエアコンの効き具合をチェックすることも比較的簡単にできます。
このように、購入する際は個人的にきちんとチェックをすることが重要となります。
現状渡しで車を購入する時には、直接販売店に出向いて実物を確認することがトラブルを防ぐためにも必要です。
瑕疵(かし)とは、欠点や傷を表す言葉ですが、車の場合は傷だけではなく、不具合を指します。
瑕疵と判断される基準としては、基本的に常識的な機能があるか、通常の注意力で見分けることができるかです。
現状渡しの時は、そのままの状態で引き渡すことが前提になります。それを理解した上で購入することになりますが、公道を走行する前提であれば、最低限走行機能として成立しているかは事前に確認されることは必要です。
もし、不具合やリスクがあることを知らずに購入してしまった時、車が使用できなくなったり多額の修理費がかかったりするのであれば、損害になってしまいます。
購入する人が不利益を被ってしまった際に保護する法律が、瑕疵担保責任です。
現状渡しや保証なしの約束で販売した場合であっても、車の状態について充分な説明がされないまま販売された時は、販売店に対して瑕疵担保責任を問うことができます。
また、2020年4月から瑕疵担保責任に代わって、「契約不適合責任」が施行されました。変更点としては、故意でない無過失責任は問われなくなり、売主が知っていたのにも関わらず隠していた場合は損害賠償請求ができることになっています。
そのため、販売店側が車の不具合を知らなかった場合、無過失責任は問われないということには気をつけなければなりません。
もちろん販売店でも「この車はここに問題箇所があるので安く販売している」など、不具合に関してしっかり説明しているのであれば、その時は責任を問えません。
実際、販売店でも販売後のトラブル防止のために伝えるケースも多いです。現状渡しの車に関しては特に注意して説明を聞くことがトラブルを防ぐために必要です。

現状渡しの中古車のメリットとデメリットについて解説してきました。価格が安い状態で購入できる反面、整備や保証に関しては気をつけて購入を検討することが必要です。
それでは、現状渡しの中古車を選ぶことになった場合、判断する基準はあるのでしょうか?
現状渡しの中古車でも、比較的リスクが低い状態で購入できれば、その分お得な買物になります。ここからは、特に狙い目の車種とおすすめしにくい車種を解説していきます。
しかし、価格が安いのでリスク面を割り切って購入するのであれば、それほど痛手になることが少ないです。
また、長持ちすればその分お得な車になります。
前任のオーナーも丁寧な乗り方をしていた可能性が高いので、リスクは大幅に減らした状態で購入できるでしょう。
近年の車は、安全面や走行性能は飛躍的に向上しています。使用状態が良好であれば、劣化する部品は交換する必要はありますが、大きな故障にはなりにくいです。
また、車体の細かい傷やへこみ、内装部分の汚れなどで販売価格を下げている車も狙い目だと言えます。外見の状態が良くなくても、安全面で問題なく走行に支障がない車なら構わない方は、お得な車になるでしょう。
外車や高級車は、故障した時にかなりの費用がかかるからです。外車は海外に製造拠点をもっているため、部品を調達する時に海外から輸送費をかけて取り寄せることもあります。そのため、ある程度保証が付いているのが安心できます。
大衆車は市場の流通量も多いので、部品の調達も中古部品が揃っている場合が多いです。しかし、希少価値のある車は流通量も限られているので修理費は高額になります。
これは改造車にも言えることで、特殊な部品を使用しているとその分費用は高くなります。
つまり、一般的な大衆車に比べて流通量が少ない車や改造車は現状渡しで購入するのは不向きであると考えられるでしょう。
現状渡しで購入することは、整備渡しよりもリスクが大きいのは事実です。そのため、車に対して知識があまりない状態で価格面だけを見て購入することはおすすめできません。
しかし、上手く利用することができれば、格安で購入することも可能です。
販売店が現状渡しで中古車を売る理由や、どこに不具合が出やすいのかなどの必要な情報は確実に聞き取りを行ったうえで、そのリスク面を理解して購入を検討しましょう。
もし自分で購入する際に不安な要素があれば、整備渡しの中古車や保証がついている車を選ぶのが賢明です。
状況に合わせた購入方法を考えて、中古車購入をしましょう!
この現状渡しとは、どのような状態の車のことなのでしょう?
今回は、中古車を現状渡しで購入する際のポイントについて詳しく解説していきます。
この記事の目次
現状渡しと整備渡しの違いとは?

検索サイトでも数多くの中古車が検索できますので、中古車を探す際は目にしたことがあるという方もいるかもしれません。
中古車が販売されるときの情報として、年式、走行距離、修復歴の有無、内装や外装の損傷や汚れの程度が挙げられます。これらの情報は、車の販売価格にも大きく影響を受ける部分ですので、しっかり明記されています。
しかし、現状渡しと整備渡しが記載されていても、実際のところどのような違いがあるのか、購入する時に気になる方もいるでしょう。
ここからは、現状渡しと整備渡しの相違点について詳しく解説してきます。
現状渡しとは?
現状渡しは、簡単にいうと整備や点検を行わずに、仕入れた状態のままで再販売している車のことです。中古車販売店の車の仕入れ方法は、ディーラーの新車販売の下取車、業者向けオークション、リースアップ・レンタアップ車、新古車など様々なやり方で行っています。
中古車の場合、品質が一律ではなく、使用状況や頻度によってもコンディションが異なってきます。仕入額によってはコストをかけずに販売することで、売れる状態にすることも考えられます。
現状渡しは、もし修理する必要がある部分があったとしても、そのままの状態ですし、点検もしていないので、故障している可能性があるのかが不明確になっているケースがあります。そのため、購入をして運転している時に不具合が出る可能性も否定できません。
その点で不安なところもありますが、現状渡しであれば他の車に比べて価格は安く提供されています。
少々性能などが劣っていたとしても安い車を購入したいと考えている方にとっては、お得と言えるでしょう。
整備渡しとは?
整備渡しは、中古車販売店が納車前に整備を行ってから販売する形式の車です。保証はない状態であっても、安全に乗ることができる車であることは販売店にとっても必要なことです。そこで、車をチェックした上で納車することで故障等のトラブルを未然に防ぐことができます。
例えば、中古車を購入する際に車検が切れている状態のまま引き渡しを行うのであれば、現状引き渡しになります。その際は、自分で車検を通すことになります。
それに対して、販売店側で整備点検を行い、車検を通している車であれば、整備渡しになります。
車のコンディションを維持するためには、定期的なメンテナンスが必要です。最低限オイルチェックや冷却水の確認などはしておくことで長持ちします。
そのため、整備についてもどこまで行っているかは販売店の基準によっても異なると言えます。整備している状態がどこまでなのか、事前に契約書を確認しておくことが大事です。
なぜ中古車販売店が現状渡しを行うのか?
それでは、中古車販売店が現状渡しを行う理由はどのような点なのでしょう?現実的には整備してから納車をするほうが、リスクが少なく安全だと考えられますが、それでも現状渡しで販売するのは、現状だと運転には支障はないが、その後故障する可能性が高い車を保証しないで早く販売したいという理由でしょう。
事前整備には費用がかかりますし、期間が経ってから保証して修理をする時にもコストがかかります。そのため、修理をして販売しても値段が高額になって売れない状態になるよりは、そのまま販売して利益を生み出すようにしたいというのが、業者の考えです。
また、販売店でも整備にかける費用や人員、整備工場がない状態であれば、そのまま販売する方法しか取れない場合もあります。
以上が、中古車販売店が現状渡しを行う大きな理由として考えられます。
中古車での現状渡しのメリットとは?

整備面や保証のことを考えると、需要がないのでは?と考える方もいるかもしれません。いくら安くても不安だという方もいるでしょう。
しかし、現状渡しでも一定量、需要はあります。
ここからは、現状渡しの車を購入するメリットはどのような点なのか詳しく解説していきます。
メリット①価格を抑えて購入できる
メリットの1つ目として挙げられるのは、価格を抑えて車を購入できるという点です。整備や保証がつかないことによってリスクもありますが、価格は中古車の市場価格よりも安く販売されています。
もちろん、故障すると費用がかかるのは覚悟しなければなりませんが、必ずしもそうなるとは限りません。想定していた以上に長い期間故障しない可能性もあります。
ある程度のリスクを踏まえて購入するのであれば、安く車を手に入れることができる点はメリットです。
メリット②カスタマイズしやすい
メリットの2つ目は、カスタマイズしやすいという点です。カスタマイズするベースの車として購入するなら、多少問題があったとしても、自分で整備などができれば問題ありません。むしろ車の本体価格が安いほうが良いと言えます。
用途によって個人的にカスタマイズする方もいれば、カスタマイズ専門の業者に依頼するケースも考えられます。それ以外にもレース用としての車両ベースにする際は、通常求められる車の性能などは必要ないので、現状渡しの車でも充分対応可能です。
このように、整備や用途が決まっている状態であれば、現状渡しの車はメリットがあるでしょう。
中古車での現状渡しのデメリットとは?

そして、通常の中古車購入と比べて気をつけなければいけない点もあります。また、保証や車検、中古車そのものを判断する目も必要です。
より良い状態の車を購入することで、今後のトラブルも回避できるでしょう。
ここからは、現状渡しの車のデメリットを3つ詳しく解説していきます。
デメリット①保証が付いていない
デメリットの1つ目は、保証がついていないことがある点です。また、保証がついていたとしても、契約内容はしっかり確認しておきましょう。
保証付きで販売される車でも、1ヶ月1,000kmや3ヶ月3,000kmなどのように、期間や走行距離が極端に短い保証になっているケースもあります。
それに加えて保証内容も限定され、ミッションやエンジンだけを対応するなど、範囲を限定していることもあります。
保証がないと、万一のトラブルに関しては自己負担になってしまう点がネックです。
そのため、最低限のメンテナンスを行っておくことで、故障しにくくすることができます。日常点検を定期的に行い、壊れにくい状態を維持させることを意識しておくと良いでしょう。
現状渡しは保証の恩恵を受けることが難しいため、不安であれば整備渡しや保証のある車を選ぶことをおすすめします。
デメリット②車検の有効期限
デメリットの2つ目は、車検の有効期限に気をつけなければいけない点です。現状渡しは車の状態を確認することも大切ですが、車検がどれだけ残っているかを確認することも大切です。
車検が残っている車はナンバープレートがついた状態になっていますが、車検切れであればナンバープレートがついていません。
現状渡しは車検が切れていたとしても行わないので、車検が切れた車を購入すると、購入後に自分で車検に出す必要があります。そうすると、車検の費用がかかってしまいます。
また、車検切れの車は公道を走ることができないので、積載車に載せて運ぶ必要があり、さらに費用が上乗せされます。そのため、想定していた金額より高くなるでしょう。
もし車検切れの車を購入するのであれば、販売店で車検を通すことが可能か確認して、出来るなら納車前に行ってもらいましょう。そのほうが余計な費用がかからずに済みます。
デメリット③中古車の状況を判断する必要性
デメリットの3つ目は、中古車の状況を判断する必要があるという点です。現状渡しだと、車の状態を判断できる能力が要求されます。適格に状況判断をすることが難しい場合でも、自分でチェックできる項目はあります。
例えば、車検証や点検記録簿はダッシュボードの中に収納されているので確認しやすいでしょう。それ以外にも、ライトやエアコンの効き具合をチェックすることも比較的簡単にできます。
このように、購入する際は個人的にきちんとチェックをすることが重要となります。
現状渡しで車を購入する時には、直接販売店に出向いて実物を確認することがトラブルを防ぐためにも必要です。
瑕疵担保責任とは?
「瑕疵担保責任」という言葉を聞いたことがあるという方も多いかもしれません。瑕疵(かし)とは、欠点や傷を表す言葉ですが、車の場合は傷だけではなく、不具合を指します。
瑕疵と判断される基準としては、基本的に常識的な機能があるか、通常の注意力で見分けることができるかです。
現状渡しの時は、そのままの状態で引き渡すことが前提になります。それを理解した上で購入することになりますが、公道を走行する前提であれば、最低限走行機能として成立しているかは事前に確認されることは必要です。
もし、不具合やリスクがあることを知らずに購入してしまった時、車が使用できなくなったり多額の修理費がかかったりするのであれば、損害になってしまいます。
購入する人が不利益を被ってしまった際に保護する法律が、瑕疵担保責任です。
現状渡しや保証なしの約束で販売した場合であっても、車の状態について充分な説明がされないまま販売された時は、販売店に対して瑕疵担保責任を問うことができます。
また、2020年4月から瑕疵担保責任に代わって、「契約不適合責任」が施行されました。変更点としては、故意でない無過失責任は問われなくなり、売主が知っていたのにも関わらず隠していた場合は損害賠償請求ができることになっています。
そのため、販売店側が車の不具合を知らなかった場合、無過失責任は問われないということには気をつけなければなりません。
もちろん販売店でも「この車はここに問題箇所があるので安く販売している」など、不具合に関してしっかり説明しているのであれば、その時は責任を問えません。
実際、販売店でも販売後のトラブル防止のために伝えるケースも多いです。現状渡しの車に関しては特に注意して説明を聞くことがトラブルを防ぐために必要です。
現状渡し中古車を選ぶ判断基準は?

それでは、現状渡しの中古車を選ぶことになった場合、判断する基準はあるのでしょうか?
現状渡しの中古車でも、比較的リスクが低い状態で購入できれば、その分お得な買物になります。ここからは、特に狙い目の車種とおすすめしにくい車種を解説していきます。
現状渡しの中古車で狙い目の車種
現状渡しの中古車で狙い目の車種は、2つあります。①車両本体価格が10万円台のような格安車
これだけ格安に販売している理由として考えられるのは、保証等を上乗せすると本体価格が割高になってしまうため、お得な車にならないからです。そのため、現状渡しで販売されることが多いと言えます。しかし、価格が安いのでリスク面を割り切って購入するのであれば、それほど痛手になることが少ないです。
また、長持ちすればその分お得な車になります。
②ファミリータイプの車や軽自動車などで走行距離が少ない車
保証がついていないのであれば、故障しにくく壊れにくい車を選ぶことでリスクを抑えることができます。ファミリータイプの車や軽自動車は実用性を重視しているため、整備なしでも故障する可能性が低いです。前任のオーナーも丁寧な乗り方をしていた可能性が高いので、リスクは大幅に減らした状態で購入できるでしょう。
近年の車は、安全面や走行性能は飛躍的に向上しています。使用状態が良好であれば、劣化する部品は交換する必要はありますが、大きな故障にはなりにくいです。
また、車体の細かい傷やへこみ、内装部分の汚れなどで販売価格を下げている車も狙い目だと言えます。外見の状態が良くなくても、安全面で問題なく走行に支障がない車なら構わない方は、お得な車になるでしょう。
現状渡しの中古車でおすすめしない車種
現状渡しの中古車でおすすめしない車種は、外車や高級車、改造車などが挙げられます。外車や高級車は、故障した時にかなりの費用がかかるからです。外車は海外に製造拠点をもっているため、部品を調達する時に海外から輸送費をかけて取り寄せることもあります。そのため、ある程度保証が付いているのが安心できます。
大衆車は市場の流通量も多いので、部品の調達も中古部品が揃っている場合が多いです。しかし、希少価値のある車は流通量も限られているので修理費は高額になります。
これは改造車にも言えることで、特殊な部品を使用しているとその分費用は高くなります。
つまり、一般的な大衆車に比べて流通量が少ない車や改造車は現状渡しで購入するのは不向きであると考えられるでしょう。
購入の際はリスク面も考慮すること
様々な視点で、現状渡しの中古車について解説してきました。現状渡しで購入することは、整備渡しよりもリスクが大きいのは事実です。そのため、車に対して知識があまりない状態で価格面だけを見て購入することはおすすめできません。
しかし、上手く利用することができれば、格安で購入することも可能です。
販売店が現状渡しで中古車を売る理由や、どこに不具合が出やすいのかなどの必要な情報は確実に聞き取りを行ったうえで、そのリスク面を理解して購入を検討しましょう。
もし自分で購入する際に不安な要素があれば、整備渡しの中古車や保証がついている車を選ぶのが賢明です。
状況に合わせた購入方法を考えて、中古車購入をしましょう!
まとめ
①現状渡しの中古車は、整備や保証がない状態でそのまま販売される車のこと
②整備渡しの中古車は、販売業者が整備を実施してから納品している車のこと
③現状渡しのメリットは、価格を大幅に抑えることが可能である点とカスタマイズするベースになる車として利用できる点
④現状渡しのデメリットは、故障した時に保証がなく自己負担になること。車の状況判断をしっかり行うことが必要となる
⑤現状渡しの車を選ぶ時は、走行距離が少なく実用性のあるファミリーカーや軽自動車がおすすめ
⑥瑕疵担保責任(契約不適合責任)は売主にも関わることなので、事前に車のどこに問題があるかを確実に聞いておこう
この記事の画像を見る