中古車購入チェックポイント
更新日:2023.08.23 / 掲載日:2022.05.03
10万キロ超えの中古車は購入しても大丈夫?購入ポイントを押さえよう!
中古車を購入する際は、年式や走行距離などが選ぶ基準となります。走行距離が多いとその分エンジンへの負荷が大きく、故障リスクが高いとされています。
走行距離は10万キロが一つの目安となりますが、10万キロ超えの中古車を購入しても問題ないか、知っておくと役立つでしょう。
また、10万キロ超えの中古車を購入する時の注意点、長く乗るためのポイントなども解説しますので参考にしてください。
この記事の目次
中古車で走行距離の多い車は敬遠されがち

走行距離が多いとその分エンジンの稼働時間が長く、エンジン部品などが酷使されています。アクセルやブレーキを踏む回数も多いので、部品に劣化が見られるでしょう。
走行距離が多くても、車としてきちんと使用できれば問題ありませんが、どうしても「性能が低下している」というイメージが強くなります。そのため、中古車市場でも敬遠される傾向にあります。
走行距離の目安は10万キロ
中古車選びの基準の一つとなる走行距離ですが、一般的に10万キロが一つの価格下落の目安となっています。1年間の平均走行距離は1万キロです。そのため、日本自動車査定協会でも車の査定基準は「走行距離は大体1年に1万キロ」としています。
つまり、10万キロというと年式が新車登録から約10年ということになります。
また、10万キロ超えの車は「過走行車」と呼ばれ、走行距離が多いので故障リスクが高いとも言われています。
走行距離によって中古車価格は変わりますが、10万キロを超えると価格が大きく下がることは覚えておきましょう。
10万キロ超えでも十分乗れる車もある

しかし、それはひと昔前の話です。
現代では車の性能や部品の質が向上しており、「車の寿命は約13年で14万キロ」とも言われています。もちろん、20万キロ乗ったとしても、車は十分使えるとも考えられています。
定期的なメンテナンスをしっかり行えば、10万キロを超える車であっても故障せずに乗れる可能性が高いです。
10万キロを超えると中古車価格が大きく下がる
中古車の価格は中古車市場での需要や車種などによって決められますが、走行距離も一つの査定基準となります。中古車の価格は刻々と変動しているので、同じ条件の車であってもいつも同じ価格とは限りません。ただし、やはり走行距離の多い車はそれだけエンジンを酷使し、負荷がかかっています。
車の性能が低下しているイメージがあるため、どうしても買い手側は避ける傾向にありますが、売り手側は「何とか売却したい」と考えているので値段を下げます。
10万キロを超えていても、きちんとメンテナンスしていれば十分乗り続けることは可能です。お得な車として10万キロ超えの中古車は価格が大幅に下がるので一般的に求めやすくなります。
走行距離は同じでも年式によって価格に差が出る
走行距離が同じ10万キロ超えの車であっても、年式が違えば中古車市場では価格差が生じます。10年落ちで走行距離10万キロ超えの車は、新車価格の10~20%ほどの価格になる場合があります。
しかし、同じ車種で5年落ちの走行距離10万キロ超えの車だと新車価格の20~30%ほどの価格になると言われています。
このように、走行距離が10万キロ超えであっても、年式が新しい車のほうが古い車よりも価格がやや高くなる傾向です。
年式が少しでも新しいと部品などの消耗度合いもさほど酷くないため、メンテナンスがしやすいです。また、年式が古いものよりも価値が高いと判断されるからでしょう。
10万キロ超えの中古車購入のメリット

また、メンテナンスがきちんとなされていることが多いという点もメリットでしょう。ただし、故障リスクはあるので購入時は中古車選びに十分気をつけなければなりません。
メリット①価格が安い
人気の車種や高級車に乗りたいから中古車を買おうと思ったが、中古車でも高くて手が出せないという方もいるでしょう。そういった方でも、10万キロ超えの車なら購入できるかもしれません。車種や年式にもよりますが、10万キロ超えの中古車は新車価格の10%~30%の価格で手に入れることも可能です。
車は10年乗って10万キロで寿命だとされたのは、もはや昔の話です。状態によっては、まだ十分乗り続けることができると考えられています。
実際に10万キロ超えの車は中古車市場でも出回っており、需要もそれなりにあります。
メリット②メンテナンスがきちんと行われていることが多い
中古車は、販売前に販売店の整備工場などでメンテナンスを行います。走行距離が10万キロ超えの中古車は経年劣化している部品も多いので、通常よりも入念に整備、メンテナンスがなされます。いくら10万キロ超えだと納得して購入したとしても、直後に故障すれば、きちんと整備してあるか買い手側は疑問に感じるでしょう。
安く購入したとしてもお金を支払っている以上、直ぐに故障して乗れなくなるのは、販売店の信用にも関わってきます。
そうならないように販売前にしっかり整備してあることがほとんどなので、10万キロ超えの中古車でも安心して購入できます。
10万キロ超えの中古車を購入する時の注意点

また、整備記録簿を確認して「これまでいつどのような整備がなされてきたのか」を必ず確認することが大事です。
どんなに安くても、修復歴ありや水没車などは故障確率が格段に高いので、選ばないようにしましょう。
ここからは10万キロ超えの中古車を購入する時の注意点を6つ紹介していきます。
①年式が新しいか
中古車は年式によっても価格が変わってきます。同じ10万キロ超えの車でも、年式の古い車のほうが低価格です。走行距離は1年間で約10,000㎞が一般的だとされています。トータルの走行距離が同じでも、年式が新しいほうが1年間の走行距離が多いことになります。
エンジンの稼働時間が走行距離とイコールであるため、年式はあまり関係ないとも言われています。しかし、年式と走行距離が3倍以上になる場合は注意が必要です。
例えば、初年度登録から3年経過した車の走行距離は約30,000㎞前後なら問題ないでしょう。一方で、年式の3倍の90,000㎞以上の車は、年式が新しくてもエンジン部品にガタが来てる可能性が高いです。
逆に年式が古い車は古いエンジンオイルが使われている可能性が高く、車の動きが悪いと考えられます。そのため、年式と走行距離は2倍程度までの開きに留めてある車を選ぶことをおすすめします。
②内装と外装は綺麗か
車の内装や外装にも注目しましょう。内装はシート、天井、シートベルトにシミなどの汚れ、破れやほつれがなく清潔な車であればメンテナンスが行き届いていると言えます。
外装はボディに傷や凹みがないか、ガラスに傷やヒビなどがないか確認することが大事です。特に車の下のほうや角、ドア回りなどに細かな傷がついて塗装が剥げている場合もあるので、しっかりチェックしましょう。
注意したいのが、足回りやエンジンルーム内です。雪国や沿岸部を長年走行した車は、除雪剤や海水の影響を受けて錆やカビが発生している可能性があります。そのため、エンジンルーム内、足回り、タイヤ回りなどもチェックしておきましょう。
また、パワーウインドウやワイパーなどはきちんと作動するかも一緒に確認しておくと安心です。
③異音や異臭の有無
車のエンジン始動時や走行時に異音がする場合、エンジンや排気機関で何らかの異常が起きてる可能性があるので注意しましょう。「ガタガタ」「ゴトゴト」という音がしないか確認してください。異音が気になる車は、事故を起こすリスクが高いと考えられます。もし修理することになり、分解して部品を交換し組み立て直すとなると大規模なものになるので、高額な修理費用が発生します。
また、車内でタバコやペット、食べ物や芳香剤などの臭いがするかもチェックするようにしてください。事前にクリーニングしてあるはずですが、もし臭いがすればシートや天井に染みついていることが考えられます。
クリーニングしても消えていない臭いがついた車は、あまり良いとは言えないでしょう。また、エアコンを作動させた際にカビ臭を感じるかもしれないので確認しましょう。
異臭を感じた車は、メンテナンスがきちんとされていないか、メンテナンスしても改善されないほどの状態である可能性があります。
④走行時の車体の安定性
実際に購入する前にできる限り車を試乗させてもらい、道路を真っすぐ走行できるかどうかを見てみましょう。また、少しスピードを出してブレーキをかけた時に真っすぐ停まるかも重要です。ハンドルの効きが悪い、タイヤが左右どちらかに曲がってしまう場合などがあるかもしれません。そういった車は車軸やハンドルに問題が生じていることが多く、走行の安定性が低いと言えます。
運転性能が悪いと事故が起こりやすく、大事故につながるリスクも高いので避けたほうが無難です。
試乗できなくても、せめて車体に歪みがないか、ドアの隙間が左右均等かを確認してみましょう。
⑤修復歴ありの車はやめるべき
中古車を購入する前に必ず、修復歴の有無は確認しておかなければなりません。「修復歴あり」の場合、車のフレームに損傷がある、もしくは修理した形跡があるということです。
フレームを損傷すると、車の安定性に大きな影響を与えます。再度事故により外から大きな衝撃を受けた際、大きく破損してしまうリスクがあります。
修復歴ありの車は故障のリスクが高く、運転性能にも問題がある場合が多く、どんなに安くても避けたほうが無難です。
また、ドアボンネットを閉めた状態でも隙間やガタつきがあるかもしれないので、あらかじめ確認することをおすすめします。
修復歴の有無は中古車を販売する時は基本的に表示しなければならないので、販売店に尋ねれば教えてもらえるでしょう。
⑥整備記録簿でメンテンナンスの状況を確認する
購入する中古車が、これまでのどのようなメンテナンスを行ってきたか知っておくと安心です。車にはメンテナンスを記録する「整備記録簿」が備え付けられているはずなので、確認させてもらいましょう。
整備記録簿にはオイル交換を始め、車の部品の交換や整備状況などが、いつどのように行ったか詳しく記載されています。
エンジンオイルは半年ごともしくは概ね5,000㎞ごとに交換されているか、12ヶ月、24ヶ月の法定点検はきちんと受けているかもチェックできます。
整備記録簿がないと素人目では整備されているか分かりにくいので、できれば整備記録簿がきちんと付いてある車を選ぶようにしましょう。
10万キロ越えの中古車を乗り続けるには

ただし、年式が新しく走行距離は少ない車と同じようにはいかないので、できる限り長く乗り続けるには「こまめなメンテナンス」が大事となります。
定期点検を受けて、オイル交換も定期的に行いましょう。また、10万キロ超えを機に寿命となった主要部品も順次交換しておくと安心です。
後は車に対して無理のない優しい運転を心がけて、万一の故障に備えて保証をつけておくと良いでしょう。
こまめなメンテナンス
走行距離が10万キロを超えた中古車は、これまで丁寧にメンテナンスを行ってても、その後の整備状況によっては故障のリスクも早まります。少しでも長く乗り続けるためには、こまめなメンテナンスが必要となります。特に異常を感じなくても、法定点検はもちろんのこと定期的な整備が大事です。
中でもエンジンオイルは劣化しやすく、車のパワーが軽減したり燃費が悪くなったりする可能性があります。さらに、エンジンの故障につながるなど性能にも直結するので、定期的な交換が必要です。
主要部品の交換
10万キロ超えの車は、部品がかなり消耗している可能性が高いです。購入前に交換してあれば問題ありませんが、交換の有無を確認しておくことをおすすめします。もし交換してなければ、主要な部品を新しいものに変えておく必要があります。
例えば、エンジン回りならタイミングベルトやウォーターポンプの交換が重要です。また、点火プラグやサーモスタット、ラジエーターのホースやキャップは交換しましょう。足回りのショックアブソーバーやブレーキ関係、ゴムプッシュ類なども交換が必要です。
エンジンやブレーキ関係の主要部品をきちんと交換しているかどうかで、10万キロ以上車を使えるかどうかが決まってくるので、とても重要です。
故障に備えて資金を準備
10万キロ超えの車は、どんなにこまめにメンテナンスをして、大事に乗っていても、突然故障してしまうリスクはあります。そのほとんどは経年劣化が原因です。車は、走行しなくても部品に使われている素材が年月の経過により劣化してしまいます。それは避けられないことで劣化が故障につながる場合もあります。
故障したら当然修理の必要があり、修理費が発生します。特に大きな部品の交換を迫られると数万円〜数十万円かかってしまう場合もあるでしょう。
万一の故障に備えて、少しずつでも修理資金を貯めて、準備しておくことをおすすめします。
保障に入り、優しい運転に心がける
無理な運転をすると、エンジンなどに負荷がかかり故障リスクが高まります。特に10万キロ超えの中古車は、車に優しい運転を心がけることが大事です。急発進や急ブレーキを控える、減速時は早めにアクセルを放す、車間距離は十分にとる、エアコンを使いすぎないといったエコ運転が理想的です。
また、中古車販売店の保証に入っておくと安心でしょう。もし突発的に故障すると、修理に多額の費用がかかる可能性が高いです。保証の種類は様々なので、保証範囲や料金などを比較して自分に合ったものを選んでください。
10万キロの中古車は安いが故障リスクも高いことを理解しておこう

しかし、10万キロを走行している車なので、部品の消耗や経年劣化が見られ、エンジンへの負荷も大きいので故障のリスクはどうしても高くなります。
故障しないで長く乗れるようにまずは購入する車の状態をしっかり見極めて整備記録を確認し、慎重に選ぶことが大事です。そして、購入後はこまめにメンテナンスをしながら大事に乗るようにしましょう。
まとめ
①10万キロ超えの中古車でも、状態が良ければ購入後もある程度乗り続けることが可能
②10万キロ超えの中古車は価格が安くて、きちんとメンテナンスされている場合が多いというメリットがある
③選ぶ際は内装や外装の状態、異音や異臭の有無、車体の安定性、整備記録簿の内容をチェックすること
④安くても修復歴ありで、整備が不十分な中古車は選ばないようにする
⑤10万キロ超えの中古車を購入したら、こまめなメンテナンスや優しい運転を心がけることで乗り続けられる
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